貴族悪魔が各々統治する領土は一国の大きさに匹敵する。中でも最強の悪魔と称されるサーゼクス・ルシファーの実家である大貴族グレモリー家の領土は日本列島と同程度の土地面積を誇り、言わば一国の王とも言えるだろう。
そんな貴族だ。当然、好きに結婚できる訳ではない。悪魔は純血の悪魔や混血、転生悪魔は沢山居るのだが…優れた貴族の血筋を遺すためにも貴族の婚姻は原則的に貴族同士と成っており、更に強い血筋を残すためにも男性貴族悪魔には重婚…言わばハーレムが認められているのだ。まあ、中には眷属に性行為を強要して子供を孕ませて産ませる貴族も中には居るのは居る。
「えっ?なんで俺がそんな事しなくちゃ成らないんだよ?総理、説明してもらえます?」
5月。社会人や学生のオアシス休暇とも言えた週間、ゴールデンウィークが終ってから少し経った頃の昼下がり。我等がサブカルマスター、千手エンマはとある人物からお呼びだしを受けていた。その人物は日本の政治家の頂点に君臨すると言っても過言ではない人物だった、そう内閣総理大臣こと神埼直人である。
「頼むよ…魔王サーゼクス・ルシファー様からのお願いでも有るんだ。リアスお嬢様の可哀想な婚約を破棄する為にも、力を貸してくれないかな?」
なよなよとし、日頃から悪魔に従う日本国の総理大臣。そんな神埼総理がエンマに依頼したのはとある貴族悪魔同士の婚約を一方的に破棄して欲しいとの事だ。
「えっ、やだ。そもそも、貴族悪魔に俺の子供達を差し出せって命令した奴のお願いなんぞ聞きたくない」
「そっ…その事に関しては謝ったじゃないか!!」
だが…エンマはそのお願いを聞くつもりは1ミリも無かった。何故なら今から数年前、エンマが経営する孤児院の子供達に美女が多いことと裏側の素質が高い子供が居た為か、貴族悪魔→総理と言う風にエンマに命令で孤児院の子供達を悪魔に献上しろと命令が下った。
当然、エンマはその命令を拒否。その結果、貴族悪魔が孤児院に襲撃を仕掛けて強引に子供達を連れ去ろうとしたがそれはエンマの逆鱗に触れる行為だった。エンマは仕掛けてきた貴族悪魔は勿論、その一族も皆殺し、序でに総理の豪邸も木っ端微塵に破壊した過去を持っている。
「謝るで赦すと?日本より悪魔との関係を優先する国家なんてしーらね。場合によっちゃ、俺達は無人島開拓してそこに移住するぞ。勿論、2度とお前達なんぞ助けない」
「悪魔と日本の今後の為なんだ!!君しか居ないんだよ!!」
総理は話し出した。何でも、魔王サーゼクス・ルシファーの妹であり駒王の管理者であるリアス・グレモリーが婚姻の危機に有るのだと言う。
リアス・グレモリーは貴族であり、幼少期の頃から決められた婚姻が決まっている。リアスの結婚相手は悪魔としては非常に若いが、それでもリアスより遥かに歳上な悪魔だ。その悪魔は名門貴族フェニックス家の三男であり、現在進行形でハーレムを形成している男ライザー・フェニックスである。
だが…親同士が早めたのだ。リアスとライザーの結婚期日を早め、もうすぐ2人は結婚する運びである。しかし…リアスは決められた婚姻なんぞ御断りな人であり、結婚はしたくない。そこで親同士は決めたのだ…リアスとライザーでレーティング・ゲームを行い、リアスが勝てば結婚は取り消すと。
「そうか、とりあえず結婚おめでとうと伝えておいてくれ」
「それじゃお嬢様は可哀想だよ!!」
リアスは望んで結婚する訳ではない。彼女は両親とフェニックス家、そしてライザーの手で望まぬ結婚をすることに成ってしまうのだ。まだリアスは年頃の少女なのに成人すらしていない。なのに、結婚を強要される。それは可哀想と言えるだろう。だが…
「じゃあ、バカな貴族悪魔に無理やり悪魔に変えられて、欲望のままにレイプ等の性被害を受けた女の子はどうでも良いのか!!」
エンマの両目が写輪眼に変化し、エンマが声を荒げる。彼の言う通り、日々…善悪を考えない貴族悪魔の手で多くの日本人が悪魔に変えられている。その中でも女性は無理やり性行為を強制させられるのが大半だ。
「その子達は日本人だぞ!!なんだ、悪魔に変えられたらもう日本人じゃないから知らないってか?ふざけるな!!
孤児院にはな…親や兄から行為を強制されて、親元を逃げ出した子供だっている。中には中学生で妊娠して出産した子供だって居るんだよ!!それは全部、日本人だ。悪魔より日本人の事を考えろよ!!」
エンマの言っている事は事実だ。この法治国家日本と言えど、悲惨な目に逢っている子供達は多く居る。エンマがどれ程頑張ってもその子達は全員救えない、残酷な現実だ。
「だっ…だけど!!」
「……婚約を破棄させれば良いんだな?分かった…フェニックス家を皆殺しにすれば良いだろ」
フェニックス家を皆殺しに。確かにそうすれば婚約は無かった事に成るだろう。だが…悪魔と今後とも仲良く関係を続けたい総理はそれが出来ない。
「ダメだ!!」
初めて総理が大声を出した。
「フェニックス家を皆殺しもダメ!!リアスお嬢様が勝てば良いんだ…助っ人でも鍛えても良いから、何とかしてくれよ!!」
フェニックス家を殺すのもダメ、他の方法を使わないといけない。
「ならば、リアス・グレモリーがグレモリー家を辞めれば良いだろ?」
婚約を辞めればリアスがグレモリー家を辞め、家を出れば良い。それなら自由であり、孤児院には魔術師の家を逃げて暮らしている子供達も中には居るのだ。
「それもダメ」
しかし…リアス・グレモリーは悪魔政府の未来を支える逸材だ。その上、次期当主…逃げることは赦されない。
「助けてあげてよ!!」
総理は涙目で言うが、エンマは無言で部屋を後にした。
次回…リアス様、修行を始める!?
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五条先生の青い春(スラドク+月姫)
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孤児院の日常
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一誠の理不尽修行
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エンマの青い春(魔法使いの夜)
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