魔獣創造がはっちゃけた 令和バージョン   作:静かなるモアイ

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シュールストレミング!!


降り注ぐシュールストレミング

天界。そこは聖書の神が統べる、神に統治された約束された楽園。俗に言う、天国とも呼ばれており神に選ばれた人々が暮らしている。主に暮らしているのは神が作り出した子供達と言える天使であり、その天使で最も偉いのは天使長ミカエルである。

 

金色に輝く光、天高く聳える建造物、真っ白で純白な足場としての役割を担う雲、そんな幻想的な光景が一面に広がる天界。

そんな幻想的な天界に1人の優男が優雅に立っていた。その男は背中から金色に輝く翼を出していた。その優男は人間ではない、神の右腕であるミカエルである。

 

「今日も主の御加護がありますように」

 

ミカエルは祈りを捧げる。彼は神の右腕として世界の秩序を守ってきた。神の命令を遂行し、世界の為に数多の人間を殺してもきたが…それは世界を維持する為だ。仕方有るまい。

 

「コカビエルが我等のエクスカリバーを盗んだようですが、イリナとゼノヴィアを向かわしましたし大丈夫でしょう。なにせ、2人はやがてはシエルとメレムの抜けた後を継ぎ、やがては埋葬機関の最高戦力に成ることを期待してるのですから」

 

ゼノヴィアとイリナがコカビエル討伐の任務を受けた事だが、ミカエルからすれば問題ない事だと思っている。コカビエル程度の堕天使なんぞ、ミカエルがその気なら一瞬で消し飛ばす事が出来る。ゼノヴィアとイリナは伝説のエクスカリバーに選ばれた人材であり、その才能は伝説の騎士王に匹敵するとミカエルは思っている。それだけではない、イリナは教会でも指折りなエクソシストの娘、ゼノヴィアに至っては孤児ではあるが()()()()()()()()()()()()伝説の聖剣を受け継いでいるのだ。

 

「戦士イリナはあのトウジの娘、そしてゼノヴィアはデュランダルを受け継いだ。あの2人はコカビエルには負けません」

 

自信たっぷりなミカエル。彼個人としては本命イリナではなくゼノヴィアであったが、それはゼノヴィアが継承した聖剣にある。

伝説の聖剣デュランダル。かつてギリシャ神話の英雄ヘクトールが用いたドュリンダナを教会が回収し、名を変えてシャルルマーニュ12勇姿であるローランが使った物だ。それは破壊不可能の頑強な刀身、槍にも剣にもなれる伸縮自在な柄、などなど様々な効果があるのだ。ゼノヴィアはそのデュランダルを継承した、ゼノヴィアの前任者は神話の存在に匹敵する力を持ち、やがてはゼノヴィアは前任者処か歴代最強のデュランダルの担い手に成るだろうとミカエルは思っているのだ。だが、デュランダルには不幸な歴史がある。それは嘗て、教会に産まれながら憎き赤龍帝を宿し、教会を幼い頃に追放されながら…デュランダルを強奪した教会最大の汚点の事だ。

 

「まあ、あの男…ベルザードも魔術教会、一部の死徒二十七祖と協力して魂まで滅ぼしたから安心でしょう。メレムの離反がその事から決定的に成りましたが…背に腹は変えられません」

 

嘗て、天界等に甚大な被害を与えた赤龍帝は居ない。だが、今は別の問題でミカエルは頭を抱えていた。それに関しては物凄くエンマが原因である。

 

「ですが…あの魔獣創造のお陰で神様の遺したシステムにエラーが多発してるのが現状です。

あの千手エンマが絶霧と獅子王を蘇生させるから、システムに障害が…このままではめんどくさい事に成りかねないですからね」

 

カリカリと親指の爪を噛むミカエル。実は天界や教会の機能の維持には神様が嘗て作ったシステムと呼ばれる物で管理しているのだが、そのシステムがエンマの日頃の行いのお陰かエラーを起こすように成ってきたのだ。

このシステム。今はミカエルが頑張って運用してるが、本来なら聖書の神が運用する物であり、ミカエルでは遥かに力不足。お陰様か、更に欠陥だらけだった物が神の理を乱しまくるエンマのお陰で更に可笑しく成ってきたのだ。

 

ミカエルがシステムの維持を行い出してから早、千年。徐々にシステムに不具合が出てきたが、それは千手エンマがアザゼルに殺されて覚醒したあの頃から加速したと言えるだろう。

 

『えー~シュールストレミング警報発令!!シュールストレミング警報発令!!おバカなエクソシスト2名が我が家のアーシアちゃんに危害を加えようとしたので、シュールストレミング警報発令!!天界在住の神様とミカエル君、ヴァチカンの皆様には私…千手エンマがノリと勢いで作ったシュールストレミングΩを授けまーす!!そいやっさ!!』

 

しかし、何処からかエンマの声でノリノリな音声が響き渡る。次の瞬間…神の住まう聖域である天界に何かが降り注いだ。

 

「何ですか?あれは…」

 

その何かは缶詰のようだ。しかし、その数は1つではない。何千…いや、何万と天界中に降り注ぐ。天界全域に広まったと言っても良い、謎の缶詰。その缶詰は全てがパンパンに膨らんでおり、何時爆発しても可笑しくない。ふと、気になったミカエルはその缶詰の1つを拾う。

 

缶詰には『期待の最新作!!シュールストレミングΩ』と書かれていたのだ。

 

「シュールストレミング?なんでしょうか」

 

その瞬間…ミカエルが持った缶詰が爆発し、ミカエルに飛び散った中見がかかった。飛び出た中見はどろどろに溶けたニシンの切り身、緑色の果物、そして余りにも臭すぎる内容液だった。

 

臭いは酷い、臭すぎるの一言だ。切り身や果物にも激臭が染み込んでおり、その臭いは鼻が可笑しく曲がってもげてしまいたくなる程に酷い。意識を失いそうになる程だが、余りにも臭すぎて意識が逆にはっきりしてしまう。

 

「うんぎゃぁぁぁぁぁあ!!鼻が!!鼻が!!もげる!!あぐぅぇぅぅぇぅが!!」

 

臭い、臭い、激臭がヤバい。どぶ川や腐った死体が可愛く見えるほどの激臭。

 

それもその筈。この缶詰は唯でさえ激臭であり、生物兵器と間違えられてしまう程の臭さを持つ最臭兵器シュールストレミング(余りの臭さに一部の国は持ち込み禁止)をエンマがノリと勢いで改造したシュールストレミングΩなのだから。

 

「ぐゅぅぅぁがぁぁぁ!!」

 

「びびびぃぃぃぃあ!!うぉぅげぇぇ!!」

 

「うっぐぇぇぇぇぇぇ!!」

 

天界に降り注いだシュールストレミングΩの缶詰は次々と連鎖するように破裂していき、激臭が天界中に広がる。ミカエルの配下である天使の皆様は次々と涙を流し、これまで感じた事がない程の激臭を感じて魂から嘆いていく。

 

瞬く間に天界はシュールストレミングΩの臭いに染まってしまった。

 

「はい!!此方、現場の木遁分身のエンマでーす!!いや~我ながら臭い!!期待どおりに臭い!!素晴らしく臭い!!Ωの名前は伊達じゃない!!」

 

すると、臭いで悶え苦しむミカエル達の所にマイクを持ったエンマが現れた。しかし、このエンマは本物ではない。エンマが木遁と呼ばれる忍術で作り出した、本体と情報のやり取りを常に行う分身だ。

 

そんなエンマの木遁分身はミカエルにマイクを向ける。

 

「ミカエルさん!!今のお気持ちをどうぞ!どうでした?シュールストレミング」

「貴方…自分が何をやったのか、理解してるんですか!!」

 

しかし、ミカエルは涙を流し、鼻をつまんではエンマに問う。当然だ、ミカエル達はエンマ相手には何もやっていない。それなのに突然としてシュールストレミングを強制お布施されるとは理解が出来ないのだから。

 

「いやいや?俺警告したよ。我が家のアーシアちゃんに手を出したら、シュールストレミングをプレゼントするってな」

 

エンマの言葉を受けて…ミカエルは頭の片隅に追いやった記憶を思い出させる。そう言えば、そうだった。天界の秘匿を死守する為に…ディオドラ・アスタロトに差し出したアーシア・アルジェントが千手エンマに保護された頃、千手エンマから「我が家のアーシアちゃんに手を出したらシュールストレミングだから」と警告を手紙で受け取っていた事を。

 

「あれ…戯言じゃ!!」

「マジだからヤったんだよ。それで…神様どこ?何処に居るの?」

 

神様…エンマの言葉を聞いてミカエルはダラダラと冷や汗を流し始める。このままでは、天界最大の秘密が最もバレては行けない人間にバレてしまう。

 

「神様こと外宇宙からの訪問者に突撃インタビュー!!レッツゴー!!」

「やっやめてぇぇぇぇ!!」

 

ルンルン気分でマイクを持ったエンマを追いかけるミカエルであった。

 

「そうそう、これ…YouTube乗っけて良い?エンマチャンネルってYouTubeチャンネルやってるけど、チャンネル登録者数が20万しか居ないんだよ。娘の琥珀ちゃんは登録者数800万人で、始の奴は40万位か?へんな寄食とか紹介してたら登録者数伸びなくてな」

 

マジカル☆アンバーチャンネル。妹の翡翠ちゃんや沖田さん、孤児院の子供達と色々するYouTubeチャンネル。日本トップクラスのYouTubeチャンネルである。

 

五条始法律相談チャンネル。学歴ショートカット弁護士 五条始先生による法律相談及び解説チャンネル。たまにふざけて法律縛りゲーム実況とかが行われる。なお、多々…秋葉さん達が参加する模様。嫁がゲスト参戦した最のいいねの数は物凄い模様。全額寄付。

 

エンマチャンネル。世界の文化や屋台、寄食を紹介するバラエティーチャンネル。なお、日本への輸入が禁止されている食材(カースマルツェ)等も出てくる。エンマ本人が忙しく、更新頻度は少なめ。

 

「YouTubeやってるんですか!?なにやってんの!?くさっ!!」

「鼻離すから。そうそう、警告どおりヴァチカンにもプレゼントしたんだよ…シュールストレミングΩ」

 

 

 

 

一方のヴァチカン。

 

ヴァチカンも天界と同じく、数多のシュールストレミングΩが解き放たれ、激臭に包まれていた。

 

「はい。此方、現場の木遁分身エンマ記者です。見てください…エクソシストが罪無き民間人の少女に手を出し、自業自得で激臭が蔓延してます」

 

激臭に包まれ、阿鼻叫喚と成った教会本部。そこにキャスターのエンマ(木遁分身)とカメラマンのエンマ(木遁分身)が取材に来ていた。

 

「ギャァァァあ!!鼻が!!鼻がぁぁぁ!!」

 

「ビャァァァア!!」

 

「あっうぐぅぅぅぅ!!」

 

「見てください。警告を無視した退魔機関の末路であります」

 

数多のエクソシストが教会上層部が、鼻を抑えて激臭で意識を飛ばしそうになる。てか、中には意識を飛ばして失神しているエクソシストも中には居たのだ。

 

「くっ!!千手エンマ!!戯言じゃ無かったのか!!」

 

しかし、意識を保ちエンマに詰め寄る老人が居たのだ。

 

「ねぇ?どんな気持ち?シュールストレミングΩの被害を受けてどんな気持ち?」

「くそう!!神の不在を隠すために…未熟な2人を行かせるべきではなかった!!」

「これ、ニコ生で流してるんだけど」

 

 

 

 

 

 

 

一方の自衛隊基地。そこはコカビエルの襲撃を受けて…無惨な姿に成っていた。

 

「日本の軍事力もこれで壊滅だな。ふん、魔王は未だ出てこないか」

 

五大宗家と魔王の降臨を予想し、部隊を複数に分けて日本の自衛隊各基地同時攻撃を仕掛けたコカビエル。勿論、日本は悪魔の傘下でも有るので、中には悪魔の軍勢が現れた所も有ったが問題なく片付ける事が出来たコカビエル。

 

「さてと、総理を殺して全国ネットで裏側の事を知らしめるか」

 

コカビエルは国会議事堂に飛んで向かおうとした時、部下の1人がコカビエルにスマホの画面を見せる。

 

「コカビエル様…これを」

 

部下に画面を見せられ、コカビエルは笑みを浮かべる。

 

「ばらす必要はなかったか…クックク」

 

画面にはニコ生でエンマに対し、神が死んでいると言った老人が移り、更にはそれを受けたギリシャ神話や北欧神話の神々等が地上に降り立った事がニュースとして書かれていたのだ。

 

人外の新たなる時代が来たのだ。

 

「駒王に向かう。魔王の妹を殺るぞ」

 

コカビエルは部下を引き連れ、駒生に向かった。




次回!!

神秘の秘匿が破られ、世界各地に神々が降り立ち、日本は日本神話の神々の代わりに魔王セラフォルーが降り立った!?
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