魔王セラフォルーはシスコンであり、アニメ(特にプリキュアとか魔法少女アニメ)の大ファンである。そんなアニメが好きなレベルは魔法少女関係だけならサブカルマイスター 千手エンマを上回っており、それは日頃のファッションにも現れている。重要な会議でも外交でも、魔法少女のコスプレを纏い公務を行う。私服も魔法少女アニメのコスプレであり、自分の眷属や召し使いに作らせた物を含めれば大半の魔法少女のコスプレ衣裳を保有しているのだ。
「ソーナちゃん!!リアスちゃん!!大丈夫!!私が来たからコカビエル相手でも問題は無いわよ!!えっへん!!」
駒王学園。多くの報道陣が学園を囲っては報道を行っている最中、魔王セラフォルーはそんな駒王学園にやって来ていた。駒王学園は裏側の真実が明らかに成っても悪魔の重要拠点だとは報道されていない。しかし、総理自身の口から日本の守護者として紹介された魔王セラフォルーが足を運んだのだ。古来より日本を守ってきた守護者である悪魔の王の1人セラフォルー、注目しない訳がない。
神秘が公の物に成ってしまい、巷では悪魔フィーバーがネットで起きている。中には日本の神社仏閣は元々、悪魔を奉っていたなんて言葉を発する頭の可笑しい人物まで現れる程である。その為か、今日は臨時休校で学園には僅かな人しか居ない。
そんなセラフォルーが居るのは駒王学園の旧校舎。悪魔の拠点オフィスとも言える此処にやって来たのは、可愛い自分の妹とその親友の様子を見に来た事である。
「セラフォルー様…」
「お姉様…来て良かったのですか?」
リアスと共にセラフォルーを出迎えたのは黒髪にショートヘアーで、リアスとは対照的に胸が絶壁な少女だ。彼女はソーナ・シトリー。魔王セラフォルーの妹であり、リアスの親友だ。そして、悪魔の重要拠点である駒王学園の管理者をしている。
ソーナの眷属は全員が日本人だ。五大宗家を追放された者、財閥の娘、退魔一族の娘、1人で裏側に突っ込んだ者、魔術師の末裔、元民間人2人だ。因みに元民間人の1人だけ男であり、他の眷属はスタイル抜群の美女集団の集まりである。けしからん。
「日本を守るのは私たち、悪魔よ!!」
とソーナの質問に対して、そう言ったセラフォルー。彼女の視線の先にはソーナとリアスは勿論、2人の眷属も集っていた。世界でもトップクラスの魔王が着いてるとは言え、自分達がこれからコカビエルと戦うと成れば思う事も有るが仕方無いだろう。
「ヒィィィィ!!どうして僕を出すんですか!!」
すると…なにやら1人の眷属が悲鳴を出しながらそう言った。その人物は小柄な体躯で、妙に顔が千手ギャスパーと全く同じであった。しかし、彼方と違って全く体は鍛えている様子は感じられない。
「戦力が必要だからよ、ギャスパーちゃん!」
と言ったセラフォルー。確かに日本を守るために戦力は1つでも必要だが、それで良いのだろうか。
そしてこの者はギャスパー・ヴラディ。才能は素晴らしいそうだが、自身で自分の能力をコントロールする事が出来ず旧校舎の一室に封印されていた少女……失礼、性別は男性の為に男の娘である。
彼は人間と吸血鬼のハーフであり、悪魔よりも差別意識が高い吸血鬼の里を逃げ出した。しかし、エクソシストの手で無惨に殺されてしまった過去を持つ。死体を発見したリアスの手で、可愛そうと慈悲をかけられて悪魔に成って甦った経験があるのだ。
「コカビエルは間違いなく、悪魔の重要拠点である此処を狙ってくるわ!大丈夫、コカビエルと戦うのは私だからソーナちゃんとリアスちゃんはお手伝いをしてね?」
コカビエルの実力はハッキリと言えば弱い。セラフォルーがその気ならば10秒程度で消し飛ばす事が出来る。それ程に弱いのだ。いや、コカビエルが弱いわけではない。それ程に魔王の力は強いのだ。
コカビエルは素の力はアザゼルと比べれば遥かに弱すぎる。恐れる事はなく、恐れるとすらばコカビエルは星を視る力があり、その力を用いて隕石を落としてくる事ぐらいだろう。
そこでセラフォルーは思ったのだ。自分がコカビエルと戦うが、ソーナとリアスにその手伝いを行わせ、ソーナとリアスの評価を一気に上げようと言う事だ。ソーナとリアスはコカビエルから日本を救った若き英雄として語り継がれ、悪魔でも日本でも立派な立場を手にする。悪魔の今後を考えれば、コカビエルはソーナとリアスの踏み台になってもらう考えなのだ。
「ダイナミック…エントリー!!」
その瞬間、窓ガラスが豪快に割られてしまいリアスが知る人物が豪快に旧校舎に侵入した。しかも、飛び蹴りで。
「千手エンマ!?」
セラフォルーがその名前を叫ぶ。そう、我らがサブカルマイスターである千手エンマである。エンマは旧校舎に入るなり、魔術を用いて割れた窓ガラスを直すと…ニコやかな笑みを浮かべて悪魔の一同を見回した。
「グッドイブニング、デーモンの諸君」
「そうね…だけど帰ってくれるかしら?貴方が出る幕ではないわ。むしろ足手まといよ」
だが、悲しい事にエンマはやってくるなり早々、セラフォルーから帰れ宣告を受けてしまったのだ。
「えっ?俺、まだ挨拶しかしてないけど」
「貴方が来たのはコカビエル討伐の件でしょ?だけど、人間じゃ足手まといよ。私達悪魔は日本神話より強いわ、ファルビウムが時計塔と共にそれを証明したもん。悪魔は神を従え、人間の赤子に封じる事が出来た」
「あっ?」
その瞬間…エンマの逆鱗に触れたのか、エンマの瞳が万華鏡に変わり旧校舎は消し飛んだ。
「改めてお話をしようか?」
旧校舎は吹き飛んだが、悪魔御一行は無事だ。だが、彼等の視線の先には50メートルを越える青い魔力で構成された烏天狗を纏い、烏天狗の額の部分で両手を組んだエンマが見下ろしていたのだ。
次回…完成体スサノオ越しのお話