魔獣創造がはっちゃけた 令和バージョン   作:静かなるモアイ

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なんだろう…滅茶苦茶筆が動く(笑)


こうして魔獣創造は覚醒した

1980年代後半。アザゼルは思い返す。もし、此処で彼を殺さなかったら…殺さずに放置していれば自分達の地位が瞬く間に暴落する事はなく、変わらず世界の支配者で居られたと。だが…それは過ぎた話だ。

 

数ある神滅具の中でも発見次第、宿り主を殺した方が良い神器は多々ある。どうして殺した方が良いのか?単純だ。使い方次第では世界が滅ぼされてしまう為だ。アザゼルは人間ではなく堕天使、それも旧約聖書の時代から生きている。それ故に、人類の歴史を永く数えるのも億劫に成る程に見てきた。そんな永い時の中で多くの神滅具を宿した人間は身の丈に余る力を使いまくり、世界が何度も危機に陥った。そんな経験が有るからこそ、アザゼルは危険な神器持ちの人間は怪しかったら殺すことにしたのだ。世界と個人の命、比べる必要はない。世界を救うためには必要な犠牲なのだ。

 

「ふう…手こずらせやがって。まあ、魔獣創造を宿したヤツの対策は考えてるさ。お前も詰めが甘いんだな…こう言う神器は宿り主を叩けば良い。へっ、神器に頼りすぎたな」

 

日本某所。強いて言うなら関東地方にある三咲町という地方都市。その都市にある遊園地跡地、そこでは黒い翼を生やした人間のような上位者…堕天使の軍勢が空を舞っていた。その堕天使の軍勢を引き連れるのは堕天使の長であるアザゼル。この時のアザゼルは未だ禿げておらず、毛根はピンピンとしている。

毛根が未だ元気なアザゼルは地上に降り立つ。地上に降り立ったアザゼルはゆっくりと、堂々とした足取りで何かに近付く。それは人間、三咲町の高等学校…三咲高校の制服を着た少年の遺体だった。その少年は顔の判別が出来ない程度に遺体が無惨な姿と成っており、誰が見ても死んでいる。

 

「まあ。怨むなら彼の世で聖書の神を怨んでくれや。神滅具なんて物を宿したお前が天国に行けるかは知らんがな」

 

この少年を殺したのはアザゼルと彼が引き連れた堕天使の軍勢だ。堕天使の兵隊は1人で簡単に人間の軍隊を倒せる強さをもつ。しかし…アザゼルが此処まで大きな軍隊を用意したのには訳がある。それは少年が宿した神器が原因だ。

 

最悪の神滅具と呼ばれる神器の1つ魔獣創造。宿り主がイメージした魔獣を自在に産み出しては自在に操る、無限の軍勢を産み出すことが出来る神器。これを宿した宿り主は原則的に発見次第即抹殺が決まっており、少年のように義務教育を終える程まで成長出来るのは比較的珍しい。

 

運が良かったのか、悪かったのか。それはアザゼルには分からない。だが、アザゼルは世界を守るために1人の人間を殺したのだ。

 

「帰るか。この町は珍しく、悪魔じゃなくて魔術師が管理してるんだったな。まあ、俺に怯えて出てこないだろう」

 

魔術師。それは魔術と呼ばれる神秘を扱う事が出来る人間の事だ。とは言え、魔術が使えるだけなら魔術師ではなく魔術使いと称される。では魔術師は何か?魔術師は根源と呼ばれる物に辿り着く事を目指す魔道の探究者でありざっくり言うと研究者に近い。

魔術は分かりやすく言えば炎を出したり、水を出したり、世間的一般の魔法に近い。悪魔も魔術師と同じく魔術を使え、その規模は魔術師のそれを遥かに凌駕し…辺り一面を焼き尽くす事が出来る程だ。魔術全般に言えることは金や時間が有れば最終的に結果が再現できるという事である。例えば、山を消し飛ばす魔術も爆弾を使いまくれば再現できるし、全てを塵に変える魔術も時間が過ぎればどんな建造物も塵に成るので再現できる。では魔法は主になんの事を言うのか?魔術とは違い、どんなに資金や時間を使っても再現できない現象の事を魔法と呼ぶ。

 

「そういや、この町には本物の魔法使いが居たっけ?まあ、どうでも良いがな」

 

そしてこの町には本物の魔法使いが暮らしている。魔法使いと言えど、アザゼルが調べた情報では未だ未だ子供の高校生。経験浅く、不可能を可能にする力を持った子供でしかない。故にアザゼルの敵ではない。

堕天使に匹敵するのは原則的に天使や悪魔、はたまた他の神話の神々や神滅具を含めた一部の神器を理解して使えるように成った人間だけだ。

 

ふと、アザゼルは気付く。少年の遺体の側に血に染まった少年の学生証が落ちていたのだ。アザゼルはそれを手に取る。そこには少年の本来の顔が写った顔写真が貼られており、顔立ちはそこそこ整った日本人の顔だった。

 

「ふーん。千手エンマね?まあ、運が悪かったな。名前は取り敢えず、覚えてやるよ。直ぐに忘れるかも知れないけどな」

 

少年の名前は千手エンマ。変わった名字の少年だが、アザゼルにとってはどうでも良い。魔術創造を宿したこと以外はもう、どうでも良い事なのだ。当然だ、このエンマという少年は死んだのだから。アザゼルは視線を反らし、学生証を捨てる。

 

と……この時までアザゼルは知らなかった。そして年号が変わってからアザゼルは毎日のように思う。この時の自分の顔面を思いっきり殴ってやりたいと。何故なら…

 

「よっ…良くもやってくれたな」

 

この時から本格的に始まってしまったのだ。自分達の地位が一気にジェットコースターの如く、急落下するのだから。

 

直ぐ側から声が聞こえ、アザゼルは正面を見る。そこではアンビリバボーな出来事が起きていた。

 

「は?へ?おいおい…なんの間違いだ?俺は…お前を…殺した筈だろ?」

 

有り得ざる物を見た時、人は思考を放棄して唖然とする。それは堕天使でも同じであり、アザゼルは唖然としてしまった。無理もない、だって殺した筈の少年…千手エンマが何事もなく立っていたのだから。

 

「なんでお前生きてるんだよ!!原型留めてない程度に俺達が殺したよな!?ふざけんなよ!!」

 

アザゼルが叫ぶ。当然だ、死んだ筈の人間が甦る訳がない。原型を留めない程度に潰して、殺したのだから。いや、アザゼルは知っている。死んだ人間が甦る方法を知っているが、その方法で甦れば人間ではなく悪魔に転生するからだ。

 

「悪魔の駒か?いや、違う。だとすれば…なんだ?」

 

悪魔の駒。アザゼルが言ったそれは人を悪魔に変えることが出来るチェスの駒である。遠い昔、悪魔の王の1人であるアジュカ・ベルゼブブという男が開発したそれは人間を含めた他の種族の存在を悪魔に変えることが出来るのだ。その際、変える存在は死体でも構わない。その場合、悪魔に転生した死体は何事もなく甦る事が出来るのだ。

だが、甦ったエンマからは悪魔の気配は感じない。つまり、エンマは悪魔の駒とは別の原理で甦った事に成るのである。

 

「む?遊び半分で前に作ったグレート・スピリッツで甦った。お陰で、壮大なネタバレくらったけどな」

 

グレート・スピリッツ。初めて聞く単語にアザゼルは首を傾げる。だが、アザゼルは至って冷静だ。エンマが攻撃を仕掛けてきても大丈夫なように、距離を取り…部下には何時でも攻撃の指示を出せるようにする。

 

「グレート・スピリッツ?なんだそりゃ」

「シャーマンキングって漫画に出てくる全知全能、何でもありの精霊王だよ。ジャンプじゃ名前とそれっぽい姿しか出てきてないけどな」

 

アザゼルの疑問に答えるようにそう言ったエンマ。彼の言葉が正しければ、そのグレート・スピリッツはシャーマンキングという漫画に出てくる全知全能の存在なのだろう。

 

「作ったのは良いけど、どういう訳かうんともすんとも反応しない。俺のインスピレーションが足りないのかと思ったよ。でも違った、グレート・スピリッツを使うためには1度死んでグレート・スピリッツと同化する必要が有ったんだよな。知らなかったぜ」

 

ハハ…と乾いた笑みを浮かべる千手エンマ。

 

「まあ…未来の知識もグレート・スピリッツで見れたし?気になってた漫画の続きも読んだけど。マンキン、打ちきりは無いだろ…なんだよプリンセスハオってよ」

 

その瞬間…エンマの瞳が変化する。瞳は赤くなり、瞳には黒い巴が3つも現れた。間違いない、魔眼の類いだ。

 

「魔眼だと!?」

「写輪眼って言うんだよ。マンキンの続きをグレスピで見る序でに、未来のベストセラーも何冊か視た。その1つにNARUTOって忍者の漫画が有ってな…バチクソ面白かったぜ。これは良いと思ってな、グレスピで肉体再生する序でに再現したんだよ」

 

その魔眼はエンマ曰く、写輪眼と言うようだ。勿論、アザゼルはそれがどんな効果を持っているのかは知らない。

 

「まあ…未来見たって言っても…見たのはジャンプの内容だけさ。だが」

 

その瞬間…周囲の気温が急激に下がり始め、血の霰が降り注ぐ。何が起きたのか分からなかったアザゼルだったが、アザゼルは空を見て何が起きたのかを理解する。

 

「ばっバカな!?」

 

上空で待機していた自分の部下が凍らされ、その半分は身体が砕け塵、血の雨ではなく血の霰に変わってしまったのだ。

 

「ちっちぇえな」

 

慌ててアザゼルはエンマの方を見る。目の前にエンマは居らず、代わりに全長50メートル程の青色の巨人が立っていた。その巨人は魔獣…ではなく、受肉した水の精霊だったのだ。

 

「オーバーソウル、スピリット・オブ・レイン。ハオ様のスピリット・オブ・ファイアのお友達さ」

 

水の精霊はエンマ曰く、スピリット・オブ・レインと言うのだろう。スピリット・オブ・レインの肩にはエンマが座っており、エンマはアザゼルを見下ろす。

 

「サブカルチャーはやっぱ最高だぜ!!」

 

これがアザゼルとはっちゃけた魔獣創造との最悪の出会いであった。そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は進み元号が令和に変わった頃だ。

 

「エンマ君。今から駒王って町に向かって」

 

千手エンマは外務省で働いていた。

 

「裏側関係?」

「そっ、裏側関係。魔王の妹が居るらしいからくれぐれもちょっかいかけないでね?いいね、絶対だよ」

 

千手エンマ。40代、既婚、妻子持ち。駒王に向かう。そして彼にツッコミを入れてくれる人物との出会いが迫っていた。




次回はいよいよ、相方?であるツッコミマイスターとの出会い。

おっぱいは星の彼方に置いてきた(笑)

小話希望アンケート()は時系列

  • シュールストレミング改良記録
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  • 孤児院の日常
  • 一誠の理不尽修行
  • エンマの青い春(魔法使いの夜)
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