「さーて、覚悟は良いかな?兵藤少年。地獄へようこそ」
兵藤一誠は千手エンマの誘いに乗った。つまり、民間人ではなく裏側の住民に足を踏み入れたって事である。今後は知りたくない世界の真実も知ることになり、イバラの道を進むことに成るのだ。
「覚悟は…出来てる。多分」
「なら良いや。でも、こちら側に来たら嫌でも知るだろうな。凄惨な現場、遺体が残ってるなら未だマシ。スプラッター映画やベルセルクが可愛く見える程だ」
裏側に踏み入れたならば嫌でも目を背けたくなる程の、酷い有り様を見ることに成るだろう。しかし、それから目を背けていたら運命に立ち向かえない。最悪は一誠の中に宿る神器を目当てに、彼の両親が人質に取られて殺される可能性だって有るのだ。
念のため、一誠の両親は有事の際にはエンマが直ぐ様保護出来るようにはしたが、肝心の一誠が戦えなかったら意味がない。そこでエンマは一誠も鍛えることにしたのだ。
「ベルセルク?」
「最近の子は知らないか。画力が凄い、内容も過激なダークファンタジーだ」
ベルセルクの話は良いだろう。今頃、魔力(チャクラ)から作り出したエンマの実体がある分身こと影分身が一誠の両親への説明、そして駒王の調査を行ってくれている。その間、本体のエンマは一誠に最低限戦える実力と自衛手段を身に付けるのが良いだろう。
「ベルセルクはおいとくぞ。興味が有ったら貸してやる。未完の大作だ。
先ず、堕天使や悪魔、天使を含めた人外相手には人間は普通では正攻法では勝てない。しかし、一部の例外で色々と鍛えるか、武器を使えば話は別だ」
堕天使等の人外相手には人間は原則的には勝てない。前も一誠はエンマからそう教わった。
「魔術等を学ぶにしても時間がかかる。筋肉をつけようにしても最低3ヶ月程はかかる。飯食べまくってグルメ細胞に適合出来たら話は別だけどな。魔力や呪力の使い方や身体強化も直ぐに覚えた方が良いが、一番手っ取り早いのがお前の中には眠ってる」
そう、一誠の中には堕天使等の人外に抵抗する為の手段が眠っているのだ。
「えっ?俺の中に有るんですか!?」
「有るよ。ほら、思い出してみろよ。前に言ったろ?お前がどうして堕天使に命を狙われたのか」
エンマの言葉を聞いて一誠は考える。そこで思い出す、エンマが前に言っていた神器というありがた迷惑な存在の事を。
「神器?」
「そっそれだ。神器は聖書の神とやらが無差別に配りまくった代物でな。それは全ホモサピエンスに無差別に宿る。中には堕天使等の人外に抵抗出来たり、倒したりする事も出来る物が有るんだよ」
神器。聖書の神がありがた迷惑で作り、全世界にばら蒔いた力。それは強力な物も有れば、ぶっちゃけ弱すぎる物も存在している。
そんな神器だが、なんと一誠の中に宿っているのだ。その神器を宿していた為に、一誠は堕天使に命を狙われたのだ。しかし、宿していて堕天使や悪魔等に狙われると言ったデメリットは有るのだが、宿していれば無いよりはマシだ。もし、レア物ならば普通に戦闘の手段や日常生活の補助にも使えるだろう。
「お前が神器に目覚めたら、ある程度の自衛は出来るだろう。だが、使えなかったら意味がない」
エンマはそう告げ、一誠に触れる。すると、再び2人はちょっと前まで居た採掘所にやってきた。
「また採掘所!?」
「じゃあ、コイツから死ぬ気で逃げろ。もし、危なかったりしたら助けてやる。もし死んじゃっても蘇生させるから」
採掘所に転移するなり、エンマはそう告げた。何が起こるのか分からない一誠だったが、エンマの方を見る。そこには最近大人気のゲーム モンスターハンターに出てくる肉食獣 ティガレックスが居たのだ。
ティガレックス。頭がティラノサウルスのように発達し、翼が前足として進化した飛竜であり物凄く狂暴。
勿論、一誠はティガレックスの事は知っており…
「どこがチュートリアルじゃぁぁぁぁあ!!どっから見ても中ボスだろうが!!」
叫ぶように突っ込んだ。
「素晴らしい!!お前にはツッコミの素質が有ったのか!!ブラボーブラボー!!」
「何がブラボー!?もっと弱いの居たよね!?アオアシラとか!!」
頑張れ一誠。君のツッコミライフは始まったばかりだ。
ティガレックスは咆哮を響かせ、その身体能力を活かしては一誠に襲い掛かる。勿論、一誠だって死にたくない。だからこそ一誠は全速力でティガレックスから逃げ出した。誰だって死にたくない。死んでもエンマが蘇生させてくれるが、ティガレックスに殺されると言うことは物理的に大ダメージを受けてグシャグシャに成るという事だ。痛いに決まっている。
「ぬぉぉぉぉぉ~ー!!死ぬ!!マジで死ぬ!!」
「頑張れ。神器は宿り主の危機に瀕した時に、目覚めやすいんだ」
痛いのは嫌だ。しかし、迫り来るは絶対強者の異名を誇るティガレックス。追い付かれたら終わりであり、一誠は全速力で逃げる。
そんな時だった。一誠の左手に眩い光が広がり、光が収まれば一誠の左手には赤い籠手のような神器が装着されていた。間違いない、この赤い籠手こそが一誠の神器である。
「なんだ?あの神器…見たこと無いな。グレスピで世界の歴史にアクセスして見てみるか」
一誠の神器はエンマも見たことがない。まあ…神器を宿している人間なんて世界全土を見回しても50億にも満たないと思われるので、これまで見てきた神器の種類が少ないのも有るのかも知れない。
「写輪眼で見るとドラゴン関係だな。だけど、竜の手とか言う奴じゃないな。赤いし…噂の赤龍帝の籠手か?始の絶霧や俺の神器と違って応用が難しそうだな」
ティガレックスから逃げ回る一誠を見て、そう言ったエンマであった。
「神器目覚めたから早く助けろや!!」
「折角だから、そのまま修行を始めようか」
こうして、一誠のツッコミライフが幕を上げたのだった。同時に胃薬にもお世話になる運命が確定したと言っても良いだろう。
「あら?貴方が日本政府の?良く来たわね、私の駒王に」
一方その頃、エンマの影分身の1人は駒王の管理者であるリアス・グレモリーと出会っていた。リアスは魔王の妹であり、日本政府からも特別待遇されるお姫様。しかし、この男の前ではそんな事は1ミリも関係ない。
「お嬢ちゃん。悪いことは言わん。保護者の1人や2人、招いた方が身のためだぞ?」
と…悪魔にペコペコしてる筈の日本政府からやって来た人とは思えない態度のエンマを見て、リアスは目を細める。
「その必要は無いわよ。あと、お嬢ちゃんじゃなくてリアス・グレモリー公爵よ。立場を弁えなさい」
リアス・グレモリーお嬢様。千手エンマとのファーストコンタクトは優雅に終わる。
エンマが帰った後、リアスは自分の右腕である朱乃から報告を受けた。
「リアス部長。最近、はぐれ悪魔が妙に少なくないですか?駒王に侵入するはぐれ悪魔が…」
「そうよね。まあ!私に恐れを為したって事ね!」
しかし、リアス達はその訳を知るのはもう少ししてからである。
一方のレイナーレ達。彼女達はエンマの影分身の手で、手も足も出ずに倒されたしまい、見事に拘束された。
「くっ!!人間の分際で!!」
「どうしようかな?これ、明らかな不法侵入での殺人未遂だしな。よし、万華鏡写輪眼!!」
レイナーレ達は言わば下っ端だ。それに日本は悪魔の領地が多いことで有名であり、下っ端が遠路遙々やって来るのはあり得ない。有るとすれば上からの指示だ。レイナーレ達に指示を出すのは多々居るが、そんな多々居る堕天使の司令塔のトップはご存知アザゼルである。
「ふーん。やっぱりアザゼルの仕業ね。それじゃあ、ちょっとおじさん暴れようかな?
その前に一誠の奴を始に紹介するか。プリン頭に会う間、一誠を始に預けるか」
東京某所。
「ひっ!?五条悟!?」
「あー、最近多いよね。あと、俺の名前は五条始ね?五条悟と違って身長も175しか無いし」
血潮が舞い、とある怪物は空間ごと潰されたように肉片に変わった。
次回!!一誠は弁護士を紹介される。
「五条悟!?」
「それ、飽きたよ」
その人物は呪術廻戦の五条悟そっくりだった!?
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一誠の理不尽修行
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エンマの青い春(魔法使いの夜)
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