魔獣創造がはっちゃけた 令和バージョン   作:静かなるモアイ

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アーシアたん!!


聖女を救え!!

ペンギンのぬいぐるみを持ち、左腕に神器を展開した一誠は魔力の使い方の基礎を覚える為にペンギンに魔力を流す。籠手のように展開された神器から魔力が流れ出し、その魔力が一誠の肉体を伝ってペンギンに流れ込む。ペンギンのぬいぐるみは魔力が流れ込むと眠るのか、一誠の魔力が流れている間は動かない。

 

「よし、この調子で…」

 

しかし…未だ一誠は魔力の使い方が未熟。魔力の流し方だってさっき知ったばかりだ。故に気が緩むと魔力の流れが停まってしまい、ペンギンに流れ込む魔力が無くなる。その瞬間…

 

『ぺプー!!』

「ホンゲー!!」

 

ペンギンのぬいぐるみが起動し、ペンギンは一誠の顔面にキックを放ち、一誠を一撃で倒してしまった。パワーは強いが、ぬいぐるみの為かそこまで衝撃はない。しかし…ぶっ飛ばし力は強いのか一誠はその一撃で真後ろに倒れてしまった。

 

「痛みが有るのと無いのじゃ、成長が全然違う。ペンギンちゃんにヤられたくなかったら、修行を頑張るんだよ」

「五条先生!!」

 

ペンギンの追撃が一誠を襲うが、今…一誠が居る久遠寺法律事務所の代表弁護士である始は一誠を助けようとはせず、パソコンで何やら作業を行っていた。

 

「そうそう、一誠。俺…急な仕事が入ったからペンギンちゃんとお留守番宜しく。まあ、俺の実家に連絡はしておいたから…襲撃が来ても孤児院に避難させる準備は出来てるから安心してね」

 

先ほどまでは仕事をしながらとは言え、始が一誠の修行を見てくれていた。だが、急な仕事が入ってしまい、始は事務所を出て外に向かわなければ成らないのだ。そうなれば、一誠は1人で修行を頑張るしか無いだろう。

 

「五条先生、仕事入ったの?弁護の依頼?」

「いや、エンマ先生から。騙されて日本に入ろうとしてるシスターの女の子を保護しろってさ。亡命の手続きはエンマ先生がしてくれてるから、俺は彼女を保護して書類にサインするだけ。なに、遅くても5時間位で帰ってくるよ」

 

そう、エンマから始に仕事が入ったのだ。その内容はレイナーレと魔王の弟ディオドラ・アスタロトに嵌められ、聖女の資格と称号…そして名誉と信頼を奪われたアーシア・アルジェントという少女である。

アーシアはイタリアで聖女として崇められていた。実の両親は不明、赤子の時に教会の前に捨てられており、その教会で育った。アーシアは本来、教会で雑用係としての修道女として過ごす筈だった。しかし…彼女には傷を種族関係なく癒す神器が宿っていたのだ。その神器を使い、人々を、教会のエクソシストを癒してきたアーシアは聖女と崇められた。故に、ディオドラに目を付けられてしまったのだろう。

 

ディオドラは何らかで教会及び教会の上部であり一神教の唯一神が統べる天界の弱みを握り、アーシアが居た教会に脅しをかけてアーシアが追放されるように手を打つ。その後、レイナーレ達がアーシアにコンタクトを取って日本にやってくるように手配。アーシアが日本にやって来てレイナーレと合流した後は簡単だ、レイナーレがアーシアの神器を奪い…神器を抜かれたアーシアをディオドラが悪魔の駒で悪魔に変えて終わりである。レイナーレはアーシアの神器を手に入れ、ディオドラはアーシアを眷属に加える。正にWin-Winの関係と言えただろう。

 

しかし…残念な事にレイナーレとディオドラの計画は見事にエンマの手で壊されてしまい、それが実る事は決して無いのだから。

 

「弁護士ってそんな事もやるんですか?」

「そのシスターが国外追放受けた原因が、魔王の弟に騙された事だからね。魔王の襲撃が有ることを想定すると、エンマ先生か俺が行くのが望ましいよ」

 

しかし…アーシアが日本にやって来る切欠と成ったのは魔王の弟に嵌められたから。もしかしたら、アーシアの身柄を確保する為にディオドラが権力に物を言わして軍隊を引き連れてくるかも知れない。最悪は世界でも権力、単独戦闘力でも世界最強クラスの魔王がやって来るかも知れないのだ。

現在、魔王は4人。その4人とも多神教の神々に匹敵する力を誇り、その中でもベルゼブブとルシファーは神さえ滅ぼせる超越者と呼ばれているのだ。その強さは三大勢力最強であり、三大勢力では誰も勝てない。

 

「魔王ですか?」

 

なんとかペンギンを捕まえ、再び魔力を流しながら一誠が問う。

 

「俺が聞いた話ではベルゼブブとルシファーは神様さえも簡単に倒せて、世界トップクラスらしいね。まあ、今回襲ってくるとすればベルゼブブかな?

因みにさっき説明した五大宗家全員が束に成っても、ベルゼブブ相手なら5秒でベルゼブブが勝つよ?」

「ベルゼブブ単独で日本簡単に滅ぼせるのぉぉおお!?」

 

魔王ベルゼブブの事を軽く知り、一誠は叫ぶ。

 

「因みに悪魔の駒を作ったのもベルゼブブ。悪魔の駒って証拠が有るし、拉致関係の罪は勿論、様々な罪状が有るね。後は…仲の良い政治家も外患誘致罪が適用だね。まあ、弁護の余地無し死刑って事だ!!」

「ベルゼブブなの!?悪魔の駒作って、日本人奴隷にしてたの!!」

 

因みに悪魔の駒を作ったのはベルゼブブである。大体、コイツの責任。

 

そして…始は突如として消えた。

 

「五条先生!?先生もワープ出来るの!?」

 

なお、一誠の叫びは五条始には聞こえない。

 

 

 

一方の成田空港。

 

「えー、アーシア・アルジェントさん。荷物はこれだけで、ビザは就労ビザではなく観光ビザのようですね」

 

何処から見ても日本人ではない税関職員が同じく日本人ではない少女の相手をしていた。その少女は訳有って生まれ故郷を追放された少女であり、働くために日本にやって来たのだ。

 

「えっ!?ですけど…堕天使様はこれで大丈夫って…」

 

その少女のパスポートにはアーシア・アルジェントと書かれていた。そう、彼女こそは魔王の弟と堕天使に嵌められてしまい、故郷のイタリアから遠路遥々日本にやって来たのだ。

 

「これは観光ビザ。滞在日数が数日の物よ」

 

とアーシアに説明する税関職員の名札にはジャネット・ダルクと書かれていた。

 

「アーシア・アルジェントさん。貴方には黙ってるつもりでしたが、この際言いましょう。貴方はこの悪魔について知ってますか?」

 

税関職員のジャネットは1枚の写真を取り出した。その写真にはブランド物一式…総額何百万とするような値段の衣類を身に纏った緑色の髪をした糸目の青年が写っていた。

 

「はい!私、この人知ってます。私が居た教会の敷地内で傷付いて倒れてたんです」

 

どうやらアーシアは糸目の青年を知っているようだ。当然だ、この糸目の青年はご存じディオドラ・アスタロト。アスタロト家の次期当主であり、魔王ベルゼブブの弟なのだ。ご存知、アーシアをはめた男である。

 

「残念だけど、彼は貴方を追放させる為に…教会を弱みを用いて支配下に置き、レイナーレという堕天使と手を組んで貴方をはめたの。残念だけど真実よ」

「えっ?」

 

と、アーシアに真実を話すジャネットさん。実はジャネットさんも裏側の事を知っているのだ。彼女はエンマの孤児院出身。宿した神器故に、祖国では酷い目に有っていたが、10年ほど前にエンマに助けられて日本にやって来たのだ。

 

「日本は貴方を難民として特例で受け入れる事にするわ。まあ、上にはあの人が脅した事だし、受け入れ先は孤児院だけどね」

「働けます?」

「希望すればね。3食付き、住み込みで月給20万は有るわね。学歴資格無しで、これは破格よ」

 

10分程、経過した時だった。

 

「お疲れサマンサ~!!敏腕弁護士の五条始でーす!!」

 

五条始到着。しかし…エンマと同じくワープのような自在な転移が出来る彼にしては少し遅かった。

 

「始さん遅いじゃない」

「ちょっと、糸目の半グレに絡まれちゃって!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ディオドラ様!!ディオドラ様!!しっかりして下さい!!ディオドラ様!!」

 

手足を粉々に潰され、辛うじて一命を取り留めているディオドラ・アスタロトがアスタロト領土に強制送還されていた。

 

 

 

必要書類も書き終え、始はアーシアを引き取って孤児院に向かっていた。本来なら速やかに孤児院に飛んでも良かったが、アーシアが日本の景色を見たいと言った希望もあり、孤児院の従業員であるウェイバー・ベルベット君(30代後半)を召喚して、彼の運転でゆったりと孤児院に向かっていた。

 

「私を呼ぶこと無いだろ…」

「仕方ないでしょ。秋葉は学校、琥珀は夕飯の支度、翡翠は運転できないし、ウェイバーがピッタリだしね」

 

髪の長い男ウェイバーが運転する車は後部座席に悟とアーシアを乗せて、孤児院に向かう。成田空港から孤児院まではそこそこ距離は有るが、直に着くだろう。

 

「ウェイバー。ちゃんとサービスエリアよってね」

「全く…お前が飛べば一瞬だろうが」

 

溜め息を吐き出した中年従業員ウェイバー。彼は元々、時計塔と呼ばれる所で魔術の勉強をしていたが、エンマに引き抜かれ今に至っているのだ。

 

「……ウェイバー。状況が変わった。先に2人を車ごと孤児院に飛ばす」

「始!?」

 

だが、六眼で何かを見たのか車を霧が包む。霧が消えたと思うと、車は勿論、ウェイバーやアーシアの姿は無く…道路に始1人が立っていた。

 

「さてと…」

 

その瞬間、数多の魔力の雨が降り注ぎ…周囲は更地に成ってしまう。幸いだったのが、此処は山岳部であり人が住んでいなかった事だろう。

 

「魔王様…」

「弟を半殺しにした外道がどんな奴かと思えば、つまらんな」

 

その声が静寂に響き、数名の男が現れた。その中でも1人はディオドラと同じく緑色の髪をした優男だ。

 

彼の名前はアジュカ・ベルゼブブ。世界最強の一角と称される魔王の1人であり、悪魔の駒を開発した男だ。

 

「所詮は人間か…大した事が無かったな」

 

アジュカ・ベルゼブブは物事の理を数式に当て嵌め、強化したり無力化させる事を得意とする。そんな彼は弱い数に言わせた魔力弾を当てる直前に核兵器レベルまで引き上げる事も出来るのだ。

 

「誰が大した事無いって?」

 

その瞬間…アジュカ・ベルゼブブの部下は空間ごと捩じ伏せられたように、手足がバキバキにへし折られた。

 

「「「ギァァァァア!?」」」

 

何が起きたのか百戦錬磨のアジュカ・ベルゼブブでも理解できなかった。

 

そして…先程の攻撃で舞った砂埃が風で消え、爆心地から無傷の始が現れた。辺り一面を消し飛ばす攻撃さえも、始には届かない。

これには訳が有る。始は蘇生された段階で、五条悟と同じ術式を与えられた唯一の人間。その上、彼は神器 絶霧を応用して空間を操作する事を得意とする。空間を操作し、永遠の距離を作ることで相手の攻撃は届かないのだ。

 

「バカな…」

「良いことを教えてやる。俺は五条悟を越えるように、あの人に鍛えられた。無限と空間操作、その2つを用いた最速を教えてやる!!」

 

始はそう告げ、臨戦態勢に突入して魔力と呪力を練り上げる。

 

「ふっ…戯言を。本当の最強を…絶対的な方程式を教えてやろう」

 

アジュカ・ベルゼブブは魔力を練り上げ、彼の周囲に数多の数式が出現した。

 

両者が激突した瞬間…空間が捻子曲がった。




次回…固有結界。五条先生が一誠にアレを見せる。

始「一誠…戦いの極意の1つ、固有結界の事を君に教えよう。因みに強い吸血鬼や悪魔はバンバン使ってくるよ」
一誠「領域展開じゃん!!」

小話希望アンケート()は時系列

  • シュールストレミング改良記録
  • ドドリアンボム被害者の会
  • 五条先生の青い春(スラドク+月姫)
  • 孤児院の日常
  • 一誠の理不尽修行
  • エンマの青い春(魔法使いの夜)
  • YouTubeネタ(色々)
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