「よっと、( ´ ꒳ ` )ノハーイお馴染みの零斗でーす」
「白崎香織です」
「八重樫雫よ」
「前回は俺と天之河の戦闘だったな」
「何と言うか……本当に規格外ね貴方は」
「そんなに褒めるなよ、照れるだろ?」
「褒めてるわけじゃないと思うけど……」
「今回は私とハジメくん、零斗くんと雫ちゃんの話だよ!」
「それじゃ、そろそろ行ってみる?」
「「いいよ(わよ)!」」
「それじゃ、せーの!」
「「「月下の語らい!」」」
Side 零斗
天之河との決闘が終わってから直ぐに宿場町『ホルアド』まで移動をした。七大迷宮の一つ、『オルクス大迷宮』がある町の宿屋に泊まっている。そんでもって、そこの二人部屋をハジメと一緒に入った俺は、図書館から借りてきた、これからいく迷宮についての本を読んでいる。
『オルクス大迷宮』は全百階層からなると言われている大迷宮で、階層が深くなるにつれ強力な魔物が出現する性質を持つ。そのため、階層ごとで魔物の強さを測りやすい利点があるため、冒険者や傭兵、新兵の訓練に非常に人気だった。その他にもう一つ、出現する魔物が地上の魔物に比べ、遥かに良質の魔石を体内に持つという理由がある。
魔石とは、魔物を魔物足らしめる力の核をいう。強力な魔物ほど良質で大きな核を備えており、魔法陣の効率の良い原料として知られている。
「零斗、寝ないの?」
「もう少ししたら寝ます、先に寝ていて構いません」
「そっか……」
「? どうしました?」
「いや……ちょっと不安で……」
「不安……ですか」
うーむ、大分弱ってるなこりゃ。元々自己肯定感は低い方ではあったが、最近は改善してきたと思ったんだけどな。
「ハジメ、何が不安なんですか?」
「明日の戦闘で足引っ張らないかな……って」
「え?」
「え?」
「「え?」」
この子は一体何を言ってるんだ?足を引っ張る?そんな事は有り得ないのに……
「ハジメ、ステータス見ましたか?」
「うん……」
「……君はもっと自信を持ちなさい。それに足を引っ張る事は絶対に有り得ませんよ」
「でも……」
「それでも不安なら私達がいます、何かあれば必ずサポートします……だから無理をしない範囲で行動してください。それでももし危なくなったら、すぐ逃げてください。それができないのなら。私達を呼んでください。必ず助けますから」
「……わかったよ」
よし、不安は取り除けたみたいだな……ん?こっちに誰か向かって来るな。ハジメがウトウトとまどろみ始めたその時、ハジメの睡眠を邪魔するように扉をノックする音が響いた。
少し早いと言っても、それは日本で徹夜が日常のハジメにしてはということで、トータスにおいては十分深夜にあたる時間。怪しげな深夜の訪問者に、すわっ、檜山達かっ!と、ハジメは、緊張を表情に浮かべる。
しかし、その心配は続く声で杞憂に終わった。
「ハジメくん、起きてる? 白崎です。ちょっと、いいかな?」
なんですと?と、一瞬硬直するも、零斗が落ち着いて、でも警戒して扉に向かう。そして、鍵を外して扉を開けると、そこには純白のネグリジェにカーディガンを羽織っただけの香織が立っていた。
「……なんでやねん」
「また、貴方は……」
「えっ?」
何でこんな薄着で来るかなこの子は……とりあえず俺は部屋出て、二人っきりにさせてやるか。
「ハジメ、私は少し外の空気を吸って来ます」
「え!?ちょ!」
逃げるんだよォ!スモーキー!
──────────────────────────
ハジメと白崎を部屋に残し、外に出る。宿屋のキッチンから酒とツマミ、それと何故かあった煙管をちょろまかし、煉瓦造の宿の屋根の上に座っていた。(お酒とタバコは20からDAZN♡)
そこで、月をぼーっと眺めながら、グラスの中でワインを揺らし、煙管をふかしながら先程自分がハジメに言ったことを思い返している。
「……明日、何も起きなければいいのだが……そうは行かないですよね…… ハァ、どうしたものか」
不安を吐き出す様に煙管をふかす。
(……フ!……フ!)
ん?誰かいるな……あれは……雫か。ちょいと声でも掛けようかね。というかこんな夜遅くに訓練するとかストックだが、不用心だよなぁ……
「お嬢さん、こんな夜更けに何を?」
「キャァ!れ、零斗!?…… 驚かせないでよ」
「これは失礼をしましたね」
(可愛い悲鳴だな……)
「か、可愛いなんて!」
「え?あ、声に出ていましたか」
「そ、それより何でここに?」
「白崎さんがハジメを訪ねてきたので邪魔をしないようにと……」
「……それは災難ね」
「貴方は?」
「見て分からないかしら? 素振りよ」
素振りって……こんな夜更けにやる事じゃないだろ。というか表情が若干固い様な気もするし、僅かに手も震えてるな……
「……不安ですか?」
「!?」
「……やはりそうですか」
「ええ、明日の訓練が……生き物の命を奪うのが、もしも香織達が傷付いたらて思うと怖くて……」
ハジメ以上に重傷だな……これやって刀華達にバレたら困るけど、しょうがないか。
「……えい」トスッ
「え!?ちょ!?」
「はいはい、暴れないの」ナデナデ
「ふみゅ!?」
その場に座り雫の腕を引っ張る。そのまま膝枕し、頭を撫でる。最初は戸惑っていたが、直ぐに猫の様にスリスリと甘えてくる。可"愛"い" 。いつもクールな女性の甘えた表情て唆るヨネ!
「最近はあまり寝れていないのでしょう?」
「ッ……何で分かったの?」
「食事の量が減った事、何を話しても上の空、そして隠せているつもりでしょうけど目の下のクマが酷いですよ」
「よく見ているのね……」
「貴方が分かり易すぎるだけです」
目に見えて弱ってるいるのが分かった。はぁ〜どうしてこうなるまで我慢しちまうのかねぇ……
「なぁ、偶には甘えてもいいんじゃないか?」
「いいの?」
「勿論!」
「ならもう少しだけこのままで居させて」
「おうせのままに、お嬢様。どうぞお気に召すまで」
「ムフー」
「フフ、よしよし」
雫の頭を撫で続ける。よく手入れのされた髪はスルスルと指の間を通っていくので撫でている俺としても気持ちが良い。
「さて、夜も遅いからなそろそろ寝るか……」
「ええ、そうね……もう少しだけして欲しかったなぁー」
「んー?どうしたぁ?熱でもあるのか?」ピトッ
「にゃ!」
雫の額に自分の額を当てる。んー熱はないな(棒)、雫は顔を真っ赤にして呻いている。
「悪戯が過ぎるわよ!」
「おっとこりゃ失敬……緊張は解けたか?」
「お陰様でね!」
「そりゃよかった」
雫は照れ隠しに木刀で殴りかかってきた、危ねぇなー。
「んじゃ俺は部屋に戻るから……夜更かしも程々にしておけよ?」
「分かったわ」
「おやすみー」
「おやすみなさい」
雫と別れハジメと白崎のいる部屋に戻る。んー? 部屋から何か聞こえんな。
「──────」
「────────────」
まだ話してんのかよ……またまたどっかで時間潰さなきゃだな……
(クソ!何であんな奴と白崎が! )
はぁー
「やぁ檜山くんこんな夜更けに何をしているのかな?」
「うぉ!?零斗!?」
「何をしているのかな?」
「な、何て……トイレから帰ってきた所だけど……」
「君の部屋はこちらの方向じゃないだろう?」
「 そ、そうだけど」
「とりあえず場所を移しましょう」
檜山を連れて空き部屋に入る。檜山は何をされるのかが分からないのかビクビクとして怯えている。
「さて、君は彼処で何をしていたのかな?」
「だからトイレの帰りで……」
「その途中で白崎さんが見えたから着いて行った……と」
檜山は目を見開いてこちらを見る。軽くカマをかけただけなのに、この反応とは……
「図星ですか…… 前々から思っていたのですが貴方達は何故ハジメの事を毛嫌いするのですか?」
「それは……」
「それは?」
「アイツはオタクのクセに白崎と話しているからだ!それなら俺でもいいだろう!?」
は?それだけの理由で虐めてたのか?しかもその理論にどうやったら行き着くんだよ、やっぱこいつの思考回路はよく分かんねぇな。
「檜山くん、ハジメは確かにオタクですが成績も運動能力も天之河以上です。それに白崎さんがハジメに好意を寄せているのは彼の優しさを知ったからです」
「な!そんなの嘘だ!」
「これを見ても言えますか?」
俺は異空間収納からハジメ達が座学で行なった小テストを見せる。
「こ、こんなもん、高校生がやる様な問題じゃ……」
小テストには大学でやる様な問題に加えて、かなりマニアックな知識を求められる問題がびっしり載っている。
「ハジメはこの小テストで満点を取っています、それでもつり合っていないと?」
「……最初から解ってたんだ、白崎が南雲の事が好きなのは……でも認められなくて……認めたくなくて……」
酷く沈んだ声と顔で呟く檜山。あまりにも悲痛でこちらが居た堪れなくなってくる。
「でもさ、少しくらいはさ夢見てもいいだろう?」
「ええ.……」
「ハハ、優しいな……」
コイツもコイツなりに思う事があったんだな……ま、それでも許す気はないけどな。だが多少は認めてやるか!
「檜山くん」
「何だ?」
「ハジメに謝罪する気はありませんか?」
「……え?」
俺の提案の意図が分からない様で呆然とする檜山。まぁ、仕方ないか……
「もう取り返しが付かない事にはなっていますがそれなりの誠意を示せばある程度の救済措置があるかもですよ?」
「何で……何で……そこまで優しくするんだ?」
「君はまだ若い……だからこそ間違えを犯す。それを乗り越えて成長する、君にはそのチャンスがある」
「……変わってるよお前……あぁ、分かった南雲に謝ってくる」
これで少しは変わってくれるといいんだけね……まぁ、変われるかどうかはこれからの檜山次第だがな。
──────────────────────────
檜山と共にハジメのいる部屋に戻る。白崎は既に自室に戻っている様で部屋にはハジメだけが居た。
「あ、おかえり零──ッ!?檜山くん」
「南雲……」
「……零斗、何がしたいの?」
「私の口から何も……檜山くん、ハジメに言いたい事があるのでしょう?」
「南雲……今まですまなかった」
そう言って檜山は土下座をした。なかなか肝が据わってるな……ハジメは今の状況が理解出来ていない様子でキョトンして、俺と檜山を交互に見ている。
「ずっとお前に嫉妬してたんだ……何でオタクが白崎と話しているのかって」
「……」
「今更許してくれてのは虫がいい話なのは解ってる……でもよ、せめて謝罪くらいはしておきたいんだ……」
「……いいよ」
「え?」
檜山は何が起きたのか理解出来ていない様でキョトンとしていた。そんな檜山を他所にハジメは言葉を続ける。
「だから
「えっと……許してくれるのか?」
「うん……暴力も振られたけどそれは僕の態度や行動が原因だったろうし。それに檜山くんはちゃんと謝って来てくれた、なら僕も誠意を示せなきゃだしね!」
「南雲……ありがとうっ!ありがとうっ!!」
今にも泣き出しそうな顔になりながら、ハジメの手を握って頭を下げる檜
「
「!あぁ宜しくな
「コレで1部の問題は解決ですね……私はメルド団長に檜山くんの罪をどうにか軽く出来ないか交渉してみます」
「いいのか?零斗?」
「気にする必要は無いですよ」
まだ見込みがある奴でよかった。これで改心の余地が無いようなクズだったら殺している所だったわ。
檜山が改心しましたね。R18版はもう少々お待ちください、現在執筆中です。