ありふれた黒幕で世界最凶   作:96 reito

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「よっと、( *・ω・)ノやぁ恭弥だ」
「刀華だ」
「( ゚∀゜)フハハ八八ノヽノヽノヽノ \!我こそ王の中の王!ギルガメッシュである!」
((相変わらず騒がしいなぁ. . . ))


「前回は零斗とハジメが奈落に落ちてしまったな. . . 」
「こんな事で死ぬ訳は無いと分かってはいるけどやはり心配だな. . . 」
「そうさな. . . 」

「さて、今回は私達サイドの話だ」


「では行ってみよう」


「「「果たされなかった約束!」」」


I˙꒳˙)ヒョコ どうも作者のreitoです、今回はかなり短めです。それだけです。


果たされなかった約束

 Side 恭弥

 

襲いかかってくるトラウムソルジャー達を薙ぎ払いながら、ゆっくりと前進していく。他のクラスメイト達も必死に武器を振るい、魔法を放ち、交戦している。

 

「よし!上階までの退路の確保はもう少しで出来る!」

 

 目に見えてトラウムソルジャー達が減っているのを感じ、少しばかりの余裕が出来る、あとは後方のベヒモスだけ⋯⋯

 

ハジメェェエェェエッ!!! 

 

 この声は零斗?⋯⋯まさか!?声のした方を反射的に振り返ると零斗が橋の下へと飛び降りていった姿が見えた。

 

「キャア!」

「ッ!?八重樫さん!」

 

 少し離れた場所で戦っていた八重樫さんが私と同じ様に零斗の声に意識を向けたせいでトラウムソルジャーの攻撃を防ぎきれずに体勢を崩してしまっていた。

 

(クソ!気を取られすぎたか!今は逸早く、退路の確保を!)

 

意識を切り替え、目の前の敵に集中する。数は多いが強さはそれほどでもない⋯⋯十分に対応出来る。

 

「フッ!」

 

 主武器の"ニエンテ"をしっかりと握り、なるべく多くのトラウムソルジャーを巻き込む形で薙ぎ払う。

 

「怪我は無いですか?」

「えぇ⋯大丈夫よ」

「なら良かったよ⋯⋯零斗の"特別"に傷を付ける訳には行かないのでね」

「な、なな⋯⋯なんで今そんな事を!?」

 

 満更でもない様だね⋯⋯と巫山戯ている場合じゃ無いか。敵の数は減ってきてはいるが未だに突破口を見出せずにいる⋯⋯仕方ないか⋯⋯

 

「八重樫さん全員に下がる様に伝えてください」

「何をする気?」

「私が全て仕留めます」

「⋯⋯分かったわ」

「頼みました」

 

()()はかなり疲れるのですがね⋯⋯やるしかないですよね。ニエンテを地面に突き立てて、両腕を組みトラウムソルジャーの集団に目をやる。

 

「恭弥さん、退避完了しました!」

「あぁ、ありがとう⋯⋯では始めるとしよう」

 

目を閉じ、胸に手を当ててゆっくりと詠唱を始める。

 

奪え全てを。穿て万物を。渇きを癒せ(欲望を満たせ). . . 『略奪者の烙印(プランダラ・エスティグマ)

 

 次の瞬間、(恭弥)いや(ヴォイド)の姿が変貌する。全身を黒い霧が包み込む。バキバキと音を立て身体が変化する。

 

 霧が晴れると、全身は赤黒く鎧の様だ。その手には二振りの槍⋯⋯ 一振の銘は"ヴェスティージ"全体は白く吸い込まれてしまいそうな程に綺麗な物だ⋯⋯だがもう一振の"イスキミア"ただ黒く呪詛そのものの様だ。

 

さぁ食事(蹂躙)を始めよう

 

略奪者の烙印(プランダラ・エスティグマ)』:自身のうちに眠る狂気を、渇望に駆られた本能を呼び起こす。力の大元は決して癒えぬ渇き(欲望)⋯⋯何を奪えば満たされる?何を奪えば癒される?どうすればこの渇き(欲望)を消せる? その欲望は⋯⋯当人にしか知り得ること。

 

 (ヴォイド)はひたすら槍を振るった。ただ殺して殺して⋯⋯殺し続けた。数刻の後に獲物の数は激減し、退路の確保は完了した。

 

クッハハ!さぁ!次の食物(獲物)はダレダァ?

 

あぁ⋯もっとだ⋯⋯もっと!もっと戦火を!血湧き肉躍る闘争を!

 

「恭弥⋯もういいわ⋯⋯もう十分よ」

⋯⋯何故だ?まだ私は闘える。まだ私はーーー

「本当にそうかしら?ほら手が震えているわよ?」

 

 彼女(鏡花)に握られていた余の手は僅かに震えていた。ポタリとドス黒い血が滴り、ひび割れたかのような傷が所々に出来ていた。

 

あぁ、余は⋯⋯私⋯ は⋯⋯何を?

 

ふと鏡花の背後を見ると、クラスメイト達の顔が恐怖で歪み、何人かは涙を流し、その場にへたりこんでしまっている者もいた。

 

「よく頑張ったわね、後は私に任せて頂戴」

 

 鏡花は私の頬に手を触れ、優しい微笑みを浮かべながらそう言ってくれた。その顔と声に酷く安心した私は意識をそこで閉ざしてしまった。

 

 ────────────────────────

 

「────♪────────♪♪」

 

何処からか懐かしい歌が聞こえる。遠い遠い昔に聞いた懐かしい歌が⋯⋯

 

「ッ!!」

 

 確認しようと体を起こすが全身に痛みが奔る。全身がバラバラになってしまいそうな痛みに耐えながら身体を起こし、歌の聞こえた方を見やる。

 

「恭弥、起きたのね」

「⋯⋯ええ」

「体はどう?」

「⋯⋯かなりしんどいです」

 

綺麗な歌声の主は鏡花だった。私が起きるのを確認すると、隣に腰掛けて身体をぺたぺたと触り、軽い触診をしていた。

 

「⋯零斗達は?」

「ここには居ないは⋯⋯生存しているかもどうか分からないわ」

「そう⋯ですか⋯⋯」

 

あの時、私がしっかりしていればこんな事にはならなかったのだろうか⋯⋯もっと私が警戒していれば⋯⋯

 

「恭弥、貴方がそんなに思い詰める様な事は無いわ」

「⋯⋯えぇ」

「誰だって失敗もする物よ」

「⋯⋯はい」

 

鏡花が慰めの言葉を掛けてくれる。だが、今の私にはそんな優しい言葉は慰めにも感じられなかった。

 

「『Attendre et espérer(待て、しかして希望せよ)』」

「⋯⋯その、言葉は⋯」

「あの零斗がこの程度の事で死ぬと思っているの?私達のボスが?あまり彼を過小評価し過ぎじゃないかしら?」

 

鏡花は僅かに語気を強めながら、私に語りかけてきた。眼には強い怒りが滲んで見えた。

 

「彼は今以上に厳しい状況でも余裕で生き残って来たわ。今更、この程度のトラブルで⋯⋯いいえ、トラブルにもならない些細な事で死ぬとでも?」

「⋯⋯そう⋯ですね。たしかにあの大馬鹿者がこの程度でくたばる事はありませんね」

 

私はあらゆる出来事に対して臆病になり過ぎていた様だ。あの男が⋯⋯あの陰険腹黒野郎が簡単に死ぬ訳が無い。

 

「すみませんね、鏡花」

「全く⋯⋯貴方は一人で背負い込み過ぎよ」

「ハハハ⋯彼の右腕として生きて来たからね。それが移ってしまったのかもしれませんね」

 

クスクスと小さく笑いながらゆっくりとベッドに痛みでどうにかなりそうな身体を沈め、ふぅ⋯と息を吐く。その時、私の腹の上に鏡花が乗ってきた。

 

「⋯⋯私は怪我人ですよ」

「私の事を心配させた罰よ⋯⋯付き合いなさい」

「おうせのままに⋯⋯My Lady(私の愛しい人)

 

その言葉を言い終わる前に私は唇を奪われ、服をゆっくりと剥ぎ取られた。⋯⋯私、明日ちゃんと動けるかな?

 

 

 

 

 

 




誰か零斗達のイラスト描いて. . . 感想お待ちしております。
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