「やぁ、恭弥だ」
「鏡華よ」
「前回は零斗の能力とヴェノムの登場、ユエちゃんの容姿についてね」
「ヴェノムの事を久しぶりに見た気がするな. . . 」
「基本は零斗の影の中に居るからね」
「前世では悠花がヴェノムを引っ張り出して遊んでいたのよね. . . 」
「「「懐かしいなぁ」」」
「しんみりした空気はここまでにして. . . 今回と次回は私達サイドの話よ」
「楽しんで行ってくれ」
「「「決意と覚悟!」」」
I˙꒳˙)ヒョコ どうも作者の零斗です。ヴェノムについての補足を少しだけしておきます。私の所の『ヴェノム』は『MARVEL』の『ヴェノム』では無いです。あくまでも零斗の能力から生まれた『ヴェノム』という人物です。メールにて『別作品のパクリでは?』と言われたのでこの場で説明させて頂きました。では改めて. . . お楽しみください。
Side 三人称
少し時間は遡る。
カルデア内のそれぞれに与えられた部屋の一室で、八重樫 雫は、暗く沈んだ表情で未だに眠る親友を見つめていた。
「雫……そろそろ休みなさい」
「えぇ……」
「貴方、ここ数日間まともに寝ていないでしょう?」
「そうね……」
八重樫はぼんやりとした返事しかせず、ただただ白崎の事を見ていた。零斗とハジメが奈落へ落ち行方不明になってから三日経ち、通信もあの一回だけでそれ以降は音沙汰無しだった。
「ハァ……」
プシュー「刀華、八重樫さん、食事持ってきたよ」
「ん、ありがとう」
柊人が部屋へ入って来た。手にトレーを持ちその上には湯気の立つ食事が乗せられている。
「八重樫さん、看病もいいですが貴方自身が倒れては元も子も無いでしょう」
「分かっているわ…でも……」
「分かっているのなら、先ずは行動で示してください」
柊人はため息を零し、手に持っていたトレーを彼女の近くにある机の上に置き、食事をする様に促す。八重樫はトレーに乗っていた皿を手に取り、もそもそと食べ始める。
「……刀華、白崎さんの容態は?」
「時折、ハジメと零斗の名前を呼んでいるわ.……悪夢で魘されてもいるわ」
「あまりいい傾向では無いですね……」
柊人は苦虫を噛み潰したような表情をする。刀華や柊人、恭弥は夢や精神に関しては何一つ出来る事がない。鏡華は幻術等で誤魔化せばするがあまり効果は無い。悠花は精霊の力を借りれば精神を弄る事は出来るが扱いが難しく、成功する確率も低い。
「柊人、王都の貴族達はどうだったの?」
「零斗とハジメの死を哀しむ者が大半だったよ……けど、エヒト教を狂信してる奴らは『神の使徒の癖に死ぬとは情けない』とか『死んだのが勇者ではなく無能と怪物でよかった』とか……ね」
「へぇ? 随分と好き勝手言ってくれるじゃないの」
零斗は身を呈してクラス全員の命を救った。ハジメはこの世界には無かったシャンプーやトリートメント、活版印刷技術などを伝えた。これほどの事をしても尚、貴族達はハジメを『無能』と零斗を『怪物』と呼び罵った。
「そもそも、彼らの都合で私達を呼び出したのにも関わらずこの扱いか?反吐が出る!」
「刀華、気持ちは分かりますが落ち着きなさい」
「……フゥ、少し取り乱してしまったわね」
そりゃそうだろ、最愛の人を化け物呼ばわりされた挙句、親友を無能と罵られたのだから。
ピコン「ん?」
「スマホの着信音?」
柊人のスマホから着信音がした。送り主は……
「零…斗……」
「!?」
「内容は!?」
「確認する!」
『( ・∇・)やぁ、零斗ダヨ』
「「……それだけ!?」」
なんとも頭の可笑しぃ……ゲフン頭のとち狂った内容だった。
「ま、まぁ生きては居るようだね」
「それも五体満足でね……」
そりゃそんな反応になるわな。3日間連絡は無いし、まだ生きてるかどうかも分からない状況でこんな巫山戯た内容のメールが送られて来たんだぜ?
ピコン「あ、もう1件きた」
『すまん、巫山戯すぎた……とりあえず生存報告を、俺もハジメも生きてるし、至って健康だ。今も迷宮を探索してる』
「簡潔に纏めたわね……」
適当さが伝わってくるな。
バァン「刀華!柊人!」
「「恭弥?」」
恭弥が扉を破壊して部屋に入ってきた。
「零斗が教会に異端者認定された!」
「「は?」」
「イシュタルが零斗を『エヒト様に仇を成す存在だ!彼は死んで当然だった!』と言って異端者の烙印を押した!」
「……殺す」
「柊人、落ち着きなさい」
「これが落ち着いていれるのか!?」
「分かっているわ……でも今私達が下手を打てば甚大な被害が出るわ」
「クソッ!…… 分かったよ」
イシュタルはエヒトから神託として『零斗は人類に災厄をもたらす怪物』や『魔人族の眷属』などとありもしない事を民衆に吹き込んだ……が、大半はあまり信じてはいない様だった。
「だが、王都の人達は余りイシュタルの事を信用していない. . . エヒト教を信仰しているが狂信してはいない事が要因だろう」
「……サーヴァント達には伝えていませんね?」
「あぁ、流石に伝えててしまったら教会本部を破壊しに行きかねませんからね……今、そんな事になれば間違い無く人類の敵になってしまいます」
サーヴァント達の大半は理性的だが、それでも自分達の愛したマスターを迫害する連中には情け容赦なく襲いかかるだろう。それが、以前から気に入らない教会の者となれば尚更だ。
「……あいつはどんな反応を?」
「……『死んで当然だった、これからは俺が皆を守る!』と……」
「ここまでやられると逆に清々しいな……」
「出来ればこの手で殺してやりたいが……彼はあんなのでも『人類の希望』だと持ち上げられている……殺してしまえば面倒な事になるね」
「光輝……」
八重樫は思うとこがある様で俯いたまま黙り込んでしまった。
(刀華、ここは任せます)
(分かったわ)
恭弥と刀華がアイコンタクトでやり取りをし、恭弥と柊人は部屋を出る。
「私…光輝を止められなかった…… 零斗と南雲くんは私のせいで……」バチン!
八重樫がポロポロと涙を零しながらそう言うと、刀華は顔を上げさせ、その頬を叩いた。
「何を言っているの?」
「え?」
刀華の怒りに満ちた声を聞いた八重樫はただ呆然としながら刀華の事を見ている。刀華は八重樫の胸ぐらを掴みやがら言葉を続けた。
「"私のせいで零斗も南雲くんが落ちた"?何を巫山戯た事を言っているのかしら?」
「でも……」
「それに、今さら後悔しても結果は変わらないわ」
「ッ……」
「自分のせいで落ちたと思うのならそれでいいわ……でも、それを理由に逃げることは許さないわよ」
そこまで言うと刀華はパッと手を離し、八重樫を解放する。八重樫は声を押し殺しながら泣き、その場にへたり込む。
「……今、私達に出来る事は彼らの無事を祈る事と彼が出した指示を完遂する事だけよ……泣くのも後悔のも全てが終わってからにしなさい」
「……うん」
刀華はそう言うと八重樫の事を抱き締め、その背をゆっくりと撫でる。八重樫は久しぶりに感じた他人の温もりに安堵したのかただただ涙を零し続けた。
「…ゥン……あれ?ここは?」
「「香織!」」
「雫ちゃん? 刀華さん?」
「私は医療スタッフを呼んでくるわ!何かあれば直ぐに人を呼びなさい!」
「分かったわ!香織、今の状況は分かるかしら?」
白崎は顔を横に振る。
「ハジメくんは?零斗くんは?」
「今からその事について説明するわ」
────────少女説明中─────────
「そっか……零斗くんらしいね」
「ええ、そうね」
八重樫から聞いた現状に白崎は酷く落ち込んだ様子だった。
プシュー「白崎 香織さんですね。メディカルチェックをするので体に触れます」
「……はい」
少しだけ服を捲り触診を行う。刀華はナイチンゲールが行なう事に少しだけ不安を抱いていたが杞憂に終わった。
「身体機能の全てに異常は見られませんね……以上でメディカルチェックは終了です。しばらくは激しい運動は控えてください」
「はい、分かりました……ありがとうございます」
「お礼は結構です。では、お大事に」
ナイチンゲールはそう言い残して部屋を出る。
「香織、雫から状況の説明を受けたかしら」
「うん……でもやっぱり辛いや」
「今私達に出来るのは零斗が残した指示に従って行動することよ」
「……うん」
白崎は酷く沈んだ声で返事をした。
「……香織、一つ聞くけどいいかしら?」
「……え?うん、大丈夫だけど……」
「彼が……零斗とハジメがこの程度の事で死ぬと思っているの?」
「え?」
刀華はわざとらしくため息を吐き、話を続ける。
「分かってない……貴方は
わざとらしいくらいに声を上げて、語る刀華とその様子にびっくりしている八重樫と白崎。そんな事も気にせずに言葉を続ける刀華。
「彼はどんな状況からでも必ず這い上がってくる様な『人間』よ?そんな彼がたかが『魔物が跋扈している迷宮』で死ぬなんて有り得ないわ」
演技掛かった仕草をしながら、語る刀華に聞いてきた二人は自然に笑みを零した。
「ふふっ、確かに彼なら心配するだけ無駄そうね」
「うん、零斗君と一緒にいるならハジメ君も無事で居てくれるよね!」
「そうでしょう?」
三人は顔を見合せてくすくすと笑い出した。
はい、イシュタルに死亡フラグが経ちましたね。感想お待ちしております。
零斗達が転移する前の話とかいる?(転生したぐらいから)
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いる!
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いらん!
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そんな事よりおうどん食べたい