ありふれた黒幕で世界最凶   作:96 reito

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「よいしょと、ヾ(・ω・`)ノハロちょいと久しぶりの零斗さんだ」
「やっほー!ミレディちゃんだよー!」
「エトです」

「前回はハジメ達の迷宮攻略が完了したな」
「まさか君が天井を突き破ってくるとは思わなかったよね……何してくれてんの?」
「ついつい熱くなってね……すまんて」
「ハジメ君大丈夫でしょうか?」

「さ、さて、今回は俺視点の話だ」
「楽しんでね!」

「「「双子の獣!」」」


双子の獣

 Side 零斗

 

 目の前で気を失い倒れるハジメ。キャパオーバーしてんな。

 

「ミレディてのはどいつだ?」

「は、はい! 私ですっ!」

「お、あんたがミレディ・ライセンなんだな……とりあえずは神代魔法をくれ」

「了解であります!」

 

 生成魔法の時の様に脳に直接重力魔法の情報を刻み込まれる。30秒程で痛みは収まった。

 

「ほぉ……なかなか使い勝手の良さそうだな」

「光栄であります!」

 

 こんなキャラじゃなかったでしょ君……

 

「あのー……誰なんですか? その人達?」

 

 シアが気を失っているハジメを膝枕しながら聞いてくる。随分と絆された様で……

 

「まぁ、そうだな……前世の仲間かな?」

「ではハジメ君が起きるまでの間に何があったか教えてください」

「了解」

 

 ────────数日前────────

 

 転送されハジメ達と別れてしまった。

 

「……今度はロンドンですか」

 

 オスカーの迷宮では新宿が再現されていたが今回は第四特異点のロンドンが再現されていた。

 

「ヴェノム、位置の特定とハジメ達との連絡ができるか調査頼む」

『りょーかい』

 

 例の如くヴェノムに情報収集を頼み街中を歩き回ろうと思った時。いきなり銃声と共に衝撃を受ける。

 

「チッ……狙撃か……ヴェノム、腕の再生にはどのくらい時間が掛かる」

 

 狙撃により左腕が弾き飛ばれた。威力もそうだが弾道が明らかにおかしかった。まるで弾丸自体が屈折し追尾した……そんな感覚だった。

 

『完全に治すには2日くらいは掛かる』

 

 どうやらかなり面倒なことに巻き込まれたらしい。俺は狙撃手がいるであろう場所に向けて走り出す。するとまた銃弾が飛んできた。しかもさっきより速い、だが俺の身体能力なら避けれないことはない。飛んでくる弾丸を避けながら確実に距離を詰めていく。そして建物の屋根の上に登った瞬間、ようやく相手の姿を確認することができた。見た目はフード付きのコートを着た男。

 

「死ね」

 

 男がライフルのトリガーを引く前に詰め寄り首を刎ねる様に血狂いを横一文字に振る。

 

 キィン! 「チッ! 新手か……厄介な」

 

 背後から銃撃を受けて男の首のスレスレで血狂いが弾かれる。

 

「ここは一度体制を建て直さて貰う……じゃあな」ボフン

「……逃がさない」ヒュン

 

 女がナイフを投擲してくるがそれを弾いてその場から逃げる。

 

「しばらくは潜伏しつつ様子見だな……速めに仕留めねぇとジリ貧だな」

 

 こっちは左腕が使えないし、数的不利で……今無理に戦った所で勝てる筈も無い、のでせめて腕が治るまでは潜伏する事にした。

 

 

 ──────────2日後──────────

 

 

「うし、腕は治ったな」

『ハジメ達とは連絡取れねぇから……短期決戦じゃねぇとな』

「とりあえずは……男の方から仕留めるか」

 

 潜伏場所にしていた、廃墟を出る。しばらく歩き大通りに辿り着いた。

 

「ここなら見やすいな……(ヒュン)両方からな」

 

 早速、狙撃される。弾速は速いが避けられない程では……!? 

 

 ギィン! 「ハハ……さながらHELLSINGのリップバーンだな……弾道がねじ曲がりやがったよ」

『方向的には6時の方だぞ……参考にはならんだろうが』

「1発ずつしか撃てないだろうからリロード中に見つけるしかねぇか……めんど」

 

 

 再び移動すること数分、また別の建物に移動した時、違和感を感じた。音を聞いた瞬間、即座に伏せた。その瞬間、強い光と爆音に晒される。鼓膜が破れそうになる程の轟音が響き渡る。どうやら先ほどの閃光手榴弾のようなものを使ったようだ。しかし、おかしい。いくらなんでも威力がありすぎる。下手したら自分にも被害が出るというのに……

 

「ハハッ、面白れぇ奴もいるもんだな……」

『あれだけの攻撃できるってことは相当ヤバそうだな』

「まぁ、なんとかなるでしょ」

 

 建物の影に隠れつつ移動する。数日掛けようやく相手の姿が確認できた。黒いコートに身を包み、顔の上半分を隠すようなバイザーを着けている。さらに背中からは大型のライフルを背負っていた。

 

「今度は俺の番だな」

 

 ホルスターからエルガーを抜き男に標準を合わせ撃つ。弾丸は真っ直ぐ男に向かっていく。

 

「無駄だよ」

 

 男はライフルを構え、引き金を引いた。煙が上がる。着弾すると同時に銃口が吹き飛ぶ。その隙を狙って一気に肉薄しようと試みるが、次の瞬間強烈な痛みが全身を襲う。

 

「……ぐっ!」ガクッ

『おい! 大丈夫か!』

「……問題ない」

 

 

 だがこれはマズイ。おそらくあの男の仕業だ。恐らく重力操作系の魔法の一種だとは思うが、ここまで強力なものとなると神代魔法の類かもしれない。どちらにせよ厄介な能力であることに変わりはない。

 

 

「抵抗しなければ、苦しまずに死なせてあげるよ」

 

 男の指が再びトリガーに掛かる。俺は咄嵯にヴェノムに指示を出す。

 

(ヴェノム……頼んだぞ)

『おう、任せな!』

 

 俺は血狂いを地面に突き刺し、地面を伝わらせヴェノムを男の背後に転移させる。だが、それよりも早く男がヴェノムに向けて発砲した。弾丸が当たる直前、俺の血狂いで軌道を変え逸らすことに成功した。その間に俺は男の後ろに回り込み、心臓目掛けて貫手を繰り出す。だが、俺の攻撃を察知したのか、バックステップして避けられてしまう。俺はすかさず血狂いを男に向けて投げつける。狙い通り、男の肩に刺さりそのまま壁に縫い付けるように拘束することに成功した。

 

「ヴェノム、大丈夫か?」

「大丈夫だ、問題無い……けどちょっと休ませて」

 

 かなり消耗しているらしい。俺は急いで回復薬を取り出し飲ませる。

 少し落ち着いたところで状況を確認する。

 

 さっきの銃撃で左肩を貫通されているようだった。幸い急所は外れていたようで一命を取り留めたが、しばらくはまともに動けそうに無かった。

 

「さてと……大人しく捕まってくれるとありがたいんだが……」

「それは無理な相談ね」

「ですよねぇ」

 

 すると突然、後ろから声が聞こえてきた。振り向くとそこには白い軍服の様な格好をした女がいた。腰には二丁のハンドガンを差している。何者なのかは分からないが少なくとも味方ではない事だけは分かった。

 

「ナイフの嬢ちゃんか……と言うかフェルとロウだろ?」

「バレてら」

「お久〜レイト」

 

 やはり、この二人だった。何故こうなっているかというと、理由は簡単である。この迷宮の守護者らしく俺専用の試練らしい……正直勘弁して欲しい。

 

 そんなことを考えているうちに二人が構えを取る。どうやら戦闘は免れないようなのでこちらも臨戦態勢に入ることにした。

 

 先に動いたのは白服の女……もといフェルだった。こちらに突っ込んでくるのに合わせてカウンター気味に回し蹴りを放つ。しかし、それを見越していたかのように紙一重でかわされる。が、そんな事は予測済みなので痛手を負ったヴェノムを影の中に引かせる。一旦距離を置こうと下がるがフェルは手に持っていた二本のダガーを投げてくる始末だ。

 

「ちっ」

 

 舌打ちしつつ一本目を弾き飛ばし、二本目を避けようと身を引くがその瞬間、目の前に銃弾が迫ってきていたので慌てて飛び退く。

 

「ハハッ! やるじゃねえか」

「うーん、惜しいな……もうちょい速ければ眼球にクリーンヒットだったぜ」

「あんた、余裕すぎない!?」

 

 フェルの方を見ると右手を前に突き出し何かしらの詠唱をしていた。その直後、周囲に氷柱が出現しそれが一斉に襲いかかってくる。俺も対抗するように血狂いで全て撃ち落としていく。しかし、数が多すぎて捌ききれないと判断し、一旦その場を離脱する。すぐに追撃が来ると思ったのだが、意外にも来なかった。

 

「へぇ、やっぱり強いじゃん」

「当たり前だ」

「んじゃあ、本気出そっかな」

 

 その瞬間、空気が変わった。明らかに今までとは比べ物にならない程の殺気が放たれている。思わず鳥肌が立ったくらいだ。2人して体毛の黒い大狼に変化した。

 

「「グルゥゥゥウ……」」

「さながらダクソ2の王の仔ラド・王の仔ザレンだな……」

「「ガァア!!」」

 

 雄叫びを上げつつ、同時に突っ込んできた。俺は迎え撃つために血狂いを構える。まずは右の拳で殴りかかってきたのをギリギリまで引きつけて避け、ガラ空きになった脇腹に貫手を突き入れる。

 

「「ガ……ッ!」」

「……ッ!」

 

 だが、流石に硬かったようだ。皮膚を貫くことはできなかったが、その分ダメージはかなり与えた筈だ。そこに左から横薙ぎに爪が飛んで来る。これはしゃがみこんで回避する。頭上を風切り音が通り過ぎていった。すぐさま立ち上がり、今度はこちらから仕掛ける。まずは小細工無しに正々堂々と正面突破を試みた。それに対して二人は左右に分かれ挟み込むような攻撃に出る。

 

「脆いっ!」

 

 俺はあえて真正面から行くのではなく、敢えて右側に向かって跳ぶことで攻撃を空振りさせた。そしてそのまま空中を蹴って方向転換を行い、左側へと回り込んだ。だが、そこで違和感を感じた。先程までは確かにいたはずの二人の姿が見当たらないのだ。嫌な予感を感じつつも着地と同時に振り返るとそこには誰もいなかった。

 

 直後、背後からの気配を察知し咄嵯に飛び退いた。

 

「今のを避けるんだ」

「まぁ、これでも修羅場はくぐってきているんでね」

「なら……もっと本気でいくよ?」

 

 何時の間にか人型に戻っていた2人はそう言うと、また雰囲気が変わる。さっきよりもさらに濃密かつ鋭い殺意を感じる。俺は警戒心を強めて、いつでも動けるように構えを取った。

 

「「さて、第二ラウンド開始といこうか(ね)? レイト」」

 

 そう言って再び攻撃を仕掛けてきた。

 

 俺は即座に反応して迎撃を開始する。最初に動いたのはロウだった。両手にそれぞれ持ったハンドガンを構えて連射してくる。一発目をかわし、二発目は弾いて三発目を血狂いではじき返す。その間にフェルが懐に入り込みダガーを振るってきた。

「くっ!?」

 何とか体を捻り直撃は免れたが、左腕に浅く傷がつく。

「まだまだっ」

「こっちも忘れて貰っちゃ困るぜっ」

「ちっ! 鬱陶しい」

 

 フェルは攻撃の手を止めずに次々と斬りつけてくる。ロウも負けじとハンドガンを撃ちまくってくる。俺も反撃を試みるがフェルの攻撃が激しく中々チャンスが無い。

 

 そんな攻防が続くこと数分、ついにその時は訪れた。一瞬だけ隙ができたため、そこを狙って一気に距離を詰める。そのままロウの頭を掴み壁に叩きつける。

 

「ガッ!?」

「ロウ!」

「余所見すんなっ」

 

 影からヴェノムが現れ、フェルに回し蹴りを放ち吹っ飛ばす。

 

「ナイスだヴェノム……オラッ!」

 

 ロウの頭を掴み再度、床に叩きつける。床はメキメキと音を立て、崩壊を始めた。そんなことはお構いなしといった様子で、俺の腕を掴む。

 

 その勢いのまま建物を貫いて行く。途中にあった部屋やらを破壊しながら進み、やがてちょっと広めの空間に出た。

 

 ──────────────────────

 

 

「と、まぁこんな感じだ」

 

 俺の話が終わると皆唖然として様子でこちらを見ている。そりゃそうだろな。

 

「う、うーん……ここは?」

「お、起きたみたいだな」

 

 意識が戻ってきたハジメに何があったかを簡単に説明する。

 

「じゃ、じゃあ……そこで寝込んでいるのがフェルさんとロウさん?」

「ああ、そういうことだ。こいつらもエトやヴェノムと同じように俺の能力から生まれた」

 

 そう言いながら二人を指差した。ちなみにこの二人は既に元の姿に戻っている。

 

「戦わなくて良かった……絶対死んでたよ、私……」

 

 ミレディが若干涙声で呟いている。俺としてはちょっと戦いたかったなぁ……巨体ゴーレムか、ロマンだな! 

 

「あ、そうだ。ミレディ、お前に会わせたい奴が居るんだ……とその前に元の身体てあるか?」

「え? あるにはあるけど……魂魄をこっちに移しちゃたし」

「問題無い。一応は魂魄魔法が使える」

「えぇ……」

 

 俺は思い出したことを伝えるべく、ミレディに声をかける。すると彼女はビクッとした後、恐る恐る聞いてきた。何故、そこまで怯えるのかはわからないが……ミレディの魂をゴーレムから人間の方に戻した。自称美少女だと思っていたがどうやら本当の様だった。

 

 ユエのような金髪。シアの髪の色の様な蒼穹の目。顔つきも美少女と自分で言うのも否定できないレベル。体つきもスラッとしていて……一部のボリュームは無いようだが。

 

「あ、ミレディ目瞑っててくれ」

「わ、分かった……これでいいの?」

(オスカーさん、ちょっとこちらに)

(あ、あぁ……)

 

 とりあえずミレディには目を瞑って貰い、念話でオスカーを呼び、ミレディの前に立たせる。

 

「ミレディ、もういいぞ」

「う、うん…………え?」

 

 目を開けると目の前にはオスカーがいることに驚いたようだ。

 

「えっと……久しぶりだな、ミレディ」

「オーちゃん……本物なの?」

「ああ、正真正銘本物のオスカー・オルクスだよ」

「本当に、ほんとうに生きてるんだよね? 幽霊とかじゃないんだよね?」

「ははっ、おかしなことを言うな君は。私はこうして生きているさ」

 

 その言葉を聞いた瞬間、ミレディの目から大粒の涙が流れ出した。そして、そのままオスカーに抱きついた。オスカーは抱きつかれた事に動揺した様だったが直ぐに優しく頭を撫でていた。その様子を見た俺らは、退散することにする。

 

 

 ────────────────────

 

 しばらくして、落ち着いた様子のミレディが話出した。

 

「私も……君達の旅に同行させて貰えないかな?」

「別に構わないが……大丈夫なのか? その……色々と」

「もちろん、わかっているつもり。だけどね、それでも君達について行きたいと思ったの。だからお願いします」

 

 そう言って深々と頭を下げてきた。俺は後ろにいるハジメ達に視線を向けると、小さくコクリと首を縦に振った。

 

「わかった。歓迎しよう」

 

 俺はそう言うと手を差し出す。それを見たミレディは嬉しそうな表情を浮かべて、俺の手を握った。

 




戦闘描写ムズすぎるんじゃ〜
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