ありふれた黒幕で世界最凶   作:96 reito

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「よいしょと、ホイヨ((( ノ*OωO)ノお馴染みの零斗さんですよ〜」
「エトです」
「シアです!」

「前回はウィル坊連れてフューレンに戻る所だったな」
「……貴方、畑山さんになんてことしてるんです?」
「独占欲丸出しですぅ……」
「途中で気絶して、一人で満足してる方が悪いんですぅ〜!俺ちゃんは悪くないですぅ〜!」
「子供じゃ無いんですから……全く……」

「……今回はイルワに結果報告だ、楽しんでくれ」

「「「結果報告ううう!」」」



四章
結果報告ううう!


 Side 零斗

 

 夢を見た……友を殺す夢を……

 

 夢を見た……友に殺される夢を……

 

 夢を見た……◼◼◼に殺される夢を……

 

 夢を見た……見知らぬ人間に殺される夢を……

 

 ………………声がする……喧しい…………煩い……

 

お前は

谿コ縺輔l繧九∋縺阪□

豁サ縺ャ縺ケ縺阪□

豸医∴繧九∋縺阪□

 

 俺が一体何をしたんだ……俺はただ────になりたかっただけ……

 

●○●

 

「…………」

 

 クソが……俺はあんたらに望まれてやっただけだっての……

 

「顔色が悪い様ですが大丈夫ですか?」

 

 エトが心配そうにこちらを見つめている。

 

「少し夢見が悪かっただけです、体調面は良好です」

 

 気分は最悪だったけどな。内容が内容だ……思い出すと吐き気がしてくる。

 

「……その様子だとあまり良い夢ではなかったようですね……」

「えぇまぁ……夢なんて起きたら忘れてるものですが」

 

 だが内容はしっかりと覚えていた。それどころか嫌でも頭に浮かんでくる。

 

「ハジメ、後どのくらいでフューレンですか?」

「後三時間くらいかな……それまでは休んでて大丈夫だよ」

 

 5時間くらい寝てたのか……ならもう少し寝ればよかったか?……いや、無理だろうな。またあの悪夢を見ると思うと眠れる気もしない。

 

「お、起きたようじゃなレイト殿、一つ聞きたいことがあるのじゃが……」

「答える範囲のものでして構いませんが……」

 

 荷台に乗っていたティオが身を乗り出しながら話し掛けてきた。

 

「妾の記憶を魔法で読んだと言っておったが……どう言った魔法なのじゃ?妾が知っている限りそのような物はなかった筈じゃが……」

「私のオリジナルになります。記憶を読む以外にも自分の記憶を他者に共有する事ができるんですよ」

 

 まぁ、半分嘘だがな。魔法じゃなくてロウとパスを繋ぎ直した事で戻った能力の一つだ。右手で対象の記憶を最長で三日分読み取る、左手で自分の記憶を共有……相手の血から読み取れるけど解析する時間が必要だし、色々と面倒な条件があるんよなぁ……

 

「もう一つ聞いてもよいか?」

「構いません」

「デビット……じゃったか?その者の心臓を抜き取った時、お主の腕が黒く変化しておったが……あれはなんじゃ?」

 

 あら、バレてるやんけ。別に隠すことでもないんだけどさ。

 

「私はちょっとした特異体質でしてね……身体の中に特殊な物質が生成されるんですよ……それを体外に放出して凝固させる事であの様になるんです」

 

 こっちはフェルとパスを繋ぎ直した事で戻った能力だ。原理は強化細胞を身体の一点に集めて体外に放出して凝固させる。なんなら腕全体に纏わせてブレードみたいに出来るし、指を鉤爪みたいに出来る。まぁイメージ的にはヴェノムのライオットみたいな感じかな?

 

「まぁ、これを維持し過ぎると……コフッ……こうなります」

 

 軽く咳き込むと同時に口から黒く変色した血液が吐き出される。

 

「っ!?大丈夫なのかそれは!」

「長時間の維持が難しいだけなので問題ありません。それにこれはあくまでも毒素の様な物なので……触れない方が身のためですよ」

 

 こっちもちょいと嘘を吐く。まぁ、長時間の維持が難しいのはホントだが、毒素の除去くらいは対策済みだし、なんなら長時間維持できる目処もある程度は経っている。

 

 え?なんで嘘をつくのかって?そりゃ、ティオの事はまだ信用してないし、詳しく説明するとエグいからウィル坊の教育衛生上に問題が生じるからさ!

 

「そ、そうか……しかし何とも不思議な体質をしておるのぅ……」

 

 俺の吐いた黒い液体を見てティオが引き攣り気味の顔をしている。

 

 ────────────────────ー

 

 あれから暫く雑談を交わしていると目的地であるフューレンに到着したのであった。

 

「……これはしばらく掛かりそうですね」

 

 ブリーゼを列の最後に停めて、門までの距離を見ると一時間くらいは掛かりそうな距離だった。

 

「あの……零斗さん、四輪で乗り付けて良かったんですか?できる限り隠すつもりだったのでは……」

「問題ありません……それにあれだけ派手に暴れたのですから後数日もすれば余程の辺境でない限り、伝播されているはずですから」

「いつかはこうなるだろうなとは思ってたけど……早過ぎない?」

 

 ブリーゼのボンネットに腰掛けながら、武器の点検を行う。刃こぼれなし……っと。

 

「シアさん、アルテナさん、この件で私達はいい意味でも悪い意味でもかなり目立つ様になりますから、奴隷のフリはもう大丈夫ですよ?首輪も外しても構いませんが……」

 

 シアとアルテナは、そっと自分の首輪に手を触れて撫でると、若干頬を染めてイヤイヤと首を振った。

 

「いえ、これはこのままで。一応、ハジメさんから初めて頂いたものですし……それにハジメさんのものという証でもありますし……最近は結構気に入っていて……だから、このままで」

「想い人からの初めてのプレゼントですから……どんな形であれ嬉し物なんです!」

 

 そんな事を言うシアとアルテナ。シアのウサミミが恥ずかしげにそっぽを向きながらピコピコと動いている。目を伏せて、俯き加減に恥じらうシアの姿はとても可憐だ。視界の端で男の何人かが鼻を抑えた手の隙間からダクダクと血を滴らせている。

 

「……ちょっとだけ、じっとしててね」

 

 ハジメが宝物庫から幾つか魔石を取り出すと、シアとアルテナの首輪の手を触れる。すると二人にはめられた首輪が淡く光る。どうやら錬成で首輪からアクセサリーに加工している様だ。デザインは……シアがファッション的なチョーカーに、アルテナはペンダント型のチョーカーに。

 

「……これでよし」

「わぁ……綺麗……ありがとうございます、ハジメさん!」

「……嬉しいです!一生大切にしますね!」

 

 二人の声音は心底嬉しそうだ。それを見た周りの男達から歯軋りする音が聞こえてくる。そして、ハジメの腕に抱きつくと、にへら~と実に幸せそうな笑みを浮かべながら額をぐりぐりと擦りつけつつ礼を言った。

 

「よぉ、レディ達。そんな冴えない奴よりも俺とイイコトしないか?」

 

 下卑た笑みを浮かべたチャラ男が随分と失礼な事を抜かしながらシア達に声を掛けて、チャラ男はシアの頬に手を触れようとした。

 

「女性に気安く触れようとするとは……少々、失礼では無いですか?」

 

 俺は刀の切っ先をチャラ男の喉元に突きつけた。突然の行動に驚いたのか、チャラ男はビクッと身体を震わせると顔を青ざめさせて固まってしまった。

 

「お、おい!いきなり何をするんだ!」

「それはこちらのセリフですよ。彼女達は私の友人の大切な人です。その様な無粋な真似をされては困ります。それと、貴方の言動は不快なので、これ以上彼女に近づかないでください。私に斬られる前に退散する事をお勧めしますよ?」

 

 殺気を放ちながら警告するが、チャラ男は顔色を真っ赤にして怒髪天を衝くといった様相で怒りをあらわにした。

 

「あぁ、それと……喧嘩を売る相手はしっかりと見極めた方が良いですよ?でないと……喰わレちまウゼ?」

 

 チャラ男達だけに見える位置でしゃがみこみ、仮面を少しだけズラして下顎を露出させる。そして、異形化に変化させた顎を見せつける。同時に口角を上げてニタリと笑う。すると、まるで蛇に睨まれたカエルの如く、顔面蒼白になってガタガタ震え出した。

 

「ひ、ひぃぃぃ!」

「人の顔を見て逃げ出すとは……やはり失礼な人間ですねぇ」

 

 情けない悲鳴を上げ、脱兎の如くその場から走り去って行った。それを見ていた周囲の人達は呆気に取られた様にポカンとしている。

 

「……やり過ぎですよ」

「おや、手厳しい」

「中々エッグい事するね〜レイちゃん」

 

 エトが溜め息交じりに注意してきた。その隣で若干引き気味のミレディが笑っている。

 

「仕方ないじゃないですか……ああいう輩は何処にでも湧くのですから」

 

 そう言いながら、列の前方に視線を向ける。簡易の鎧を着て馬に乗った男が三人、近くの商人達に事情聴取しながら此方へやって来た。

 

「おい、お前! この騒ぎは何だ! それにその黒い箱? も何なのか説明しろ!」

 

 随分と高圧的に話し掛けて来る……が視線はユエ達に釘付けになっている。

 

「黒い箱は私達の所有するアーティファクトです。騒ぎはあの辺で怯えている者達が、私の連れに抱きつこうと来たので少しだけ脅しただけです」

 

 嘘は言ってない。嘘を言う時は真実を混ぜるのが有効。真実の方を多めにすれば尚良し。それに加えて違和感の無い、本当にそうであったかのように振る舞う演技力を加えれば騙せない者などいない。

 

「そうか、それは災難だったな」

 

 俺の言葉を鵜呑みにし、碌に調べることなくあっさり信じたようだ。

 

 と、その時、門番の一人がハジメ達を見て首をかしげると、「あっ」と思い出したように隣の門番に小声で確認する。何かを言われた門番が同じように「そう言えば」と言いながらハジメ達をマジマジと見つめた。

 

「……君達、君はもしかしてレイトという名前だったりするか?」

「えぇ、そうですが……」

「そうか。それじゃあ、ギルド支部長殿の依頼からの帰りということか?」

「……なるほど、通達があったようですね」

 

 予想通りだったようで門番の男が頷く。門番は、直ぐに通せと言われているようで順番待ちを飛ばして入場させてくれるようだ。

 

 ──────────────────────

 

 現在、俺達は冒険者ギルドにある応接室に通されていた。

 

「チェック」

「……詰みですね」

 

 出された如何にも高級そうなお茶と茶菓子を楽しみつつ、暇だったからエトとチェスをしていた、戦績は一勝一敗二分けだ。

 

「ウィル! 無事かい!? 怪我はないかい!?」

 

 部屋の扉を蹴破らん勢いで開け放ち飛び込んできたのは、ウィル救出の依頼をしたイルワ・チャングだった。

 

 以前の落ち着いた雰囲気などかなぐり捨てて、視界にウィル坊を収めると挨拶もなく安否を確認するイルワ。それだけ心配だったのだろう。

 

「イルワさん……すみません。私が無理を言ったせいで、色々迷惑を……」

「……何を言うんだ……私の方こそ、危険な依頼を紹介してしまった……本当によく無事で……ウィルに何かあったらグレイルやサリアに合わせる顔がなくなるところだよ……二人も随分心配していた。早く顔を見せて安心させてあげるといい。君の無事は既に連絡してある。数日前からフューレンに来ているんだ」

「父上とママが……わかりました。直ぐに会いに行きます」

 

 イルワは、ウィルに両親が滞在している場所を伝えると会いに行くよう促す。ウィルは、イルワに改めて捜索に骨を折ってもらったことを感謝し、改めて挨拶に行くと約束して部屋を出て行った。

 

「レイト君、今回は本当にありがとう。まさか、本当にウィルを生きて連れ戻してくれるとは思わなかった。感謝してもしきれないよ」

「生き残ったのはウィル坊の運がよかっただけだ、俺らは発見したに過ぎん」

「ふふ、そうかな?確かに、それもあるだろうが……何十万もの魔物の群れから守りきってくれたのは事実だろう?女神の剣様?」

 

 にこやかに笑いながら、俺が大群との戦闘前にした演説の内容から文字った二つ名を呼ぶイルワ。

 

「やっぱ、監視役の人間が居たのか……腕は確かみたいだな」

「その通りだ、私の部下が君達に付いていたんだよ。といっても、あのとんでもない移動型アーティファクトのせいで常に後手に回っていたようだけど……彼の泣き言なんて初めて聞いたよ。諜報では随一の腕を持っているのだけどね」

 

 そう言って苦笑いするイルワ。最初から監視員がついていたらしい。ギルド支部長としては当然の措置なので、特に怒りを抱くことはない。

 

「それにしても、大変だったね。まさか、北の山脈地帯の異変が大惨事の予兆だったとは……二重の意味で君に依頼して本当によかった。数万の大群を殲滅した力にも興味はあるのだけど……聞かせてくれるかい?一体、何があったのか」

「その前にエト達のステータスプレートを頼むよ……ティオは『うむ、皆が貰うなら妾の分も頼めるかの』……ということだ」

「ふむ、確かに、プレートを見たほうが信憑性も高まるか……わかったよ」

 

 そう言って、イルワは、職員を呼んで真新しいステータスプレートを人数分持ってこさせる。

 

 ===================

 

 ユエ 323歳 女 レベル:75

 

 天職:神子

 

 筋力:120

 体力:300

 耐性:60

 敏捷:120

 魔力:6980

 魔耐:7120

 

 技能:自動再生[+痛覚操作]・全属性適性・複合魔法・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作][+効率上昇][+魔素吸収]・想像構成[+イメージ補強力上昇][+複数同時構成][+遅延発動]・血力変換[+身体強化][+魔力変換][+体力変換][+魔力強化][+血盟契約]・高速魔力回復・生成魔法・重力魔法

 

 ==================

 

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 シア・ハウリア 16歳 女 レベル:49

 

 天職:占術師

 称号: 残念ウサギ

 適性率 62%

 

 筋力:60 [+最大15700]

 体力:80 [+最大11320]

 耐性:60 [+最大10700]

 敏捷:85 [+最大13695]

 魔力:3020

 魔耐:3180

 

 技能:未来視[+自動発動][+仮定未来]・魔力操作[+身体強化][+部分強化][+変換効率上昇Ⅱ] [+集中強化]・闘術・重力魔法

 

 ==================

 

 ==================

 

 アルテナ・ハイピスト 17歳 女 レベル:38

 

 天職:射手

 適性率 59%

 筋力:230

 体力:240

 耐性:120

 敏捷:180

 魔力:5280

 魔耐:4320

 

 技能:風魔法適性・自然操作[+範囲拡大]・結界術適性・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮]・弓術[+連射][+軌道修正][+魔力矢]・重力魔法

 

 ==================

 

 ==================

 

 ティオ・クラルス 563歳 女 レベル:89

 

 天職:守護者

 

 筋力:770  [+竜化状態4620]

 体力:1100  [+竜化状態6600]

 耐性:1100  [+竜化状態6600]

 敏捷:580  [+竜化状態3480]

 魔力:4590

 魔耐:4220

 

 技能:竜化[+竜鱗硬化][+魔力効率上昇][+身体能力上昇][+咆哮][+風纏][+痛覚変換]・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮]・火属性適性[+魔力消費減少][+効果上昇][+持続時間上昇]・風属性適性[+魔力消費減少][+効果上昇][+持続時間上昇]・複合魔法

 

 ==================

 

 ==================

 エト・フレイズ 23歳 女 レベル:ERROR

 

 天職:秘書 諜報員

 称号:鬼女

 

 筋力:ERROR

 体力:ERROR

 耐性:ERROR

 敏捷:ERROR

 魔力:ERROR

 魔耐:ERROR

 

 技能:威圧・瞬間移動・敵意感知・悪意感知・気配察知・全魔法適正・全武器適正・剣術・刺剣術[+双刺剣]・銃術・風魔法適性・闇魔法適性・念話[+零斗、ハジメ、ユエ、シア、アルテナ]・思考予測・縮地[+震脚][+無拍子]・金剛・天眼・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮]・高速魔力回復・生成魔法・重力魔法

 

 ===============

 

 ===============

 

 ミレディ・ライセン ???歳 女 レベル???

 

 天職: 魔導士

 称号:世界基準を軽く超える超絶天才美少女魔法使い ウザイン

 

 筋力:ERROR

 体力:ERROR

 耐性:ERROR

 敏捷:ERROR

 魔力:ERROR

 魔耐:ERROR

 

 技能: 重力魔法[+範囲拡大][+魔力消費減少Ⅲ]

 

 ===============

 

 揃いも揃ってチートだった。流石に、イルワも口をあんぐりと開けて言葉も出ない様子だ。無理もない。ユエとティオは既に滅んだとされる種族固有のスキルである〝血力変換〟と〝竜化〟を持っている上に、ステータスが特異に過ぎる。シアとアルテナは種族の常識を完全に無視している。驚くなという方がどうかしている。エトとミレディは……うん、もう何も言うまい。

 

「いやはや……なにかあるとは思っていましたが、これほどとは……」

 

 冷や汗を流しながら、何時もの微笑みが引き攣っているイルワ。だが、そんな事はどうでもいいので事の顛末を語って聞かせた。普通に聞いただけなら、そんな馬鹿なと一笑に付しそうな内容でも、先にステータスプレートで裏付けるような数値や技能を見てしまっているので信じざるを得ない。イルワは、すべての話を聞き終えると、一気に十歳くらい年をとったような疲れた表情でソファーに深く座り直した。

 

「……道理でキャサリン先生の目に留まるわけだ。レイト君とハジメ君が異世界人だということは予想していたが……実際は、遥か斜め上をいったね……」

「どうする?危険分子として教会にでも報告するか?判断は自由だぜ?」

 

 俺の言葉にイルワは苦虫を噛み潰したような表情になる。

 

「冗談がキツいよ。出来るわけないだろう? 君達を敵に回すようなこと、個人的にもギルド幹部としても有り得ない選択肢だよ……大体、見くびらないで欲しい。君達は私の恩人なんだ。そのことを私が忘れることは生涯ないよ」

「懸命な判断だな」

 

 後ろに居る、エトからの視線が痛い……ここは素直に謝った方がいいかな?

 

「私としては、約束通り可能な限り君達の後ろ盾になろうと思う。ギルド幹部としても、個人としてもね。まぁ、あれだけの力を見せたんだ。当分は、上の方も議論が紛糾して君達に下手なことはしないと思うよ。一応、後ろ盾になりやすいように、君達の冒険者ランクを全員〝金〟にしておく。普通は、〝金〟を付けるには色々面倒な手続きがいるのだけど……事後承諾でも何とかなるよ。キャサリン先生と僕の推薦、それに〝女神の剣〟という名声があるからね」

 

 イルワの大盤振る舞いにより、他にもフューレンにいる間はギルド直営の宿のVIPルームを使わせてくれたり、イルワの家紋入り手紙を用意してくれたりした。

 

 ────────────────────

 

 あの後、イルワと別れ、ハジメ達はフューレンの中央区にあるギルド直営の宿のVIPルームでくつろいだ。途中、ウィルの両親であるグレイル・グレタ伯爵とサリア・グレタ夫人がウィルを伴って挨拶に来た。かつて、王宮で見た貴族とは異なり随分と筋の通った人のようだ。ウィルの人の良さというものが納得できる両親だった。

 

 グレイル伯爵は、しきりに礼をしたいと家への招待や金品の支払いを提案したが、丁重にお断りしておいた。代わりに、困ったことがあればどんなことでも力になると言い残し去っていった。

 

「ふぅ……流石に疲れたなぁ……」

 

 ハジメが超大型ソファーにゴロンと寝転びながら、リラックスした様子で深く息を吐いた。

 

「今日はもう休むか……明日は消費した食料の買い出しだな」

 

 ハジメとは反対側のソファーに腰掛けて、明日の予定を立て始める。

 

「あ、あの〜レイトさん。その、明日なんですが……」

「ん?あぁ、ハジメとデートだったな、なら俺とエト達で買い物は済ませておくから楽しんでこい」

 

 そう言うと、シアとアルテナの顔がパァッ!っと明るくなった。

 

「ハジメ、しっかりエスコートしてやれよ?」

「……頑張ります」




アルテナさんとミレディのステータスに誤りがあったら教えてください。感想お待ちしております。
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