なんかタイラントになってしまったんだが。   作:罪袋伝吉

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沢山の感想と修正ありがとうございます。

列車を降りて、エイダの言う脱出口へと向かう一行。バイオハザード2のオーバータイム突入、でもなんかまーったく困難そうではないという。

なお、ネメシス初登場(まぬけ)。

※)なお、主人公の○○したまい、は方言のようなもんです。




オーバータイム~知能強化型(ポンコツ)。

 

 列車をとめて、俺達は徒歩でエイダの言う脱出口とやらに向かった。

 

 銃器の弾はほとんど無く、エイダがレオンの顔面に投げつけたロケランという最大火力はあるもののそれはたった四発しか弾はなく使いどころに困る代物である。

 

 俺にしても列車にあったバールのようなものや爆破の影響でズタボロになった列車の様々なパーツ、鋼鉄の車輪や車軸などを武器にでっち上げて持っているが、実際のところ兵士というのはつまりは人間である。ゾンビと戦うのとはワケが違う。

 

 故に出来れば遭遇したくないなー、避けれたら避けたいなーなどと思って居たが、予想していた通り、奴らは地下鉄の中に部隊を送り込んで来やがった。

 

 まぁ、来てしまったものは仕方ない。

 

 俺は、むぅぅぅぅん、と『気』的な力を溜め、そして腰を落として両腕をやや斜め前に突き出して

 

「覇ぁぁぁぁっ!!」

 

 と、気合いとともにズドォォン!!と連中に放ち、そして吹き飛ばした。

 

 名付けて『ショックウェーブ』。

 

 この技は施設から脱出する際に鉄骨でゾンビの群れをなぎ払った時になんか鉄骨の先から衝撃波が出ていたのにヒントを得て

 

『じゃあ鉄骨無しでも衝撃波出せるんじゃね?ワクワク』

 

 とさっきやったら一回目で出せた上に瓦礫をズドォォン!!と吹き飛ばせたので実用化に踏み切ったのである。

 

 地下鉄のこのトンネルのような場所でこれをやると効果は絶大であり、指向性を持った衝撃波はアンブレラの私兵達はそれだけでもう戦闘不能になってしまっていた。

 

「……か、かっけぇぇ!!」

 

 いや、なんかレオン君が子供みたいに目を輝かせてんですけど。

 だが男の子で『波』の付く必殺技に憧れない奴はおらんということか。フフフフフフ。

 

「レオン君、この技は、空気を如何に身体全体で呼び寄せるか、そしてそれを全身の筋力で一気に吹き飛ばせるか、なのだ。君ならいつか必ず会得出来るはずだ……」

 

 まぁ、原理的にはデタラメではないが、普通の人間に出来るかと言えばどうなんだろうなぁ、とか思うもやはりロマンと夢は与えるものだろう。

 

 なんか女の子のシェリーもめっちゃ目をキラキラさせてんだが、うーむむむむ。

 

「う~っ、はぁっ!」

 

 ぽすん!

 

 あ、普通の女の子(ようぢぉ)が会得しとるげな。

 

……威力弱そげだけど。

 

「シェリーすっげぇ!どうやんだ?どうやんだ?」

 

 あ~、レオンとシェリーが練習し始めたよ、つーか君達、今の状況を理解しとるんかね?

 

「うぉーっ、はぁっ!」

 

「いやぁああああっ、はぁっ!!」

 

 ぽすん!ぽすん!ぽすん!ぽすん!

 

 ようぢぉとイケメンがなんか変なことをやっとる図というのはなんというか。

 

……アホっぽいよな?

 

 エイダはアホな事をやっているレオンを見て、ぷっ、と噴きかけたが、いやいやいや、と、頭をふり、

 

「とことんデタラメなバケモノなのね。まぁ、少ない弾を消費せずに済んだけど」

 

 エイダは呆れたように言った。

 

「デタラメとは心外な。技というものは長年その理合いと理論をもって培ってきた結晶なのじゃ(嘘)。そんなことよりホレ、敵の銃が無傷で手には入るぞ。漁れ漁れ、追い剥ぎるのだ」

 

「……はぁぁぁっ、なんなのその追い剥ぎるってのは。というかあなたに捕まらなければ今頃私はヘリで逃げられていたのに」

 

「ふん、仲間を見捨てて一人だけ逃げようとするなど俺が許さん。それにな、ヘリで脱出は不可能のようだぞ?付近を飛んでいた報道のヘリが沢山落とされたようだ?この兵士の無線を聞いてみろ」

 

 俺は兵士の持っている無線のイヤホンをエイダに渡した。

 

『ザーッ……リピート、ズィスイズポー、ズィスイズポー。うんたらかんたら、ミスィルヘデネネジュークボッ………ザザーッ……ミションコンプリート、オバー……ザーッ(繰り返す、こちらポール、こちらポール。上空に群がってるハエのような報道のヘリコは全て落とした。作戦終わったから帰るわ、でわでわ)』

 

 それを聞いたエイダは額にぺしん、と手を当てて深く溜め息を吐き、心底嫌そげな顔をした。

 

「な?俺達と逃げて正解だったろ?」

 

 まぁ、ヘリでエイダが脱出しようとしていたとは知らなかったし、それにアンブレラの連中が報道ヘリまで落としてでも情報を漏らさないようにしていたなんぞ、この俺でも考えもしなかったのだが、訳知り顔でニタニタわざとらしく笑ってやった。

 

 しかし飛んでいるものは大抵落ちる運命なのだなぁ(カプコン並感)。

 

 なお、小並だとヘリのミサイルで射出されてデカい空中メカ戦艦とかと戦わされるぞ?普通死ぬってそれ。

 

「ま、レオン君と一緒にいられるオーバータイムを楽しみたまい。ケケケケケ。あ、ナイフは俺にくれ。槍を作るから」

 

 こうして俺達は襲いかかってくるアンブレラの私兵達から武器弾薬を追い剥ぎっては装備を充実させて行った。

 

 と、クレアがなんか大量の財布を持ってきて俺に見せた。

 

「コイツ等良いカモになってるわね」

 

 いや、クレアさん?つかなにコイツ等の財布まで奪って札、数えてんですか。つかわりと集めたねぇ。奴ら結構良い給料もらってんだなー、つかうわー、免許証とカードまで。というかあなたのお兄さん警官でしたよね?!つかレオン君も率先して財布集めてない?!

 

「殺人未遂の慰謝料には足りないわよ。これで許してやってんだから感謝されても良いぐらいだわ。それにこれから絶対お金は必要になるしね」

 

 た、逞しい娘さんや……。

 

「身分証明書の類は偽造されたものだな。だがコイツ等がアンブレラの犯罪に関わっているのは確かだし、保安当局、いや国防総省にこの情報を提出すれば或いは……。まぁ、お金に関しては目をつぶるからその代わりに免許証とコイツ等のドッグタグは僕に渡して欲しい」

 

 あ、レオン君は真面目に警官としてやってんのね。いや、だからお金に関して目をつぶっちゃいかんだろ。

 

「ま、あの世にはお金なんて持っていけないから、いいんじゃない?それは私達にも言える事だけど」

 

 いや、私兵達死んでねーから。つか衝撃波で全身の骨は砕けてるけど、ほら、うめき声とか出してるじゃん!このままほったらかしにしたら死ぬおそれは確かにあるけど!!

 

 エイダはクールに言うが、レオンがカードを抜きとった財布からやはり札を抜いている。

 

「あ、アタシもちょうだい?どうせ報酬はオケラなんだからちょっとぐらいは補填しとかないと」

 

 ダメだ、こんな大人達、シェリーには見せられんがな!!

 

「ママー、クレア達、何してるの?」

 

「見ちゃいけません。いい、シェリーはあの人達の真似は、けしてしちゃダメよ。あれは悪いことなの。わかった?」

 

 ナイスアネット、ちゃんと子供に善悪を言い含める母親の鑑!

 

……つか子供にそれが言えるのになんでアンタはウィルス開発とか人体実験なんぞやっとったんだ、とは言ってはならんのだ。多分。

 

 そうして俺達はまだ先の脱出口に向かってまた歩き出した。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 やっとこさ、脱出口まで後少しという地点まで俺達はたどり着いた。

 

 ここに来るまでに結構な数の兵士達がわんさかと来たが、俺の新必殺技の『ショックウェーブ』でことごとく粉砕(文字通り)して、俺の背負っているズタ袋にはみんなが持ちきれない武器弾薬まで突っ込まれてズッシリ感がパナくなっている。

 

 つーか、奴らの着けてたアクセサリーまでなんか入ってんだが?つか婚約指輪まで盗るとかお前らマジ鬼畜だなおい。

 

『俺、この作戦が終わったら婚約者と結婚する……』

 

 ズドォォン!!グシャバキボキグシャア……。

 

 いや、あれは本当に俺も罪悪感を感じたわ。つか死亡フラグ立てんなやマジで。死因になった俺が言うことじゃねーかもしれんけどな!

 

「いやな……事件だったね……?」

 

 指輪を追い剥ぎしたクレアがそう言う。

 

 ホントマジで勘弁してくれ。なんだろう、真面目で正義感の塊だった君はどこ行ったんだよ。

 

「目的のためなら奴らの金でもなんでも利用するわ。私は早くここを脱出して兄を追ってヨーロッパに行かなきゃいけないのよ」

 

 ラクーンシティでの過酷なサバイバルは彼女の精神を極限までタフにしたのかも知れない。だが全てが終わった時にクレアは果たして日常に戻れるのだろうか。俺は自分のこの身を差し置いてそう思った。

 

「クレア、俺は君が心配だ。というかお兄さんの事が心配だというのはとてもよくわかるが、君は自分の人生と言うものを……」

 

 そう言いかけて、俺は最後まで言えなかった。奥の方からとてつもなく強烈で嫌な臭気を放つ敵がこちらに来るのがわかったからだ。

 

「みんな、警戒しろ。この臭さは『T-ウィルス』、B.O.W.が来るぞ!」

 

 臭気の主は、ズスン、ズスン、ズスン、と地面を鳴らしながら、

 

「スターズ……ジャナクテ、スパイの女ぁぁぁぁ。スター……スパイ……言イニクイ……。女ぁぁぁぁ」

 

 なんぞと言ってぬるりと現れた。おそらくタイラントの一種なのだろうか。身体がデカくてヘヴィメタかパンクロッカー的な意匠のコートを来ており、そして何より量産型タイラントと大きく違うところは頭や顔に走る手術痕とその顔面の醜さだろう。

 

 それよりも言葉喋れるんかコイツ。つか

 

『女ぁぁぁぁ』

 

 ってそれ変質者やがな。ふむ、スパイの女ねぇ?

 

 俺はエイダの方を見た。エイダはこそこそと奴から見えないようにと俺の後ろに隠れており、このデカブツが自分を狙って投入されたと気づいている……ってかここには女スパイはエイダしかいないのだ、そりゃそうか。

 

「女スパイなら、あっちに走っていったよ。そう、線路出口の向こうにいる兵隊達が捕まえたってさ」

 

 俺はそのタイラントの派生型にそう言った。

 

「オマエタイラント……?仲間??ダガ情報アリガト……」

 

 奴はくるり回れ右をすると、足音をズスン、ズスン、ズスンと響かせてまた来たところへ返っていった。

 

 誰が仲間じゃ、などと思ったが、とはいえ要らん戦闘を回避出来て何よりだ。

 

……アイツはバカだが、しかしかなり厄介な部類のB.O.W.だ。間違いなく。臭いがハンパない。

 

 しかしお礼を言えるとは実はいい子なのかも知れん。知能は低そうだけどな。

 

 奴が完全に見えなくなり、おそらくはその感知範囲から出て、俺はエイダに言った。

 

「……オマエの知り合いか?アレ?」

 

 言われたエイダは心底嫌そうな顔をしたとさ。

 




・某レイドモードのレオン君のあのショックウェーブは、主人公が伝授した、という設定。

・残虐行為手当て。クレアによれば慰謝料だそうです。

・知能が上がったせいでポンコツになっているネメシスくんが、とてもカワイイデスネ?

ネメシス君をどうするかアンケート

  • ネメシス君と巨乳ママ博士仲間入り
  • ケツほいランサー死亡
  • 暴走して戦車砲で博士諸共殺される。
  • 再び騙されてどこかへ行って行方不明
  • 鬱エンド
  • 主人公捕らえられ章エンド

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