キャプテーン!タイラーント!!なお、アメコミヒーローなんて平さんは知らないから、基本ヒーローの知識は仮面ラ○ダー一号と二号だ。
新必殺技はかなーりえげつないぞ?
ショタ好きおねーさん(三十路)傭兵なぁ……。かなり傭兵さん達の性格とか変わってますが仕方ないね?
流れ星が消える前に三度願い事を言えばその願いは叶うと人は言う。だが自分が流れ星のごとく空を劈き地面に投下された時、願い事なんぞ言う暇もない。
つうか死にたくないから走馬灯まで回りだす。
「どぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ?!」
つうかこれ流れ星ちゃう、隕石(メテオ)や!!
つか、このスピードが怖い!いつ地面に激突するかわからんのが怖い!!あと、衝撃吸収剤のスポンジみたいなので身動きも出来んのが怖い!!
そしてナスターシャ博士が声が聞こえた。
『間もなくバリュートとエアブレーキ展開します!』
ばふん!!とカンオケの上で何かが開く音がして、スピードがやや落ちてガクンと衝撃が来た。
「ぐぇぇっ?!」
しかし、スピードがやや落ちただけだ。つかなんで穏便に降下するようなモンを作らんのかあのナス太郎は!!
『交戦域突入、間もなくです!』
なんか木とか岩とかごっつんごっつん足元でぶつかってる衝撃がっ、音が怖ぇぇぇ!!ってかいきなり戦闘の真っ只中に落とすんじゃねぇぇぇ!!つか人に当たったらどうすんだ!!
そしてカンオケは、どおおおおおおん!!と地面に斜めにぶっささり、外の装甲壁がけたたましくドパパパパパパン!と小刻みな爆発音と共に爆ぜ、ボン!!と外れた。
ぶしゅううううう、と物凄い蒸気がカンオケの底から噴き出しているがこれがウィルス駆除剤だろう。
『着地成功!周囲にカメラドローンを飛ばしています。アナタの状況はモニターしてますので、無線にて続けてサポートします!』
「つ、次からはもっと穏便に降ろしてくれ。死ぬかと思ったぞ……」
『はぁ、でも大丈夫でしたでしょう?きちんと強度設計からアナタの身体の耐久性も計算した上で……』
ああ、確かに死にはしなかったし怪我もない。確かにナス博士は兵器とメカの天才なのだろう。だが、きっと人としての何かが足りないんじゃないか、と思った。
そう、常識とか思いやりとか、そういう類のものだ。あんなに乳とか足りすぎてるというのに。というかネメシスにはあんなに母性たっぷりだというのに。
「俺の精神面の配慮も頼む……」
俺はクレイドルのウェポンラックから装備一式を出してそれを背負うと周りを見た。
「……あー、なんか周りがハンターだらけなんだが?」
『はい、ど真ん中を狙って射出しましたから。というかハンターと交戦している兵士達がかなり危険な状況でしたので』
……だからと言って俺をそんな危険な状況にあんなカンオケでロケット射出すな。アナタ云々言っとる癖に俺の扱い雑過ぎぃ!
そうは思うも、兵士達の姿はもうそれはひどいものだった。
誰もが血まみれで、銃を構えている奴よりもナイフや鉈を構えている奴の方が多い。また、後方で倒れた仲間の応急処置を必死で行っている女性兵士を守るように陣形をとっており、その周りでも多くの兵士の死体が散乱していた。
奇妙なのは、今、ハンターの群れと対峙している兵士達と周りで死体となって転がっている隣国の国境警備隊とは全く装備も服装も違う事だ。
隣国の国境警備隊は普通にジャングルスーツ、つまり野戦服であるが、今戦っている兵士達の姿はどちらかと言えば俺がナスターシャ博士に着せられたバトルドレスと似た感じの特殊な戦闘服だ。そして何より、この兵士達の戦闘服はワッペンというかそういう物を引きちぎって取った跡がある。
……諜報部隊だとしてもおかしい。潜入任務だとしたら最初から縫い付けていないはずだ。
とはいえ、前にハンター、後ろに兵士達である。ハンターの群れは兵士達よりも俺を警戒し、兵士達も俺に銃やナイフを構えて俺の出方を注意深く睨むように見ている。
「クソッ!死ぬなこのビッチ、生き残れたら一緒に少年兵の童貞食いに行こうぜって約束したじゃねーか!死んだら食えねーだろ!目ぇ覚ませこのやろう!」
この緊迫した雰囲気の中、兵士達の後ろ、負傷した女兵士の応急処置を行っている女性兵士の大きな必死の声だけが響く。
処置の手際を見ればかなりの腕を持つメディックのようだが、どうも薬が足りていないようだ。
いや、なんだろう、状況的に悲壮感パないのに言っている事がこの上なくヒデェ。
俺のいるところで死なれるのはいささか気分が悪い。生かしといたら幼気な少年兵が危ないかも知れん。
……とはいえ医療パックを渡してやるか。
というか、子供達には聞かせられんからこの辺の音声は消すようにエイダに言っておこう。あの子達の教育に不適切過ぎる。
「撃つな。医療パックを今からそっちに投げる。くれてやるからとっとと負傷者を蘇生させて下がっていろ。俺の目的にあんたらは入ってない」
俺は腰のベルトの救急パックを外してリーダー格と思われる女兵士にそれを投げてやった。
「……お前は何者だ?」
救急パックを受け取ったリーダーの女が聞いてきたと同時に先走ったハンターが俺目掛けて跳躍してきた。
「俺か。俺は……」
飛びかかって来たハンターをすかさず装備にあったヒーターシールド(防弾チタン装甲製)を構え、
「シールドブルーライン!」
ハンターの爪を受け止めると同時に力任せに地面に振り払って叩きつけ、そして
「キャプテーン・ショックウェーブ!!」
ズドォォォン!!と衝撃波(小)で追い討ちをかけた。
「グェェェェェ!!」
至近距離からの強烈な衝撃波にハンターは身体中の骨や脳みそまでも砕かれ絶命し、あたかもライ○ーキックを食って何故か爆発する前にペラペラになるショッ○ー怪人のようになった。
うむ、ショックウェーブなら刃物とかみたいに血が飛び散らないし、残虐なシーンを見せないですむからな。
……まぁ、外皮が傷つかないけど、中身がぐちゃぐちゃになっちまうけどな?つかラ○ダーキックなら怪人が派手に爆発すっから死体残んねーでいいんだがなー。
俺は振り返りもせずに答えた。
「中南米の平和を守るため日夜戦うヒーロー」
そう、俺の素性を知られてはならんのだ。
「我が名はキャプテン・タイラント!!」
ズビシッ!とポーズを決める俺。いや、だって後で映像を子供達が見るんならそれっぽくやらないといかんしな。なお、ポーズは子供の頃に見た仮面ラ○ダーを参考にしています。
「悪の組織アンブレラのトカゲ怪人共!この日輪を畏れぬならかかってこい!!」
マスクの額の太陽マークを指さし、大声で叫ぶ。
そんな俺の姿にたじろぐハンター達。
「なんだ?怖じ気づいてかかってこないのか?ならばこちらから行くぞ!!」
地面を蹴って素早く飛び込み、真ん中のハンターの頭に一撃!
「超振動拳っ!!」
俺の拳を頭部に食らったハンターの目や耳からブシュッ!と何か液体が吹き出す。
説明しよう。超振動拳とは衝撃波を拳に収束しその固有振動を力学的に相手の体にぶち込む技である。俗に言う『浸透勁』とか古武術でいうところの『通し』とか言う技がこんなんではないか?とか個人的に思っていたりするが、本当のところ武術なんぞ知らんからオジサンわかんないぞ!
とはいえ、なんかベースでスイカにやったら出来たので必殺技パート2として認定する事にした。なお、必殺技パート1は
この超振動拳の良いところは全く外側には損傷を出さないというところと、食らった相手が確実に即死するというところだ。良い子は真似して人に使っちゃだめだぞぅ?
なお、先ほど頭に超振動拳を食らったハンターの脳みそは頭蓋骨内でぐっちゃぐちゃになってるぞ?
……我ながらえげつない技を開発したが、これなら子供達に腕が吹き飛んだり血飛沫だらけの死体を見せずになんとかヒーロー物のように見える……ハズだ。
じゃん、じゃんじゃかじゃんじゃかじゃんじゃかじゃんじゃか♪ い~けぇ~、大気揺るがせぇ~たーいらーんとぉ~ 敵をぶっ飛ばせ~♪(歌詞をだいぶ変えてます)
なんとなく、超振動拳というとあの曲が思い出されるよなぁ。うむ、正しくあれは日本のぢょしこぉせぇ魂というものであろう。
どこーん!!ばこーん!!どっかん!!ばっかん!!
手当たり次第に新必殺技『超振動拳』をぶちかます。もはや死屍累々であるが容赦などしない。
十何体倒しただろうか。残りはあと三匹である。
……なんか残りのハンター三匹がレッゴーな三匹に見えてくるな。
まぁ、超振動拳でぶっ殺すわけだが。G-生物ならともかく、まだハンターは普通に死んでくれるので楽でいいな、うん。
ドゴンッ!「ジュ○でーす!(脳内アフレコ)」
バゴンッ!「チョー○クでーす!(脳内アフレコ)」
ズゴンッ!「三波○夫でございます!(脳内アフレコ)」
「なんでやねん!!」どぉぉぉん!!(オーバーキルのショックウェーブ)
まぁ、ハンターなんてこんなもんだ。
「ふん!たかがトカゲ怪人、何体出ようがこのキャプテン・タイラントの敵ではない!!」
ズビシッ!また俺はラ○ダー的なポーズを決めた。
……何だろうなぁ。兵士達の一人が妙に目を輝かせて見ている感じがするんだが。なんか子供みたいな目だな、おい。
「……なんなんだ、なんなんだ、貴様は。いきなりあんなもので落ちてきてあんなにたやすくハンターを倒すとは」
リーダー格の女兵士が、何が目的だ、と俺に言う。ハンターがこの近辺で野生化して繁殖する前に駆除するのが目的……のはずだったのだが、なんか助けてしまったな。
とはいえ正直に言えるはずもない。ここは隣国の領内だ。正体を知られるわけにいかないのだ。
「私の目的?決まっている。悪の組織、アンブレラの野望を打ち砕き、人々の平和と子供達の未来を守ることだ!」
腰に両手を当てて胸を張ってそう言ってやる。まぁ、だいたい間違ってはいない。あと、大統領からの報酬な?
「……マジで正義のヒーローかよ」
いや、なんか女リーダーの横で感心したような声を発するナイフを持った兵士。呟くような独り言だが俺の聴力にはキチンとその声が聞こえている。キャプテンイヤーは地獄耳だぞ。というかコイツ日本語喋ってねーか?
「ふっ、君も中南米でキャプテンと握手だ!」
その兵士に向けて日本語で言ってやるとなんかビクッ!としやがったが、やっぱコイツ日本人だわ。
と、応急処置をしていた(ヒドいショタ食い発言をしていた)女兵士が、
「……マム、フォーアイズが蘇生しました。その男の医療パックのおかげです」
と女リーダーの側に来て、声控え目に言った。先ほど少年兵の童貞うんたら言っていたわりに報告は真面目っぽい。
「ただし、戦闘への復帰は無理です。どこかで休ませないと……」
「……どこで休ませると言うんだ?アンブレラの連中は何処までも追ってくる。追撃部隊の次はハンターまで出してきた。……フォーアイズは置いて行くほか、無い」
俺のスメル・センスがこのリーダーの女の悲痛な感情の匂いを察知した。本心では部下を見捨てたくないと思っているのだろう。
さて、どうしたものだろうか。
「なぁ、ヒーロー。あんたのところで匿ってくれないか?」
先ほど日本語を発していたナイフの兵士がそう言った。リーダーの女兵士はその兵士を一瞬、止めようとしたが、しかし思いとどまった。おそらく本当に行く宛が無いのだろう。
「ふむ、君達はラクーンシティから逃げて来たのかね?それともアンブレラから離反した兵士か?」
女リーダーがためらうように口を噤んだ。おそらく俺を信用していいものかどうか量り倦ねているようだ。そりゃそうだろう。俺だってこんなアメコミ風に彩色されたバトルドレスとこんなニセゼンガーみたいなマスクを付けた奴、絶対に信じんわい。
「両方だ。我々は……」
「スペクター!勝手にしゃべるな……!」
「いいや、マム。この男は俺達を助けてくれようとしてるんだ。そうだろ?ミスター・キャプテン・タイラント」
スペクターと呼ばれたやや細身の体型の妙な暗視ゴーグルを付けた兵士が何かヘラヘラした感じで、俺を試すように言った。
「場合によっては助けてやらないことも無い」
腕組みしつつ、俺は女リーダーの目を見てどうする?と問いかける。
「……ではどのような場合だ?」
「おまえ達が善良である場合……と言いたいが、いたいけな少年兵の貞操を狙うような女がいる時点でなぁ……。というか、かなり悪寄りだろお前ら」
スメルセンスでは、彼らからは悪決定な匂いが思い切りしている。とはいえそれほど悪い臭いではない。アクは強いが嫌ではない。
それに女リーダーからはなんとなく、クレアとエイダを足して割り、アネットをやや入れるといった感じの匂いがあった。
「くっ!いや、童貞食いは女の夢だ!おねぇさんが優しく少年を導いてやるのは、むしろ義務だろ?!な?な?」
「……そんな夢や義務は捨てろ、バーサ。むしろお前やフォーアイズに襲われれば少年に深刻なトラウマを植え付けかねん」
ナイフの兵士が真面目ぶった声でいうのを、大柄な兵士が笑いながら、
「ハハハハハ、違いねぇ。ふぅ、すまんがベクター、肩を貸してくれや。俺も義足が壊れちまってよ、このままじゃ俺も置いてかれるなぁ」
「む?修理パーツは……もうないのか?」
「シャフトの替えがもうねぇんだ。歩くのはなんとか出来るが、曲がっちまったからなぁ」
ちらっ、ちらっと大柄な兵士が、わざとらしく女リーダーを見る。女リーダーは空を見るようにして溜め息を吐くと、
「部下が悪さをしないようにきっちり監督をする。助けてくれ。頼む。我々はもう行く宛もなく疲弊し弾薬すらほとんど無い状態だ」
と情けなさそげに言った。
「……わかった。善悪云々は不問にしよう。代わりにアンブレラに関する情報をくれるとありがたい。あー、もう一つ言っておくが俺の息子に手を出すなよ?マジで叩き出すからな?」
「え?もしかしてショタ?ショタ?」
「……手を出したらあのハンターみたいに、もれなく超振動拳でお前の脳みそを潰れた豆腐みたいにしてやるからな?」
そうして、俺はハインドの待つ地点まで傭兵達を連れてジャングルの中を進む事になった。
何が面倒だって、入ってきたデカいカンオケを担いで帰らなきゃならんというのがものすごく面倒くさい。ジャングルの中だから木が非常に邪魔である。
なお、傭兵達はシックスマンセルのチームであり、チーム名はウルフパックと言うのだそうだ。
リーダー兼突撃兵の『ルポ』。 義足の大柄な男が工作兵の『ベルトウェイ』。 負傷していた女兵士が、BC兵(バイオケミカル戦に詳しいらしいがよくわからない)の『フォーアイズ』。 フォーアイズの応急処置を施していた変態女が、衛生兵の『バーサ』。 偵察兵で恐らく日本人だと思われる、やたら俺を少年のようなキラキラした目で見ていたのが『ベクター』。 細身で奇妙な暗視ゴーグルのらしきものをつけており、妙に軽い感じのロシア訛りで話す奴が、通信兵兼狙撃手の『スペクター』。
どいつもコイツも一癖も二癖もあるような連中だが、話をしてみれば非常に……どいつもコイツもかなり変な奴らだ。いや、リーダーのルポはかなり真面目で常識人のようだが。
特に、衛生兵のバーサはその中でもかなりの変態であり、ショタコン童貞好き変態わからせられおねーさんな趣味をしている。
コイツはネメシスに近づけちゃなんねぇ。あと、おそらくその同類だと思われるフォーアイズもな。
「ねぇ、ねぇ、何歳?むしゅこさん何歳?」
あまりにうるさい。つか、ぴっちりした戦闘服の上でもわかる乳と非常に整ったスタイルをしており、おそらくナスターシャ博士の抱きつき攻撃とかで慣れていなければガン見とかしてしまっていたかも知れんが、なに、ナス太郎に比べればコイツはまだ普通乳の変態女だ、どうという事は無い。
「まだ生後ひと月ちょっとだ」
ぞんざいに言うと、
「手を出す以前にまだ赤ちゃんじゃない。へぇ~、成長が楽しみよね!あ、私小児科の看護士もしてたから何か困った事があったら聞いてよね!」
……コイツに小児科なんぞ勤めさせたらあかんやろ。
「……おまえ、赤ん坊のち○こ舐めて小児科を辞めさせられたって聞いたぞ」
大柄なベルトウェイがベクターの肩を借りながら歩きつつ、そんな危険な事を言った。なんかやらかして辞めさせられたのだろうな、とは思ったが、予想をはるかに斜め上に突き抜けとるがな?!
「いや~、ぞうさんが可愛かったからついつい。んふふふふ」
あ、あぶねぇ。男の子の側にいたらいかん変態や、コイツ!!
「おい、息子の半径30メートル以内に入ったらぶっ飛ばすからな?」
「はぁぁぁ。すまない、ウチのメディックが変態で本っ当にすまない。だが衛生兵としては有能なんだ、というか我々がみんなコイツみたいだと思わないでくれ」
ルポがとても泣きそうな顔でそういった。
……だが、もう一人変態おるやん?あんたんとこ、と言いかけてなんか可哀想なので止めておいてやった。
なお、ヘリに戻った時通信を聞いていたナスターシャ博士はかなり御立腹の様子であり、この変態女を置いていこうとまで言い出したわけだが、そんな話はどうでもいい。
「うーん、私の出番はまだかね?出来れば早く患者を診たいとおもってるのだがね?」
あ、そういやハミルトン先生の事を忘れてた。
パーサさんは本来サディストなメディックですが、それですと、ハミルトン先生の助手として使えないので、ねぇ。フォーサイトもショタでは無く、ウィルスマニアですし。
どこでそんなんなったんやろな?って酒飲みながらノリだけで書いとるからな、仕方ないねん。