なんかタイラントになってしまったんだが。   作:罪袋伝吉

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いつもたくさんの感想と誤字訂正ありがとうございます。

※なおこの物語はR-15です。ゆえにエロはありませんが下ネタやら何やらはやたら出ますけど。

露出は平凡さんだけのアレだと思ってた?

ヒロイン力ってなんだろうね?(笑)

なお、例によって酔っ払って書いてます。仕事のストレス解消は飲む意外に無いのです。ええ。あとアホな話でも書いてなきゃやってられねー!!




貨物船とおしり。

 

 貨物船『黒曜丸』。

 

 我が社の所有する最も大きな船であり、全長90メートルの貨物船だ。

 

 貨物船だけあって、結構いろいろ積み込めるんだぜ?戦車二台楽々積める後部格納庫にヘリポートもあるしそのまま格納だって出来てしまうんだ。

 

 なんかクジラみたいなフォルムしてるね、だと?

 

……個性的でいいじゃないか。

 

 甲板が無いんだが、だと?

 

……上部装甲を観音開きに開いたらヘリポート兼ヘリ格納庫が出てくる。そこが甲板と言えば甲板だ。屋根付きだ。雨の時に濡れなくていいだろ?

 

 船の横に並んでるのって垂直ミサイル発射管のハッチじゃね?とか喫水線なんか低くね?だと?

 

……ミサイルなんぞ燃料とかが腐ってたから撃てはしない。そんなもんバラして廃棄したぜ。あと、喫水線はバラストタンクの容量次第で変わる。なんなら完全に海に潜行するまであるぞ。

  

 なんか装甲は形状がカクカクしてね?だと?

  

……特殊なステルス装甲が今っぽくて格好いいだろう?レーダー探知されにくいぜ。今時の貨物船のトレンドはステルス装甲だ。間違いない。

 

 海に潜行出来るって潜水艦じゃね?だと?

 

……潜行しなけりゃただの船だ。問題ない。誰が何と言おうがコイツは貨物船だ。きちんと貨物運搬船で登録したし、運用許可ももらえたし!なんの問題も無い!なんの変哲もない貨物船だ。

 

 言っててなんか虚しくなってきた。仕方ねーじゃん、今使える船が六人乗りのクルーザーかこの馬鹿デカいステルス強襲揚陸潜水艦しかねーんだからよぉ!!

 

 つーか20人ほど乗せられる小型の人員輸送ボートとかその辺もあるにはあったたんだ。だが、ほとんど廃棄されたようなもんばかりで、底に穴が開いてたりエンジンに被弾跡があったりとゴコイチでなんとか使えるようになるかどうかだったし、魚雷挺やら30メーターくらいのクルーザーとかもいろいろあるにはあったが、どれもエンジン故障してたり銃弾の跡やら爆破された跡があるような廃棄寸前のジャンクばっかだったのだ。

 

 それに比べれば、この潜水艦はほとんど全く何の損傷も無く、老朽化したバッテリーを交換し、燃料タンクに残っていた重油や水を抜いて各部をチェックするだけでそのまま運用可能……だったそうだ。

 

 だったそうだ、というのはナス太郎の報告による。

 

 その報告からそりゃあナス太郎がこっちの修復を先にやろうとしたのもよくわか……るわけは無いだろおい。

 

 どこの世界に日常的にもよく使うだろうボートと潜水艦を比べて潜水艦の修理を優先させる奴がおるというのだ。

 つーか船の規模を考えてみろや。バッテリーの交換と燃料タンクの廃油抜きと水抜きだけで、と言っても潜水艦のバッテリーのデカさと燃料タンクの大きさ考えればどっちが大変やねん!!もう少しで騙されるところだったわ!

 

 幸い、今はウルフパックの三人(負傷したフォーアイズとその看護のしているバーサと、義足が壊れ修理をしているベルトウェイの居残り組以外)の準備待ちであり、誰もここにはこない。

 

 ナス太郎に説教かますにしても人前では出来ないが、今なら出来る。そう考えて俺は詰め寄った。

 

「ナスターシャ博士。俺、他のボートの修理の方を先に頼むって言ったのにそれを差し置いて自分の趣味のために潜水艦の方の修理と改修を優先し先にやったんだね?おぢさん怒らないから正直に答えたまえ」

 

 壁ドン。いや、口説いているわけではない、念のため。

 

「あっ……壁ドン。で、でも顔が怒ってる……」

 

 いや、なんでそんなモジモジしとんのだ、きみは。

 

「いいから、答えなさい。趣味で潜水艦にかかりっきりで、他の人員輸送ボートの修理を後回しにしたんだね?なぜ、こっちの方が大掛かりだったはずなのに、ナスターシャちゃんはこっちを優先させたのかな?」

 

「うううっ、だってぇ、私、リニアレールキャノンを数年がかりでやっとこさ開発して実戦投入前までこぎつけさせたっていうのに、この潜水艦、1970年代のものなのにとっくに主砲として実用化してるのよ?!そんなの見たら技術者としては『マジでか?!』ってなるじゃない。そっちの方を検証したいじゃない……!」

 

 あー、そういやナス太郎ってアンブレラで対大型B.O.W.用の兵器作ってたっけな。確か、リニアレールガンも開発してたとか……。

 

「あ、なるほど」

 

 技術者のみならず研究者あるあるである。俺だって昔は他社の水虫薬のCMとか見て『根こそぎです!』とか『新成分・○○○の効果により……』とか言われたらその薬の有効性とか真っ先に分析して、頼まれてた他の開発とかそっちのけにする自信あるわ。

 

 心情的によくわかるし、これは怒れんなぁ。うむ、これは不問にするしかないか、って、うむ?

 

「あの、ナスターシャ博士?なにしてんの?」

 

 いそいそとナス太郎はズボンのベルトをカチャカチャとはずし始めるナス太郎。俺は思わずずざざっと退いてしまった。

 

「いや、おい、何を……?!」

 

 だがナス太郎はいそいそと、そしておもむろにパンティと共にズボンを下にずり下げ、そして壁に手をついて、プリん、としたおしりをこちらに向けてきた。

 

「私、あなたの言いつけを守らない悪い娘だったわ……。おしおき、よね?」

 

 いや、ふりふりすんな。つーかおしりの肉がふるんふるん揺れる。

 

「いや、尻をこっち突き出すんじゃない、だから迫ってくるんじゃねぇ、つか、見えたらいかんものが見えちまうだろぉぉぉっ、後ろ下がってくるなぁぁぁっ!」

 

 ずざざざざっと後ろに下がる俺を追尾するナス太郎のおしり。ふりふりふりふり。

 

 いや、だめだ、『見せられない坊や』か『赤さん』か、モザイクの出動を要請するぅぅっ!!

 

「私のおしり、叩いておしおきしてぇぇぇん!」

 

「うわぁぁぁぁっ?!」

 

 壁に追い詰められた俺、迫るノーモザイクなおしりのあれやこれ。

 

 だが、救いの神は舞い降りた。

 

 ゴチン!

 

 まぁ、エイダがナス太郎をシバいたんですけどね?

 

「なにやってんのよ、アンタら。そういう事は夜のベッドルームでやんなさい。今は仕事中よ」

 

 な、なんとかR15の壁は越えないで済んだ……のか?これ。

 

「エ、エイダ……助かった……」

 

 本当に助かった。というか基本、俺は部屋に鍵かけて寝てるんだけどな?主にナス太郎対策として。

 

「はぁ、アホしてないでとっとと出航準備なさい。ウルフパック達の準備は整って装甲輸送車の積み込みも完了。私は念のためにプラントに残るけど、とっとと仕事を終わらせて帰って来なさい!マジで人数増えるからこれから大変よ?」

 

 イチャイチャしてんじゃねーわよ、とエイダはいうが、イチャイチャなんぞしとらんわい。尻が襲いかかって来ただけじゃわい。

 

「ほら、ナスもうつ伏せでぶっ倒れてないで、早くズボン直して立ち上がりなさい!全く!」

 

「ううっ、エイダが叩いたんじゃない……」

 

……あ、なんかピクピクしよる。

 

 しかし、エイダ、マジウチのオカン。ちょっと前はスカした感じのタカビーでスタイリッシュな女スパイだったのになぁ。

 

「誰がオカンよ誰がっ!というか仕事多過ぎて余裕なんてないのよ。つうかとっとと人材運んで来なさい!とっとと社員を教育して使えるようにしないと会社が機能しないからね」

 

 ああ、ウチの社長秘書さんは今日もエキセントリックです。そしてそんな秘書がいることに非常に安心しつつ。

 

 こうして俺達は『貨物船』で生存者達を保護するために出かけて行くことになったわけである。

 

 いや、だから潜水艦じゃねぇ。これは貨物船だからな?あとこの物語にはグロとかスプラッター表現はあってもエロ表現とか18禁はねぇ。R-15までだからなっ!!

 

……生まれて初めて現物を見たというのに、何故だろう、恐怖しかわかなかったとさ。

 

「だが、まさかこれが本当の恐怖への入り口だとは、平凡は思ってもいなかったのである!」

 

「いや、エイダ、そこで怒りながら変なこと言わない。つかほら出航だからプラントに戻って戻って」

 

 あー、縁起でもねぇなぁ。

 




・貨物船黒曜丸(ステルス強襲揚陸潜水艦)。

 ブラックマーケットに流れていたロシアの通常動力型潜水艦(おそらくNATO識別で言うところのジュリエット型と思われる)を魔改造したと思われる潜水艦。
 なお、某オセロットさん(ジジィ)がソリッドさんと殴り合ってた奴とは別。だけど設計思想などはここから発展したという感じに思ってもらえれば……(汗)

・これが無けりゃ某ピアーズさん助けらんね。

・ヒロインの尻の力(のーもざいく)。いえ、ナス太郎も必死なんだと思うが、もはや変態。

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