なんかタイラントになってしまったんだが。   作:罪袋伝吉

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いつも感想と誤字訂正ありがとうございます。

注意

・どう考えても死んだはずのキャラが生きてますが、ほとんどこの物語のジル・バレンタインの活躍のせい。間違いない。

・キャラの性格が著しく変になってますが、ケビンはだいたいこんなもん。

・マービン警部補はきっと胃潰瘍。

・しれっと大統領の名前がでる。


蘇る銀狼-ボロボロ-。ケビン-ゲロゲロ-。

 

 ジープに先導されて着いた先はこの国の陸軍基地内、その兵士達の住む寮であった。

 

 すでに生存者達は外に出て待っていたようであり、その生存者達の周囲に彼らの護衛の兵士達が待機していた。

 

 その兵士達の上官と思しき女性士官……というか、軍の礼装に身を包み、略帽に被ったアマンダさんがこっちに向かって手を振る。

 

「タイラー社長、お疲れ様です!」

 

「ええ、アマンダさんもお疲れ様です。というか今日は軍服で?」

 

「はいこの国では大統領秘書官は軍務経験がないと就けないんです。これでも一応情報部の少佐なんですよ?」

 

 と、アマンダさんはビシッと慣れた感じで敬礼してみせる。

 

「まぁ、いつもはスーツなんですけど、ここは軍施設なので」

 

……そういうもんなのかねぇ。他国の決まりとか制度とかはよくわからん。

 

「ところで、今日は『裏の不動産屋』改め『裏の地上げ屋』さんは出てこないんですか?」

 

「ここにいるぞ?というか軍服で会うのは初めてだな?」

 

 なんか兵士達の間から礼装を着た大統領が、アマンダさんの礼装以上に略式の徽章をつけた女性の軍人を連れて出て来た。その女性軍人はなんとなくアマンダさんに似ており、二人が並ぶと母子と言われても納得出来そうなほどである。

 

「紹介しよう。こちらが我が国の軍司令。国防長官で私の妻だ」

 

……大統領夫人だった。

 

「はじめまして。タイラー社長のお話はそこの姪からかねがね。私はジョシュ・ソリス・ヤザンの妻のマチルダ・エルメダ・ヤザンです」

 

 右手を差し出され、あわてて俺もその手を握り、

 

「白陽社のヒトシ・タイラです。いや、まさか大統領夫人とお会いする事になるとはいやはや」

 

 と、ぺこりと頭を下げる。というかやはりアマンダさんとは血縁だったのか。

 

「いえいえ、ここは私の職場なので。ところでそのバンダナ、懐かしいわ。それはかつて『伝説の傭兵』がしていた物なの。あなたは……まぁ、全く彼には似ていないけど、でもお似合いよ?」

 

「……このバンダナには何か意味でも?」

 

「特には無いわ。でも大きな敵と戦う男にはある意味必要なものかも知れない。……我が国はいかなる大国の思惑もはねのけ、二度と取り込まれる事はない。それが我が国の選択した答え。民衆の望みよ。覚えていて、タイラー社長。大統領が『裏の不動産屋』なら私は『裏の地上げ屋』。あなたがもしもアンブレラやスペンサーといった連中の思惑にとらわれたなら、いつでも私はあなたからあの拠点を『地上げ』してあげるわ。そう、かつて『伝説の傭兵』が我が国に核を持ち込んだ時のようにね」

 

……ああ『裏の地上げ屋』って奥さんの事だったんか。てっきり大統領かと思っていたんだが。つかそのネーミング、なんとかならんかったんか?

 

 とはいえ、プラントを取り上げられれば俺達に行くところはない。

 

「……大家さんのご機嫌を損なうような事はしませんよ。というかヤバいことがあれば相談しますから」

 

「はい、よろしい。ではこちらの無線番号をどうぞ。相談事に使ってね。……ああ、大統領がいかがわしいお店に行こうとしている、とか、そういうお店に誘われた、とかそういう情報もこちらに、ね?」

 

 ゴゴゴゴゴゴゴ……となにかものすごいオーラが出ていた。

 

 大統領の方を見れば冷や汗かいて青くなっている。

 

「了解です。ええ、そりゃあ、もちろんです、はい」

 

 頷くしか無かった。そんくらい怖かったのだ。俺よりもかなり小さい身体でそんな凄いオーラが出せるとは。

 

「ではお願いね。ああ、そうそう。大統領がお渡しするものがあるそうです。では、私は失礼しますね」

 

 大統領夫人はそう言うと、アマンダさんの方へ向き、

 

「生存者の方々を白陽社の車両へ。ジープの護衛は引き続き大尉達に。ジープは……白陽社の船に詰めるようならそのまま持って行ってもらっても構いませんから」

 

……あ、なんか車貰えるみたいだな。これはラッキーなのだろうか。いや、結構古いジープなんだが。

 

「……ごほん。タイラー君。まぁ……あれがウチのカミサンだ。まぁ、かつて米国の傀儡だった政権を打ち倒した英雄の一人でもあるのだが、まぁ……気がきつい。あと怖い。だからだな」

 

「まぁ、めったな事は言いませんけど、大統領は注意するべきでしょう。俺は潔白なので被害はありませんけどね。で、渡すものとは?」

 

「……これだよ。アンブレラの諜報員の写真と資料だ。これは空港で昨日撮られた写真だが、この男は『ニコライ・ジノビエフ』。アンブレラのU.S.S.の工作員だ。死神『ハンク』と並ぶと言われている男で『銀狼』と呼ばれている……ってどうしたね?」

 

「……いえ、この男についてここに来る前に話題に上がりましてね。たしかミハイル・ヴィクトール大尉がニコライ・ジノビエフは死亡した、とか言ってたので。ちょっと聞いてみましょうか?」

 

「ああ、確認しよう」

 

 俺と大統領は車両に生存者を乗せ終わったミハイル大尉に写真を見せる事にした。

 

「あ、あんのクソガキゃ、生きとったんかぁぁぁぁっワレェェェェっ!!」

 

 ああ、おじいちゃんそんなに興奮したら血圧が、血圧がぁぁぁっ、と言うほどにミハイル大尉は激高していた。

 

「ワシの部下達の、いいや、ワシらが懸命に救おうとしたラクーンシティの民間人達の仇ぃ!!カルロス!タイレル!ニコライのクソ野郎が生きていたぞぉぉぉっ!!」

 

 ミハイル大尉の獰猛な叫びが基地に響き渡ったが、よほど恨み骨髄だったのだなぁ。

 

「隊長、まさかマジっすか?!」

 

「あれで生きてたって?ジルがボコって列車の窓からブン投げたハズだろ?」

 

「いいやタイレル、この写真は確かに奴だ。杖を突いて腕にギプスを巻いてサングラスをしているが、たしかに奴だ」

 

「くそ、ジルのヘヴィナッコーをあんなに食らってたのに顔が元に戻ってやがる!どんな復元力だよ……いや、よく見れば前歯は折れてやがんな」

 

……そんな怪我人を使わにゃならんほどアンブレラは人手不足なのか?しかしジル・バレンタインに関する話題を聞くにかなりエキセントリックな人物かつ脳筋な人物に思えて仕方ないんだが。

 

「……おいおい、まだ出発しねぇのか?つーかジルだぁ?クリスだぁ?けっ!どうせ俺ぁS.T.A.R.S.の選考に二度も落ちたっての!!うぃっくっ、と」

 

 なんか輸送車からなんかレオンが着ていたのと同じR.P.D.と書かれたベストを着た無精髭の酔っ払いが降りて来た。

 

「こら、ケビン!車内に戻れっ!ってこら!!」

 

 金髪を短髪にした、これまた綺麗な顔立ちの婦人警官の格好の女性が降りてきてその酔っ払いを引っ張って車内へと戻そうとしたが、

 

「なんだぁ、リタ、うるせぇ、襟ん後ろ引っ張んな、首が締まって……うぷっ、おえっ、ウゲロゲロゲロゲロゲロ……!」

 

「うわぁぁぁぁっ吐きやがったコイツ?!」

 

……なんて事でしょう、装甲輸送車のタラップが大量ゲロに汚染されてしまった。これ、閉めたらゲロが車内に流れ込むというかゲロ臭で充満するぞ。

 

「誰だケビンに酒をやったのは!というか我々は市民の模範にならねばならん警察官だぞ!ケビン、お前という奴は昔から!」

 

「うっせぇ、もう俺達ゃ警察官じゃねぇ、うぶっ、おえっ、オロロロロロロロロ……」

 

 車両後部がもうゲロまみれである。というかどんだけ吐くんだこいつ?!

 

 洗い流しておかねば出発どころではない。というかナス太郎に何を言われるかわからん。

 

 俺は大統領に、

 

「ちょっとそこの水道とかバケツとかお借りします」

 

 と洗い流すために動いた。

 

「ああっ、もう!車の中汚すなんて、どうすんのよこれ?!というかマービン警部補、どうしましょう?!」

 

「……とりあえず洗え。水で流せ。ほら、社長がわざわざ持ってきて下さったぞ。社長、すみません、部下が本当にすみません」

 

 マービン警部補、と呼ばれた黒人の男がペコペコと頭を下げて俺からバケツとモップを受け取る。

 

「……だから、もう俺達ゃ、警官じゃねぇ……、ぐかーーーっ、ぐかーーーっ」

 

 ケビンはそのまま後ろに崩れ落ちるように車両にもたれかかり、ズルズルとずり落ちるようにしてへたり込むと鼾をかき始めた。つまり酒オチである。

 

「……未曽有の災害を経験して誰しもが平静を保てるわけではない、か」

 

 俺はこのケビンを少し哀れに思った。もう警官じゃない、という彼の言葉が……。

 

「いえ、ケビンさんは前からずーっとこんなんですよ。ラクーンシティが平和だった時からバーに入り浸ってツケで飲んで払わずに出禁にリーチかかってたんですから!」

 

 なんかバーテンみたいな格好をした女性とやや年配の、だが体格のいい黒人男性が出て来た。

 

「仕方のない奴だ。全く。マービンさん、コイツに酒をやったのは、あそこのビル・コーヴだ。ポーカーの景品とか言っていた」

 

「……あの兵隊崩れか。全く」

 

 マービン警部補は額に手を当てて深くため息を吐いた。とりあえず彼には常備薬として胃薬が必要かも知れない。あとケビンには抗アルコール剤(酒を飲むと気持ち悪くなる薬)を飲ませよう。

 

 しっかし……。

 

「なんですなぁ大統領」

 

「なんだねぇ、タイラー君」

 

「あんなん社員にして、ウチ大丈夫なんですかね?」

 

「まぁ……ある意味あんなんだから生存出来たような気がするんだよ。非常識な奴ほど生存に適しているとね。……社会生活ではどうだか知らないけどな?」

 

「げぼぉっ」

 

「うわぁっ!?ケビンが寝ゲロしやがった!このバカ野郎!」

 

「もう追い出せ!つーか追い出せ!」

 

「ニコライに死を!」

 

「サーイエスサー!!」

 

「ウラーーーっ!!」

 

「ガンホーガンホー!!」

 

 装甲輸送車ではゲロハザード。ジープのまわりじゃニコライ某をいかにして血祭りにあわせるかの決起集会。まぁ、他の生存者は戸惑っているようだが中には笑っている奴もいる。はやし立てる奴もいる。もうカオスだ。

 

「大統領。社会生活を真っ当に出来る社員が切実に欲しいです。ええ、マジで」

 

「まぁ、生存者が増えれば中にはそんな奴もいる可能性もあるはずだ、多分」

 

……なお、今回はそんな奴はいない模様。ぐすん。

 

 




・ニコライ、生きとったんかワレェ!!

・まぁ、ケビンはだいたいアルコール中毒。ゲーロゥ・ハザード(昔のタイトルコール調に)。

・ハミルトン医師?なんか忘れてた。

・マービン警部補、生存しててもフビン。

今後あったらいいな、と思う展開

  • ケビン達と酒盛り
  • 野郎の風呂シーン追加
  • 平さん風呂でナス太郎に襲われる
  • NE-αがペット化
  • アメリカ特殊部隊の駐在
  • ヒロイン達の風呂シーンを覗く野郎共
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