なんかタイラントになってしまったんだが。   作:罪袋伝吉

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感想と誤字脱字の修正、いつもありがとうございます。

……レトルト食品は美味しいけど、やっぱり手料理とか食べたいよね?

 


共闘まであと数日~飯は心の補給だ~

 食堂についた。

  

 生存者達、いや我が社の社員達がみんな朝飯を食いにやってきて好きな物を好きなように食べている。

 

 だが、なんというかものすごく申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

 

 なんせ、今 社員のみんなが食べているのは、ここの食品加工プラントでオートメーションで作られた非常時備蓄用の保存食だからだ。

 

 つうか社員食堂って言ったら、こう、もっとまともな定食とか、きつねうどんとかそばとか丼物とか出てくるもんじゃん。いや、それは日本の食堂で、アメリカじゃどんな物が出てくるかわからないけど、だいたいは概ね、何かしらまともなもんがでるもんだろ。

 

……というかアメリカに社員食堂ってあるのか?とか思うが、しかしここは洋上プラントなのだ。飯はここで作って食うしかない。ゆえの社員食堂だ。

 

 なのに、レトルトカレーやら、もしくはレーションとか袋の即席ラーメンやらなんやら。つーか、アルキメンデスとか誰得だよ。つか大塚○品とコ○ミのコラボはここからだよグラ○ィウス!(メタ発言)。げふんげふん。

 

……やはり、飯はちゃんとしたものを出してやりたい。そう思うのだ。

 

 とはいえ、まだ食堂の機材とか揃ってないし、食堂担当の元料理屋のおっちゃんおばちゃん夫婦も来たばかりだし、食材の搬入とかも必要だし、仕方ない。

 

 つーか、今までは俺達の分を作るくらいは出来てたが、さすがにこの人数分だと鍋のデカいのとかが必要だ。

 残念ながらそういう調理の為の機材は撤退するときに傭兵達が持って行ったようで、無くなっていたから、俺達はナスターシャが廃材の鉄板を溶接して作った鍋とかフライパンを使っていたのだが、大きさ的にそれではこの人数は賄えない。

  

 まともに食堂を稼働させねばなるまい。つかまともなもんをせめて出してやらねば、働く活力は湧かないのだ。

 

……少なくとも俺がそうなんだからな!!(結局それかい)。

 

 うーむ、と、そんなことに考えながら食堂のカウンターに向かうと、社員達の目がこっちに向いてくるのを感じる。

 

……無駄にデカいからなぁ、俺。いやB.O.W.だからか。つーかみんなには挨拶はしたけど、やっぱり慣れてくれねーわなぁ。

 

 社員の中には量産型タイラントと遭遇した者もいるのだ。セルゲイのホモ野郎(本人に会ったことはないが、ナスターシャと息子が奴のせいでろくでもない目にあわされたので脳内の殺すリストに入っている)のクローンのアレと一緒にされたくはないが、だが知らぬ者には同じに見えるのだろう。

 

 あと、多分顔がいかつくなってるせいだろう(いや、昔も割と悪人顔だったと言われていたがT-ウィルスによってゴツくなったせいで、北斗の拳や男塾系の顔のように劇画調のゴツい顔になっているのだ)。

 

 うーむ、人畜無害な事をもっとみんなに知ってもらわなければならんなぁ。それに同時に俺もみんなの事を知る必要もある。つまり仲良くなるしかない。

 

 ま、時間をかけていくしかないか。

 

 そう思ってたら、後ろから「ぱぱー!」と、声がした。

 

 振り向かなくてもわかるが、振り向くとそこにはネメシスとナスターシャがいた。

 

「おお、ネメシス。ナスターシャ、時間ピッタリだな」

 

 うむ、愛する息子とあと嫁(本決まり)なナスターシャである。あと、その後ろになんかエイダがいるのは何故だろうか。

 

 自分ではわからないが、怪訝そうな顔をしていたのだろう、ネメシスが、

 

「エイダおねーさん、寝坊してた」

 

 と、言った。エイダの自室はナスターシャ達の部屋の隣である。多分、ナスターシャかネメシスが出る前に声を掛けて起こしたのだろう。

 

 なお、俺の部屋はナスターシャ達の部屋の裏っかわである。ナスターシャ達の部屋と壁のパーテンションを外すか、もしくは扉付きの壁を付け直すかすれば行き来が出来るようになる……って、今、ふと考えたがナスターシャは最初からそれを狙って俺の部屋の裏の部屋を自室にしていたとか?

 

……ナニソレ怖い。いや、もう言っても仕方ない。どうせ部屋を繋げるのはもう、昨晩のピロートークというかベッドの中での家族(予定)会議で決定されてしまったのだ。

 

「あ~う~、なんか疲れが……。筋肉痛ぅ……」

 

 エイダが肩をコリコリ言わせて言うが、それも仕方あるまい。

 

 昨日の業務はそれこそ山盛りのてんこ盛りだったのだ。ミッションに生存者達のワクチン接種に大量の書類仕事に……。

 

 つて、俺もまだ昨日の疲労は取れきっていないが、しかしなんでおんなじくらい、いや、使ったヘリや潜水艦の点検とか力仕事してたナスターシャが疲労の痕跡も無く元気溌剌というか艶々してんのはなんでだ?若さか?まだ二十代前半の若さなのか?!

 

「……エイダおねーさん、大丈夫?」

 

 ネメシスが心配そうにエイダに声をかける。ウチの息子はなんと優しい子に育ったのだろうか。

 

「ああ、エイダおねーさん、毎日の仕事で疲れてるから……」

 

 とはいえエイダが寝坊というのはかなり珍しい。これはやはり、少し休暇を取らせるべきだろうか。

 

「大丈夫よ。ただ、無線でいろいろ話をしてて夜更かししただけだから」

 

……前言撤回。コイツ、ナスターシャが少し前に幹部のみんなに配った携帯無線情報端末『i-DOROID』でレオンと夜なべしてラヴトークをしてやがってただけなのだ。

 

 なお『i-DOROID』とは、ネットワーク型AI搭載の小型情報無線端末と呼ばれる類の、ハイテク軍事組織で使用されているインターネット通信が可能なモデム搭載型コンピューターと、投影型ホログラフィックモニター、そして無線機を組み合わせた次世代コミュニケーションツール……らしい。

 

 らしい というのは、そうナスターシャに聞かされて渡されたは良いが、まだ無線以外の機能とかを使いこなせていないからだ。

 

 とはいえ、ナスターシャに言わせればこの『i-DOROID』はかなり旧式であり、南アフリカなどの民間軍事会社の傭兵からアンブレラの部隊が回収した『i-DOROID』の発展型と思われる機種の解析を依頼されてナスターシャが行ったらしいが、最新型はナスターシャでも構造を全て理解するのにかなりの時間がかかったそうだ。

 

 また、アンブレラの電子機器部門であるマクロソフト社が同様の機材を製作しようと試みたらしいが、初期のi-DOROIDさえも未だに再現出来ていないとの事である。

 

 なお、アンブレラがなんとか真似て作った粗悪コピーは、一部の通信兵や連絡要員などに支給されたそうで、スペクターが腕につけているものもその一種であるらしい。

 

……なんでナスターシャがそんな物を持っていて俺達に配ったのか、と言えば、お察しの通りアンブレラさえもまだコピー出来ないその『初期型i-DOROID』の設計データとパーツがここのプラントにあったのだ。しかも、ここのマザーコンピューターともリンク出来ると来たものだ。

  

 つまり『i-DOROID』は昔にここをマザーベースにしていたMSFの技術者が作ったものであり、さらにもっと言うと南アフリカで事業展開している民間軍事会社の正体はMSFと言うことになる。つうか、ヤベー組織なんじゃねーか?MSFって。今更だけどさ。

 

「社長、今、何か私が不用意な事で使っていたとか思ってませんでした?」

 

「いいや、昔は離れた場所にいる恋人と連絡を取る手段が電話を除けば文通だったが、今は便利な世の中になったなぁ、としみじみ思っただけだ」

 

 俺はもっともらしくそう言ってやった。まぁ、俺なんぞ、年齢=彼女いない歴なのだが、いや、彼女はいなかったが、嫁と子供は出来てしまった。

 

「なぁ?」

 

 と嫁(確定)なナスターシャに話を振ってみる。

 

「そうねぇ、でもその『i-DOROID』は過去の通話ログをマザーコンピューターに保存しているから、その……恥ずかしい話は、しない方が良いわよ?」

 

 エイダの顔が一瞬で青ざめた。どうやら知らなかったらしい。

 

「えっ……?!」

 

「通話ログの消去は、規則通りに申請用紙に相手と時間、その理由を書いて出してね?」

 

 うふふふふ、とナスターシャが言うが、それに関しては我が社の無線による通話の録音時の規定にキチンと記されている。とはいえまさかi-DOROIDの機能に通話を音声と文章に直して保存する、というのが有ったなんて俺も知らなかった。

 

「なお、幹部として登録されている社員は過去ログを自由に閲覧出来るから、今後注意してね?」

 

……不用意な事で使ったとか思ってません?とか言いつつ、エイダはどうやら不用意な会話とかしていたようである。

 

 というか、ナスターシャはおそらくエイダとレオンの会話のログを見ていたのだろう、なんつーか、プークスクス、といった感じで笑っている。

 

……つか、俺とヤザン大統領の会話も閲覧しとったのだろうな。

 

 嫁による監視社会(?)というワードが頭に浮かんだが、むぅ、これはおそらく浮気しないように、っつーことなんだろうなぁ。

 

「ち、違うもん。レオンとはアンブレラとか情勢とか話してたもん。うううっ、でも申請するから消してぇ!」

 

 有能な秘書が『違うもん』である。もん、だぞおい。しかも涙目でようぢぉみたいに。

 

 しかしナスターシャはなんか性格変わってね?と思う感じだが、いいや、これは……。

 

 ああ、社長夫人的なマウント取りだな、と気付く。そして割と無理して演技しとるなー、これ。

 

「ま、それはさておき、だ。飯にしようぜ。つか、いろいろと話したい事もあるから」

 

 俺はそういいつつ俺用の席についた。いや、エイダを庇うつもりは無い。俺とネメシスの腹の虫が綺麗にハモって〔〔ぐぅうううううっ〕〕と鳴ったからだ。

 

 すぐに、ウェイトレスとして食堂にいたシンディがやってきて、メニューを聞いてきた。

 

「何にします?」

 

 メニュー表にはいろいろと書いてあるが、この食堂で現在出る物はレトルトかレーションか冷凍のハンバーガーやホットドッグを解凍したものか、パスタ、あとはカップラーメンくらいのもんである。

 

「あー、みんな、何にする?」

 

 まぁ、このメンツはとっくにここで出る食い物はフルコンプしている。何がマシで何が不味かったのか良く知っている。

 

「エビピラフとスープ」「シチューとパン、あとポテトフライ」「ハンバーガー五つとホットドッグ四つ」「あ、僕モ、パパと一緒デ」

 

 まぁ、そんな感じだ。

 

 レーションを頼む奴は居ない。

 

 いや、不味いか不味くないかの次元ではなく、なんかこう、ビニール臭かったり、土の風味がそこはかとなくしたり、カブトムシの飼育カゴの中の腐葉土のような匂いがするのだ、あれは。

 

……備蓄食として考えるなら、絶対に改良せねばならんと思う。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 さて、飯を食い終わり。

 

 いきなり会議へと突入する羽目になったよ……。

 

 全部、ヤザン大統領のせいであるが、その内容はまた次回。

 

 ナスターシャとミハイル隊長は泣くし、エイダは頭を抱えるし、ザンジバーランドの外務大臣からの通信は来るし、俺は俺で頭抱えたくなるし……。

 

 この混乱の状況は、待て!次回!

 





・話が長くなったので、半分に切りました。

・ナスターシャは束縛系。エイダはツン1デレ5の割合。他は……。ルポは母性系、バーサは変態、フォーアイズはBL系婦女子、アネッタはダウナー系、シンディはサバサバ系。大統領の三女のエメラルダは純情系ようぢぉ風味。

ああ、ブン屋ねーさん?恋愛めんどくさい勢。

次回、カズの無線、カズラジ!(違っ)。エビバデセイ!かーなーうーよーぉぉぉ!!



 
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