風呂回、ただしネメシス君も一緒だよ?
グレイフォックスはストレスフル。
夜、風呂に入ってたらやっぱりナスターシャが来た。まぁ今回はネメシスも一緒である。
ネメシスのウィルス駆除は進んでおり、他者への感染の危険性はもう無い。普通に風呂も大丈夫になった。
故に昨日ベッドで話し合った際に今度、家族で一緒に風呂に入ろうと言っていたのだが、まさか早速今日とは。
俺が結婚を了承したのがナスターシャもよほど嬉しかったのか、ものっそい幸せオーラを出している。
「おう、ネメシス……いや、凡太郎。一緒に入るか~?」
凡太郎とは、ナスターシャと話し合って決めたネメシスの新たな名前だ。
ネメシスとはアンブレラによるB.O.W.としての通称であり、また『NE-α』を寄生させて造られたの総称だ。その名で自分達の子供を呼ぶのはやはり感情的に許せないものが俺達にあったのだ。
で、ナスターシャが日本名を言い出した時にはかなり意外だった。そう、凡太郎と名付けたのはナスターシャなのである。
俺の『凡』の字に男の子を指す日本の名前『太郎』で『凡太郎』はどうだろうか、と言われて最初は驚いた。
奇しくもその名前は俺の曾祖父さんの名前と同じだったからだ。
そう、俺の凡(ひとし)という名は曾祖父さんの名前から取られたのだが、その俺の息子にまた凡の文字というのは、これはやはり運命というものか。
元々、この『凡』という字は『梵』のはずだったのを、曾々祖父さんが曾祖父さんの出生届けを出した時に字が汚くて(とある戦争で利き腕を無くしたためと言われている)役所の人間が『凡』だと思って受理したためらしい。
で、俺も『凡』になったが、これは俺の亡くなった母親が一族の歴史があんまりにも凄惨なものばかりなのを知ってとにかく平和な人生が送れるようにと名字と合わせて『平凡』に生きられるようにと願掛けで名付けた……らしい。
なお、兄貴が『平・和人(たいら・かずひと)』、弟が『平・常夫(たいら・つねお)』である。なんで俺だけ『凡』一文字なんだよオカン。
……兄貴は建築会社勤務のサラリーマン、弟は元自衛官で現在建築会社のガテン系職人である。ウチの兄弟、建築系多過ぎだろ。
とはいえなぁ。どこの家系でも歴史的に何かしらあるのは珍しく無いだろうと思うのだがなぁ。
ウチの家では、墓参りの前に某首塚と靖国に参り、その後に先祖代々の墓に行く。一族郎党、みんな仲良く時代時代の戦や戦争には皆勤賞、生き残った者もいればその亡骸すらどこかわからん物もいる。
源平からモンゴル来襲、戦国、関ヶ原、明治維新、日清日露、ありとあらゆる戦にやたらウチの血族は参加し、兵士として出征した。
大東亜戦争の時もそうで、曾祖父さんの弟は満州から太って帰って来たが、曾祖父さんは南方戦線で戦い、生き抜いた末に捕虜となり、その後帰って来た。曾祖父さんの従兄は大戦後もベトナムに残ってベトナム戦争を戦い死んだらしい。ベトナムには現地の奥さんとの間にやたら子供を作っており、一族の血が異境で残っていたりする。
母はなんか寺の坊主の話を真に受けて首塚の御先祖の祟りだと思いこんだ結果なのだが、御先祖様が子孫の幸せを思わぬわけはあるまいに、ましてや祟りなんぞ下すはずもなかろう。つか、あの寺の坊主はウチの代々の墓のある寺とは無関係なのにな。
歴史の上で、そら戦争に出た一族なんざザラだ。ましてや平家の末裔なんぞザラにおる、というか大きく分ければみんな源と平だろ。いつもお風呂シーンで子供の心にスケベ心を与えたあの未来の猫型ロボットのアニメのしずかちゃんだって源なのだ。のび太さんのエッチ!まぁ、風呂で今エッチなのはナス太郎の乳だが、タオル巻いてるからなんとかカバー出来ている。ちょっと残念だ。
……まぁ、んな事はさておき。
「エヘヘ、凡太郎、エヘヘ」
凡太郎はよほど新しい名前が嬉しかったのかはにかんで笑った。
「うんうん、君は凡太郎だよ~?」
ナスターシャがニコニコしつつ、背伸びしてその頭を撫でる。
凡太郎の身長は、まだニメートルちょっとで俺よりも低い。いや、常人からすればデカいのだが、まだ身長170センチのナスターシャでも手を伸ばせば頭を撫でられるが、うーむ、ギリギリまだ常人の背の範疇……と言える、か?言えるよな?
成長したら、背が高くなるんだろうなぁ。出来れば俺みたいに日常生活に苦労しない程度なら良いんだが、しかし成長はしてほしい。
うーむむむ、と思いつつこればかりはなってみないとわからんわなぁ、と気持ちを切り替え、ナスターシャが撫でた後に俺も凡太郎を撫でてやる。
むぅ、嬉しそうに目を細めている辺りがなんかナスターシャに似とるな。いや、元々目元はナス似なのかも知れん。
「うむ……目付きがママ似だのう。ほれ、ナスもほれほれ」
もう左手でナスターシャの頭を撫でてやり、ほら、そっくりだ。
「あん、ちょっとアナタ!」
比較してなんとなく満足。母子だよなー。うんうん、と納得する。いや、なんだろなぁ、娘と息子を撫でとるような錯覚があるのは何故だろうか。
しかし、なんか凡太郎の頭に産毛ではない、さらっとした短い髪の毛が生えて来ておるのを発見する。
おおっ、これは未来を感じるぞ!
うむ、T-ウィルスに冒されても毛根は毛を生やすという証拠だな。うむ、間違いない。
「おお、髪の毛が生えてきたのか凡太郎!よかった!」
実は何気に心配していたのだ。息子の頭が俺のようにハゲのまんまだと、やはり何かとなぁ。
「え?髪の毛?」
「ああ、ほらナスターシャ、頭頂部のところだ。産毛じゃない、短いが髪の毛が生えて来ているぞ!」
俺達は喜んだ。よくわかってなさそうだが凡太郎も笑っていた。うむうむ、よしよし。いや、一緒に風呂も入るものだなぁ。
最近、凡太郎は表情を浮かべる事が出来るようになり、顔や皮膚の引きつりや爛れたような跡がある程度治ってきた。それは『NE-α』による寄生虫害の症状だった。
その寄生虫害が緩解したのは『NE-α』が弱体化し、『NE-α』が宿主の身体に拒絶反応を起こさせないように分泌する物質の量が減ってきたからである。
この分泌物の副作用として身体の皮膚が萎縮したり、爛れたような症状が現れるのだが それが無くなって凡太郎の顔は随分ときれいになって、元の顔立ちがわかるようになってきたのだ。
無論、顔の傷や口の口蓋裂様の状態は形成外科的な治療を行わねば治らない部分もあるが、今では表情すらも顔に浮かべれるようになっている。
とはいえ、分泌物が減ったということは寄生生物への拒絶反応もやはり現れるということであり、そのコントロールはシビアになって来ているのだが、凡太郎の治療に関してのカンファレンスはハミルトン先生やジェンキンス教授達とオリエンテーションの後、すでに行い、術式等も話し合った。
医師としての俺の専門はと言えば専攻していたのは内科だが、別の科の医師達と話をするのは非常に有意義でだったと思う。
また、元アンブレラの研究員だったリンダは『NE-α』を外科的に駆除する方法にいくつかの安全策のアイデアを付け加えてくれた。
虫下しチョコ……『アンチナルファ・チョコレート』と名付けた。アンチナルファとは『ANTI・NE-α』の意味である……によって『NE-α』の生命活動が完全に停止していない場合を考え、液体窒素を使用して『NE-α』の中枢神経節を部分凍結する、もしくは虫下し薬『アンチナルファ原液』を注入して医療スタッフの安全を確保するといった案である。
その話をしていたら、話を聞きつけたフォーアイズが病室を抜け出して話に加わった。
彼女の専門はウィルスとB.O.W.の研究であり、それがこうじて傭兵になったらしい。フォーアイズは『NE-α』についての情報をいくつか持ち合わせており、リンダによる『NE-α』の中枢神経節にアプローチする案にいくつかの補足をした。
フォーアイズ曰わく『NE-α』に対して中枢神経節だけを凍結、もしくは駆虫剤の注入をするだけでなく、いくつかの節足中枢にもアプローチしなければそこが中枢神経節化し、活動を再開する可能性がある、ということだった。
……フォーアイズの持っていた情報端末にあったデータによれば『NE-α』は俺が思っていたよりもかなりしぶとい厄介な生命体のようである。
しかも宿主に卵を産みつけて増殖する性質があり、さらには周囲のゾンビにその増殖した寄生体を植え付けて厄介なB.O.W.と化した例も確認され、その映像もフォーアイズの情報端末で見せられた。
……マジで『NE-α』の性質はタチが悪いどころの騒ぎではないことを俺と医師達は思い知った。
とはいえ『NE-α』はラジオアイソトープで生殖細胞をとっくに処置済みである。つまり増殖しないように放射線で細胞を殺してあるが、念の為にやってて良かったぞ、マジで。
その後、フォーアイズが病室に居ないと探しに来たバーサも何だかんだでカンファレンスに参加、凡太郎に麻酔が効くのか、とか、手術中の輸血準備は出来ているのか、とか、そもそもタイラントタイプの皮膚や筋組織を切れるメスはあるのか、など、聞いてきた。
元看護婦らしい質問とも言えたが、その辺は抜かりはないと答えると、手術の事前準備は看護婦の仕事だから、使用薬品のピックアップリストは作っておいて欲しいと言い出した。
……どうやら、バーサは看護婦として手術の助手を勤めるつもりらしい。いや、これはフォーアイズも同様で彼女も研究者として参加したいようだ。
これには俺もハミルトン先生、ジェンキンス教授も驚いたが、しかしフォーアイズのB.O.W.についての知識もバーサの衛生兵としての腕も確かに居れば頼もしいのは確かである。
医療スタッフの数は少ない。故に次からのカンファレンスには二人も加わる事となった。
多くの専門的な人々によって凡太郎の治療は行われる事となる。本当にありがたいことであろう。
……とはいえカンファレンスの話はひとまず置いておこう。今は家族の団欒の時間なのである。
「ははは、そうか、今日はママとパパと一緒だぞぅ?ほら、おいで。湯船に入る前にまずは身体を洗うんだ」
ととととと、とデカい割に軽やかに来て、凡太郎は俺の隣に座る。うむ、素直ないい子である。
ナスターシャも凡太郎の隣に座った。
しかし、俺達と一緒だとナスターシャがやはり小さく見えるよなぁ。とはいえナスターシャは一般の女性としては背が高い方なのだが。あと、乳は一般と言えないほどデカいのだが。ゆさゆさぶるんとか揺れるんだが。
いや、今は息子がおるから、スケベ心は封印だ。泣かないでスケベ心よ願いが叶うなら。
タイラント君をタオルで隠しつつ、ケロリン桶……なんでそんなモンが中南米にあるのかは謎だが……で、湯を汲み、
「ホレ、湯を汲んで、周りの人に迷惑をかけないように静かに掛かり湯、だ」
と、掛かり湯の手本を見せると、凡太郎は真似して……って、ナス太郎、君も真似すんのかい。
「日本のセントー、私、入ったコトないカラネー?」
何故カタコトの日本語……って、ああ、そういや日本語の勉強始めるとか言ってたな、そういや。
ナスターシャは、日本の俺の家族にいつか会ったときに挨拶するために日本語を覚えたいと言った。もしかしたら日本で暮らすかも知れないし?とも。
むぅ、家族に早く紹介してやりたいが、絶対、祖父さんと親父が近所に速攻で言いふらすだろうな。……弟と弟嫁もか。
凡太郎も母親に習って、
「じゃ、僕も日本語、シャベローッと」
……いや、息子の方が日本語上手い気がするぞ、ママ。つかウチの子は天才か?
その後、洗いっこしたり、湯船に浸かって手で水鉄砲を教えてやったり、タオルで泡ブクブクやってタオルを湯船に浸けない!と、ナスターシャに怒られたりしたが、いや、家族風呂って良いよなぁ。
……ここは家族風呂じゃねーけど。
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【グレイフォックスとキャンベル大佐との通話記録】
《こちらグレイフォックス。キャンベル、聞こえているか?》
《聞こえているぞ、グレイフォックス。何かあったのか?》
《いや、いい加減、俺も本国に帰りたいんだが?というかフォックスハウンドとの契約期間は2ヶ月ほど前に終わっている》
《わかっているが、だが君は困った事に『白陽社』との社員契約を結んでしまっているだろう?》
《それがどうした?いつもなら……》
《いつものように途中で行方不明になったり、死亡を擬装して撤退する事は出来ない。いくら何でもそれは不義理というものだ。契約を履行したまえ。もし君が履行しないとすれば、それは我々だけでなく君の本国、ザンジバーランドにとっても不利益をもたらしかねないのだ。……白陽社は今後の我々、いやザンジバーランドにとっても重要になってくる。かつてビッグボスの戦いは核戦争を防ぐ戦いだったが、しかしこれからは核のみならずウィルスやB.O.W.との戦いへとステージをうつしてしまった。対ウィルス戦争、それもアンブレラと戦う為には、完全なワクチンや治療方法、そしてT-ウィルス駆除が出来る薬品を生産できる協力者が必要なのだ》
《……買収してしまえるだろう?今のザンジバーランドなら》
《君の会社の社長の、日本で生活していた時の心理学的プロファイリング結果から導き出された答えは不可能だと出ている。また、それらを裏付けする事もこれまでに起こっているのだ。まず、白陽社社長ヒトシ・タイラーは恩義に篤い反面、敵だと認定したものには絶対的な報復行動を展開しようとする性格をしている、と出ている。例えば、彼が元いたハチマン製薬だが……。今、そこがどうなっているか知りたいかね?》
《いや……。何かあったのか?》
《現在、ハチマン製薬はほとんどの商品を生産出来ない状態に陥り、おそらくあと数ヶ月で倒産するだろう。これはアンブレラの関連企業である製薬機械メーカーが、ヒトシ・タイラー氏に特許使用料を数年間支払わずに機材を生産し様々な製薬会社に販売していた事が原因だ。なにしろハチマン製薬が勝手にその技術をアンブレラに提供していたからな。法的措置により、ハチマン製薬もアンブレラも生産差し止めと巨額の賠償金を請求されている。これに対してアンブレラはどうやっても言い逃れすら不可能な状態だ。アンブレラの顧問先弁護士達も匙を投げ、和解を申し出ている。中にはアンブレラの顧問を辞めた者がスペンサーの命令で始末されたという情報も上がってきているくらいだぞ。全米で最も特許等の案件に強いと言われていた弁護士を、だ》
《……あの秘書に蹴られたり、ハゲ頭を無毛地帯と罵られている、あの大男がそんな特許を持っていたとは》
《その秘書は怖いもの知らずなのかね?タイラントを簡単に殲滅出来るような存在相手にそんな事を?》
《……社長はどうも社員を家族のように思っているらしい。悪い男じゃないのはわかるんだがな。しかし、買収は可能なんじゃないか?敵対とはまた違うはずだ》
《……H.C.F.(ヘルスケアファウンデーション)が白陽社を買収しにかかったそうだが、まぁ、無理だった。なにしろ株式会社でも無い個人経営の会社だ、社長が首を縦に振らなければ不可能だ。それならとワクチンの特許を売れ、とH.C.F.は上から目線で言ったそうだが『てめぇんとこには何一つ売らねぇからな?何か汚ぇ事を仕掛けてきたら、アンブレラの前にお前らを潰すぞ?』と言ったそうだよ。ああ、これはH.C.F.に潜入中のリキッドの情報だ。……珍しくリキッドは非常に上機嫌でな。どうもタイラー氏を気に入ったようだった》
《……それはH.C.F.だったからじゃないのか?というかアイツは好戦的過ぎる。どうせ機会があったらタイラー社長に喧嘩売ってくるぞ。……厄介だな》
《トライセルも同様だよ。まぁ、あのエクセラ・ギオネの独断でやらかしたらしいが、彼は逆に特許を差し止めするぞ、と言って怒ったそうだ。エクセラはトライセルの会長をかなり怒らせたようでな。会長命令によりアフリカの僻地に左遷される事が決定したそうだよ。つまり、白陽社のヒトシ・タイラー氏に逆らえば製薬会社は倒産こそしないかも知れないがかなりの打撃を食らうと言うことだ。……もっとも、スペンサーは知らなかったようだがね》
《……スペンサーアホ過ぎるだろ。だが、俺の帰還がダメな理由がわからないんだが?》
《もし、君が我々やザンジバーランドの潜入工作員だとバレてみろ。彼の心証は悪くなるだろう。……とはいえ、彼は人の心の中が見れる特殊能力を備えているそうでな。もうとっくにバレていると思っていい。だが、彼から何も君に言わないとすれば、おそらく君は泳がされているという事かも知れん》
《おいおい、そんな能力があるはずは……って、サイコマンティスの例があるか。……あの量産型タイラントすら簡単に倒せる男を敵に回して生き残れるとは思えない。やはり離脱を……》
《不許可だグレイフォックス。これはアメリカの未来だけでなく世界の平和の為に必要な任務だ。無論、君達、ザンジバーランドの為にも。きちんと彼に今までの事を話し、謝罪したまえ。ミラーからの許可も出ている》
《……もし、謝罪を受け入れてくれなければ?》
《ミラーからの話では、それは無い、と。なにしろアンブレラの私設傭兵部隊の暗部『U.S.S.』の部隊達を受け入れた男だ。その隊長の子供の為に動こうとする男が真実を話して怒るはずは無いだろう。……おそらく、多分》
《……なんか、全く信じられないんだが?》
《だが、君が生き残るために必要だ。そして我々フォックスハウンドにとってもな。ザンジバーランドからの技術援助が無ければ、我々はハイテク特殊部隊なんて名乗れないからな……。あと、ストレンジラヴ博士からも》
《それで大丈夫なのかよ、アメリカ特殊部隊……》
《……ザンジバーランドの技術はすでに世界レベルを遥かに超えている。だがそのザンジバーランドの科学技術でもストレンジラヴ博士の人工AIを使った解析でもT-ウィルスの治療薬やワクチンの開発には手こずっているのが現状だ。まぁ、安心したまえ、グレイフォックス。今回のミッションが上手く行けば、ザンジバーランド側は追加の人員として君の妹や恋人を始めとした者達の白陽社への派遣を考えているそうだ》
《……ちょっと待て。ということは俺は帰還出来ないってことなのか?!》
《まぁ、そういう事だ。では、そろそろ通信を切りたまえ。暗号化されたバースト通信でも流石に電波の発信源を突き止められれば、君の立場がさらに悪くなるからな》
《ちょっと待て、おい!》
プツッ。ガーーーーッ。【通話終了】
《……まじかよ》
・ネメシス君は凡太郎に名前が進化した!
・さらりと、息子に髪の毛生えて来て喜ぶ平凡さん。
・リキッドさん、平凡さんにちょっかいかける気満々。
・エクセラがアフリカに居たのは、つまり左遷でした、という。
・なお、平凡さんはグレイフォックスの正体なんぞ全く気にしてません。悪人と思ってないからね……。