なんかタイラントになってしまったんだが。   作:罪袋伝吉

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いつも感想&誤字脱字修正ありがとうございます。

凍結性細胞、やはりモー様がくすねてた。

グレイフォックスさん、声の人的になんか平凡さんのところの、いわゆるオセロット的な立ち位置になりつつあるような。

タイラント君?今日は出番なし。ぬくぬくラブラブなだけだよ?




共闘まであと数日~キツネさん情報。

 

 エイダから説教を食らって時間を食い、その後研究施設でミラー外相に渡す大量の水虫薬(おそらく彼の部下の人とかも水虫だろうから、そういう人達へのお土産用も含む)や、エヴァ夫人用の美肌美容液やら保湿クリーム、美容洗髪エキス配合のシャンプーとコンディショナーなどの詰め合わせも大量に造ったり(やはり他の女性達へのお土産用含む)、隣の医療施設棟でフォーアイズの診察を終えてカルテをつけていたらバーサに絡まれ、息子の凡太郎はアダルトなのかショタなのか、というアホな事を言い出すのでルポに言いつけ、フルメタルジャケットばりのランニング2キロの刑に処してもらい、その後、ようやく自室へと帰ってきたわけだが。

 

「おかえりなさい……アナタ、寝るぅ……?むにゃむにゃ……」

 

 いや、そこはおまえ『食事になさいますか、お風呂になさいますか、それともワ・タ・シ?』でしょがな。

 

 俺の自室で待っていたのはナスターシャだったわけだが、とっくに彼女は俺のベッドの上で半分以上夢の中にいた。つまり、俺を待ってたのはいいが、眠気に勝てず、たった今、寝落ちしたとこである。

 

「……ぬぁ~むわ~たむぁごぉ~」

 

 今、生卵とか言わんかったか?

 

……いや、ひょっとしたら彼女の母国語での寝言かも知れん。志村○んと研ナ○コのコントではあるまいし、外国人の彼女がアレを知っとるわけはないだろうからな。

 

 次にお前は『あかぁむぁむし~ぃ』と言う!

 

「……くか~すぴぃ、むにゃむにゃ……」

 

……いや、言わんかそうか。しかし典型的な寝息じゃのう。

 

 しかし寝とるならむしろ俺には好都合というものである。

 

 疲れてんだよ、なんぞと言うとまるで倦怠期の夫婦のようだが、ナスターシャもそれは ご同様なのだ。今日の作業リストを見れば、魚雷挺の修理と貨物運搬用の改装、手術用高出力レーザーメスの製造と『黒曜丸』に搭載するための小型薬剤製造プラントと医療設備の製作……

 

……俺より働き過ぎじゃねぇか。肉体労働すげぇぞおい。

 

 凡太郎が手伝っているとはいえ、いや、あの子だって俺に準ずるパワーを持ってるとは言えまだ生後ひと月ちょっとやぞおい。

 

 休ませねばならんだろう。マジでナスターシャも凡太郎も働き過ぎだ。……俺も人のことは言えんけどな。

 

 ナスターシャが寝返りした。タオルケットから腕……いや、デカいおっぱいがモロリして、ナスターシャが全裸なのがわかった。

 つーか、全裸待機しとったんかい、この娘は。つーか南国とはいってもここは海の上で、夜は冷えるぞ。まったく、よだれまで垂らしてからに。

 

 仕方ないわねぇ、と俺はおかーさん的な気持ちで手付きで優しく、幸せそうに寝こけているナスターシャに、起こさぬようにパンツを履かせてパジャマを着せて、タオルケットをしっかりかけてやった。

 

 デカいこの身体だが、繊細な作業はむしろ昔よりも得意になっている。寝た娘さんに気づかれないように服を着せるなど朝飯前だ。

 

 ああ、平和やのう。

 

 寝ているナス太郎は安全であり、また服を着ていればパーフェクトに安心だ。

 襲われる心配もない。つーか昨日の今日なのだ。ナスターシャの身体に俺のタイラント君は負担が大きいのだ。というかなぁ、やっぱりサイズ的に初めての子には大きいと思うのよなぁ。

 

 女体の神秘という神話じみたものより、俺は現実の医学というものを重んじる立場なのだ。

 性欲よりも理性を。そして俺の遺伝子を増やすと人間社会がどうなるかという問題すら考えちゃうんだよねぇ……。

 オジサンは辛いんだよ、なぁ、タイラント君よ。これなら童貞オジサンのままでいたかった!つか、あんな気持ちの良いことを知ったら、そらなぁ……。

 

 眠っとるナス太郎に目を向ける。

 

「んにゃんにゃ……ひひーん、という事がしたーい!うまぴょいぴょい……すぴょぴょぴょ……」

 

 むぅ、なんつう寝言だ。俺の愛妻が夢でぴょいしとるげな。……ダービー馬かな?

 

 しかし幸せそうな寝顔だよなぁ。うんうん、つーか、君のせいだからな。全く、人の気も知らんと。

 

 おい、タイラント君も落ち着きなさい。今日は出番ねーからな?

 

『……そーなの?(シュン……)』

 

 うむ、我がタイラント君は素直で俺の言うことを聞く子である、って、ち○こと心で会話してどうするよ俺。

 

 しっかし、俺のサイズに合うゴム製品って、どっかで売ってんのかなぁ。

 家族計画は大事だからな。ぬぅ、クレアの兄貴のクリストファー氏と俺のサイズはだいたいおんなじくらいという話だからあるとは思うんたが。

 

……そんな事を考えていると、俺のi-DOROIDに文字だけのメールが送られてきた。

 

 ハンター君からである。

 

 なになに……?

 

《グレイフォックス:夜分すみません。社長起きてらっしゃいますか?本国から情報が来ました。あなたのクローンの生存と凍結性細胞の行方についてです》

 

……カリギュラ、生きとったんかいワレェ。

 

《←返信:なに?クローンは生きてたのか?》

 

《グレイフォックス:あなたのクローン『カリギュラ』は火山の火口にて瀕死の状態で回収され、治療を受けながら現在、ザンジバーランドに搬送中との事です。……ややこしいことに生殖器を再び戻した状態で……》

 

《←返信:……なに、生えてきたのか?ち○ことタマ○ン再生したんか?》

 

 脅威のT-ウィルス生命体。まさか、ち○こが進化して触手みたいなウネウネ動きまくったりトゲトゲ生えてたりそんなんになっとりゃせんだろな。

 

 つーか、そんなんで女性の傭兵達をうねうね襲ったりくっころな目に合わせて、ち○こなんかに負けない!というのを屈辱の中で快楽に堕したりするのか?つか、それなんて妖獣シリーズ(PC98時代のエロゲ)?

 

《グレイフォックス:さすがに再生するわけは無いとおもうのですが……?というか、社長のは切られても再生するんですか?》

 

《←返信:再生してたまるか。つーか、したら怖いだろ》

 

《グレイフォックス:ですよね。どうもアンブレラは性細胞採取の為にクローンの局部を保管してたらしく、内部協力者がそれを盗み出して彼に接合したようです》

 

《←返信:そうか。流石に再生しないか……。しかし内部協力者?ふむ……そんな真似をするとはアンブレラの研究員、それも接合する暇を考えれば幹部クラスかエリート研究員……女かはたまた男か。どんな顔でち○こを股間にくっつけたんだろうな?》

 

 出来れば若い女の子の研究員が顔を赤らつつ恥じらいながら、しかも、ぎこちない手でちんこを扱いつつ、股間に戻すの希望。しかも、ツンデレ気質で、もうお嫁に行けないじゃないの、責任とりなさいよ、的なシチュとかあってもいいと思うの、おぢさんは。

 

《グレイフォックス:……そうやってアンブレラ内部の協力者の情報を得ようとするの、やめて下さい。今はその協力者について教える事は出来ません。ここから漏れることは無いでしょうが、彼もしくは彼女の身を危険にさらしかねませんから》

 

……ただのジョークなのに、ハンター君は俺がその協力者の素性を探ろうとしていたと勘違いしたようだ。うーむ、そんなに俺は抜け目の無い奴みたいにおもわれてんのか?

 

 というか、こうやってメールでやりとりしてるのも、俺が要らんことを察知するのを防ぐためなんだろうなぁ、真面目な奴め。

 

《←返信:単なる好奇心だ》

 

《←返信:しかし確かにややこしいな。俺から採取されたモンだけでなく、クローンのそれから俺由来のB.O.W.を造りかねん……いや、もう造ってたとかはないか?》

 

《グレイフォックス:ええ。とりあえず確認されていない、と、アンブレラ側の協力者から報告されてます。まず、信用できるかと》

 

《←返信:そうか。……しかし、カリギュラが誰か女性と恋仲になって子供こさえたらややこしくなるな。遺伝子検査で調べたら俺の子供に間違えられかねんな。いや、双子の兄弟んとこの子、的に扱えればなんとか……って、親父共の手前、そうもいかんか……》

 

《グレイフォックス:ああ、そういう問題もありますか……。考えが及びませんでした。しかし、あなたと生活圏が離れていれば、大丈夫でしょう。なお、協力者達は『カリギュラ』と、そしてあなたの凍結性細胞と共にザンジバーランドへの亡命を希望してます。本国は受け入れる決定をしましたよ。……もっとも、その協力者が持っている凍結性細胞以外にもアンブレラはどこかの施設で保管している可能性がありますが……》

 

《←返信:……世の中、広いようで狭いもんだぞ?特に対アンブレラ活動なんざワールドワイドになって来るんだ。しかも俺みたいなのが二人といてみろ。どっかで話題になるだろうよ。まぁ、仕方ないとは思うがな。……しかし、そいつらが持ってる以外にも保管されてんのかよ。……そいつらが持ってる俺の凍結性細胞に関しては、元々は俺のモンだ。俺に権利があるはずだな?そんなもん、ティッシュペーパーに包んで焼却処分しろ。んなもん残すな》

 

《グレイフォックス:……社長、それは無理というものです。あなたの遺伝子はある種、人類のさらなる進化を示唆する物の一つ、そのように『クラーク博士』は考えています。そんなものを、少年期のチョメな感じで出してしまったアレのように……》

 

《←返信:んなもん、若い頃に大量に捨ててきたわい。燃えるゴミの日に出してことごとく焼却処分じゃ。つーかな、ウィルス兵器による奇形のような変化は正当で真っ当な進化じゃねぇ。それを進化の形態と認めるならばスペンサーのボケジジィの妄想を肯定する事に他ならない。俺の細胞だ、権利は俺にある。燃やして廃棄しろ。百歩譲って、カリギュラが子を誰かと こさえるっつーのは奴の意思、それは尊重するがな、俺の知らない所で、俺の責任の及ばんところでガキを増やすな。俺と嫁にも家族計画っつーモンがあるし、嫁以外の女との間に子供が出来てみろ、家庭の危機だぞ、そんなんどーしてくれるってーんだ?》

 

 まぁ、卵子提供者が俺に惚れるというのはまず、有り得ないとは思うけどな。しかし、ナスターシャという例外がいる以上、マジでわからんし、何より造られた子供を思うと、心情的にいろいろと、なぁ。

 

《グレイフォックス:……わかりました。そうですね、それについては『ビッグボス』に進言させていただきます。彼ならあなたの意見を肯定するでしょうし、『クラーク博士』も彼に言われれば止めるでしょう。……しかし、カリギュラが子を作る事には反対しないというのは意外でしたが、それは何故ですか?》

 

《←返信:カリギュラは、俺じゃない。言わば一卵性の双子の兄弟のようなものだ。奴は、俺とは違う人生を歩み、そして奴だけの経験を積んで行く。兄弟が誰と結ばれて子を成してもそれは兄弟の人生だ。俺に止める権利なんぞ無い。だが、言っておくぞ?奴の性細胞も勝手に実験材料にするんじゃねぇぞ?奴の子供もだ。……奴も暴れるだろうが、そん時ゃ俺も加わってやるぞ?》

 

《グレイフォックス:……伝えておきます。ええ、とっくにクラーク博士もカリギュラの戦闘データを見てますから、それがダブルで暴れまくるとなると、さすがに考えを改めるでしょう。それに、ザンジバーランド、いえ、『ビッグボス』と『ミラー副司令』は、あなたとの提携を重要だと思ってます。あなたの怒りを買うような行動は厳に禁じられていますので、その辺、ご安心下さい、社長》

 

《←返信:頼んだぞ?ハンター総務課主任。俺としてもザンジバーランドとは仲良くやりたいと思ってんだからよ。対アンブレラの立場的にも、商売相手としてもよ?》

 

《グレイフォックス:ははは、ザンジバーランドは良くも悪くも軍事的なものは進んでますが、文化的……特に、女性用の美容関係の物資は今までさほど出回ってません。白陽社の商品はおそらくヒットするかとおもいますよ。まぁ、アラビア辺りやインド辺りからは入って来つつありますが、カザフの首都には遠く離れてますので……。ああ、そうだ。社長。私にも、妹と彼女用に分けてもらえませんかね?妹には長らく留守にしていて寂しい思いをさせてますし、彼女にも何か贈ってやりたいと……》

 

《←返信:わかった。椿オイル配合のやつと、金木犀オイル配合のやつを二本ずつやる。この前試作したやつだがエイダとかナスターシャの評判が良かったから悪く無いと思うぞ?》

 

《グレイフォックス:ありがとうございます。花の香りのシャンプーですか。ええ、二人が気に入りそうです。では、また明日。おやすみなさい》

 

《←返信:おう、明日も仕事だぞ。早く休めよ。おやすみ》

 

 メール通信が終わり、俺はi-DOROIDのスイッチを切った。

 

……ふーむ、しかしクローンが生きてたのもそうだが、ち○ことタマ○マが戻ったか。なんか、女傭兵……『スナイパーウルフ』とか言ったっけか?うまく行くと良いがなぁ。ウィルス駆除薬も治療薬もザンジバーランドに結構な数を送ったから、治療は出来るだろうしな。

 

「ふーむ、甥っ子か姪っ子かが兄弟に出来るのもすぐかもな」

 

 会うことも無いだろうが、俺はなんとなく、カリギュラという自分のクローンに対して双子の弟のような感情を持っていた。

 

「……へぇぇ。クローンが出来てたの。で、ザンジバーランドに行くのねぇ」

 

 座った俺の後ろから、そっと回される手。なんかいい匂いが近くでするなー、とか思ったらナスターシャである。

 

「うむ。起きちまったか。すまんすまん」

 

 まぁ、さっきから気づいてたけど、気づかない振りをしていただけである。普通の人間のような振りもコミュニケーションには必要というものだろう。

 

 というか、ぶっちゃけ背中に当たるおっぱい好き、というだけである。

 

 あー、布越しに、あー、やわらけぇやわらけぇ。

 

「……なるほどなるほど、ハンター君はi-DOROID持ってんのね。で、MSF製っと。で、アナタ、クローンを一卵性の双子のようなものって思ってるのね。ふむふむ……。まぁ、SFの世界じゃオリジナルとクローンの対立とか反目とか敵対関係になるって話は多いけど、クローンの猫とかの実験じゃ、普通に兄弟姉妹の関係に落ち着くらしいからねぇ」

 

「そんなもんだろ。遺伝子が同じでも経験や生きる場所が違えば同一性もクソも無い。そんなもんだろ?」

 

「そんなもんかもねー。でも、私にはアナタがアナタよ。凡太郎のパパで、私が大好きなアナタ」

 

 ん~、と言いつつ背中にスリスリしてくる辺り、ナス太郎はやはり小動物系よなぁ。まぁ、身長170センチあるけどな。

 

「ん。まぁ、兄弟にもなんか好きな奴がいるらしいし、その恋の成就は祈っておいてやろう。俺の凍結性細胞の行方の一つはわかったし、廃棄させるようにも言ったから、まぁ、心配事の一つは潰せた。……アンブレラが保管している分は現状ではどうにもならんか……」

 

 俺は前を向いたまま、手を後ろに回し、

 

「ほれほれ、明日も仕事だぞ。早く寝よう。うーむ、お前の部屋と俺の部屋も、そのうちパーテンション取って一続きにせにゃならんなぁ。行き来が面倒だから、不便だろ?」

 

 と、やや名残惜しいが、離れるようにナスターシャを促す。

 

 俺の自室とナスターシャの部屋は、壁を挟んで裏と面であり、ナスターシャが俺の所に来るには、ぐるーりと回り廊下を回って来なければならないし、俺が行くときも同じだ。

 

 幸い、ここは構造上、壁のパーテンションを外してスペースを繋げられるようになっており、多少工事の手間がかかるが、一続きにする事が出来る。

 

「凡太郎(ネメシス)と川の字で寝れるようにせんとなぁ」

 

 離れたナスターシャの方に振り向くと、よいしょっと抱っこしてやり、俺はベッドへと寝かせて、その横に寝転がった。

 

「ほいほい、ぬくぬくして寝ような。南国とはいえそろそろここらも気温が下がる時期だ。海の上は冷えるからな」

 

 タオルケットを引っ張ってかけてやると、俺とナスターシャはくっついた。まぁ、腕枕はしてやれない。俺の腕が太過ぎて向かないのだ。

 

 まぁ、それでも。

 

 やっぱ、二人だと暖かいのだ。あーぬくぬく。

 

 




この二体のタイラントのみでしか……(以下略)。

『カリギュラぁぁぁっ!!』『平凡さぁぁぁん!!』『はいだらぁぁぁぁっ!!』

『南極へ行くのか、エイダ』『くっそ寒いから私は行かない!!中南米サイコーっ!!』

……というネタを考えてました。いや、アヌビスネタですなー。

まぁ、ZOE、もう新作絶望的なんよねぇ。




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