なんかタイラントになってしまったんだが。   作:罪袋伝吉

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いつも感想&誤字脱字訂正ありがとうございます。

あけましておめでとうございます(二回目)

というか新年早々に水虫話でええのんか?←をい。

アンケート中につき、とりあえずカズの水虫治療の話を……。

足湯って良いよね……。でもインチキデトックスはダメ絶対!




共闘まで数日~儲け話は水虫治療中に

 

……ミラー外相の水虫は、結構酷かった。

 

 靴下を取る時に、ザリザリッと肥厚化し、ひび割れた皮膚に繊維が引っかかる。足が露わになると剥がれた細かい皮膚がポロポロと落ち、そして独特の発酵臭にも似た、あの、つぅぅぅん!!としたくっさい強烈な臭い。右足の親指と人差し指の間がじゅくじゅくして化膿している俗に言うじゅくじゅく水虫になっており、痛々しい。その上、両方の親指の爪に爪白癬。

 

……おーぅ、水虫ハズァードゥ~。

 

 医務室まで俺について来ていたナスターシャまでその足の惨状に退いていたくらいに酷かった。

 

「……白癬菌感染症、中等度の重より、ですね」

 

 俺はカルテに、部位事の症状を分けて詳細な水虫マップと感染の深さと進行度を表記した。

 

 フォーアイズの診察が終わって医務室に戻ってきたハミルトン先生とナース服のバーサがそれを興味深そげに見学しているが、むぅ、水虫治療なんぞ見られてもなぁ、などと思うも、たかが水虫、されど水虫である。

 

「範囲が広く、踵にひび割れ、爪白癬、右足の母指と人差し指に創傷を伴う白癬菌症」

 

 カルテにそう書き込み、そしてミラー外相の足から落ちた皮膚の欠片をピンセットでプレパラートに入れ、そして顕微鏡で見て白癬菌の種類を特定した。

 

「先生、治るんでしょうか?」

 

 ミラー外相が深刻そうに聞いてくる。

 

「……ふむ、これはアジア型の乾燥した地域に割と良く分布するタイプの白癬菌か。これは生命力も強く感染力も高い。日本の湿度で生えるタイプのものではない。いや、そんなに不安そうな顔しなくても。治りますとも。コイツを滅ぼすには……」

 

 俺は真菌に色を付ける色素をビンからスポイトで取り、慣れた手つきでプレパラートに落として染色した後、抗真菌薬の原液(七番)と書かれたビンを取り出した。ビーカーに入れそれを蒸留水で薄めて、スポイトで取り、プレパラートに落とす。

 

 七番は浸透性を高めた医科用として開発したものであり『ハチマン抗真菌薬7D』と呼ばれていた物に相当する。一般の家庭用シンキンナオールSより効き目が強いが、とはいえ他の抗真菌薬と一線を画しているところは肝臓等の内臓への負担が無く、人体に無害であるところである。

 ただ、白癬菌をとことんまで殺菌し駆逐するが傷薬的な効果はないので、ひび割れや化膿してジュクジュクした傷そのものに関しては別の処置をせねばならない。

 

 で、これで真菌が死ねば七番がミラー外相の水虫に効くと判明するわけだ。

 

 まぁぶっちゃけ、シンキオール配合の薬なら何であれ真菌は死ぬんだけど、このしぶとい奴にはやはり浸透タイプの七番が最適だ。

 

 俺は、顕微鏡の映像をテレビモニターに投影した。

 

「これがミラー外相、あなたの水虫ですが分解・崩壊して行ってるのがわかりますか?」

 

 映像には、みるみるその形が崩れて行っている白癬菌の姿が映っている。

 

「おお!確かに崩壊して溶けている?!」

 

 そうだろうそうだろう、すごいだろ?コレが俺が青春をかけて水虫にもがきながら開発したシンキンナオールだ!ふふふふふ。

 

 俺の思惑はシンプルだ。このミラー外相を治療すれば他のザンジバーランドにいる水虫の感染症に悩む者達も、我先にと治療をしようとするだろう。

 

 そう、それが俺の狙いだ。

 

 この世から水虫感染を無くすこと、それが今も昔も変わらぬ俺の野望なのだ。あと、会社として儲けねば社員の給料が払えねーからなぁ。

 

「これが我が社の主力商品の一つ、シンキンナオールの効果ですよ。さて、ミラー外相の水虫にはこの七番が最も効果的な事がわかったわけです」

 

 自信たっぷりに俺はそういい、そして、さささっと処方箋の用紙に薬の名称と数量を書き、

 

「バーサ、すまないが、この処方箋の薬を大袋に入れて用意しておいてくれないか?後でミラー外相にお出しするから」

 

 バーサにそう言うとラジャー!と彼女は元気良く言い奥の薬品保管庫へと小走りに向かって行った。

 

 意外かも知れないが、バーサは医療の現場ではかなり優秀かつ真面目な態度になる。また、ハミルトン先生やジェンキンス教授からの評価はかなり高い。

 

……これで普段の変態的な少年愛とか無けりゃあなぁ。

 

 いや、今はそれは置いておこう。

 

「さて、とりあえず処置をはじめましょうかね。まずは……」

 

 俺は水虫治療用の新兵器を取り出した。これはナスターシャ謹製の試作型の新商品、超音波振動と空気ポンプによる泡、そして水流によって古い角質を落とす『ソニックバイブラジェットフットバス』である。

 

 それに湯沸かしの湯を入れ、温度を計って水で丁度の温度にすると、シンキンナオールの七番とライムの香りのバスポーションを入れた。

 

「はい、ここに15分ほど足を浸けて下さい」

 

 『ソニックバイブラジェットフットバス』のタイマーをきっかり15分に合わすと、

 

「……なんかこれ、昔に酢を入れた盥に足をつけさせられたのを思い出すなぁ。これはライムのいい匂いだが……」

 

 とミラー外相が苦笑する。

 

「あ~、私も昔、オヤジにうつされた時に兄弟で足を酢漬けにされましたよ。とはいえ、今では酢の殺菌は逆効果というのが定説ですね……。とはいえ、これは比べものにはなりませんよ?」

 

 俺はニヤリと笑ってスイッチを入れた。

 

 うぃぃぃぃぃぃん、ぶぅぅぅぅぅぅうううううん!

 

「うおっ?!」

 

 ソニックによるゆるい振動と空気ポンプによる気泡が一気にミラー外相の足を襲う!

 

「これは、自動的に足の角質を落とす機械でしてね。ウチの新商品なんですよ。それにシンキンナオールを入れれば、温熱効果でより薬剤が浸透し効率良く治療が出来るんですよ」

 

「おおおっ、これは……気持ちいい!!なんという気持ち良さ!おおおおお!!」

 

「そうでしょう、そうでしょう。まぁ、水虫治療だけでなく、それ単体で日々疲れているビジネスマン、立ち仕事で足を疲れさせている人、それに冷え症に悩む女性、捻挫などで治療中の患者さんなど、幅広く使える健康補助具です。まぁ、ゆくゆくはシリーズ化して老人介護やリラクゼーション用の全身用のバスタブとか、展開していきたいと考えてます」

 

「これの全身用……だと?!足湯だけでもこの気持ち良さなのに、そ、そんな物が出来てしまったら、それはもう、バスレヴォリューションだ!一度浸かってしまえばもはや誰もが普通の風呂では満足出来なくなってしまう!そんな物、天使のような悪魔の風呂ではないか、くぅぅぅう、きっくう!!」

 

「バスレヴォリューション、ですか。良いですね、そのキャッチコピー、いただきです」

 

「おおおおおおっ、汚れが足の中から出て行くようだ、ふぉぉぉぉっ!き、キャッチコピー代の代わりに、これ、安く売ってくれ、というか全身用作ったら是非購入させていただきたい!」

 

「ええ、その試作型の『ソニックバイブラジェットフットバス』は無論、差し上げますよ。どのみち、シンキンナオールであと一週間は治療を続けてもらわねばなりませんからね。それに、試作品のモニターもしていただけたらありがたいですから、全身用の先行型が出来ましたらザンジバーランドに送らせていただきますとも」

 

「なんと太っ腹!良いのかそんなので!」

 

「ええ、勿論。ただ、使ってもらった感想や気づいた点等、アンケート用紙で答えていただく事が条件です。出来ましたらご家族の分もお願いしたいですね。ああそうそう、ミラー外相のご家族は奥様と娘さん……でしたかね。なら、丁度いい新商品がありますよ?女性用のシャンプーとコンディショナー、あと美肌クリームなどなど、色々あるんですが、そちらも試供品を後でお渡ししますので、そちらのアンケートも……」

 

「そんなので良ければ、なんぼでもぉぉっ!というかそんなん販売するなら私の会社を通してほしいっ!つーか、あんたんとこの秘書さんの髪の毛めっさキューティクルがパーティクルしてて黒髪艶サラじゃん?!あんなんなるんだろ、そのシャンプー!誰もが羨む髪へって感じじゃん?!そんなん売れるだろ、売れまくるだろ!!売らせろぉ!!儲かる、めっさ儲かるぞぉぉ!!いや、シンキンナオールもそうだが、私の『D.D.カンパニーグループ』は世界規模のルートを持っている。日本なら三留、高砂屋、阪鉄デパート、ヨーロッパならミシェレン、マンソン、モートルー、アメリカならエルデム、ロックファインド、ありとあらゆる販売ルートを持ち、さらに運送も『D.D.エクスプレス』で超速で行える!販売ルートならウチに任せてくれぇぇぇ、バリバリバリぃぃぃ!!」

 

 いや、悶えながら言わんでも。つかバリバリバリってなんだよ?

 

 しかし世界的に一流どころじゃないデパートグループに販売ルート持ってるとか、一体MSFはどんなけだよ、おい。

 

 つーか、うーむむむ、一から販売ルートを開拓するつもりだったが、これは渡りに船と言うものだろう。

 

「まぁ、その辺はまた後で話し合いましょう。今は治療の最中ですからね」

 

 こうして、俺は……いや、白陽社は思いがけず世界的な販売ルートをたった一度の水虫治療で得てしまったのであった。

 

……ええんか?こんな簡単に行って。 

 

 そして、これを機に白陽社はめっさ儲かって行く事となるのだが、それは後の話である。

 




……なんかねぇ、リサ・トレヴァーがやたらアンケート多かったのよねぇ。

 トレヴァー一家に関しては、本当にスペンサーぶっ殺したいとマジで思ったほどです。

 平凡さんはリサの娘を救えるのか。あと、ナス太郎の嫉妬をどうすんのか。

 というか、ええのんか?みんなそれでσ(^_^; 
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