やっと書ける状況になってきましたので。
やはり、単独の方が平凡さんは活躍出来る、というからしいのでこうなりました。
というか、強力兵器人間パチン虎はやはり出したかった!
……『あんたを失う事は避けねばならない』とか言ってたのは誰だっけ?
つーか、誰かこのノリノリなMSFの副司令を止めてくれ。
「弾になるヤツ以外は持っているパーツを構えるんだ!」
ミラー外相の指示の元、『狩魂』と書かれたTシャツを着たマッチョな兵士達がノリノリでポールを潜水艦『ヘヴンディヴァイド』のデッキの上に立て、超強力なパチンコ用のゴムをそのポールにセッティングしていく。
「合体アイコンが出たらアクションボタンを押すんだ!」
屈強な兵士達が集まって、何故かジャキーン! という効果音が鳴り響いては……?
「最強合体兵器! 人間パチン虎!」
ノリが過激なお笑い芸そのものでしかない。コイツら、俺をこの即席射出装置……いや、デッカいパチンコと強力ゴムで、シーナ島の施設に撃ち出すつもりなのだ。
つーか何故こんな事になった!? つーか、まだ
「社長、早く準備を。時は秒を争うのです」
と、ハンター君が俺の背中を文字通り物理的に押すが、ちょっと待たんかお前! つか何ニヤニヤしてんだおい!?
いや、こんな事になったのは今からたった数分前まで遡る。
格納庫の強襲ボートでウチのウルフパック達強襲Aチームと待機していたら、ミラー外相から緊急連絡が入ったのだ。
それは朗報とそして悪報の両方だった。
《ヒトシ! あんたの娘の情報が掴めた! 良い情報と悪い情報があるが、時間が無い。とりあえず、あんたの娘は理性と知性を兼ね備えた『人間の子供』だ!》
ミラー外相の通話と同時にi-DOROIDの画面に、まだ幼い幼女の姿……いや、なんで全裸なんだ? ……が送られて来た。
「……この、幼い子供が、俺の娘? いや、しかし何故この姿で? BOWなら成体まで成長させるはずでは?」
《理由は判らんが、どうやら途中で逃げ出したらしい。だが複数の改良型タイラントが追っ手として差し向けられている! それにこの娘、どうやら変質者……ロリータコンプレックスを拗らせたような男に連れ回されているらしい! それも全裸のままだ!》
「……なん……だと!?」
《タイラントもかなり強力かつ危険だが、変質者もどうも一筋縄ではいかないような奴らしい。恥ずかしい話だが、MSFの傭兵育成訓練所に在籍していた奴で、サバイバル技術と隠密行動、そして射撃に長けているが、当時の訓練教官によれば女性隊員の風呂を覗いたりナンパしたり、近接格闘訓練時に女性に破廉恥な行為をしたらしい。君の娘が危険だ! いろんな意味で!》
「マジか!?」
《一刻の猶予もない! ヒトシ、今から甲板に来てくれ! 君を一足早く、シーナ島の施設へと送る!》
俺も確かに頭に血が昇って、正常な判断が付かなくなっていた。俺はルポに強襲チームの指揮を一任すると、強襲ボートを降りて走って『ヘヴンディヴァイド』の甲板へと向かったのだが……。
おおよそまともではない射出装置が待っていた、というわけだ。
「いや、あんたらも何やってんだよ!?」
「タイラー社長、これはMSFの伝統兵器だ。大丈夫だ、今までこれで死んだ奴はいない!」
「どんな伝統だよ、つーか大○興行じゃねぇんだぞ! おい、止めろ、よせ!」
何故、俺がこんな人間パチン虎なんぞという、ポールと超強力ゴムという訳の分からん物で飛ばされねばならんのだ!?
「ようぢぉ、いや、君の娘の貞操の危機だ! 君にしか救えない!」
「あの、ミラー副司令。クワイエットのレポートを元に判断するのはどうかと思います。彼が覗きをしたのはクワイエット教官の時の一回のみ、しかもその時の同行者として米軍のSPEC.opsのエコー6のリーダーも同罪ですし、パイソン教官のレポートと比べればクワイエット教官の主観というか腹いせが多分に込められている……」
ナオミ嬢の冷静な分析も聞かず、
「装備は持ったか!? iDOROIDはあるな!? フルトン回収システムもOK、いや、装備が足り無くても大丈夫だ。必要な物があればiDOROIDで要請しろ! すぐにダンボールで配送してやる! 後発部隊との合流地点は追っては伝える! 心配するな!」
と、なんかエキサイトしていた。
「子供の心に傷を残してはならん! しかし、ははははっ! 久々の人間パチン虎だ! お前たち、的を外すなよ!」
「サー! イエッサー!」
ムキッ! と、なんか筋肉をモリモリさせつつ、サムズアップする
「いや、イエッサーじゃねぇ!? つか装備云々の話じゃねーだろ!? つうかこれ、減速する装備すらねーだろ!?」
抗議するも、ミラー外相は俺の言うことなど全くの無視。それどころか、お祭り感覚と言える程のノリノリさで、兵士達に指示を飛ばす。
「右に15°展開っ! 仰角あと3°!」
それに応じてマッチョな兵士達は、『ふふん! ふふん! ふふん! ふふん!』というキモい掛け声と共に、人間パチン虎とやらのポールと特殊ゴムの位置を調整させていく。というか……お前らマジで正気か!?
「あんたは人間弾丸だ! カメラボタンで射出角を合わせてくれ!」
「アクションボタンとかカメラボタンてなんやねん!? つか人間を弾丸にするんじゃねーーーっ! 確かに娘の危機だから、早く助けに行かねばとか俺も言ったが、こんな罰ゲームみたいなモンで飛ばしてくれとは言ってねぇぇ!」
まだナスターシャのロケット射出式のクレイドルのがマシである。何故ならクレイドルにはショック吸収剤やらエアブレーキ、それにバリュートがあるが、これは生身で撃ち出されるだけなのである。
「ヒトシ、四の五の言うな! 娘の貞操の危機だぞ! 行くぞゼロカウント発射ぁっ! ゼロぉぉぉっ!」
ちゅどーーーん!
「せめて秒読みくらいしろぉぉぉっ! どわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
そうして俺は、『人間パチン虎』という原始的な射出装備によって、空高く撃ち出されたのであった。
「ど~ん! となった花火がキレイだなぁ~っ! 彼の勇気ある行動に敬礼! 娘さんの無事と救出を祈る!」
「やっぱり○川興行ネタかよぉぉぉっ!」
「たーまやぁぁぁっ!」
そうして、俺はシーナ島の市街地へと撃ち込まれたのであった。
花火など装備もしていないのに何故かどーん! どどーん! と着弾したときに花火が上がったが……『いつか絶対、あんたも飛ばしてやるからな』……と、心に誓ったのであった。
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【side:アーク】
くそっ! 弾が切れやがった!
カチッ! カチッ! 軽過ぎるトリガーを引けども弾は出ず、拾った
目を狙おうとするも、逃げながら、ようぢぉを抱えながらだ。追いかけてくる二体のうち一体の右目は潰せたが、キモい事にその一体の目から何か触覚のような物が生えてきてはよりなんかバケモン染(じ)みた面相になっただけで、まったく追いかけてくる足に衰えも何もなくダメージにすらなっていないようだ。
「目を抜かれたザリガニかよっ! (※ザリガニは目を損傷した時、稀にその場所から触覚を生やして代償する事があります)」
こっちのアドバンテージは奴らより身体が小さいってことだ。狭い通路を通り、奴らが入って来れないようなダクトやらを使って何度も撒(ま)いていた。しかしながら、行く先行く先で、まるで
しつこいわ、攻撃は効かないわ、タフだわ……正直逃げているこっちのスタミナがヤバい。
途中で黒丸君……トライポッド君達が何度か助けてくれたが、しかしトライポッド君達の攻撃では足止めにしかならず、可哀想に黒丸君達は最後には親指を立てて自爆していった。だというのに奴らには傷一つつかないのだ。
「くそっ、なんとかして倒す方法はねーのかよ!?」
狭い道を曲がると前にハンドグレネード……これも黒丸君達から貰ったものだ……のピンを外して落とし、そして走るスピードを上げる。
足止め程度にしかならないが、それでも距離は離せる。
「ん~、あーくん、そこの角を右に曲がって? 多分そっちからあのおっきいのより強い人が助けに来るよ?」
ようぢぉが何か確信めいた事を言うが、そっちは行き止まりだったはずだ。ここのマップはきっちりと俺は覚えているし、こう見えても方向感覚を間違えた事は今までに無い。
「バカ言え、あっちは行き止まりだぞ! つうか今までお前の言う通りに走って逃げ切れてるが、流石にそれは……」
というかアイツらより大きくて強いとか、それはバケモノ、いやBOWに他ならずそんなんが来たらもう俺達は詰みだ。
ボン! ボボン! と曲がり角の向こうで、ハンドグレネードが炸裂する音がした。
「ウォォォォォォッ!」「ガァァァァッ!」
タイラント共の怒りの咆哮とそしてドスンドスンという足音、いかん、思ったより足止め効果が薄かった! それに選択の余地がもう無い。
左に行けば出口であり、
「くそっ! 儘よっ!」
俺はようぢぉの言うとおりに右に曲がった。
と、なにか、ひゅるるるるるるるっ……と外から高射砲の弾が飛んでくるような音が聞こえ、そして
「だぁぁぁぁぁあああああああっ! マジで覚えとけよぉぉぉっ! 帰ったらあんたも飛ばしてやっからなぁぁぁぁ!」
という、日本語らしき叫び声と共に、ずどおぉぉぉん! ……と目の前の壁を突き破っては、何か馬鹿デカい図体をしたバトルドレスを身にまとった男が、打ち上げ花火と共に着弾した。
「な、なななななななぁっ!?」
「ね? 言ったとーりでしょ?」
腰を抜かしそうになりつつ、だが腰を抜かさなかった自分を褒めてやりたい。あと、小便をとっくにしていた事にも。
ベキベキベキ。
バトルドレスの男は身体中の関節鳴らしながら、俺を、そしてようぢぉを見て英語で言った。
「てめーが……ウチの娘を連れ回してるって、変質者か……? オラァ……!」
ふしゅるるるるーっ、となんかのっぺりしたマスク一体型ヘルメットの口元のスリットから、暴走機関車の如き怒気を含む吐息を吐き出して……。
「む、娘ぇ!?」
「あはっ、あなたが私のパパなんだね。電波のとーり来てくれたぁ」
きゃっきゃっ! と喜ぶようぢぉ。
訳わからんが、ただ言えることはただ一つ。
あかん、俺、死んだ?
ドスンドスンドスンと曲がり角を向こうから聞こえるタイラントの足音を聞きながら、俺は絶望した。
いろいろあったのです……。としか言えませんが、ゴールデンウィーク前から2日しか休み無かったんですよぉ……。
とりあえずボチボチまた書いていきます(不定期になると思いますが)。