なんかタイラントになってしまったんだが。   作:罪袋伝吉

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いつも感想&誤字脱字訂正ありがとうございます。

モーフィアスの設定が原作では全く無いので、超ねつ造してみました。

……なお、次のベロニカへのねつ造の伏線だったり。



デュバル家の父娘

 

 デュバル家は古くからヨーロッパを拠点として活動して来た有数の金融機関、銀行を運営する財閥を有する名家である。

 

 デュバル家はアンブレラを創設した三人のうち、アシュフォード家と古くから親交が……というより古くからアシュフォード家に金を融資していた関係でアンブレラ社に多額の創業資金を融資していた。

 

 デュバル家の二代前、つまり先々代の当主は友人であった当時のアシュフォード家当主から製薬会社への融資だと聞かされ、そのまんまその言葉を信じた。

 

 先々代のデュバル家当主はかなり慎重派ではあったが、製造する予定の薬品についてもアフリカの秘境で発見した、傷をたちどころに治したり、毒物に対して解毒出来る奇跡のようなハーブ、つまりグリーンハーブとブルーハーブ、レッドハーブを使った薬品だと言われ、その効果を目の当たりにしたらそれも仕方が無かったとも言えよう。

 

 そこから、デュバル家、いやデュバル財閥とアンブレラ社の関係は現当主の代までズルズルと続き……そりゃあ表向き優良企業であり大口の取引先となったのだから仕方ないのだが……今に至る。

 

 しかし現在、アンブレラ社を見限ろうという動きがデュバル家並びに財閥に起こったのは先代当主『デッカード・R・デュバル』の時代からである。

 

 その原因は様々ある。

 

 最初、アンブレラ社への融資はアシュフォード家の顔があったから行っていた側面が大きかったのだが、そのアシュフォード家がアンブレラ社の中で没落していっていることへの先代デュバル家当主の腹立ちから始まったとされている。

 

 どうもデュバル家とアシュフォード家は代々何故かウマが合うというのか相性が良いというのか、先代デュバル家当主と先代アシュフォード家当主も親友とさえ言える仲になっており、そりゃあ親友を蔑ろにされていたら誰でも怒るものである。

 

 故にデッカードはスペンサーに抗議したが、スペンサーもデュバル財閥がアンブレラから手を引くことは現状有り得ないとわかっていたのだろう、アシュフォード家を蔑ろにしているのではなく、企業体としてアシュフォード家が業績に貢献出来ていない為にそうなっている、と言った。

 

『業績を上げられないのは、易々と友人から融資を受けられる環境にあったからでは?人間、金蔓があれば必死に働かなくなるものでね』

 

 デッカードはその言葉にかなりムカついた。

 

 だが、スペンサーに見透かされていたように、その頃にはもはや当主の一存で取引を切れないほどにアンブレラ社は巨大な企業になっておりデュバル財閥ならびに銀行において超大口の相手になっており、手を切った場合のデュバル財閥の損失損害は多大な物となると重役共から止められた。

 

 だがデッカードはその時にアンブレラを切っておけば良かったと後悔することになる。

 

 親友アレクサンダーの死去、そして彼から送られた親友への遺言とも詫び状ともいえるデッカードへの手紙、そして同封されたデータを受け取ってデッカードは親友が人の道を外れ、おぞましき研究に手を染めていたことを知った。

 

 データにはアレクサンダーがその父と共同で研究していたウィルスやアレクサンダーの双子の子供達の出生の秘密、それだけでなくジェームズ・マーカスやスペンサーが行っていた様々な非人道的な犯罪の数々の証拠が揃っていた。

 

 デッカードは愕然とした。

 

 先々代当主と自分はなんという事をしでかしてしまったのか、と。

 親友を信じ過ぎ、親友を助けようとし、支援し、なんの疑いも持たずに外道を悪をこの世に生み出し育み際限なく増殖させてしまった、と。

 

 デッカードは後悔すると同時にアンブレラを叩き潰すことを決意した。これは自分と自分の父親の罪であると認識したデッカードの行動は早かった。

 

 アレクサンダー・アシュフォードからのデータを元にアンブレラ社に対して様々な形での調査を開始するようにと己の腹心の部下達を動かした。

 

 だが……。

 

 予想以上にデュバル財閥にアンブレラに組する者達が入り込んでおり、彼はアンブレラ擁護派達によって早々と当主の座を追われて隠居させられる事になってしまった。

 

 が、デッカードもアホでは無いし、腹黒い連中を相手に長年当主をやっていた男である。

 

 この際、内外問わず一斉掃除と洒落込もうではないか!と、たった今、デュバル財閥内部のアンブレラ擁護派達を粛清し終わったところである。

 

 そう、アンブレラ擁護派達に取り込まれ新たな当主の座に就いたばかりの愛娘『カーラ・M・デュバル』と共に、である。

 

 何故、アンブレラ擁護派に取り込まれたカーラがデッカードと共に擁護派を粛清したのかと言えば、そりゃあ元から擁護派を騙くらかしていたからで、そもそもデッカードとカーラはめちゃくちゃ仲の良い父娘で考え方もかなり似通っていたのである。

 

 ただ、違ったのはカーラがアシュフォード家を非常に嫌っていたことくらいだろうか。

 

 ぶっちゃけ、カーラはとある事件が元でアンブレラというよりはアシュフォード家の令嬢のアレクシア・アシュフォードをあまりよく思ってはいなかった。いや、忌み嫌っていたと言っても良い。

 

 その事件は特にウィルスやバイオテロなどの犯罪に関わるものでは無かったが、しかし家と家との間であったにしては重大な事件であった。

 

 アシュフォード家の時期当主になるはずだったアレクシア・アシュフォードとデュバル家の男児を婚姻させようと親友同士だったデッカードとアレクサンダーは約束しており、デュバル家からは本家に男児がいなかったために分家のモーフィアス・D・デュバルがアレクシアの婚約者として選ばれたのだが……。

 

 しかし、まだ幼かったアレクシアは同じく幼かったモーフィアスを一目見て、こう言ったのである。

 

『ただの顔が良いだけの愚物が私の未来の婿?冗談はよして頂戴。こんな奴では働き蟻にも劣りますわ』

 

 言っておくが、モーフィアスはデュバル家においてアシュフォード家に婿入りさせようとする程に優秀なかつ利発的な子供だったし、その頃にはまだ美的感覚もまともだった。

 

 確かに当時のアレクシアは幼くして飛び級を繰り返して大学に上がり、博士号すら獲るほどの神童ではあったが、モーフィアスも博士号等は得てはいなかったが飛び級をやはりするほどの天才だった。

 

 それをアレクシアは愚物だと言い放ったのだ。

 

 言われたモーフィアスは顔面蒼白になった。実はモーフィアスは会ってもいない頃から、アレクシアの写真を見て一目惚れに近い想いを抱いていたのだが、その相手からそんな事を言われればショックどころでは無かったろう。

 

 だが、カーラは顔面を怒りで真っ赤に染めて激高した。

 

 カーラは一人っ子だった事もあって分家のモーフィアスを弟のように愛しており、しかもモーフィアスのアレクシアの気持ちを知っていたが故に余計に腹を立てたのだ。

 

 さらにアレクシアの双子の下品な兄アルフレッドにもモーフィアスは嘲笑われ、貶す言葉を吐きかけられたのだからもう、カーラは暴走した。

 

 そう、カーラは暴走機関車の如く、デッカードの静止も聞かずにアシュフォード家の双子に暴力にて制裁したのである。

 

 アレクシアに怒りのドロップキックを食らわし、馬乗りになってパンチの連打、それを静止しようとする下品なアレクシアの兄アルフレッドにエルボーをキめ、さらにジャーマンスープレックスをかまして双子をノし、縁談をぶち壊して……というか成立などしようも無い縁談にさらなる破壊で答えたのだった。

 

 縁談の後に

 

『誰だ、娘をプロレスなんぞにハマらせた奴は!!』

 

 と、デッカードは思ったが、しかしよく考えればプロレスはデッカードの趣味だったのを思いだし、頭を抱えた。

 

 そう、カーラと一緒にプロレスを観戦していたのは他でもないデッカードであり、プロレス団体に個人で多額の支援をするほどにデッカードはプロレスラヴな男だったのであり、どう考えても、お前だーーー!!な、状況だったが、まぁ、デッカードもカーラもプロレスからは全く離れはしなかったので、シカタナイネ?

 

 とはいえその事件でのショックからモーフィアスは性格がアレな感じに歪んでしまい今ではすっかりオカマキャラになってしまったわけだが、それもまたカーラがアシュフォード家を恨んでいる理由だったりする。

 

……説明が長くなったが。

 

 そんなわけで、カーラは父親のアンブレラ擁護派達の粛清計画に賛同し、乗った。

 

 どうせあのアシュフォード家と連んでるような連中がまともな訳はない!というかジェームズのジジィは異常だし、銭ゲバのスペンサーはろくでもないし!

 

 と。

 

……まぁ、間違ってはいないのだが。

 

 で、現在。

 

「わーははははは、これは痛快!」

 

「ええ、ええ、素晴らしいですわ!!」

 

 デュバル家先代当主『デッカード・R・デュバル(72歳)』と同デュバル家現当主は、ニースの郊外の別荘にてモーフィアスからザンジバーランド経由で送られてきた『キャプテン・タイラント対トカゲ怪人ハンターα』なる一見、特撮作品風に編集されたビデオを見て喝采を上げつつ、財閥内部のアンブレラ擁護派を全員更迭出来た祝賀会を行っていた。

 

『キャプテン・タイラント対トカゲ怪人ハンターα』というタイトルでわかる人にはわかるだろうが、これは中南米の国境沿いにて行われた、平凡さんと野良ハンターαとの戦いの記録である。

 

 無論、これはBOWと平凡さんの実際の戦闘記録であり、やらせなしの大迫力の映像だ。

 

 圧倒的なパワーと技を繰り出す平凡さんにハンター達は為すすべもなく倒されていく。

 

『衝撃波(ショックウェーブ)!!』

 

 どごーん!!と衝撃波で最後のハンターα三体を吹き飛ばし、どっかんV!とキメポーズをとるテレビの中の平凡さんの姿にデッカードは感涙する。

 

「おお、おおおおおお!!正義!正義は……あったのだ!!」

 

 待っていたんだ、と少年の目で拳を握り、涙するデッカード。

 

「ええ、ええ、それになんと良い筋肉!しかもこの筋肉は、一見マッチョ過ぎるように見えて、しかしけして見せ筋ではありませんわ。戦う筋肉ですわ!」

 

 女性は扇子で口の部分を隠すようにしつつ、平凡さんの筋肉に注目をしつつ、

 

「そう、そうとも!やはり正義の戦士はこうでなければ!おおぅ!悪に改造されてもなお、悪と戦うヒーロー。王道ではないか!」

 

 グビグビっとワインを煽るように飲み干し、デッカードとカーラは、ぷはぁ~っと酒臭い息を吐く。

 

 すでに二人は出来上がっているが、テーブルに置かれているワインの銘柄はフランスの最高峰のワインの一つであり、そのヴィンテージである。

 

 無論、こんな風にガバガバ飲むような代物ではないが、二人は気にしていない。べらぼうなお金持ちだからだ。

 

 そうしているうちに、中南米での戦闘映像で終わり、二人はやや残念そうな顔をしたが、しかし、

 

『オマケ映像(外国語)』

 

 の文字が出て、ババーン!とフンドシ姿の平凡さんが、船の上で槍を構えてサメ型BOWと戦っているシーンが流れた。

 

「おおーっ!!」

 

「きゃーーーっ!!」

 

 二人は目を輝かせ、子供のように平凡さんの戦闘シーンを堪能したとさ。

 

 

 

 




この物語でのねつ造設定。

デュバル家はヨーロッパ屈指の大金持ちにして大銀行を経営している名門一族。

・アシュフォード家と代々親交が厚かったが、アレクシア・アシュフォードがいらん嫌みを言ったため、関係が微妙になってしまった。

・なお、モーフィアスがオカマになったのは一目惚れしていたアレクシアに嫌みを言われて心をへし折られたのが原因の一つ。

・なお、デッカードとカーラなんてキャラクターは原作バイオには出てきませんし、財閥なんぞもありません。念のため。

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