なんかタイラントになってしまったんだが。   作:罪袋伝吉

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※もはや……原作崩壊。そして題名が意味なし。

※いつも誤字脱字修正ありがとうございます。

※おっぱいだらけなのに、おっぱいはあんまし出ません。

本年最後の『パイオツ・ハズァードゥ……』。いえ、平凡さんです。


慣れてきたパイオツハザード

  

 おっちゃんなぁ、もうそろそろこのおっぱいだらけなこのシーナ島の研究施設がすんげー嫌になってきたんや……。

 つうかな、おっぱいってこんなにありふれていいもんやない。そう思うんや。

 しかもどんどんおっぱい増えてここに運ばれて来るんや。

 みんなモロ乳なんやで?

 おっぱいなぁ、おっぱい膨らんで超巨乳化して、そのまんま服を着せとったら胸部圧迫して肋骨折れてまうから、服の前んところ切り裂いて開けな最悪肺に折れた肋骨が刺さってまう危険性があるんや。

 せやからトライポッド達はな、おっぱい達のおっぱいを放り出しな感じにして運んで来るんや。せやからなぁ、運ばれてもう、ゆさぶるんゆさぶるんしよるんや。おっぱい達のデカいおっぱいがいっぱいおっぱいゆさぶるんとな。

 いろんなおっぱいが、ゆさぶるんどぷりぃぃぃん、やで?

 つうか、いろんなおっぱい見てるとな、肌色ってどんなけ色があるんやって思ってまうわ。

 薄桃色、黄桃色、白桃色、チョコ、薄茶色、どれもボリュームたっぷりなんやで。そんなんの先っちょに、これまた色とりどりでいろんな形、大きさのBチクさんが……。

 いや、女体化オッサン共の乳見てそんな感想は変態やと思うやろ?

 違うんや。もう、おっぱいは女体化オッサン共のだけや無くなっとんのや。

 女兵士達もな、感染して運ばれてきて、やっぱりゆさぶるんゆさぶるんするエロ体型になって、色っぽい顔で運ばれてくるんや。

 リアル女の巨乳化おっぱいが混ざってもーてな……。もう、男女等しくおっぱいなんや……。もう、そんなんおっちゃんどーしてええかわからへん……。

 つーかな、おっぱいはな、こんな悲惨でわっさわっさたくさんあったらいかんのや。

 

 つーか、時間が経ったらウィルスとフェロモン入りの乳がぶっしゅーぶっしゅーと噴き出してまうから、新型除染剤の消費が激しく、作っても作っても足りひん。

 

 アークやトライポッド達もな、患者の汚染された乳を括ってたサラシとか洗うんに忙しく動いてくれとるんやが、手が足りひんのや……。つーか、T+Gプロトウィルスにも石鹸が有効なんはありがたいんやけどな……。

 

 みんな、手洗いは石鹸やで。液体石鹸でもええんや。ちゃんとこまめに手は洗い、洗濯もキチンとやで……?

 

「おい、オッサン、オッサン!」

 

……はっ!

 

 いかん、精神的にキてしまっていて久々のナニワのおっちゃんモードになってしまって、トリップしてしまっとったわ。

 

「アークか」

 

 アークが治療薬バージョン3の点滴の架台の車輪をキャリキャリ言わせながら、もう片手に洗濯物を詰めた籠を持ってランドリールームから戻ってきた。

 

「つーか、あんた魂詰め過ぎだ。改良型の治療薬の設計……だっけ?確かにあんたが天才でスゲェ開発者でもさ、あんたが倒れたら元も子もねぇ。つーか、ちょっと休憩しな」

 

 治療薬は抗ウィルス剤の併用の今の形になり、薬が切れて女体化することが防げる点滴型となっていた。

 

 つーか、点滴なら増えすぎた患者達、それもこういう、搬送されてきた時間がまちまちで薬剤投与の時間をいちいち計って注射せんでもいいし、何より人体の負担も軽くなる。

 

 まぁ、点滴の難点は、鎮静剤で寝かせている患者達のシモの世話がかかるということだが、そこはそれ、我が白陽社謹製、超高分子吸収体パッド付き大人用介護オムツ『履かせるシニアパンツ・オトナー(登録商標)』を使用することで問題なく対応出来ている。

 

 この大人用介護オムツは、中南米のヤザン大統領の娘さん、つまり、ゾンビ恐怖症で夜尿症を患っているエメラルダ海軍大佐がモニターしてくれて完成したものであり、現在は中南米はおろかアメリカや日本でも医療機関や老人のいるご家庭でも好評である。

 

 まぁ、同様の超高分子吸収体は女性の生理用品や子供用オムツにも使われており、そっちも売り上げは超好評である。

 

 患者達のオムツ交換はモーフィアスにやらせているが、奴もアンブレラの元研究主任であり、医者でもある。患者に何かあれば奴は役に立つ。

 

……なんつーか、外見は普通に人間の女にしか見えないくせに奴め、能力的にタイラント化してプラズマまで操れる特殊なBOWになっちまった。しかもお望み通りの美女の姿でだ。

 

 正直、息子(ネメシス)の件もあってかなり腹は立っているが、ミラー外相の手前殺してしまうわけにも行かない。

 

 思えば感染した時に手遅れだったことにして死なせといたら良かったと今思ったが、しかしあの時はとっさに治療しちまったからなぁ。

 

 とはいえ生かしたなら、使える奴はとにかく使うしかあるまい。非常時だからな。

 

「大丈夫だ。もう開発は終わり、バージョン5をもう生産開始している。それが最終バージョンだ。これで治療期間を大幅に短縮、そう、こんな状況もあと半日で終わる……まぁ運び込まれてくる患者はまだまだ来るんだが……」

 

 そう、数時間前に俺が焦ってルポ達にアナログ無線で通信してしまったわけだが、現在、ザンジバーランド軍並びに米軍特殊部隊司令室は混乱の真っ只中にある。

 

 大規模なサイバー攻撃による、ヘヴンディヴァィドのマザーコンピューターが乗っ取られ、ザンジバーランド軍が導入した最先端のデジタルネットワークを使用した次世代通信による指揮系統が崩壊したためである。

 

 1998年現在、俺なんぞはコンピューターなんぞPC98やらお高いアップル社のマック、あとは『マム・コンピューター社』のMOSくらいしか知らないし、ネットなんぞ日本でも普及もあまり進んではいない……いや、海外のエロい画像を漁るためにトロくさい回線から送られてくる、じわじわと表示される画像に一喜一憂する、そんな奴もいたりもするが……のでわからんが、しかしコンピューターにもウィルスとは。

 

 ザンジバーランド、いや今作戦の司令であるミラー外相は、感染していない兵士達をヘヴンディヴァィドに撤退させた。兵員の温存のためであるが、撤退させた兵員は全体の三分の二。

 

 で、残りはウィルスによる感染者であり、そのうち70名程がここで治療を受けているが、それで三分の一の七割、後の三割はもはやBOWと化して施設内をうろついており、もはや助けることも不可能だ。

 

 この区画にBOWが侵入して来ないのは、感染していないウチのルポ隊、つまりウルフパック隊とグレイフォックス、そして汚染地域に侵入していた為に感染していないにも関わらず撤退出来なくなったヘイヴントルーパーや天狗兵のいくつかの小隊と米軍特殊部隊【SPEC.Ops・エコー6】が掃討しているからなのだが、しかし、それらの兵士達の中にも負傷者は出て来る。

 

 ここで新たに開発したワクチンのおかげで感染・発症はしないが、それでもBOWの攻撃を受けここに治療に戻って来るのだ。

 

「……やはり、こういうのは性に合わん」

 

 俺がそう言うと、アークは、

 

「おいおい今は我慢だって言ったのはオッサンだぜ?」

 

 なんぞと缶コーヒーを俺のデスクに置いた。そこへモーフィアスが病室と化した薬品倉庫から戻って来て、

 

「そうねぇ。特にヒトシちゃんは動いちゃまずいわねぇ。強い強い男そのもののアンタの野獣の匂いにT+GプロトでTSしちゃったBOWは本能的に惹かれちゃうからねぇ。種の保存本能かしらね?というかアタシもその消臭スプレーが無けりゃ襲ってたかもねぇ」

 

 と、舌舐めずりしながら言い、そんなモーフィアスにアークは、うへぇと顔をしかめた。

 

 いくら今が美女化しているとはいえ、運ばれてきた時は半分、厚化粧のオカマ顔だったからだ。

 

「アンタ、冗談でも笑えねーぞ、それ」

 

「あらん?冗談じゃないわよ?」

 

 モーフィアスはクククッと笑い、俺を見る流し目がまったく笑っていない辺り、俺はまったく笑えない。

 

 おそらくはまだウィルスが肉体に分泌させているホルモンか何かがそうさせているのだろうが、正直俺としてはオカマ野郎は願い下げだ。どんなに外面が美女になっていたとしても、中身は変態オカマ野郎はごめんだ。

 

「ざけんな。ウィルスに脳みそ乗っ取られてまだ発情してやがんのか?ゴラァ」

 

 正直、コイツには嫌悪感しかない。命を弄んだコイツの心の底にある歪み。明確に俺はそれを嫌悪しているのだ。オカマぶったその上っ面の奥深くの底にある歪み、それが気にくわない。

 

「ま、嫌われてんのは『匂い』で分かるようになったけどね……。はぁ、なんか人が何考えてんのかいろいろ分かるようになったら自己嫌悪感パなくなくない?これ。ていうかぁ、ホント、普通に人間だった時の方が良かったと思うのよね、この能力」

 

 思い切りため息を吐くも、ため息吐きたいのは俺の方だ。

 

……コイツ、スメルセンスまで身につけやがったのか。タチが悪いな。つーか悪事を起こす前にいっそ殺すべきか。

 

「いやアタシ、善人じゃないけど悪人になるつもりはないわよ?悪事はしてきた自覚はあるけど!」

 

 うげ、思考まで臭いで読めるようになったかコイツ。クソったれめ。

 

「厄介だから死んでくれ。今すぐ」

 

「あらん?ならあの時、見捨てないで見殺しにしたら良かったんじゃない。というか、女は恩義倍返しよ。それに目的は一緒だもの、協力しましょうよぉ?」

 

 きらりん☆ミ

 

 なんぞとウィンクしやがるが、元オカマが言うな。

 

 つうかなんだろう、コイツオカマの厚化粧だった頃はめちゃくちゃウザかったのに女になったらやたら女の仕草が普通に見えやがる。化粧も落ちてるし。

 

 しかし目的なぁ。

 

「目的が一緒だぁ?お前の目的もスペンサーか?」

 

「あ~、アンブレラ全体を潰すというからにはスペンサーも入るわね。でもアタシの一番はアシュフォード家ね。デュバル家はそもそも親交を結ぶ相手を誤ったのよ。つうか、落ちぶれた名家なんて金融業らしく見限ってれば普通にアンブレラなんて出来てなかった……とは言わないけど、関わることも無かったのよねぇ」

 

……金融業?

 

 いや、金融業でアンブレラと関係が深い……。そしてデュバル家。いや、おい、それデュバル財閥の経営一族のデュバル家……なのか?

 

「つーかねぇ、商売ってんならヒトシちゃんの発明よねぇ。本当に消臭してしまう消臭剤、本当に毛が生える毛生え薬、美髪シャンプーとリンス、画期的かつこれを超えるものはそうそう出て来ない製品の数々……。それに、この歳で履かされる事になった紙オムツ!あと生理用ナプキン!それと消炎鎮痛剤!もう、女性の辛さを味わって初めてわかるこの安心感!すばらしいわよこれ!」

 

 いや、何、股間叩きながら言ってんだよオマエ。つーか高分子吸収体が盛り上がってるけど、シート換えてねーのかオマエは!!

 

 いいやそうじゃなくてだな。

 

「ちょっとマテ。デュバル家ってまさかヨーロッパ屈指の金融系財閥のデュバル家の事か?!」

 

 違うと言ってくれバーニィ!

 

「ええ、それでね、当主のカーラねぇさんも月のモノが重いのよ。いつも生理でポンポンペインの時は狂暴んなって怖かったわぁ。今でも怖いけどぉ。おっぱいも張るって言うしねぇ。つうか紹介したげるから生理用品一式贈ってやって頂戴。きっとものすごい喜ぶわよぉ、あの人」

 

……いや、これは、マジでコイツ殺せない。ヨーロッパ最大とも最大手とも言われ、旧貴族系の財閥であるデュバル財閥の人間を殺したら、マジでウチの会社なんぞ即潰される!

 

 アンブレラなんぞは怖くは無いが、金融系財閥は怖い。はっきり言って国家権力よりもタチが悪い。

 

 俺は歯噛みした。というか見殺しにしなくてよかった、いや死なせる絶好のタイミングを逃したというべきか。

 

 あそこまで感染して助かったのか奇跡に近いほどの状態だったのだ、あん時に助けるんじゃなくて見捨てても医師として『手の施しようが無いくらいに感染が進んでいた。残念です』で済んだのだ。どちくしょう!

 

 もうブッコロせるタイミングなんてねーじゃねーかよ!つーか、ミラー外相もそんなデュバル家の奴をなんでこんな危険なとこに寄越すかなおい!!

 

「ん~ふふふふ、善人なのが裏目に出た、という顔よねぇ。まぁ、表目にしたげるから。まぁ何だかんだで付き合いも長ぁ~くなりそうだし、過去の事は水に流して仲良くしてねぇ?んふん」

 

「…………チェンジで」

 

「お水じゃ、無いのよぉ?」

 

「もっとタチ悪いわい」

 

 俺は頭を抱えた。殺さなくて後悔なんてしたくなかったがクソっ。いろんな意味でヤベェ奴を生かしてしまったかも知れない。いや、マジで。

 

「……あ、ウルフパックか帰って来たぞ、オッサン」

 

 それまで黙々と洗濯物を畳んでいたアークが、液晶タブレットを見て言った。

 

 缶コーヒーはとっくに冷めていたが、プルを引いて開けて、ブラックなそれ一気に飲み干し、気持ちを切り替えた。

 

「トライポッド!除染薬スプレー用意!消臭剤の換えと弾薬!レーションも温めろ!」

 

 帰還してきたウルフパックの映像を見て、もう患者を連れて帰って来ていない事を見ると、俺はため息を吐きつつも、もうすぐ大規模に動けると予測を立てる。

 

 最後の患者の治療を始めてあれから三時間。新型のレベル5の治療薬の投与を始めてあと半日もすれば計算上は攻勢に出ても問題は無いようになる。

 

 作戦に参加している連中分のワクチンと治療薬の数をダンボールに数箱分確保出来れば、あとは除染薬とT+Gプロト用のディライト弾の生産にリソースを回せる。

 

 そう、ここにいる患者達の治療が完了すれば、彼ら……いや、女体化した奴らが多いが……は兵力となる。ウィルスを感染しないレベルにまで出来れば発情もほとんど起こさなくなり、フェロモンも常人レベルにまで落ちる事が判明しているのだ。

 

 メンタル的にみんなが戦えるかどうかは知らないが、それは知った事では無い。戦わなければ生き延びれないのは兵士も俺達も同様であり、戦わなければ死ぬだけなのだ。

 

……生かした命なのだから生きていて欲しいが、これはどうなるのだろうなぁ。オッサンらが女になったら、そらなぁ。

 俺もマジで女になってたらとか思うと死んでしまいたくなっただろうからなぁ。うーむ。

 

 攻勢まであと半日、か。朝になるまでにやらねばならんことは多い。頭の痛い問題はあれど後回しだ。多分後でさらに頭が痛くなるだろう問題だらけだろうが今の状況を終了させなければそれも無いのだ。

 

 カチャコン、カチャコン、と製薬機材が音を立てる中、俺は先がようやく見えた気がしていた。

 

……あー、ナス太郎のおっぱい揉みたい。

 

「ん?あら、おっぱい?私ので良かったら……」

 

 いや、オカマの汚乳はいらん。つかモロリすんな。

 

 パイオツ・ハザード終焉前夜。そう、俺はこのパイオツ・ハザードを終わらせるために、再び南国カリブの本社で家族で平和に暮らすために、頑張るのだ。

 

 つうか、娘はなんか治療終わって鎮静剤切れてんのに思い切りよだれたらして大の字でくーかーくーかー寝とるのだが、寝る子は育つ、を体現しとるのう。

 

「ん~、むにゃむにゃ。ジョイおばしゃん、それはわんこだよ……。ばにゃにゃちょもらんま……」

 

 いや、ようわからん寝言だのう。

 

「ほれほれ、おっぱいおっぱいおっぱいおっぱいすごいデカい」

 

 いや、モーフィアス。邪魔だから。

 





・ザンジバーランド軍は危機的状況ですよ。

・平凡さんが切り札。

・モーフィアスの乳はロケットボイン。一時期の、ことぶ○つかさ氏調。

・来年もいっぱいおっぱいよろしくお願いいたします。

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