あと、文章の修正とかありがとうございます。また感想もたくさんいただいて本当に感謝しております。
レオンという警察官がタイラントの派生型というのかなんなのか、火達磨になってて長い鉤爪を伸ばした奴に襲われている場所はこの最下層に降りてくる資材搬入用の大型斜行リフトの上だと言うことがわかっている。
通常ならばリフトが降りてくるまで助けることは出来ないが、降りてくる間に常人なら殺されている可能性大である。
だがリフトが降りてくるその傾斜角は45°。そんな急勾配を駆け上がるなんて常人には無理だ。
ようするに俺しかいない。俺にしかそれは出来ない。
俺は身軽になるために重いコートを脱ぎ、ズボンも外してふんどし姿になった。
クレアは
「どえええぇっ?!」
とか叫んだ。
いや、すまない。だがこの服は防弾繊維やら金属やらが入ってて俺でもわりと重いのだ……って、何故に俺の股間をやたらチラッ、チラッと見とるのだ君は。
前にふんどしが脱げた時も……。いや、まさかな。
アネットはすかさずシェリーの目を両手でふさいだ。うん、そうだね、ようぢぉにふんどし見せるの教育上イク無いからね、ナイスおかん。グッジョブ。
ほとんどの荷物を列車に置いて、最低限の武器、拾った消防斧、ダクトテープでパイプにナイフくくりつけた槍、そしてレオンに渡す用のデザートイーグルなどをズタ袋に入れて、そしてリフトの乗り口に向かった。
「……身体が少し重い。ウィルス駆除薬が効いてきたのか」
さっきから感じているこの疲労感と身体の重さ。これはウィルス駆除薬の副反応だろう。それにあのコートが重く感じ、そしてやたらと暑くて正直我慢ができなくなっていたのだ。
おそらく高熱が出ているのだろう。幸い寒気こそ感じないが、青白くなってしまったはずの俺の肌が発赤して普通の人の肌に戻ったみたいだ。
「……死ぬかも、知れんな」
ウィルスで変異し過ぎた俺の身体にアンブレラの研究員が作ったレシピのウィルス駆除薬を投与し、そしてウィルスを除去したらどうなるのか。
答えは死亡する、だ。
だから、俺は自分が死なないように俺の変異した体細胞と血液をサンプルとしてウィルス駆除薬をしっかりと『デザイン』して『設計』した。
幸いな事にアンブレラの機材は優秀であり、認めたくは無いが俺の計算通りの精度の薬剤を創ることが出来た。
だが、どうやら俺の計算にミスがあったようだ。その証拠に俺の身体に出ている副反応のこの酷さよ。
吹き出る汗が蒸気となり、まるで身体が燃えているようだ。
……いや、関係ない。
死ぬとしても医学者としての俺のミスだ。受け入れるしかない。そしてどのみち死ぬならば助けられる者を助けられるだけ助けてから死のう。
身体が、血が、滾るように熱い。この血潮が燃えるこの感覚。灼熱、これは俺の命の熱か。
心臓がドクン!と大きく跳ね上がる。吐く息に蒸気が混じる。汗が水蒸気となってこの身にまとわりつく。
……最後までこの命を燃やし尽くし、僅かでも人を救ったのだと胸を張ってあの世に行こう。
俺はリフトの発着口前に立ち、そして少し屈むとその足の筋肉に力を込めた。
ドンッ!!と床を蹴り、その45°の斜面を駆け上がる。斜面すれすれの前傾姿勢、つま先だけで滑りやすい坂を掴んで速力を落とさず進む、上がる、登って行く!
全身全霊のパワーを頼りに走る俺の身体が、より加熱してよりその身体から蒸気を上げる。だが、止まらない、止まるものか。
駆け上がる俺の目に、リフトの底が見えてきた。
「うっし!!」
俺は拳を超速で鉄板の坂に打ち付け、ぼっこぉっ!!と凹ませ、上がる勢いでその凹みに乗り上げ、さらに勢いつけて上にジャンプした。
目標はリフトの手すりである。
手すりに手が届くや否や、俺はさらに腕の力でリフトに乗り上げた。
リフトの上では変異タイラントが床に膝を着いたレオンに爪を振り下ろそうとしており、俺は勢いのままその顔面にドロップキックをかまして吹き飛ばした。
「うらぁぁっ!!」
衝撃さえ走るような会心のドロップキック。だが奴はゆらりと立ち上がった。だがフラフラしており、おそらくは脳震盪を起こしているようだ。そこへすかさず連撃を与える。
「すりゃあっ!!」
どこん!!
頭に腰の入ったフルスウィングのフックを食らわせる。
奴の噴き出す炎は俺の噴き出す汗の蒸気のせいなのか全く熱くない。いや、熱などもう感じてはいない。
それどころか、先ほどまで感じていた身体のだるさが消え、むしろキレが増していた。
「おっしゃあああっ!!」
炎に臆さず、俺は奴の大きな爪の生えた腕をとって、受け身の取れない頭からブチ落とす一本背負いをかましてやった。
ボコン!と奴の身体が頭から鉄板のリフトの床を文字通り突き抜けて刺さった。
「ふぅ、こういう奴は動きまわりやがるからな。動けなくすんのが楽に殺すコツだ」
俺は振り返ってレオンに、
「大丈夫か?ほれ、救急スプレーだ。使え」
と、救急スプレーの缶を投げて寄越してやった。
レオンはスプレーを受け取ったが目を丸くしたままのなんとも間抜けな顔で、
「お、お前はなんなんだ?!タイラント……なのか?!」
と聞いてきた。レオン君なぁそんな顔しながらちゃっかりと手だけ動かしてスプレー使うのな。いや、こういう根性でなければ生き残れないっつーことなんかな。
「T-ウィルスを投与されたせいでこんな身体になったが、俺は人間だ。お前、クレアの知り合いだろ?なら助けてやるよ。みんなで一緒に脱出だ」
俺は手を差し伸べてレオンを立たせると、そして床に犬神家している変異タイラントを見た。
「見事にスケキヨだな。さて、どうすっかなぁ」
とりあえずズタ袋の中からデザートイーグルを取り出してレオンに渡し、
「んー、斧にすっか槍にすっか、おお、そういや『T-ウィルス駆除薬』の残りも持って来てたか」
ズタ袋の底に『T-ウィルス駆除薬』の滅菌ステンレスの容器があるのを見つけた。
そして、床に埋まってジタバタしている変異タイラント。股間丸出しだが、コイツの股には有るべきモノが無い。いや、手術の痕があるのを見るに切られてしまったのか。
「クローン元がゲイだかホモだかなのに、お前はタマナシか。哀れよのう。だが死んでもらうのは変わりねーけどな」
俺は槍を掴み、そして『T-ウィルス駆除薬』をその刃にだーーーっとかけた。
レオンが、
「おい、何をするつもりだ?!」
とか言ったが、当たり前の事を聞くんじゃねぇ。
ジャラッ、と腹に巻いた鎖を解き、ブウン!!とジタバタもがく変異タイラントの足に巻き付かせ、そして手前に引っ張り、ケツを丸出しにしてやり。
「ケツを掘ってやんだよ、おらぁぁぁぁっ!!」
T-ウィルス駆除薬を変異タイラントの粘膜経由で投薬するべく、槍をその菊の御門に向かって全体重をかけてぶっ刺した。
ズンっ!!
「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そりゃあ叫ぶわ叫ぶ。どのような生物でもこの弱い部分を一気に槍でぶっ刺されればたまらんだろう。
「ひぃぃぃっ?!」
レオンが自分のケツに両手を当ててなんかめちゃくちゃ怯えていたが、まぁ、その気持ちはよーくわかる。俺だって本当だったらこんなんやらんしやられたくもないわい。
だが、おそらくこれがベストの駆除方法だ。薬を粘膜吸収させつつ、さらに槍を心臓まで到達させる!!
「どりゃっ!!」
さらに槍を力任せに押し込む。グボァァ!!と変異タイラントは床の下で何かを吐き出した。おそらく、心臓まで槍が到達し、さらには胃まで到達したのだ。
では、とどめだ。
「おらっ、薬のおかわりだこのホモ野郎!!」
じゃばぁぁぁっ!!
ぶっ刺したところに薬剤をぶっかけてぶっ殺す!!
「ごぶぉぉぉぉぉぉぉ!!」
すると、じゅおぉぉぉぉぉっ、と奴のケツから大量の煙、いやこれは水蒸気か?が噴き出した。
「うへぇ汚ねぇなこりゃあ」
水蒸気は勢いをまし、変異タイラントの身体はまるで風船が萎むかのように、いや、急速に水分を失って干物のようになっていく。
そしてついには、変異タイラントはまるで日本のどこかのお寺に奉られているカッパのミイラのようになってしまった。
床から槍ごとその身体を引き抜いてみると、ワラキアの英雄串刺し公もにっこり、変異タイラントの串刺しが出来上がっていた。
「タイラントの干物一丁、出来上がりってな」
床に無造作に投げると、まるで木の棒を落としたような、カランという音がした。なんにせよこれで変異タイラントは死んだに違いない。
「あ、あんたものすごい事をするな……。というか、いつもあんな事を?」
「やるわけねぇだろ。表面が硬い奴を速やかに倒すなら柔らかい部分に攻撃を食らわせるのが定石だ。で、今回、ちょうど出てたのが奴のケツで、しかも偶然T-ウィルスを殺す薬が余ってたからな」
確かに俺の作ったT-ウィルス駆除薬には欠陥、というかミスがあった。
投薬した場合に発熱があるのはわかっていたが、T-ウィルスによって強化された肉体、その体細胞が起こす発熱のその強さを考慮に入れていなかったのだ。
その発熱が、まさか投与された対象の肉体をあんな速度で干からびさせるほどの熱量を出すなど、全くの予想外だった。
……まぁ、奴がああなったのは駆除薬に適合してないからもあったんだろうがな。
では、俺の場合はどうかと言えば。
もうすでに、身体から噴き出ていた水蒸気は止まっている。喉はかなり渇いているが、だが身体の重さや倦怠感はすっかりとれている。
おそらく死ぬ事はあるまい。多分。
「とはいえ生き残れたか」
俺がそういうと、レオンは俺の独り言に、
「ああ、あんたのおかげだ。……やり方はどうかと思うけどな」
と、言って苦笑した。まぁ間違いではないので訂正はやめておく。
「……手段はさておき勝てば官軍だ。さて……下に着くまであと10分か。このまま降りても脱出に間に合う計算だが……」
ふと、俺はリフトの天井の、鉄骨の梁の上に誰か立っているのを見つけた。赤いドレスを着た女性で、デカいロケットランチャーを抱えている。そして怪我をしているのか肩で息をしているようだ。
その女性が、レオンに向かってロケットランチャーを投げて寄越したが、どうやら怪我のせいで上手く投げれなかったようだ。
ありゃ、あのまま落ちてくると……。
「レオン、危ない!」
俺はレオンにそう言ったが、しかし疲労からかレオンは早く動く事は出来ず、モロに顔面でそのロケットランチャーを受け止めてしまった。
ゴチン!!きゅう、パタン。
しかし、あの赤い女性は何のためにレオンにロケットランチャーなんてものを投げて寄越したのか。
……つか、爆発物をあんな高さから落とすな。
いいやそれよりもあそこにいたらあの女性は脱出に間に合わないだろう。覚えている限りあの場所から行けるのは吹き抜けになっている部分でそこからは通路も何もない行き止まりだ。
「一人助けるのも二人助けるのも同じだ!」
俺はリフトから勢いつけて飛び出すと、また45°の斜面を走って登り、そして赤いドレスの女性のいる梁に飛び移った。
「くっ!!」
その女性は拳銃を俺に向けてすぐさま撃ったが俺はジャンプして紙一重で避け、そして捕まえた。
「俺がレオンを襲っていると勘違いしたようだが、俺は敵ではない。つか、お前の投げたロケランのが奴に深刻なダメージを与えたぐらいだ。とりあえず脱出までもう時間の猶予はない。このままでは施設の爆発に巻き込まれてお前まで死んじまうぞ?」
「……化け物に心配されるなんてね」
「化け物でも若い命が失われるのを見るのが嫌なタチなんでな。それに俺は助けられる奴は助ける主義なんだ」
そりゃっ!と肩に抱えて腕で女性をホールドすると、俺は斜面に向かってジャンプ。膝を使って出来るだけ女性に衝撃を与えないように柔らかく斜面に対して垂直に降りると、そのまま斜面をスキーのように滑ってまたリフトへと戻った。
「着地成功、だ」
「……あの、下ろしてくれないかしら?」
リフトの上に戻っても下ろしてやんねぇ。何しろこの女性からは嫌な臭いがする。いや、この女性自体の匂いは割りかしいい感じだ。
とはいえ俺の好み的には外れる。やっぱり今のところクレアの尻の匂いが一番ええ感じやなぁ。
……いや、そういう事じゃなくて。
この女性が持っているものから、嫌な臭いがしてくるのだ。おそらく常人ではわからないほどに微かな臭い。この臭いは……。
「というか、君、離したら逃げる気だろ?それにその臭い。そうか、君がG-ウィルスを施設の外に持ち出そうとした張本人か」
そう、G-ウィルスの臭い、というか気配だ。ああ、合点がいった。つまり、この女性のせいで施設の自爆プログラムが作動したのだ。
「あら、臭いでウィルスがわかるというの?興味深いわね。というかアンブレラは知能強化型のタイラントの製造に成功していたというの?」
なかなか賢しい奴だ。話を逸らしながらこっちを探って来る。さらにこっちのスキを虎視眈々と伺ってるくせに全くおくびにもそれを出さないときた。
それにおそらくかなり身体スキルも高いと見える。バランスのとれた身体をしているのもわかる。それにおそらくは美容にもかなり金を使っているのだろう。ああなるほど、コイツみたいなのは昔に何度か俺んところにも来たぞ。
……まぁ、コイツほど剣呑な奴らでは無かったが。つまりこの女は。
「女スパイと言うわけだ。今まで俺は女スパイって言うのは美人局専門かと思ってたわ。うん、よくお隣の国の産業スパイが俺のとこに来たからねぇ。あと俺のスキを突こうとしても無駄だ。さっきから君は俺の力を逸らしながら逃げようとしてるけどね、残念なことに俺の腕からは逃げらんねーよ?つか、わかってるだろうけど」
女スパイはどうやら怒ったのかそれとも図星だからなのか黙りこくった。
「ま、俺は単にT-ウィルスを投与されてこんな身体にされた被害者だ。ま、ここの職員でもアンブレラの命で動いてるわけでもない。つーか奴らのいうことなんか死んでも嫌だ。君は……なんでレオンの顔面にロケランを投げつけたんだ?あーあ、なかなかのイケメンなのに鼻血だしてまぁ」
レオンはまだ気絶して伸びたままだ。鼻血を出してる辺り非常にシュールである。
女スパイは黙秘権の行使とでも言いたげに何も言わない。
くんくんくん。
だが匂いは雄弁である。俺の言葉で揺さぶられたらしいが、なかなか正直に感情がわかる。ふむふむ、なるほどなるほど。
「危機的状況。出会った二人。困難を二人で乗り越え進んだ。でも私は女スパイ、この人と行けないわ。でも、このままではこの人が殺されちゃう。だから最後に助けたい。……なるほどなるほど、レオン君もやりますなぁ、いやぁおじさん感激!若い二人に乾杯!」
「くっ!!」
「あ、図星?図星?」
「はーなーしーなさい!!」
ジタバタジタバタともがく女スパイ。恥ずかしかった?恥ずかしかった?
もがく女スパイの身体の感触を肩で楽しみつつ、俺はお目当てのものがどこにあるかを探った。
ふむ、肩に当たるこの感触。なるほど、G-ウィルスはそこか。
俺は女スパイが反応出来ないほどの早さでその身体を床に下ろすと、これまた素早く女スパイの胸ポケットからG-ウィルスの入ったカプセルを奪い取り、そしてまた女スパイを再び肩に担いだ。
この間、たった三秒。
「な、何をしたの?!」
女スパイは全く何をされたのか理解出来ないようだった。
「ん~?離してやったんだ。たった1、2秒ほどな。だが、残念。逃がしてやんないよー?」
くくくくく、と悪戯っぽく笑ってやり、そして屈み込むと気絶したレオンも反対の肩に担ぎ上げ、
「ほれ、愛しのレオン君も反対の肩だ。一緒に仲良く脱出しようね?はははははは、聞きたいこともたくさんあるから後でみんなで仲良く話そうね?なに、列車で逃避行なんてのも乙なもんさ。特におじさん、レオン君のどこが良かったのかが聞きたいなぁ、はははははは」
と言ってからかってやった。いやー、なんかこの女スパイをからかってるとめっさ楽しいなぁ。何でだろな?ははははは。
いやー、生きてるって素晴らしいなー。若いって素晴らしいなー。おぢさん本当にそう思うよ。
……まぁ、リア充爆発しろ、とか少し思ったりもするけどな?いや、マジで。
レオン君を助けた主人公。そしてエイダちゃん捕獲。
そしてレオン君を助けようとしたばかりにエイダちゃんは主人公にいぢられる事になったわけですが、まぁ……モロ出しを見るよりは、ええんじゃない?(今後無いとはいわない)
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