異世界はBTとともに   作:ユウキ003

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楽しんでいただければ幸いです。あと、タイタンフォールの系列作品であるエーペックスレジェンズからあるアイテムを導入しました。まぁ、作品繋がりって事で。


第16話 過去からのメッセージとプレゼント

ミリシアと言う単語に、まさかと思いそこを訪れた俺達。だが、俺の知るミリシアとの繋がりは何も無く、俺は意気消沈としていた。だが、そんな中でエルゼ達との会話を経て、俺は彼女達と結ばれた。そして、無事にシェスカの庭園とミラのミリシアを管理下に置くことが出来た。

 

 

ユミナ達とやった翌日。と言うか正確には今日の明け方までしまくってた。今は昼過ぎ。しかし疲れたのか、俺の部屋で目覚め、顔を真っ赤していたユミナ達はそそくさと着替えて自分の部屋に戻ってしまった。

 

で、俺は自室で1人筋トレをしていたのだが……。

『コンコンッ』

「ん?」

 

部屋のドアがノックされ、開けてみるとシェスカとサラが立っていた。

「どうした?2人揃って?」

「はい。実は我々のマスター登録がまだだったのでそれを済ませようかと思いまして」

「マスター登録?で、何をすりゃ良いんだ?」

俺がシェスカの言葉に問いかけると……。

 

「簡単に申しますと、何か遺伝子情報を提供していただければ良いのですが?」

「マスターは昨日の夜はお楽しみだったようですし、私もおこぼれを……」

 

『スッパァンッ!』

ミラの言葉に続いてシェスカが何かを言い出したが、それもミラがどっかから取り出したハリセンに引っぱたかれて阻止された。

「愚姉が失礼しました。もし良ければ血液などを提供していただけるとありがたいのですが」

「あ、あぁ」

俺はサラの行動に苦笑しつつも、部屋の中に2人を入れ、ナイフを持ってきて切っ先で指を切りつけた。

 

「これで良いか?」

「はい。失礼します」

俺が傷を付けた指を差し出すと、ミラがそれを舐め始めた。数秒ペロペロと指先を舐めると、口を離すミラ。

 

「遺伝子データを採取しました。これよりミリシアはジャック・クーパー様に移譲されます。それと、姉さんも」

「……私はキスでも構いませんが?」

「アホか。嫁に彼女がいるのに、お前とそんな事したら彼奴らに殺されるわ。ほら」

 

そう言って血の付いてる指を差し出す。シェスカは仕方無い、と言わんばかりにため息をついてから指先を口に含み、血を飲み込んだ。

 

「こちらも遺伝子データの取得が完了しました。以降、庭園の管理者権限をジャック・クーパー様に譲渡致します」

「そうか。なら、これで用事は終わりか?」

「いえ。あと1つだけ。レジーナ・バビロン博士よりのメッセージを預かっています」

「……何?」

 

突然のシェスカの言葉に、俺は怪訝な表情を浮かべた。するとシェスカは左手の一部を押した。すると肌の一部が稼働し、中からコードのような物が出てきた。成程、改めて思うがこいつは人間じゃないって事だ。全く、古代の文明には恐れ入る。

 

そうこうしていると、コードの先端、端子を持ち俺の方に差し出すシェスカ。

「で?これをどうしろと?」

「さぁ?マスター登録したものに渡せば分かると」

「どういうことだ?」

 

俺は端子を受け取る。しばらくそれを見ていたが、待てよ?そう言えば左手首の端末に。あった。有線接続用のポートだ。俺は試しに、端子を手首の端末に差し込んでみた。するとぴったりはまった。だが、どうしてこれに合う規格の端子が?

 

そう思っていると、端末が勝手に動き出し、空中に映像が投影された。

 

そこに映ったのは、白衣姿の女だ。見た目は20代。ブロンドの髪に眼鏡を掛けて、如何にも技術者という感じの女だった。

 

「やぁやぁ、はじめまして。ボクの名前はレジーナ・バビロン。まずはシェスカと庭園、そしてサラとミリシアを引き取ってくれた事、感謝するよ。ジャック・クーパー君」

 

「ッ!?」

 

突然の事に俺は息を呑んだ。何故こいつは俺の名前を知っている。サラとシェスカのマスター登録をした事もだ。まさかどこかでこいつは生きているのか?ありえない話ではない。これだけの技術力の結晶を生み出す奴だ。それこそ、脳を機械の体に移植するくらい出来るかもしれない。ならば、生き残っていても不思議は無いが……。だが、だとしたら、こっちの行動はこいつに筒抜けだったという事か!?となると、些か不味いが……。

 

「分かるよ?君の疑問も最もだろう。君はまず色々と疑い、仮定する。そして警戒するだろう。ボクの事をね。でも安心してくれ。ボクは君や君の周囲の人たちに何かをするつもりはないんだ。……さて、それじゃあ疑問に答えようじゃないか。よく見たまえ」

 

「これがボクのお気に入りだ」

 

何をするのかと思えば、レジーナはスカートをたくし上げパンツを見せて来た。

「……」

なので、俺は無言でナイフを取り出してコードを……。

 

「あぁ待った待ったっ!ほんとの事を言うっ!言うから待ってくれたまえ!」

「次、ふざけた事言ったらシェスカの頭ごとメッセージデータを吹っ飛ばすからな?」

 

「分かった分かったよ。んんっ、それじゃあ改めて答えよう。実はボクは、未来を見る事が出来る道具を持っているんだ。その道具のおかげで、君たちの出来事を過去から見ていた。だから未来に存在する君たちの事や君の名を知っていた、という事さ」

 

「成程。未来を見る道具か。しかし、なんだって俺を?」

「実を言うとね、この道具は万能じゃない。あくまでも断片的な事しか見られないし、見る事の出来る時代も決められない。これで見られるのは、私と同じ生態波動、つまり、全属性の適合を持つ者だけという事さ」

「成程。それでアンタからして5000年後の、未来の俺の事をのぞき見していたという事か」

 

「そう。面白おかしく君たちの冒険を見ていた。……でも、ある時未来を見られなくなってしまったんだ」

「ん?どういう事だ?」

「見えなくなった、という事はつまり、未来が変わったという事さ」

「未来が、変わった?つまり何か大きな変化があったという事か?それは一体……」

 

そう、俺が問いかけると……。

「その理由は一つ、フレイズさ」

「ッ!?なんだと!?」

 

まさか、こいつからフレイズの名を聞くとは思わず、俺は声を荒らげてしまった。

 

「5000年前、ボクたちの文明、パルテノ文明は突如襲来したフレイズの襲撃によって滅んでしまった」

「ッ、そう言う事か」

 

これだけの技術を持った文明が影も形も無いのは、フレイズに滅ぼされたから、という事か。つまり、リーンが言っていた世界を滅ぼしかけた水晶の魔物のあの話は、5000年前のフレイズの襲来の事だったという訳か。

 

「お前たちにはアーティファクトを生み出せるほどの優れた力があったはずだ。それで戦ったんじゃないのか?」

「もちろん戦ったさ。だが、フレイズの存在は強大で、ボクも対フレイズ用の兵器を作った。……でも不思議な事に、ある時不意にフレイズがこの世界から消えてしまったんだ。結局ボクの作った兵器も実戦投入はされなかったよ」

「ん?どういう事だ?」

「理由はボクにも分からない。でも本当に、突如としてフレイズは消えてしまったんだ。不幸中の幸い、というべきか世界はボロボロで、文明も殆ど滅んでしまった。でも、人間は生き延びて、ボクもまた未来が見えるようになった」

 

「つまり、もしフレイズが消えなければ世界はまず間違いなく滅亡していた。その為にお前は未来が見えなくなっていた。しかしフレイズが消えた事で、この世界はまた未来へつながった。という事か?」

「そうだね」

「そう言う事か。……しかし、バビロンはともかくミリシアはどういう事だ?あれは明らかに軍事施設だろ?」

「うん。そうだね。でも、ボクは未来を見ていて知ったんだ。ジャック君。君は近い将来、強大な軍を率いる」

「何?」

「ボクが見た中では、君たちはボクの知らなかった巨人、タイタンを駆って戦っていた。そして将来、君と友好を結んだ国家は君たちを頼る事になるだろう」

「つまり、俺が将来軍の指揮官になり、国レベルで俺を頼る事になる、と?」

「そっ。だからこそ、ボクは君へのプレゼントとしてバビロンを作り、更に戦う武器や兵器を生み出し、運用するためにミリシアを作ったのさ」

 

「そう言う事だったのか。だが、なぜミリシアって名前なんだ?それは俺の古巣の名前だ」

「ん?それは簡単だよ。君に興味を持ってもらう為に、君が古巣だと言っていた場所の名前をそのまま借りたのさ」

「ッ、何だよ、結局そう言う事かよ」

 

つまり、あの名前に深い意味は無かった、という事か。ったく、こっちはそのせいで色々大変だったってのに。まぁ良い。

 

「プレゼント、だと言うのならありがたく使わせてもらう」

「あぁ。残りのバビロンを見つけるもよし。見つけなくてもいい。全ては君次第だ。でも、ボクの見た通りの未来なら、君は必ずバビロンを集め、やがて大きな集団の長となる」

「何?俺が、集団のリーダーになるだって?軍の指揮官ってのとは別なのか?」

 

「あぁ。そう遠くない未来。君はすごい存在になる。頑張ってね。それじゃあ、またね」

 

 

その言葉を最後に、レジーナのメッセージは終了した。俺はしばし息を付き、シェスカたちには部屋に戻るように言っておく。

 

しかし、俺が軍の指揮官か。ちょっと前までは一兵卒、ただのライフルマンで、大尉の後を継いでBTを譲渡され、臨時のパイロットになった俺が、ねぇ。まぁ、未来なんて分からないし、その時はその時だ。

 

そして、問題はある。フレイズだ。ミスミドに現れたというフレイズ。それがもし、5000年前の再来の前兆だとしたら、戦うための準備が必要だ。そして今、俺にはその準備に必要な物がある。ミリシアの工廠だ。あれがあれば、武器や兵器を量産できるかもしれない。タイタンや銃器、それに俺が知る機械歩兵、スペクターやストーカーを量産出来れば……。

 

なんて考えていると……。

『コンコンッ』

「ん?今度は誰だ?」

再び来客があり、扉を開けるとユミナ達4人が立っていた。俺は彼女たちを部屋に招いて話を聞いたのだが……。

 

「え?結婚について?」

切り出されたのは、そんな話題だった。

「はい。私達はこうしてジャックさんと結ばれた訳です。そして私達全員、結婚を前提としたお付き合いをするつもりですが、ジャックさんの意見を聞こうと思いまして」

「俺の意見と言うと?」

ユミナの言葉に俺は首をかしげる。

「ジャックさんとしては、今すぐ結婚をするか、それとももう少し時間を置いてから。どちらをお考えですか?」

「成程、その辺りについて俺の意見が聞きたいって訳か」

 

確かに女子ならその辺りを気にするのもわかる。まぁ、俺もそれについては少し考えていた。

「結婚の時期についてだが、俺は今すぐとは考えていない。まぁ早くて数年後。こっちとしても10年と時間を空けるつもりはないな」

「その理由をお聞きしても?」

「あぁ。……まず最初に、俺はユミナを正妻として結婚する。それについてはお前たちも同じ認識で間違いないか?」

「はい。そのことについては、既に皆さんから賛同は得ています」

ユミナの言葉に同意するように、エルゼ達3人が頷く。

「そして更に、エルゼ達を迎える訳だが。問題はベルファスト王国の貴族共だ」

 

「と言うと、どういう事でござるか?」

「以前、ベルファスト国王の暗殺をバルサ伯爵が企て実権を握ろうとしていたように、次期国王を狙うのならユミナの夫、つまり王女の伴侶と言う立場が一番確実だ。そうなれば、是が非でもユミナと結婚したがる貴族連中や、或いは自分の息子をユミナと結婚させたい爺共が、俺とユミナの結婚に賛成するわけがない。むしろ反対し、最悪の場合俺を抹殺しようと動いてくる可能性がある。そうなれば、俺の傍にいるエルゼ達にも危害が加えられる恐れがある。もちろん俺はそんな事をさせるつもりは無いし、向こうが先の手を出してきたのなら、俺としても相手を容赦なく叩き潰すつもりだ。だが、だからといってこっちから火種を振りまくのは不味い。だからしばらく結婚はしないし、時間はかかるが実績を上げる」

 

「実績って?具体的には何をするの?」

「まぁ一言で言えば、冒険者ランクを上げる事だろうな。或いは、ベルファストなどの国家に貢献するとか、そんなのだろう。目下の目的は、冒険者で金ランクを目指す事だろうな。聞いた所によれば、この世界で金ランク冒険者になったのはただ1人、『レスティア騎士王国』の先王、『ギャレン・ユナス・レスティア』だけだ。それと同格にもなれば、貴族連中と言えどそう簡単に反対出来る物でもないだろう。なにせ、世界で二人目の金ランクだ」

 

「成程ね。つまり、ジャックとしてはユミナの結婚に反対する奴らを黙らせるくらいには実績を作ってから結婚したい、って事ね」

「そう言う事だ。それに、ユミナが正妻であるのなら、それ以外のエルゼ達と先に結婚するわけにもいかないだろ?だから必然的に、今すぐは結婚しないって事だ。もちろん、お前たちの要望があれば俺としては今すぐでも構わないが?」

俺はエルゼの言葉に答えながらユミナ達に視線を向ける。

 

「いいえ。私たちもジャックさんの意見に賛成です。それに、結婚するのは決まっている事ですし、急ぐ必要もありませんから。ですから、これと言って反対意見などはありません」

「了解した。んじゃまぁ、しばらくは今まで通り、冒険者をやりつつって所だな」

 

 

こうして、俺たちの当面の方針は決定した。

 

今すぐ結婚はしない予定で、今のところは冒険者を続けるって事だ。そんなある日、俺は1人で王都の商業区へ出かけていた。

理由は、エルゼやリンゼ、八重、ユミナに渡す婚約指輪を買うためだ。まだ正式に結婚した訳ではないが、たまには何かプレゼントを、って事だ。

 

そして街中を歩いていると……。

 

何やら屋台の店主と1人の男が揉めていた。どうやら男は、この国では使えない金しか持ってないらしい。……人助けなんて柄じゃないかもしれないが。

 

「おい」

「え?」

俺は、呆けた声を出す男に金貨1枚を投げ渡した。

「おっと。……これは?」

「やるよ。目の前でもめ事をスルーしても、後味が悪くなるだけだからな」

「良いのかい?」

「あぁ。俺のちょっとした出来心ってやつだ。じゃあな」

 

そう言ってその場を後にしようとすると……。

 

「あっ、待ってよ。名前を聞かせてっ!」

「あ?名前?」

俺は呼び止められ足を止めた。

 

「僕は『エンデ』。君は?」

「俺はジャック。ジャック・クーパーだ」

 

「ジャックか。ありがとうジャック、恩に着るよ」

「そうかい。なら、もう一つだけアドバイスだ。腕に自信があるのなら冒険者ギルドに行って、冒険者登録をしろ。いろんな依頼があるから、そこで仕事を探してみろ」

「うん。ありがとうジャック。このお礼は、いつかするよ」

「そうかい。んじゃな」

 

そう言って、俺は白髪の男、『エンデ』と別れた。

 

その後、店に行った俺は当初の予定通り婚約指輪を4つ、購入して戻った。

 

今は屋敷に戻り、4人に指輪を渡した。指輪に関しては基本的なプラチナリングにダイヤモンドの物をチョイスした。こいつは魔法でサイズが自動調節されるらしい。おかげで4人にもしっかりフィットしていた。

 

「あぁ、そうだ。エルゼには念のためこっちを渡しておく」

「え?」

俺はストレージの中から細いチェーンを取り出した。

「エルゼはガントレットで戦うだろ?まさか指輪嵌めたままガントレットして敵を殴るわけにもいかないだろう、とBTの提案でな。金属製のチェーンを作っておいた。これを通して首にかけておいても良いだろう」

「そっか。ありがとうジャック。嬉しいわ」

 

さて、これで俺の女たちへの贈り物はOKだ。さて、次は……。

 

「クーパー、少しよろしいでしょうか?」

「ん?どうしたBT」

不意に手首の端末からBTの声が響いた。

 

「はい。実は先日から、私の方で新装備の開発をしていたのですが、ミリシアの工廠があればそれを生産できるかと。つきましてはその許可をいただきたく」

「そうか。まぁ俺は別に構わないぞ。何なら時間もあるし、今からサラを連れてミリシアに上がるか?」

「可能であればお願いします」

 

「との事なんだが、ユミナ達はどうする?」

「では、私達もご一緒させていただきますね」

 

という事で、俺はサラと4人を連れてミリシアに向かった。方法は、サラに搭載されていたミリシアへの転移魔法を使った。なんでもサラとシェスカは、緊急時に即座に庭園やミリシアに帰還できるように転移魔法が付与されているらしい。

 

で、早速工廠に向かった俺たち。まずは俺の端末から接続用のコードを抜き、それを工廠のメインコンピューターに接続した。サラ曰く、工廠には多くは無いが既に資材の備蓄があるらしい。なので、今の所はそれを使って新装備が作れるだろうって話だが、資材も無限ではないので、近く補給をしてほしいそうだ。……となると、ますます依頼を受けて魔物の素材や報酬で色々買うしかないか。……そう言えばミスミドの、オリガの父親が商会をやってたな。素材はそこから買えるか、時間がある時に聞いてみるか。

 

と、そうこうしている内にBTが設計したと言うデータが工廠にアップロードされ、工廠のシステムが稼働し始めた。しばらく待っていると、出来上がったアイテムが俺たちの前に並べられた。数は4つ。

 

「こいつは、俺が持っている端末と同型か?」

「はい。外見はパイロットが左手首に装備している端末と同一ですが、システム面ではかなりの変更を加えています」

「と言うと?」

「端末の使用目的は、時間の確認や簡易レーダーによる索敵、端末同士を使用しての通信がメインとなっています。パイロットは普段、銃火器や弾薬を端末より召喚してしようしていますが、そのようなシステムは工廠でも再現不可だったので、カットしました。変わりに、特殊なアーマーシステムを組み込んでいます」

 

「アーマーシステム?」

「はい。エルゼ、リンゼ、八重、ユミナ。実際に手に取って装着していただいてもよろしいでしょうか?」

「え?は、はい」

 

BTに言われるがまま、4人は端末を手に取り、それを左手首に装着した。すると……。

 

『シュバッ』

一瞬、彼女たちの体を白いオーラのような物が覆ったように見えた。

 

「BT、今のは?」

「今のは、端末に内蔵されている『進化シールド』が展開されたのです」

「その進化シールドってのは?」

 

「はい。進化シールドは、端末を持つ者の周囲に不可視のシールドを展開します。これらはある程度のダメージを肩代わりする事が可能です。理論上では、銃弾数発くらいであれば防ぐことも可能です。また、進化の名の通り、このシールドは戦闘時、相手の脅威度に応じて強度を変化させます。先ほどの白の状態が最低値のレベル1。そこから順に、青のレベル2、紫のレベル3、金色のレベル4、赤のレベル5。と言った具合です」

「つまり、敵が脅威であるほど自動的に纏う者の防御を補助すると言う訳か?」

 

「はい。エルゼやリンゼ、八重、ユミナの4人は冒険者として活動していますし、何より、パイロットの伴侶ともなるべき女性たちです。戦闘時、彼女たちの生命を守るために前々から設計していました。設備が無く、生産は不可能かと思われましたが、こうしてミリシアの工廠を用いて生産する事が出来ました」

 

「そうか。……しかし、シールドのエネルギーはどうする?流石に無尽蔵ではないだろ?」

「それに関しては、各個人の端末にはパイロットの端末から魔力が送られます。この魔力をエネルギーに変換し、シールドを稼働させます。仮に、レベル5のシールドが全損したとしても、20秒もあれば復活できるでしょう」

 

「成程な」

 

全く、俺の相棒は極めて優秀だ。BTには学習型コンピューターも内蔵されているらしいが、BT曰く、『それも転生に先立って強化されている』らしい。おかげでこんなすごい装備を作ってくれたんだからな。

 

「お前は最高の相棒だよ、BT」

「恐縮です」

 

「そう言う訳だ。皆もそれをBTからの贈り物って事で、受け取ってやってくれ。その方がBTも喜ぶ」

「はい。むしろ断る理由なんてありませんわ」

「そうでござる。BT殿が拙者たちを守るために誂えてくれた鎧。どうして無下に出来ようか」

「そうね。ありがとうBT」

「はい。ありがとうございます、BTさん」

 

そう言って4人は俺の手首の端末へと声をかける。

「喜んでいただけて、何よりです」

相変わらずの言葉遣いだが、やっぱり相棒だな。言葉の節々にBTの喜びが感じられる。

 

こいつには、俺も不思議と『魂』ってもんがあるような気がしてた。それが転生した事で、更に確かになった気がする。やっぱりこいつは、BTは、最高で最強の、俺の相棒だ。

 

 

その後、BTから端末のレクチャーがなされた。で、各自がそれに大体慣れた頃だった。

 

「ねぇねぇ、折角だからこれに何か名前を付けない?ずっと端末ってだけじゃ味気ないし」

エルゼがそんな事を言い出した。

「そうですね。名前はあった方が良いです」

ユミナもそれに同意しているし、他の2人も頷いている。

 

「そうか。名前、名前ねぇ」

 

俺はしばし首をひねる。やがて……。

 

「だったら、『コネクトデバイス』ってのはどうだ?」

「こねくと、でばいす?」

 

「あぁ。コネクトとデバイスは、俺の知ってる言葉で繋げると端末って意味がある。こいつにはお互いと通信して話せる機能があるから、離れていても繋ぎ、会話できる端末って事でコネクトデバイスだ。ダメか?」

「いえ、そんな事無いでござるよ」

「はい。コネクトデバイス、良いと思います」

俺の言葉に八重とリンゼが頷く。

 

「よし。なら今日からこの端末の名前はコネクトデバイスで決定だな」

 

 

そうして、俺とBTはそれぞれ贈り物を彼女たちに送った。

 

 

その後、更に……。

「そう言えばジャック。ジャックってリンゼとユミナに銃って武器を渡してるわよね?」

「ん?あぁ、P2016の事か?それがどうした?」

「あ、えっと、別に欲しいとかそう言うんじゃないんだけど……。でも、2人だけ持っててアタシと八重が持ってないのはちょっと」

そう言って頬を赤くするエルゼ。

 

あぁ、成程。自分達が持ってない事に嫉妬心を覚えてしまったという訳か。

「分かった。まぁ、使い方を知ってたり、持ってても困る物じゃないからな。良いぞ」

 

って事で、ちょうど工廠の中に兵器の試射場があったし、俺は2人にも銃の扱い方を教えた。そして……。

 

「それじゃあ、エルゼにはこいつ、『B3ウィングマン』。八重には『RE-45オート』だ」

俺は前にユミナとリンゼに贈ったように革製のホルスターとマガジン入れを作り、銃と一緒に渡した。

ちなみにエルゼのウィングマンはガントレットを使用時でも使えるようにトリガーガードを魔法、モデリングで削除し、トリガー自体も少し長くしてある。

 

エルゼはブーストで身体能力も強化できるから、反動の強いウィングマンでも十分に使いこなせた。八重は接近戦がメインだから、近接戦闘時に弾をバラまけるRE-45オートにしておいた。

 

その後、4人は銃の扱いになれるため、って事で、試射場で耳栓と目を守るゴーグルをしながら射撃練習をしている。俺はそれを傍で見守っていたが……。

 

行動範囲を広げるミリシア級航空母艦と、その運用をサポートする港。遠隔地からの通信や監視が出来、兵員の宿舎にもなる司令部。武器の生産などが出来る工廠。これであとは兵士がいれば立派な軍隊の完成だ。そして、今の俺にはその兵士の候補として、機械歩兵であるスペクターのデータがBTの中にある。

 

俺はふと、そんな事を考えながらレジーナの言葉を思い出していた。俺が、軍を率いると言う言葉を。

 

そんな未来があるのだろうか?と、俺は考えながらエルゼ達を見守るのだった。

 

     第16話 END

 




今後も、エーペックスの方から武器とかを導入予定です。

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