呪術廻戦xBLEACHっぽいなにかでクロス 作:かりん2022
「……なんや、ここ」
若干の恐れと戸惑いを孕ませて、ギンが呟く。
「僕が世界を分かつために呼ばれた場所。わかるのはそれだけだよ」
「世界を?」
「とにかく、僕らのやる事は変わらない。人間の平穏を守る。たとえその為に、僕が第二の霊王様となろうとも。調査を進めよう」
僕は斬魄刀を取り出す。
「流魂様は下がっとって下さい」
「隊長もです」
ギンが僕を下がらせ、副隊長のイヅルがネチョネチョしたそれを切る。
斬魄刀が断ち切った瞬間、ねちょねちょは浄化され、清浄な空気が流れた気がした。
「……これは、おそらく。人の魂ではありませんね」
「流魂様。ここから先は二番隊の領分です。帰りましょう」
「うん。でも、調査には他の隊も協力してあげて」
僕はギンに従い、おとなしく帰る。
思っていたより、ずっと戦力を維持してこちらに来れた。
ギンに抱き上げられて、僕は動けなくなるほど怯えていたことに気がついた。
「ギン。巻き込んでごめん」
「帰ったら、ちゃんと話してくださるんやろ?」
僕はコクリと頷いた。
それから、僕はその身を自ら割いて世界を別つ儀式を行う夢を何度も見ていたこと、予感がしていたことを告げた。この為に生まれたのだとずっと感じていたことも。
「オカルトやなぁ……。本当に、そんなわけわからんもんに従うんですか?」
「僕にとっては、産まれたときから決まっていたことだからね。ただ、何度も言うけど、巻き込んでごめん」
「あまり自棄にならんと、調査が済むまで待っとって下さい。皆で帰る方法もきっと……」
「ごめんね」
「愛染隊長が点呼でいなかったんや」
「それが?」
「せやから、絶対迎えは来る。信じとって」
「そうです! 流魂様は、安心して待っていて下さい。生贄になんてなることないです」
イヅルが宣言し、僕は笑って頷いた。
「期待せずに待っているよ。じゃあ、報告を待とうか」
それから、一ヶ月ほどして。
僕は、人間界の大きな屋敷、その隅に降りていた。
ギンに促され、小さな男の子が頭を下げる。
なんでも、あのねちょねちょした化け物に襲われていた所をギンが助けたのだという。
こちらの世界で唯一、悪しき気配のしない子供。
虐待されているらしく、薄汚れた服だけど、僕との謁見のためにそれでも頑張って身支度を整えてくれたのを知っている。
彼を死神の候補生として迎え入れたいと進言をされた。
霊力を強化する霊酒などの物資も見つかったので、今はそれを使っている。
この世界では、霊力を持つ者は非常に少ない。おいおい、この子は強化していく予定だ。
「ぜんいん とうじです」
「流魂だよ、甚爾くん。君が色々教えてくれると聞いた。頼りにしているよ」
「はっはい!」
「こちらの人間も死神になれるのか……。君は貴重なテストケースになるだろう。辛いこともたくさんあるだろうけど、出来るだけフォローする。頼むよ」
「はい! あの、いつ殺してくれますか?」
「自死は駄目だ。君には人間として手伝ってほしいこともいっぱいあるしね。でも、約束する。君は僕達の仲間だ。こちらの世界の人間が死神になれるかはわからないけれど、もしそれが出来るなら、僕達は君を仲間に迎え入れるし、全力でサポートするよ」
「はい!」
「本来、この子は二番隊なんですけど、僕が助けた関係上、配属は三番隊になっとります」
「うん。この子を任せたよ」
「はい、二番隊とも協力してサポートします。イヅルが」
「そうだ。甚爾くん。1つ、お願いがあるんだった」
「なんでしょう」
「友だちになってよ。子供、僕だけなんだ」
笑うと、甚爾くんはキョトンとした顔をした。
甚爾のおかげで、色々なことがわかった。
僕達死神は、呪術師には見えない。
呪術師は、呪霊は見える。
呪術師は、呪霊を退治している。
呪術師は、斬魄刀のような、鬼道のような特殊な術式という技を使う。
そして、僕達は新たな候補者を見つけた。
呪力と死神への適正を併せ持つ少年。夏油 傑である。