呪術廻戦xBLEACHっぽいなにかでクロス   作:かりん2022

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世界を別つその為に3

 

 戯れに呪霊の群れに放り込まれた時。

 キンっという小さな納刀の音が響いて。呪霊の気配は消えていた。

 甚爾には呪霊は見えない。けれども、甚爾にはわかった。

 見えない何かが、呪霊を倒した何かが、綺麗で清廉な何かが、甚爾を伺っていた。

 

 甚爾は、その気配を思わず追っていた。

 気配は、呪霊を切り刻んでいく。

 その気配も、甚爾を何やら気にかけてくれているらしかった。

 

 ある日、その気配は甚爾の食事に何かをした。

 甚爾がその食事を食べると、薄っすらと侍装束の男が見えた。

 

『や。甚爾くん。僕は市丸ギン。死神や。僕が見えて声が聞こえたら頷いたって』

 

 ささやき声。唇の動きで補完した。コクリと頷くと、男は笑った。

 なるほど、死神。自分は死期が近いのだろうか? でも、市丸ギンという死神を怖いとは思わなかった。自分を気遣ってくれていたことなど、見えないときから知っていた。

 

『甚爾くん。僕、困っとるねん。色々こっそり教えてくれたら、呪霊? から、守ったってもええよ?』

 

 差し出された半透明の干し柿を食べる。

 不思議な味だった。それを食べると、声が少し聞きやすくなった。

 あの世の食べ物を食べると、この世に戻れなくなる。そんな逸話を思い出しながら咀嚼する。薄味で歯ごたえもない。だが甘味だ。

 

『人目のない所行こか』

 

 それから、いっぱい話して。

 既に禪院家に恨みしかなかった甚爾は、呪術師の内情を躊躇なく話し、わからない部分は調べて教えた。

 異世界から来たという死神たちは、人間を、呪霊を汚いという。甚爾が綺麗だというのが愉快で、生まれてはじめて、天与呪縛で良かったと考えた。

 流魂は呼び捨てにする事を許してくれて、友だちになってくれた。

 笑われながらも瞑想などの修行をして、訓練も食事療法も改造も受けて、霊力を一生懸命鍛えて十歳の時、浅打ちを得た。

 

 禅院家なんてもはやどうでも良かった。現世なんてもはやどうでも良かった。

 いつ死んでも良かった。だって、死神として迎え入れられることは確定しているのだから。だから、無茶な修行をこそこそと繰り返した。

 その日も、誰もいない山奥で、修行をしていた。3日も斬魄刀による戦闘と鬼道、特にポピュラーである赤火砲の詠唱をしていて、もうフラフラだった。でも、訓練のかいあって不発が無くなってきた。

 

「君臨者よ! 血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ!  焦熱と争乱 海隔て逆巻き南へと歩を進めよ! 赤火砲!」

「なんやの、今の格好ええの!」

 

 声がして、近づく人間に気づかなかった自分を罵倒する。

 クソガキがこちらを伺っていた。直哉と言ったか。

 

「なんでもねぇよ」

「あんた、甚爾君やろ」

「それがどうした」

「天与呪縛やなかったん? いや、そうやな。甚爾君からは呪力は感じられへん。でも、さっき確かに呪術を使っとった! 呪力も感じたし。なんや変な呪力やった。どこか綺麗で格好ええというか……」

「あー。俺は魔法使いなんだよ。魔法は呪力を使わねーの」

「魔法使い!? なんやの、それ! もっと見せて! 手合わせして!」

 

 目を輝かせて寄ってくる子供に、甚爾はため息を付いた。

 

「良いけど、誰にも言わないって縛れよ。魔法は誰にも内緒だからな」

「なんで?」

「呪術師にバレると面倒なことになるだろーが」

「ええよ! 誰にも言わない! でも、僕に色々話してくれるのが条件や!」

「しかたねーな。ま、夏油の訓練相手にはなるか」

「夏油?」

「俺の弟弟子だよ」

「そいつも天与呪縛なんか?」

「いや、そいつは呪力も術式も持っている」

「ずるいやん! 自分にも教えて! 自分も魔法使いたい!」

「秘密にしないとだから、せっかく覚えても人前で使えなくて意味ね―ぞ」

「それでもええ!」

「師匠に聞いてやるよ」

「やった! もっかい赤火砲ゆーの使って!」

「仕方ねぇな。君臨者よ 血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ 焦熱と争乱 海隔て逆巻き南へと歩を進めよ 赤火砲!!」

「わー!!」

 

 その時以来、直哉にひたすら懐かれた。許可を出されないかぎり、人前で使わないって縛りをしたから鬼道を覚えても意味なんてないのにな。

 

 あー。早く死にたい。俺、強いから呪霊けしかけられても中々死なねーんだよな。

 まあ、生きている間は浦原商店の為に資金稼ぎ頑張るか。

 

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