呪術廻戦xBLEACHっぽいなにかでクロス 作:かりん2022
「いや、迷惑というほどの迷惑は掛けられてないから大丈夫だよ」
「それは良かったです。直哉さん、帰りますよ」
「嫌や!」
「屑義骸で間引いているとは言え、いるだけで迷惑なのを理解してください」
「せ、せやけど」
あまりに酷い言い方に、こちらの世界の直哉は腰が引け気味である。
「そ、そういう言い方はないんじゃないか? 悪い事したからって、伏黒ちょっと怒り過ぎだと思うぜ」
「虎杖……。騙されんな。この人、実は神経オリハルコンだから俺ごときでは傷もつけられない」
「ほんま? 僕、結構傷ついてるんやけど」
答えたのはしかし、こちらの世界の直哉である。
「実際、本当にいるだけで迷惑なんですよ。あまり長く近くにいると少し見えやすくなってしまうので、ただでさえ見える目の五条さんには特に良くない。流石に、これだけ短い間なら大丈夫かと思いますが……血も流してますし」
「え。なにそれ、なんかあんの?」
「こんな屑義骸、長時間抱き合いでもしない限り影響なんてあるはずないやろ!」
「否定してない!?」
「どうだか。まだ余裕あるみたいなんで、少し弱らせます」
「こ、これ以上義骸のグレード落としたら歩かれへんようになるわ! 嫌や!」
「歩かなくて良いんだよ。じっとしてろ。外に出んな。勝手に力を発現させんな。纏足の義骸に入れられたいか」
「待て待て待て待て。落ち着こう伏黒。あっ禪院だっけ。落ち着こう」
「まあ、待ちなよ、恵。一応、仲裁するよって約束しててさ。恵も怒るだけの理由はあるんだろうけど、事情を知らない僕らからしたら、直哉の扱いは気分よくないし」
「五条さん……しかし」
「ね。僕の顔を立てると思ってさ」
「……わかりました。直哉さん。こちらの布を被っておいてください。今はそれで許します」
「心配し過ぎや思うけどなぁ……」
直哉はおとなしく布を羽織る。
「この布は何なん?」
「異能を少しだけ遮断する布です」
「異能? 呪力やなくて?」
「直哉は非術師って聞いたけど。義骸っていうのも気になるな」
「非呪術師であって非術師ではないです。偽の体である義骸に魂を入れることで、呪力と術式を失ってます。ざっくりいうと、そういう事を可能にする異能があるんです。今は極限まで弱らせてるので、何も出来ないはずですけど。俺の名誉のために言いますけど、無力な屑義骸に入れてるのは俺ですが、最初に呪術師止めて呪術師としての体ポイしたのは直哉さんです」
「「「はあ???」」」
「非術師どころか、当主と同じ投射呪法で呪力も潤沢。いきなり呪力格好悪いって言い出すまでは呪術師としてエリートでした。後、俺は呪術師の体に戻る事は禁じてません。それどころか、直哉さんが心と体を入れ替えて当主になることを望んでいます」
「ちょっと良く見せて」
「小僧。直哉とやらにもっと近づけ」
五条と宿儺の鑑定タイムである。
「確かに、違和感はあるかな」
「この俺様の目を持ってしても、殆ど普通の体に見えるが……」
「呪力とはまた違う技術なので」
「つまり、呪力による戦いから、異能による戦いに切り替えたんか。おかしいと思ったわ。呪力と術式を捨てるなんてありえへんもん」
「別に呪力と異能は併用できますけどね。斬魄刀……呪霊を切れる刀を作り出す力と直哉さんの投射呪法と相性いいですし」
「せやけど呪力使ったら斬魄刀が穢れるやん」
「強力になると言ってください」
「攻撃力が高ければいいってもんやないやろ」
「攻撃力が高ければ良いんですよ」
平行世界の直哉と恵はピリピリしだす。
「んー。質問を変えよう。恵が異能を弱らせる? のはなんで?」
「直哉さん、戦い方が肉を切らせて骨を断つっていうのも生ぬるい戦い方で、見てられなくて……。偽の体だからいくら傷ついても良いって意識なんですよ。呪力も使って、自分をちゃんと労る戦い方をしてくれるなら、異能を使うことにも目を瞑れるんですけど」
「僕の勝手やろ、それは。ええかげん、最高級の僕の義骸と異能、返して欲しいわ」
「めっちゃ良いやつじゃん、禪院」
「直哉のこと、大事なんだ?」
「そんな軽い感情ではないです。俺の人生、ほぼほぼ甚爾さんと傑さんと直哉さんの尻拭いで染まってて。義骸の技術、呪力以外の技術体系、受け渡しできる異能。これだけでもうヤバ過ぎるのはわかるでしょう?」
「確かにね。……え? まさか傑も呪力と術式捨てたの? そっちの傑はどうしてるの」
「傑さんはもう元の体が失われてしまってて、同じく五条さんも異能だけで戦わせるつもりはないので、一般人として保護下に置かれてますね。本人はすごく不服そうですけど」
「当たり前や。斬魄刀さえあれば呪力なんていらんやん。ヤンデレは始末におえんわ」
「誰でも病みますよ、あんな……! 体や命は服でもスナック菓子でもないんですよ。傑さんに派手にしたいって言われてアニメを参考にしてみましたってアホですか? アホですよね? アホでしたね! そもそも本物の死体使うのはドッキリって言わないんですよ! 今でも時々魘されるって五条さん言ってたんですからね」
「はい! 直哉さんと傑さんって人が悪いと思います!」
「傑がそこまでたちの悪い冗談をするかな……」
「冗談というか。僕と傑くんの所属する異能者団体、呪術師と敵対したんや。今は和解しとるけど……。それで、悟くんに迷惑かからんように劇的に裏切って被害者ってことにしようって」
「確かに、同情はされてたみたいですけど。呪術界はそれとこれとは別じゃないですか」
「ガチで裏切るのはどっきりといわないんやない???」
「うーん、そっちの僕に同情してきた。というか、秘匿死刑に良くならなかったね? 甚爾はその異能組織、入ってなかったの?」
「ある意味っていうかガチで死んでるし首輪付きなんで。助命はかなり大変でしたけど、なんとかなりました。後あの人はスパイだったんで表向き呪術師側でした」
「5歳でそんな修羅場のさなかにいたの???」
「3歳です」
「まさか禪院 恵に裏切られるとは思わんかったわ。物心つく頃から力隠されるとは思わんやん」
「異能か。見せろ」
宿儺が端的に要求する。
「そうだね。傑を狙ってた呪詛師やその異能者団体にも興味あるかな。こっちの世界にも
いるかも知れないし。直哉は保護してあげたんだしさ。ちょっと情報頂戴よ」
「わかりました。元々、禪院家とも最低一ヶ月はこちらに滞在して呪霊を祓う手伝いを約束してましたし、その一ヶ月で良ければ」
「ありがとう。じゃあ、禪院家には僕が話しつけるね」
「僕もたまには戦わせて」
「はあ……。俺がついてればなんとかなりますか」
「うーん。消極的な恵が直哉にそういう事言うの、新鮮な気分」
「平行世界の俺も苦労してるんだな」
「自分は違うから!! 当主の座も渡さへんから!!」
「いりません」
それから、東京校と京都校の生徒達の前で、直哉と恵が模擬戦をする事が決まった。
「そうや、甚爾くんと僕の模擬戦のデータ貰ったんや。悟くん、これから一緒に見ない?」
「見ようかな」
甚爾と直哉が対峙していて、夏油 傑がのんびりした笑顔で見守っている。
よく見れば、不可視の何かを持っているのがわかった。
これが斬魄刀だろう。
甚爾が動く。直哉の手が切り飛ばされた。
楽しそうな顔のまま、そのまま切り込む直哉。不自然なほどに腕からはわずかしか血は出ない。
「すっげ」
「腕の止血、いくら義骸言うてもけっこう大変なんやで。凄いやろ。血管一本一本操ってな」
「それは凄いけどそうじゃなくて」
そのまま直哉はフルボッコになった。
のほほんとそれを見守る夏油 傑。その顔に一切の心配はなかった。
『直哉さん。痛々しいので小さく纏まってください』
ビデオを撮っていたらしき、幼い恵の声がする。
『腕貸して』
直哉の言葉に夏油が腕を渡す。腕は半透明になり、その半透明になった腕を直哉は食いちぎる。
そうしている間にも体は小さくなり、子供のものになった。
なるほど、小さく纏まった。
怪我は全て無くなり、伸びをする。
『甚爾君、稽古付けてくれてありがとう』
『次は私に稽古付けてよ』
『良いぜ』
そこで映像は途切れている。
「うーん。確かに、恵が心配するのもわかるかな。戦い方がスプラッタというか。っていうか腕食べる必要あった?」
「霊子がもったいないやろ」
「もったいなくても普通食べへんやろ。せやけど、甚爾さんやっぱり強いなぁ。これで終わり?」
「あまり甚爾さんの映像に釘付けになる直哉さんを見たくないので。霊子は義骸の材料で、力の塊です。異能は見えにくいですからね、斬魄刀より鬼道のほうがいいですか」
「久しぶりでなれてへんから、早めに力返して」
その言葉に、予備動作無しでどこからか取り出した刀を直哉の胸に刺す恵。
ざわめきが走った。
「ん……っ」
刀が抜かれる。
「あ……もっとくれてもええのに」
「模擬戦だけだし、こんなものでいいでしょ」
「力の受け渡し物騒なのな」
「仕方ないやろ、こういうもんや」
「刺されるの痛くねぇの?」
「痛いに決まってるやろ」
「ん……でも、確かにその刀、凄くキレイやな……」
「直哉、見えるの? 僕もそこにあるってことしかわからないのに」
「直哉さんは模擬戦、見ないでお休みしてましょうか……。こっちの世界の直哉さんまで呪力嫌い、斬魄刀最高と言われても困りますし」
「流石に言うわけないやろ。僕も見る」
「せやせや。斬魄刀握った甚爾さんならともかく、恵くんに憧れるわけないやろ。呪力捨てて出直しいや」
恵は無言で玉犬に直哉を甘噛? させるのだった。
ココスキ、感想、ありがとうございます!