風に吹かれてFAIRYTAIL   作:村雨刹那

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風の3話 風の滅竜魔導士

―ルーシィ―

 

 

アキタカと別れた私はサラマンダーのいる客船でパーティーに参加している。

妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入るためならなんだってしてみせるわ!

 

だけど・・・

 

「口を開けてごらん。ゆっくりと葡萄酒の宝石が入ってくるよ」

 

うざっ!

こいつ、うざすぎるのよ!

 

だけど我慢よルーシィ!

我慢すれば妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入れるのよ!

自分にそう言い聞かせながら口を開いていく。ワインの粒が入る瞬間、手で弾いた。

 

「どういうこと?睡眠薬よね、これ」

 

「よくわかったね」

 

「勘違いしないで。妖精の尻尾(フェアリーテイル)には入りたいけどあんたの女になる気はないのよ」

 

「しょうがないなぁ。素直に眠っていれば痛い目に合わずに済んだのに・・・」

 

サラマンダーの目つきが軽薄そうなものから残忍なものに変わっていく。

後ろのカーテンから屈強の男たちが入ってきて、私は抵抗する暇もなく取り押さえられてしまう。

 

「は、はなしなさいよ!」

 

「ボスコにつくまでおとなしくしてもらうよ」

 

「ボスコってどういうこと!?妖精の尻尾(フェアリーテイル)は!?」

 

「嘘に決まってるじゃないか。この船は奴隷船だよ。初めから君を商品にするつもりで連れ込んだんだからね。」

 

「!!!」

 

言葉が出なかった。

自分の憧れていた妖精の尻尾(フェアリーテイル)がこんな外道だとは思わなかった。

 

「ゲートの鍵・・・契約者以外は使えん。僕には必要ないな」

 

サラマンダーはそう言うと鍵を窓から捨ててしまった。

 

魔法を悪用して・・・人を騙して、奴隷商ですって!?

 

「最低の魔導士じゃない・・・」

 

アキタカが心配してくれたのに!

こんなことならアキタカの言葉に耳を傾けてればよかった。

 

「たすけて・・・アキタカ!!」

 

 

 

バキィッ!!

 

 

 

つぶやきとともに天井が壊れた。

 

「まったく・・・無事かルーシィ」

 

嘆息とともに声をかけてきた声の主は、自分が今もっとも会いたかった人物である。

 

「アキタカ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―アキタカ―

 

船上パーティーをやる船が見える場所に俺はいた。

それにしても相当、浮かれてたなアイツ。

まぁ、当然か妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入りたがってたからな。サラマンダーは怪しいが何かあれば助けられるようコッソリついていくか?

 

「ぷはぁー!食った食った!!」

 

「あい」

 

ん?後ろから見知った声が聞こえてくるな。

そう思い振り返ってみると

 

「ナツとハッピーか。」

 

「ん?おーアキタカじゃねぇか。」

 

「今まで飯食ってたのか?」

 

もう夜だぞ?俺たちが店に入ったのは昼過ぎだったはずなんだが。

 

「あれ?ルーシィは?」

 

ハッピーはルーシィがいないことを不思議に思ったのだろう。だから俺は先ほどの話をナツとハッピーに話した。

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)・・・」

 

「どうかしたか?」

 

ナツの様子がおかしい。妖精の尻尾(フェアリーテイル)の名を出してからだ。

 

「本当に妖精の尻尾(フェアリーテイル)って言ったんだな?」

 

「あ、ああそうだが。妖精の尻尾フェアリーテイルになにかあるのか?」

 

厳しい形相で俺に詰め寄ってくるナツに言葉を詰まらせながら答える。

 

「アイツは妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士なんかじゃねぇ!」

 

「・・・どういうことだ」

 

「いくぞ!ハッピー!」

 

「あい!」

 

「おいまて!」

 

チッ!

ナツの野郎、ハッピーが出した白い翼で飛んでいきやがった。ハッピーが飛んだのも驚きだが返事ぐらい返せよ!

あーあ怪しい予感的中だよまったく。妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士じゃねぇとなるとルーシィがあぶねぇな。

仕方ない俺も行くか。

 

「風竜の翼」

 

言葉とともに風でできた翼が背中からでてきた。そのままナツとハッピーが飛んでいった方向に向かう。

数分もしないうちにナツとハッピーを見つける。

ちょうど船の真上あたりだ。

 

「降ろせハッピー!」

 

「うん。いいけど酔ったりしないのナツ?」

 

「うぷっ、気持ち悪・・・」

 

「見ただけ酔うなよ・・・」

 

「あ、アキタカなにその翼?かっこいい‼オイラもそれほしい!」

 

「マイペースだなおい・・・翼ならお前もあるじゃねぇか」

 

俺のつぶやきにハッピーが気づき、目線を俺の翼へと集中させた。

 

目線を下にすると窓から鍵束が飛んできたのを見て、素早くキャッチしに行った。

 

「・・・これはルーシィの鍵」

 

なぜこんなものが飛んでくるんだ?

もしかしなくてもなにかあったな。おそらくルーシィが騙されて鍵を捨てられたかんじだろう。

とりあえずナツたちの方に戻るか。

 

「おい、俺はこのまま降りるから後からついてこい」

 

「命令すんな!」

 

「ナツってば、こんな時に喧嘩しないでよ」

 

「うるせー!俺はアイツをぶん殴らなきゃ気が済まないんだ!」

 

「殴るのは構わないんだが、ルーシィを助けないといけないんだよ」

 

「ルーシィもここにいるの?」

 

「ああ。多分サラマンダーに捕まったんだと思う。だから俺はルーシィを助ける。サラマンダーの方は任せるからよ。」

 

「・・・仕方ねえな。じゃあ先にいけよ」

 

「ありがとな」

 

ナツに礼をいい、翼を解除しながら落下する。そのまま船の屋根を壊しながら部屋に入っていく。

 

 

バキィッ!!

 

 

部屋の中を見て見るとサラマンダーと複数の男に取り押さえられているルーシィがいた。

 

「まったく・・・無事かルーシィ」

 

「アキタカ!」

 

ルーシィは涙を浮かばせながら俺を呼ぶ。

 

「とりあえずルーシィは返してもらおう」

 

ルーシィを取り押さえていた男たちに拳を振るう。

 

「がっ!」

 

「ぐふっ!」

 

男たちの苦痛の声が響き渡る。

そしてルーシィの傍による。

 

「大丈夫か?」

 

「アキタカ!騙されたのよ!アイツ奴隷商をして女の子たちをさらっていたの!」

 

「なるほどな。ナツ、任せた」

 

 

ばきっ!!

 

 

その言葉とともにナツが俺が壊してないところから入ってくる。

すでに穴が開いていたからそこから入ってくればよかったんじゃ・・・

 

「ナツ!」

 

ナツの登場にびっくりしたのだろう。驚愕の顔をあらわにしている。それもそうだろうルーシィはナツを一般人だと思い込んでるからな。多分ナツは・・・

 

「おぷっ、気持ち悪」

 

「えぇーかっこわる!!」

 

確かにかっこ悪いな。

 

「ルーシィ大丈夫?」

 

「ハッピー!?あんた・・・翼なんてあったっけ?」

 

ハッピーに翼があることに疑問に思っているらしい。

俺とナツの登場に驚いていたサラマンダー達はナツの様子を見て不敵に笑っている。

 

「いきなり現れたのは驚いたが、お前ら無事で済むと思ってるのか!?」

 

「ハッピー、ルーシィを連れて行け」

 

「あいさー!」

 

ハッピーはルーシィを尻尾で捕まえ空に飛びあがる。

続いて俺も翼をだしハッピのー後についていく。

 

「アキタカ!ハッピー!ナツも女の子たちを助けなきゃ!」

 

「わかってるけど船の上じゃ沈没する可能性があるんだよ」

 

「でも!」

 

「ルーシィ聞いて」

 

「なによこんな時に!」

 

「変身解けた」

 

「くそ猫ー!」

 

ルーシィとハッピーが海に落ちていった。

 

「ぷはー!」

 

「おい大丈夫か?」

 

海面に出てきたルーシィに問いかけるが大丈夫そうだな。

 

「ほれ、ルーシィ」

 

先ほどキャッチした鍵をルーシィに渡す。

 

「これって・・・私の鍵!?」

 

「それでさっさとアクエリアスを呼び出せ」

 

「うん!アキタカありがとう!」

 

ルーシィは一本の鍵を取り出した。

 

「開け!!宝瓶宮の扉!!!アクエリアス!!!」

 

ルーシィの言葉とともに壺を持った人魚が出てきた。

 

「魚!!」

 

「ちがうから」

 

「すごいねルーシィ」

 

「あたしは星霊魔導士よゲートの鍵を使って異界の星霊たちを呼び出せるの」

 

ルーシィがハッピーに自慢そうに語る。

 

「アクエリアス!あなたの力で船を港まで押し戻して!」

 

「ちっ」

 

「今「ちっ」っていたかしらアンタ!ねえ!」

 

「五月蠅い小娘だ。一つ言っておく。アキタカが拾ったから許すが、今度鍵を落としたら・・・殺す」

 

「ご、ごめんなさい」

 

「それよりアクエリアス、頼めるか?」

 

「いいだろう。ほかならぬアキタカのためだ」

 

「ありがとよ」

 

「なんでアキタカの言うことを聞くのよ!」

 

人望の差じゃねぇか?

 

「オラァ!!!」

 

「あたしまで巻き込まないでよ!!しかもスルーするなー」

 

アクエリアスの掛け声?とともに壺の中から膨大な量の水が現れ波ができ、ルーシィもろとも船を港まで流す。

 

「ちょっと!なにやってんのよ普通あたしまで流す!?」

 

「不覚。ついでに船まで流してしまった・・・」

 

「あたしを狙ったんかい!」

 

「しばらく呼ぶな。一週間彼氏と旅行に行く、彼氏とな」

 

「二回いうな!」

 

「お土産よろしくな」

 

「よろしくな、じゃない!」

 

別にお土産ぐらいいいだろ。

アクエリアスは光と共に消えて行った。

 

「ナツのところに行くぞ」

 

ナツのいる場所に駆け出していく。

数メートル先に壊れた船の上にナツが立っていた。

 

「お前が妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士か?」

 

「それがどうした」

 

「よーく面みせろ」

 

ナツがそう言うと同時に2人の男がナツに殴りかかってきたが

 

 

バキィ!

 

 

片手で払いのける。

 

「オレは妖精の尻尾(フェアリーテイル)のナツだ ! ! ! おめぇなんか見た事ねぇ ! ! ! !」

 

その場の人間たちにとって、衝撃の言葉を言い放った。そしてナツは上着をだし右肩を見せる

 

「なっ! ! ! !」

 

「フ、妖精の尻尾(フェアリーテイル)!!? ナツが妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士 !!?」

 

やっぱりな、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の名を出してから様子が可笑しかったからそうじゃないかと思ったんだよ。

 

「な……! ! ! あの紋章 ! ! !」

 

「本物だぜボラさん ! ! !」

 

「バ…バカ!!その名で呼ぶな ! ! !」

 

「ボラ……紅天(プロミネンス)のボラ。数年前に“巨人の鼻(タイタンノーズ)”っていう魔導士ギルドから追放された奴だね」

 

「聞いたことある!!魔法で盗みを繰り返してて追放されたって」

 

「おめェが悪党だろうが善人だろうが知ったことじゃねェが、妖精の尻尾フェアリーテイルを騙るのだけは許さねェ」

 

ナツが怒りの形相でボラを睨み付ける。

 

「だったらどうするよガキが!プロミネンスヘルファイア!」

 

ボラの炎がナツへと繰り出される。

 

「ナツ!!」

 

「黙って見てろ、ルーシィ」

 

「でも!」

 

アイツは火竜を探していた。つまり・・・

 

その答えは、炎に包まれたナツがむくりと起き上がった事ですぐにわかる。

 

「まずい。なんだコレぁ。お前本当に火の魔導士か?こんなまずい〝火〟は初めてだ」

 

「火を食べたー!!」

 

「なんだこいつ化け物か!!」

 

火を食べる何て想像もしていなかったのだろう。ただ驚くことしかできないボラたち。

 

「食ったら力が湧いてきたぁ!!!」

 

全身から炎を吹き出すナツ。

 

「いくぞ!火竜の咆哮!」

 

ナツは口から灼熱のブレスを噴き出し、ボラの部下たちを吹き飛ばす。

 

「ボラさん!!オレぁこいつ見たことあるぞ!!!桜色の髪に鱗みてェなマフラー…間違いねェ!!こいつが本物の……」

 

「サラマンダー!」

 

「よーく覚えておけよ。これが妖精の尻尾……魔導士だ ! ! ! !」

 

「火を食べたり火で殴ったり…これってもしかして!!」

 

「竜の肺は焔を吹き 竜の鱗は焔を溶かし 竜の爪は焔を纏う。これは自らの体を竜の体質へと変換させる太古の魔法(エンシェントスペル)滅竜魔法!」

 

ナツの魔法に対してとある魔法を思い浮かぶルーシィとナツの魔法を説明するハッピー。

 

「火竜の鉄拳!」

 

「ギャー!」

 

ナツの拳に炎が纏い殴りつけ、ボラが飛ばされていく。

 

「こうなったらアイツらだけでも!」

 

ボラの残りの仲間が俺たちに向かってくる。

 

「はぁー、しかたねぇな」

 

「アキタカ!」

 

「ま、これぐらい平気だから安心しな」

 

だから心配そうにみるな。俺の強さはお前も知ってるだろうが。

 

「風竜の羽叩き!」

 

腕から風が出てきて左右から風をたたきつけ、男たちを吹き飛ばす。

これでボラの仲間は全員気絶と。

 

「なにー!!アキタカも滅竜魔導士なのか!」

 

「まあな」

 

ナツが驚いたように叫ぶ。

 

「それより逃げるぞ」

 

「え、なんで?」

 

「あたりを見て見ろ」

 

ルーシィに回りをみせるとゲッ!っとした顔をした。

なぜなら港が半壊してるからだ。

俺じゃないぞー全部ナツのせいだー(棒読み)

 

「やりすぎーー!」

 

「この騒ぎは何事かねーーっ!」

 

後ろを振り返ると軍隊まで追ってきている。

 

「ぼさっとすんな逃げるぞ!!」

 

「はいよ」

 

「なんであたしたちまでーー!」

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入りたいんだろ」

 

「………うん ! ! ! !」

 

ルーシィは満面の笑顔を見せ、その首を縦に振った。

 

こんな形で妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入ることになるとは思っても見なかったが、これからがいろいろと楽しみだな。

 

 





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