不思議なねーちゃんに会い
不思議な現象が起きて
不思議な世界の(上空)に。
以上、前回までのあらすじ
……おかしい。俺はさっき遥か上空でスパイ映画もビックリなパラシュートなしスカイダイビングをしていたはずだが?
ここどこだよ?なんで周りは真っ白なんだ。さっきは真っ黒だったろ!もう不思議空間とかお腹一杯だよ!
俺が居るのは辺りが真っ白で暖かく心地のよい空気が満ちた場所。……なんだがあまり長くは居たくないと思ってしまう。
「今度はなんだろうな?毒ガスとか化け物とかが歓迎してくれるのか?」
ー大丈夫ダヨー。僕ハ何モシナイヨ?ー
突然声を掛けられた。さっきまで周りに誰もいなかったはずなのに!
ビックリして反射的に声のした方を向くと、目の前には白い粒子が人形に集まってできた【ナニカ】がいた。
なんだ……これ?俺に話しかけてきたのは……こいつだよな。他に何もいないし。
「お前は誰だ?」
ーそんなに警戒しなくてもいいよクロっち♪これから頑張ってもらう人を殺したりなんかしないでしょ?ー
「意外にふざけた奴だなおい。ってかお前、片言はどうした?いきなりキャラ崩壊か」
ーいつからボクが片言キャラと錯覚していた?ー
「死神はお帰りください」
ーボクは死神じゃないけどね♪クロっちはやっぱり面白いね♪ケタケター
のっぺらぼう割に感情表現が豊かだこと。
ーっとか考えてる?誉め殺し~?嬉しいね♪きっとクロっちは女泣かせになるよ!ー
「誉めてない!うれしくない!!てか心読めるのか!?」
ーええ、エスパーですから。な~んて、ウ☆ソ!さて、そろそろ本題に入ろうか。だからその拳をおさめてよ、お願いしますー
少し殴りたくなったが、【ナニカ】は謝ってるし、もういいだろう。
そう思って、拳を下ろすと【ナニカ】は、ありがとう。とだけ言って纏わせている空気を変えた。これから、真面目なこと話すって感じだ。
のっぺらぼうなのに感情表現がうまいなぁ。
ークロっち。君に頼みたいことがあるんだー
「ちょっと待て」
ーなにかな?ー
「まずこっちの質問に答えてくれ。色々と俺の常識の範囲外の事が起こり過ぎていて頭ん中がぐっちゃぐちゃになってんだよ」
ーそれもそうだね。混乱してる状態で話してもしっかり伝わらないかもだし。ボクが答えることができる範囲内のことなら答えるよー
「なら早速。……お前は何者だ?」
ーん~?そうだね~?ー
頬付きながら考えるポーズをとる【ナニカ】。
自己紹介するだけなのに考えることがあるのか?面接じゃあるまいし。いや、人によっちゃ難しいか。
一頻り悩んだ後、何か思い付いた【ナニカ】は人差し指を立て、閃いたポーズをとる。おまけと、頭の上に光を灯す。完全にアニメの演出だ。
ー幻想郷とクロっちを繋ぐモノかな?ー
「もっと詳しく」
ーボクはね、幻想郷にいるの。ボンって堂々と住んでいるんじゃなくて隠されてる。ぶっちゃけると封印されているモノだよ。そんでもってクロっちの力になる存在。クロっちはボクとの繋がりがあるから幻想郷に来ることが出来たんだよ。本当はボクが連れてきたんだけどね♪ー
こいつの力で俺はあそこに居たのか。
「なら、幻想郷ってなんだ?」
ー妖怪の賢者、八雲紫とその協力者たちを中心として創られた世界。クロっちがいた世界から隔離された別世界だねー
よくわからんが、異世界って認識でいいかな。しかし、話のスケールがでかいな。
妖怪だの世界の隔離だのと常識じゃ考えられないことばかりで空言に思っちまう。
「八雲紫って誰だ?」
ークロっちとさっき一緒にいた人だよー
あの姉さん、そんなすごいやつだったのか。
ただ者じゃないとは思っていたが、妖怪の賢者とはねぇ。
なら、あの場所も彼女が作ったのか?ここに入れた覚えはないって言ってたし。
「序でに聞くけど、俺は元の世界に帰れるのか?」
ーうん!ボクの頼みを聞いてくれたらねー
「なるほどね。まるで漫画の主人公みたいだな」
でもまあ、異世界なら帰れなくてもいいか。どうせ俺は……。
ークロっち?もういい?ー
質問されるのに疲れたのか、終わるかどうか催促してくる【ナニカ】。
う~ん……もう聞くことはないかな。
「ありがとう、質問は以上だ。んで、俺は何をすればいい?」
─うん、あのね……その……─
急に歯切れの悪い話し方になる。どうしたんだ?
俺が心配するなか、【ナニカ】はゆっくりではあるが、少しずつ話してくれる。
─ボクね、ずっとここに居たんだ。ずっとずっと昔から。君が産まれるずっとずっと前から……気の遠くなるほど永い時間、ここに縛りつけられているんだ─
今までのことを思い出しているのだろうか。声が弱々しくなり、悲哀に満ちていた。
【ナニカ】は話の合間合間に嗚咽我慢しているように見える。
その姿を見ていると胸が締め付けられるように痛くなった。頼む……そんな悲しそうにしないでくれ。
そして最後に、か細く弱々しくも必死に言葉を紡いだ。
ーボクを……見つけてよ……ー
顔はのっぺら坊で表情はわからないが、俺には【ナニカ】が顏を歪ませ泣いている姿が頭の中に鮮明に映し出された。中学生くらいの背丈に白髪おかっぱ頭が特徴的な女の子が泣きじゃくる絵。
泣くな、泣くなよ。
俺はたまらずに叫んだ。叫ばずにいられなかった。どうしても泣いてほしくなかった。
「探してやる!草木の根を掘り返しても。空と大地をひっくり返してでも探してやる!!絶対に、絶対に見つけてやるから、泣くな!」
ー……本当に?ー
「もちろん!やってやろうじゃないか!黒影クロを舐めんなよ!この命の続くかぎり探し続けてやる!!だから…泣くな、頼む」
冷静になってみれば、この時俺はかなり無茶苦茶なことを言ってた。普段ならこんな大それたこと言わないはずなのに。
なんでだろう?こいつが悲しむのは許せなかった。
家族愛にも似た感情が芽生えていたのかはわからない。
こんなこと思うのは家族くらいだと思っていたのに。
……女は大事にしろって言われてたし、俺もそうしたい。
昔みたいに何も出来なかったあの時の様な思いはしたくない。
ー……うん……ありがと♪ー
【ナニカ】は嬉しそう笑顔で答えてくれた。取り合えず、目の前の目標はなんとかなったな。後はこの笑顔を守っていこう。
ーよし!ならボクは待ち続けるから、絶対に見つけてよ。では早速ー
ーいってらっしゃいー
俺は急に浮遊感を覚え、意識がうすれていった。それは新たな人生のスタートを思わせた。
ヤバイ、重要なこと聞いてなかった。
「ま、て。名前・・・は?」
ーボクは**だよー
そして、俺の意識が切れた。
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風が頬を優しく撫でて心地好い。
風が吹くってことは、さっきの白い場所じゃないようだ。きっと幻想郷だろ。
まぶたを開ければ、あの時見た美しい景色が・・・ん?
「空が……真っ赤!?」
とりあえず立ち上がり、目を擦り、目を凝らし、再び空を見る。が、赤い。どこからどう見ても、空が赤い。正確には、空を覆っている雲が赤い。
「やっぱり、赤いな。前、俺が見たときは普通だったのに。……あれ?」
そういえば、俺はパラシュートなしのスカイダイビングしていたはず……なんで生きてんの?あれ?紫さんは?……え~と、あの白いやつの名前なんだっけ?ホントに真っ赤だな!?
目覚めてすぐ、疑問が山積みになった。
きっと八雲紫か【ナニカ】がなんとかしてくれたのだろう。今はそういうことでいいだろう。
「で、ここはどこだ?」
自分が今いる大まかな場所を知ろうと辺りを見回していると……
「悪霊退散!!」
突然、後ろから声が聞こえたと同時に後頭部に殴られたような衝撃が走った。
「イッタあああああ!」
痛みに悶えて、頭を押さえる。
誰かに殴られた!?後頭部とか洒落にならんぞ!下手したら死ぬわ!
「あんたかしら?こんな変な雲を出して異変を起こしてくれたのは?」
後ろから恨めしげな声が掛けられた。まだ痛みの残る頭を押さえながら振り向くと、そこには紅白で揃えた巫女服を着た少女が俺を見下ろして立っていた。
なんでこんなとこに巫女が?・・・よく見たらここ神社じゃん。なら、おかしくないな。
とりあえず、やることは一つ……
「いってぇな!このガキャア!いきなりドタマどつきやがって!泣かすぞ!あぁあん!?」
俺はドスの効いた声で威圧して、泣かせてみようと試みる。
昔、怖い顔を作ってこれをやったら公園の子ども達が大泣きした。今さらながら酷いことをした。
「うるさい!」バコッ
少女には聞かなかった。それどころか、棒のようなもので再び叩かれた。とても痛い。
「さっさと観念して、元に戻しなさい。」
「俺はお嬢ちゃんがなにを言ってるのかさっぱりです!?」
何やら一波乱ありそうです。
さてさて、どうなることやら?
さて、DAMUDOです。
頑張ってもこのレベルの文作能力。
なんとか伏線という技を使ってみました。正直満足してます。ただ、泣くって表しにくいですねw
では、次回から紅魔です。こうごきたい!