ラストスパートに走るぜ!
昔、ある名家に一人の女の子がおりました。
彼女は容姿端麗で非の打ち所もなく誰からも好かれる人でした。
しかし、そんな幸せな彼女に不幸が訪れました。
彼女の家のものが次々に亡くなってしまうのです。
殺されたり、自殺、病気、原因不明の謎の死を遂げるものまでおりました。
いつ自分が死ぬのか怯えながら、その家の者達は暮らしていました。
彼女もそうでした、立て続けに人が死んでいく、何かの力が作用しているとしか考えられない。その力がいつ自分に向くのかさえわからない。不安ばかりが募る日々を過ごしました。
月日は経ち、屋敷には彼女を含めた数人ばかりの人しかおりませんでした。
皆、絶望と不安により生気を失っていた。彼女を除いて。
彼女は考え付いていた。この現象を引き起こす力を持つものはこの屋敷にいるはずだ、なぜならこの現象はこの屋敷を中心として起こっているからだ。
彼女は希望を持っていたのだ。
犯人を捕まえ、罪を罰し、皆の仇をとり、新たな門出とする節目とする。
彼女は屋敷を歩き回る。何かしらの証拠を見つけるために。
しかし、彼女が見つけるものは残酷な現実だった。
皆がいるであろう部屋の襖を開ける。
死体
そこには昨日まで元気だった、皆がいた。
殺された。許せない。
ショックと怒りで動けないでいた。
いや、待てよ。犯人はこの屋敷にいるはず。しかし、皆亡くなってしまった。あと、この屋敷にいるのは誰だ?・・・私、だ。
ザシュッバタ
彼女は自らの命を立った。手に握られている小刀で首を切りつけて。
自分が好きだった桜の木の下で。
その顔からは感情は読み取れないが、頬に流れている涙の色は深い哀しみの色をしていた。
もし、私が死を誘う力を持つものではなかったら。
もし、最初から私一人で生きていたら。
もし、屋敷の人に私の力が作用しない力を持つ人がいたら。
私は自らの死を選んだろうか?
さらに時は流れ、彼女は亡霊となり、魂の管理者としての仕事を与えられた。友達や従者もできた。
彼女は生前の記憶を失っていた。特に興味もなかった。このまま、ご飯を食べて、ぐっすり寝て、従者をいじって楽しむ。そんな日々を繰り返すだけで私は特に不満もなかった。
彼女の一言が私を変えた。
「ねぇ幽々子。貴女って生前何をしていたのか?気にならない?」
友人の一言に何故か心が揺らされた。
特に気にもならなかったはずなのに、この時だけはとても知りたいと思った。
でも、どうすれば記憶を取り戻せる。
「あの、西行妖っていう木。あれに何かが封印されているって知ってるかしら?」
これが私、西行寺幽々子が起こした異変の経緯だ。
────────────────────────────────
西行妖周辺
黒影クロは西行寺幽々子の荒れ狂う弾幕を避け続けていた。
「おい、幽々子!聞こえてんだろ!やめろよコラァ!」
「・・・」
「反応無しですか・・・っとヤベェ!」
幽々子は両手に扇子を持ち、扇状の幻影の前で踊るかのように弾幕を放ち続ける。
クロは能力を駆使して避けるが。
「うおっ!…やべぇなおい!」
いまいち動きの切れが悪い。
クロは自分の能力の精度が落ちていることに感づいていた。
「こんなときに何でだよ、シロ。」
クロの能力はシロとの繋がりによって借りているものである。つまり、今クロとシロの繋がりに何らかの異常が発生しているということになる。
しかし、彼自身の身体能力になり薄皮一枚でかわしている。(グレイズ美味しいです)
が、いくら避け続けたとしても自分は地面の上を走り回っていて、幽々子は宙に浮きクロの攻撃が届かない距離を保ち攻撃を繰り返す。
これでは、いずれ決めの一手を打たれて終わりだ。
「結局運任せかよ、俺。」
攻撃手段を持っていない自分につくづく嫌になる。
「・・・」
幽々子も痺れをきたしたのか、動きを見せた。
自分の目の前に一枚のカードを召喚し…
「俺の運もここまでか?」
「・・・」
それを発動させる。
── 亡郷「亡我郷 -さまよえる魂-」──
幽々子の周りに淡い光の球が現れる。
──────────────────────────
「ッ!」
妖夢は不規則に現れたり、方向を変えたりする物理法則無視のナイフ弾幕を避け、咲夜に近づき攻撃を加えるが大きなダメージとはなっていない。
「なかなかの速さね。しかし、追えないほどでもないわ!殺人ドール!」
咲夜の周辺に大きなナイフが大量に展開され、妖夢に向かっていく。
「こんなもの!一念無量劫!」
妖夢は応戦すべく自分のスペカを発動させる。
斬撃による一閃で、次々と咲夜のナイフを切り落としていく。
「お見事。」
「お粗末様です。」
互いに技を出しあいにより、互いの力量を把握した。
おそらくほぼ互角であると思われる。
「お、おい!あれなんだよ!」
そんな先の見えない戦いに終わらせたのは、怪我により隅で戦いを傍観していた魔理沙の一言だった。
「あれってなによ…ッ!!?」
咲夜の目に映ったのは異様に光輝く桜の木を思わせる巨大な木とそのそばで大量の弾幕を展開し地面に放ち続ける人影。
その光景はとても悪い予感を感じさせた。
「なんなのよ、あれ…。」
「ゆ、幽々子様あああ!」
妖夢はその光景を見ると突然走り出してあの場所へ向かっていった。
「魔理沙!行くわよ!」
「え?少し休まして欲しいぜ…。」
「充分休んだでしょ。仕方ないわね。」
「うわ、ちょっと!」
愚図る魔理沙を抱えて咲夜は妖夢を追う。
今、全ての役者が西行妖に向かっていく。
──────────────────────────────
「やっと検討がついたわ。待ってなさいよ。」
一人の巫女が核心めいた様子でそう呟いた。
お疲れ様です。DAMUDOです。
感想募集中!
以上!