とばされて☆幻想郷   作:DAMUDO

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あらすじ

前の話を見るのが一番

以上!


妖々夢・夜桜と西行妖と反魂蝶

「ちょっと貴女、待ちなさいよ!」

「幽々子様あああ!」 

「咲夜、もちょっと丁寧に運んで、ッいた!」

 

西行妖へと続く林道。妖夢は幽々子の身の危険を感じ急いで西行妖に向かっていた。そのあとを咲夜が魔理沙を抱えて追いかけている状況だ。

二人は急いで目的地に辿り着こうと全速力で走る。時折、走っている最中の衝撃で魔理沙の傷を刺激する。

まだ、そんなに距離を走ってはいないがかなりの時間が掛かっていると感じてしまう。それだけ、彼女は…いや、彼女達は悪い予感を感じていてそれが気のせいだと思いたいのであろう。

そんなことを考えているうちに道の出口が見え、そこから光が溢れていた。そして、出口を潜って目に入った景色は…

 

「・・・」「あ、あぐぁ…ッ。」

 

光が見えない瞳で空から地上を見下ろしている幽々子。

衣服はボロボロで苦悶の表情で肩を抑えて立っているクロ。

近くで妖しく儚く光を放つ西行妖があった。

 

「ゆ、幽々、子様…?」

「な、なんなのよ…これ…!?」

「おい、大丈夫か!クロ!!」

 

クロの姿を見て不安になった魔理沙が声をかける。肩で背負われて。

 

「っ!お前ら、無事だったか!」

「・・・」クイッ

「ヤベッ、逃げろ!」

 

魔理沙の声に反応した幽々子は彼女らに標的を変更し、攻撃する。

その標的の中には妖夢も含まれた。

 

「な、なぜですか…、幽々子様…。」

「咲夜あああ!避けろおおお!」

「ッ!…ええ!」カチャ

 

時間が止まる。

咲夜は妖夢も担いで攻撃範囲外へと逃れた。クロの後ろへと。

時は動き出す。

 

「お疲れさん!」

「色々聞きたいことがあるけど、どうしたのその体。」

「ちょっとばかし、能力不調ですわ。」

「大丈夫かそれ!」

「お前こそ大丈夫か!?腹の包帯が真っ赤っかだぞ?」

「痛いだけで問題ないぜ☆」

「そ、そうか。ところで妖夢ちゃんだっけ?大丈夫か?」

「え?アッハイ、大丈夫です。」

「の割には、フラフラだぞ?」

「・・・幽々子様にいったい何があったのですか?」

 

ユラユラとさ迷うように飛んでいる幽々子を見て、妖夢はクロへと疑問を述べた。

 

「精神が壊れかけている。今はまだギリギリの所で踏みとどまっているが…いつ堕ちてもおかしくない状態だよ。」

「なぜそんな状態になっているんですか!!」

「説明は後だ!今は幽々子の目をさますのが優先だろ!」

「…すみません。」

「でも、どうするのかしら?戦力は

クロ←ボロボロ・能力が安定してない

咲夜←疲れぎみ

魔理沙←重症

妖夢←心身共に疲れぎみ

こんな人員で大丈夫かしら?」

「大丈夫だ問題ない。…作戦を伝える。」

 

作戦会議!!

 

「それで元に戻るんですか?」

「五分五分。やってみんとわからんよ。」

「ダメだったら…次の作戦も考えとけよ☆」

「魔理沙…作戦ミスったら俺死ぬから。」

「死なせないわよ…お嬢様のお気に入りなんですよ、貴方は。」

四人は並び、一つの目標へと視線を集めた。

 

「てなわけで、またせて悪かったな、幽々子。」

「・・・」

「攻撃してこないってことは、まだお前の意識が残って身体を動かしているってことだろ。もう大丈夫だ、次目覚めるまでゆっくり休んでろ。」

「・・・」

 

幽々子の体が少しずつ透過していく。同時に桜色の光を放つ。

 

「反魂蝶 -一分咲-」

 

幽々子を中心に球と蝶による弾幕が撒き散らされた。

 

荒々しくも美しく、強く輝き儚げに。

春の渡来を感じさせ、花を咲かせ、夜桜よ。

花びら散らせ、命も散らす。

還らぬ魂、墨染めて。

咲けよ咲けよ、黒墨桜。

 

四人は走り出した。本来は幽々子の注意を分散させるために散らばるはずだったが、関係なく四方に放つ弾幕により本来の意味をなさなかった。しかし、密集して被弾しやすくなるよりはよかった。

 

「くぅ…ッ、腹に響くぜぇ…。」

魔理沙は腹部に大きな傷を負っていたが痛みを我慢し、作戦へ参加した。

みんな、頑張っているのに自分だけ休んでいるわけにはいかないと、心で思っているが、重症を負いながら戦いへ身を投じる時点で素晴らしいものである。

 

「クッ!なかなかの弾幕ね…私も無傷じゃすまないかも。」

咲夜は紅魔館のメイドとして、この異変解決に取り組んでいた。

レミリアの命令を遂行し完了させることが当たり前であり、それが彼女の全てだ。それはあの日、レミリアに忠誠を誓った時から死ぬまで変わることがないと思っていた。しかし、最近そんな人生に新たな価値観が芽生え始めている。

今回の異変だって仲間のため頑張ろうとしている。魔理沙やクロとのたわいのない会話だって、楽しくって話し方も砕けた感じになってしまうことがある。

こういったことにわざと巻き込もうとお嬢様が仕向けているのかも知れない。何にしろ、彼らのお陰で我々によい変化が訪れているのは確かだ。

おっと今はこんなことをしている場合ではない。私も役に立たなければ。

 

 

蝶や球の弾幕が彼らに襲いかかる。

妖夢は自身の動体視力を駆使し巧みにかわす。クロも日頃のトレーニングの成果により能力なしでも難なく避ける。咲夜、魔理沙も幽々子の周りを飛び回り弾幕をかわしていく。

 

「反魂蝶 -参分咲-」

 

「嘘だろ…!」

弾幕の密度が増した。

球の数も、蝶の数も先ほどの倍はある。勢い変わらず放たれ続けるその攻撃はじわじわとクロ達を苦しみ始める。

 

「イヅ…ッ!」「わあッ!」

 

魔理沙とクロに、少しばかりかすり始める。

彼らが一番体力的にキツイ状態にである。このまま直撃してしまうのも時間の問題かもしれない。

 

「くそッ!あともう少しなんだよぉ…!」

「まだ、まだもってくれよぉ!」

それでも二人は止まらない。大切なものを守るために。

 

 

「反魂蝶 -伍分咲-」

 

しかし、更なる弾幕の雨が降り注ぐ。

球と球の間の隙間も狭まり、避けるのが困難となる。蝶の弾幕が躍り狂うかの如く飛び回り逃げなれない場所まで追い込む。

死へと誘うその攻撃は残酷に淡々とテリトリーの侵入者の命を削りにかかる。

 

「まずい、時よ止まれ!」

咲夜も時を止めなければ完全に避けることができないパターンが現れた。

「ッッッッ!」

妖夢も無理に身体を捻りかわす。

しかし、この密集した弾幕は一向に衰えることを知らず、体力を削り続ける。

 

「マスタースパークぅ!!」

 

空から放たれたレーザが雷の如く敵を呑み込む。

ダメージは無いものの、大幅に弾幕は削れ少しの間安全な場所ができた。

 

「ナイスよ魔理沙!」

「へへっどんなもんだぜ♪」

 

しかし、すぐに西行妖の近くの上空の透明なモノから先ほどと同等の弾幕が放たれた。

 

「にしてもまだ終わらないの!いくらなんでも長すぎない!」

「幽々子様の反魂蝶はもう一段階あります。確信は持てませんがきっと次のが最後です!」

「なるほど、ならもうひと踏ん張りね。」

 

蝶は四人を死へ誘うが如く舞うが、さらに洗礼された動きをする彼らの前では子どものお遊戯のようだ。

この弾幕は決して弱いものではない。むしろ避けにくく美しい最高クラスのスペルカードである。

彼女らはそんなレベルの弾幕を耐え続けていると同時に恐ろしいスピードで成長しているのである。

 

「反魂蝶 -八分咲-」

 

しかし、それでも、彼女らは絶望し抗おうとする。

隙間など見えないに等しい弾幕の雨。その隙間を縫うように蝶がこちらへと飛んでくる。

 

「さ、殺人ドール!」

スペルカードをぶつけて弾幕を消していく。しかし、それでも間に合わない。

 

『咲くこと叶わず待ち焦がれ

夢も願いも色褪せる

魂の拠り所願う思いの還る場所』

 

「業風閃影陣!…っきゃあ!」

 

『死は夢より側に

死は快楽より安楽に

死は虚無や虚空であり朧気で

死は生より平等で』

 

「スターダストレヴァリエ!!クソッ、きりがねぇぜ!」

 

『魂は泣く

体は動かず

心は壊れ

始まりの方舟へ』

 

「ええい!」

「魔理沙そっちはダメ!」

「え?」

ズドーン!

弾幕に当り魔理沙は力なく地面へと落ちていく。

「なんてこと…!」

「きゃあああああああ!」

「っ!」

弾幕に呑み込まれ妖夢も戦線離脱する。

「インディスクリミネイト!」

咲夜は体力の限界を感じながらも必死に食らい付く。

 

『終わりは終わらず

死から何も

神も死に虫も死ぬ

輪廻は止まり生は途絶え

世界は孤独に包まれて

死ねぬモノも死と同じ

忘れ去られた全てのモノ

死と同然の孤独と絶望』

 

弾幕は止む。

幽々子の体も徐々に戻っていき実体を現す。

「うぅ…ぐっ! 」

しかし、咲夜は動けずにいた。疲れはて倒れこんでいる。

そんな自分に情けなく唇を噛む。

 

西行妖の枝の上から何かが飛び降りた。

それは幽々子へと向かって落ちていく。

 

「ゆうううゆうううこおおお!」

そのまま幽々子を捕まえようと腕を伸ばす。

 

スカッ

 

「あれ?」

「・・・」『・・・これはひどい』

「うわああああああ!」

 

必死に手を伸ばしても届くことはないとわかっている。それでも届いてくれと願い続ける。傍にいてやると約束した、だから届いてくれよ。

 

幽々子の右手に一つの弾が現れる。それをクロに向ける。

 

頼むから。

「・・・」

「届いてくれえええええ!」

幽々子から弾が一つ放たれた。

 

 

それは当たらず、地面へと向かっていく。

「嘘ぉ…。」

「クロが飛べた。」

 

クロは宙に浮き、幽々子を抱き締める。

「うああああああ!」

しかし、クロを振りほどこうと暴れだす幽々子。

 

パチーン

 

肉を叩く音。クロが幽々子に平手打ちをした。

 

「落ち着いたか?悪かったな、本当に。でももう大丈夫だ。」

「・・・」

幽々子は何も答えない。

「西行妖に登っている途中に見たんだ、あれを。辛かったろ苦しかったろ。」

クロはさらに力を込める。

「あれ、泣いてた。よほどの思いだったんだろうな。頑張ったな、本当によく頑張ったよ。」

「・・・ぅぁう」

「大丈夫だから、話してみ?何があっても落ち着くまでこうしてやるから。」

「わ、私のせいなの。」

幽々子は自分の言葉で話始める。その目は光があり、大粒の涙を流しながら、思い思いの言葉を繋ぐ。

「私の力が皆を死に追いやった、私がいなければ皆が死ぬことはなかった。なのに私は今までその事を忘れていて、…私は。」

「お前のせいじゃないよ。」

「そんなわけない!」

「なぜそんなことが言い切れる?」

「それ以外の説明ができないじゃない!」

「そうか?ただの、偶然だったんじゃないのか?法則性があってそれに沿っていたか?」

「で、でも…」

「お前はただ、対象が欲しかっただけだ。何かに想いをぶつけたかっただけだ。そうしないと自分が壊れていく気がしたんだろ?」

「わかったように説教しないでよ!そういうのが一番…だいっきらいッ!」

「昔の俺みたいだよ、お前は。」

「え?」

「昔、まだ俺が小さい頃、大好きだった母親が死んだ。俺を庇って。」

「・・・」

「そんときは、自分以外が全て敵に見えて誰の手も掴もうとはしなかった。社会は俺を攻撃した。それはそれで楽だった。俺が悪いって憎むものが出来たんだからな。でもさ、親父や妹だけは俺に手を伸ばすんだよ。」

 

『・・・』

いつの間にか地面へと降りたっていたが気付くことはない。

二人の話もその場の全員が聞いていた。

 

「母さんは俺を庇って死んだのに。一番愛していたはずの親父は俺に否はないって言うんだぜ?だったら何を恨めばいい?あんとき俺が周りに気を付ければ良かったのに、悪くないって。ホントにあの時は辛かった。」

「・・・それから、どうしたの?」

「家を飛び出した。一人暮らしを始めたんだ、ズルズル引きずったまま。そして、ここに、幻想郷に来た。そんで、ちょっと前にその過去から飛び立つことが出来たんだ。」

「・・・」

「俺を救いだしてくれたその人みたいになりたいんだって思えるようになった。だから、お前を救いだす。その過去の鎖から解き放つ。」

幽々子に笑顔を向ける。彼の目にも涙の粒がみえる。

その優しさを感じとると、幽々子は胸の所から何か込み上げてくるのを感じた。

緊張の糸と別に絡み付いていた物が切れた感じがし…

 

「ぅぅう、あ、あぁ。」

「お前は何も悪くないから。誰かが指差す時は俺が折ってやるよ。だからもう、無理しなくて良いから、楽しく生きようよ。」

「うっう、うわあああああん…!」

 

西行妖の花びらは散り、幻想郷へと帰っていく。これで春が訪れる。

桜吹雪の中に声を張り上げ泣く少女。その髪の色も桜の色。

その少女を抱く男。瞳も服も髪も深い夜のような黒。

あたかも、夜桜のような二人。それを見つめる三人。

彼女らは、金銀白黒青緑。また、美しきかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

「冥界の結界を弱めてくれたわね。面倒だったらありゃしないわ。」

霊夢は冥界へと続く階段を登っていった。

「ん?これは春?…あいつら終わったのね。なら調度良いわね。」

霊夢はさらにスピードをあげ白玉楼へと向かった。

 

 

 

 

 




なんか、すごく長くなっちゃいました。
DAMUDOでーす

お話の途中の唄みたいなやつは適当です。

さて、さっさと八雲家討伐に向かう話を考えますよ。

意見や質問、感想は大歓迎ッス!

では、お疲れ様でした~♪
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