右の圧勝!!
以上
「へ~、クロさん達は月を満ちないようにしている人達を探しているんですか」
「「月見酒したいんだよ」」
「仲良いですよねー」
森の中で迷子になっていた俺達は、リグルに襲われ返り討ちにしました。
勝負の見返りとして、森を案内してもらうことにしました。
しかし、ここにも犯人は居なさそうだな。
そうそう、殺っちゃった蟲達はしっかりと埋葬しました。お墓も作りましたよ。
リグルもそれで許してくれるそうです。
「お二人は、種族が違うのに何で仲が良いんですか?」
「そうだな~、あれはいつだったか……ある人間の紹介でクロに会いに行ったんだよ。そこで拳で語り合うことになって、仲良くなった」
「あれは楽しかったな。あと、こいつが滅茶苦茶飲みに誘うからなぁ。そのせいで酒好きになった」
「人生の楽しみが増えたんだ。感謝しなよ」
「その分、財布が寂しくなっていくけどな」
「ハハハッ!」
そんな会話をしながら森の出口へと向かっていた。
─────────────────────────
暫く歩いている途中、俺はある異変に気が付いた。
視界が狭くなっているのだ。
目の不調と思った俺は、目を擦る。しかし、再び目を開けても視界の狭さが変わらなかった。視界が暗い。
病気とかそう言った類いの物ではないと言うのはわかった。
何かしらの力が働いているのだろう。例えばそう、妖怪の仕業とか。
「おい、クロ。なんか目が見にくいんだけど」
「わ、私も何だか目が……」
それが不安なのか二人は俺の側によってくる。
リグルは俺の服の裾を軽く握る感じでなんとも美味しいことをしてくれる。
しかし、萃香は俺の腕にしがみついてるんですよ。軽く骨が折れそうで、ペッタンコな胸は美味しくない。
しかし、萃香よ。らしくないぞ。
「どうやら敵さんの御出座しみたいだ」
突然周りから多数の光弾が飛んできた。
「なっ!」
急に現れた攻撃に驚く萃香。
俺はそんなアホ面萃香と目を擦ってる最中のリグルを両手で引き寄せ、片足で地面を踏む。
その場の穢れを使い、囲う様に壁を作りだして攻撃をガードした。
「一体なんだよ!?」
「視界が悪くなってるから攻撃が突然現れたように見えただけだよ。実際、攻撃の威力はさほど高くはないから強い妖怪の仕業ではないと思うけど」
「あら、言ってくれるわね」
新たな声が聞こえると、視界が広がっていく。
暗くなっていた範囲にそいつの姿はあった。
「はじめまして人間さん♪私はミスティア・ローレライよ♪貴方を食べるわ」
ミスティアは鳥形の弾を俺達へと放った。
が、その弾は霧散した。
「へ?」
「ん?」
何が起こったかわからないと言った顔のミスティアとそれと同じ顔をする俺。
周りを確認すると、少しばかり体を震わす萃香がいた。
こいつが何かやったのか?
「お、おいっお前!」
萃香が吠える。
「目の前が真っ暗になって結構ビビったぞ!ボッコボッコにしてやる!」
あ、これはダメだわ。
萃香がキレた。なんだこいつ、暗いの苦手なのか?
「戸隠山投げぇ!!」
萃香は両手て上げると手のひらに岩が集まってきた。
それは、段々と大きさを増していき俺の数倍程の大きさとなった。
そして、それをミスティアにぶん投げる。
「どぉりゃああああああああああ!!」
「きゃああああああああああああ!!」
ミスティアは自分に目掛けて飛んでくる岩石を避ける。
「よくもやったわね!」
ミスティアは一枚のカード───スペルカードを発動した。
──夜雀「真夜中のコーラスマスター」──
スペルカードは光の塵となり、ミスティアの周りを鮮やかに輝かす。
まるで、ステージの照明、演出の様に。
ミスティアは歌う。その歌声は夜の森の隅々までを侵食するように響き渡る。
その歌に共鳴するかの様にミスティアの周りに弾が現れた。
その数は増していく。
ミスティアがアイドルの様で、弾幕は観客だ。まさに、ライブ会場のドームの中だ。
しかし、このスペルカードの効果はこれだけでは終わらなかった。
「ッ!また目が……!」
また、視野が狭まる。
どうやらこの効果はミスティアの歌声を聞いた者に及ぼす様だ。
「~~♪~~ッ♪」
歌のリズムが変わった。
狭まった視界に弾幕が現れる。
俺はリグルを掴み、後ろに飛んで壁を作る。
弾幕が何かに当たった音が響く。
この状態では聴覚も貴重な情報源だ。
「おい、萃香!なんなら手伝うぞ」
「大丈夫!こんなやつ、私一人でも十分だよ!」
萃香の頼もしい言葉が飛んできた。
ここはあいつに任せよう。
「どりゃっしゃああああああ!!」
ゴチン!「イダッ!」
・・・おい、早くも決着かよ。
「ふふん、参っただろ。さっさと降参しなよ、命までは取りゃしないからさ」
「べ、別にまだ奥の手はあるんですから!」
ミスティアは再び上空へと舞い上がる。
なお、ここまで全部、音で判断しております。
「ラストワード」
──「ブラインドナイトバード」──
ミスティアの翼は力強く輝いた。
歌声のメロディーを具現化したように弾幕が作り出される。
永久の歌の様に限界なく現れる光弾による弾幕の密度に俺は目を奪われた。
綺麗な弾幕の中心に美しく歌う歌姫。そう歌姫、今の彼女にはこの言葉が似合う。
そんな歌姫の美しい歌声に俺は心を奪われていた。
きっと俺が戦っていたら、大量の弾幕を浴びていただろう。
しかし、萃香は……笑って立っていた。
「それがあんたの奥の手かい?なら私も必殺技と行こうかぁ!!」
萃香はスペルカードを砕く。
「百万鬼夜行」
萃香の後ろに、萃香と同じ形の物体が幾つも現れた。
萃香は笑い、拳を鳴らし、首をほぐした。
「さあ、百万返しだ!」
その言葉が合図の様に萃香達は一斉に飛びかかった。
弾幕に当たる人形は塵となり霧散する。
まるで、総力戦だ。萃香は続々と特攻していき押している。
「う、嘘でしょ!バカなんじゃないの!?」
段々と迫ってくる人形達に恐怖を覚え始めたミスティア。
彼女はもう歌を歌ってはいなかった。
「うぉっりゃあああああああああああ!!」
そして遂に、人形の山は弾幕を押し切り……
ドシーン!!
ミスティアを押し潰した。
「更に一発!!」
萃香が自分の拳を打ち合わせる。すると、人形は光始め、爆散した。
ドッカーーーン!!!
煙があがる。
「ハハハッ!どんなもんだい!!」
「あの、クロさん。あの子死んでませんか?」
「生きてるって思うことにしよう。それが幸せだ」
俺は暫く動けずに萃香を見つめていた。
ご機嫌に高笑いする萃香を俺はただ呆然と見つめていた。
煙が上がっていた場所には目を回して延びているミスティアがいた。
取りあえず心配の種は全て無くなった。
どうもDAMUDOで~す!
大丈夫ですか皆さん?本当に気になったことがあったら質問万々してきていいですからね!
DAMUDOは出来る子ですから!
それでは皆さん、お疲れ様でした~♪