慧音さんと戦った。
以上
俺達は慧音からの情報から迷いの竹林に入り、犯人探しに精を出していた。
しかし、俺達が最初に見つけた相手。いや正確には戦闘を行っている相手なのだが……。
えと、その相手と言うのが・・・
「夢想封印!!」
「マスタースパーク!!」
大きな光球と極太レーザーが俺を襲う。
この攻撃でわかったと思うが相手は霊夢と魔理沙だ。
「
俺の両手が肘から手先まで禍津の黒に覆われる。
それは形を変えていき、魔獣を象った頭へと変化した。
俺は迫り来る光球とレーザーが直撃するタイミングで殴る。
何度も殴る度に獣は吼え攻撃に衝撃を与えて止める。同時に食らう。
攻撃を、驚異を、敵を、殴り食らう。
そして、攻撃を完全に無効化した時には両腕の魔獣は大きく膨張していた。
「さあ、返すぜぇ!」
両手の後ろに引き、足を前後に広げて構える。
「なんか・・・」
「不味いわね」
拳を二人に向かって放つ。
両腕の魔獣の口から咆哮の様なレーザーが放たれた。
「くっ!」「うぉっ!」
二人は体を捻り、咆哮を避けた。しかし、
「きゃっ!」「うわぁっ!」
強力な風圧が彼女等のバランスを崩し、自由を奪う。
そして、魔獣の咆哮は彼方で爆発した。
「きゃあああ!」「うわああああ!」
「うぬ・・・ッ!」
爆風の風圧は、より強力で、直撃していたらただでは済まなかっただろう。
証拠に爆発地点は地面が抉れて吹っ飛んでいた。
何より使った本人も飛ばされないように踏ん張っていたぐらいだ。
「初めて使ってみたけど、これからこの技は使うときをよく考えるか」
そんな俺に抗議の声が。
「ふざけんなクロぉ!!」
「私達を巻き込まないでよ~」
「三人がどうしてもって言うから見守ってあげてるんだから、こっちに配慮しなさい」
伊吹萃香、八雲紫、アリス・マーガトロイドは近くで三人の戦いを見守っていた。
「悪い悪い。でもこっちも真剣なんだよ。わかるだろ?」
そう今、俺達は真剣に戦っている。
負けられない。
「油断大敵だぜぇ!」
爆風で飛ばされていた魔理沙が星弾とレーザーで攻撃してきた。
「油断も何も、常時クールに振る舞うのが俺だろ?」
黒壁を作りだす。攻撃は全て壁に当たり無力化された。
壁の横から素早い影が現れる。
攻撃は陽動か!
すぐさま攻撃しようと試みるが……
「いつも通りだってのが油断なんだよ!」
予想外の場所からの声に戸惑う。
さっき見た影は……
「ほ、箒?」
「だぜ☆」
次の瞬間、マスタースパークが頭上から放たれた。
───────────────────
「あらら、クロ脱落ね。まあ、魔理沙が勝つのは予想できてたけど、あっさりね」
先程のやり取りを見ていたアリスが、仲間の勝利に喜び、余裕の一言をもらす。
そのアリスに紫も一言。
「確かにあっさりね……クロも」
「も?」
アリスは戦いの場へと面向ける。
「油断してるのはあんたよ、魔理沙。夢想封印!」
霊夢の夢想封印が魔理沙を襲う。
「わぁっ!ヤバイヤバイ!」
必死で避けようとする魔理沙。
しかし、夢想封印のホーミング能力はずば抜けているため、そんなのを近距離で撃たれたら逃げるのも困難な訳だ。
「ちょっと魔理沙!逃げさない!死んでも逃げなさい!」
「ふふふ♪霊夢の夢想封印から逃げられる訳ないじゃない♪」
「余裕でいられるのも今のうちよ!魔理沙ー気張れー!」
「貴女、体育会系だったの?」
こっちもこっちで白熱している。
野球中継を別のチームファン同士が同じ部屋で観戦している様なものだ。
仕方ないと言えば仕方ない。
「二人とも、盛り上がっているところ悪いけど……うちのクロはこれぐらいで殺られるほど柔じゃないよ」
「
地面と空から巨大な手が現れた。
「ッ!!」「なんだ!?」
そのまま二人を潰そうと、上下から手のひらが迫る。
二人は手に潰されまいと逃げた。
ズウウゥゥゥゥゥン!
手と手は重なり合い、潰しあう。
霊夢と魔理沙の姿は手とは別の所に確認できた。どうやらうまく避けた様だ。
変わりと言ってはなんだが、霊夢の夢想封印だけは押し潰され消滅した。
黒い手は消え去り、その場所に少し服が汚れているクロの姿があった。
「クロ、あんたが余計なことしなきゃ魔理沙を倒せたんだけど」
「そりゃ悪いことしたね。俺は二人を一緒に殺ろうと思ってたもんでね」
「まッ、本番はここからだぜ!」
俺達は互いに目の前の二人を睨む。
そういや俺達が何で戦っているか説明してなかったな。
あれは俺達が迷いの竹林に入ってすぐのことだ。
迷った。
最初から迷子なった俺達は竹林内を右往左往していた。
そこで最初に見つけたのが異変解決の途中だった魔理沙・アリスと霊夢・紫だった。
何やら空気が不穏だったので仲介に入ろうとしたわけだ。
どうも話を聞く限り、互いに手柄が欲しいらしい。
いや待てお前ら。紅霧異変とか一緒にやったんじゃん?何で今更?
どうやらそれが原因らしい。
どうも、新聞の異変特集みたいなページに書かれる事が互いに気にくわないらしい。
それで、別々のパートナーを見つけて・・・現在に至る。
そうなると、俺もライバルとして対象らしい。
実際、俺は手柄とかどうでもいいんで。月見酒したいだけですから、はい。
そんなこんなで何かこの場を納めることが出来るいい案はないか考えていたところ、魔理沙嬢から提案があった。
「こうなりゃ勝負だ!私と霊夢、クロの中で一番強いやつが異変解決に向かう!」
負けず嫌いめ。
こうなってしまった以上やるしかないわけで、ルールとか決めて三人でバトルロワイヤルとなった訳だ。
実際、俺も霊夢と魔理沙と真剣に戦うのは初めてで楽しんでいるし、負けたくない。
やってやるよ。
「へへへッ♪」
「何が面白いか魔理沙嬢」
「いや、クロが私達と戦える様になってるのが楽しくてな」
「最初は私達のバックアップだったのにね」
「・・・」
いや、別に俺の力じゃないんだけどな~。
ま、いっか。
「だからこそ、負けるわけにはいかないわ!」
「経験差っての見せてやるぜぇ!」
「人生経験なら俺の方が上だろうが!」
三人は一斉に攻撃した。
飛び道具同士がぶつかり合い虚しく地面に落ちる。
霊夢はお祓い棒でクロに殴り掛かる。
クロは地面に手を置き、地面から何かを引っ張り出すように手を上げる。
すると、黒い円柱が飛び出し霊夢に向かって伸びていく。
霊夢は直ぐ様懐から陰陽玉を取り出しそれを円柱に投げる。
「霊激!」
陰陽玉は光を放ち爆発する。
その衝撃で円柱は崩れ落ちる。
そのまま霊夢はお祓い棒をクロに降り下ろす。
クロは自分の背丈程の長さの黒針を作り出し応戦する。
互いにぶつかり合い、押し合う。
「ぬぬぬ……ッ!」
「どうした?もう仕舞いか?」
クロはもう片方の手の平に黒板を作った。
その黒板に針が現れ、針板の中心は突起していき針山となる。
「死山呪兎贄」
「スターダストレヴァリエ!」
クロが針山を霊夢に放とうとすると同時に魔理沙のスペル宣言が聞こえた。
キラキラと輝く星屑の弾幕がクロと霊夢を襲う。
二人がいた場所から煙が上がる。
「二人だけで盛り上がってんなよ♪」
「寂しがりやかお前は!」
煙の中から出てきたクロがツッコミを入れる。
「なんか冷めたちゃったじゃない」
霊夢も冷めた目をしながら出てきた。
「じゃあ仕切り直しな♪」
「わかった。次はちゃんと混ぜてやるから、かまってちゃん♪」
「ば、バカにすんなよ!」
「バカやってないで再開するわよ」
「おうよ!」
三人はそれぞれ武器を構え、戦いは第2ラウンドへと突入する。
「こうして三人の戦いは……」
「まだまだ続くのであった」
「まったねー♪」
永夜抄、後半スタートです。