西暦XX年。迷いの竹林は光に包まれた。
以上!
力の衝突で迷いの竹林の一部が吹き飛んだ少し後。
衝突の中心部から離れた場所に一匹の妖怪がいた。
と言うか伸びていた。
「う……んん……い、いたたた」
妖怪はムクッと起き上がった。
「ううぅ……こ、ここは……どこだ?」
現在の場所を確認すべく、妖怪はキョロキョロと周りを見渡す。そのたびに頭にあるウサギのタレ耳が揺れる。
「そう遠くに飛ばされなかったみたいだね。にしてもひどい目にあったなぁ。これからは面白半分に変な所に近付いたりしないよ」
周りに誰も居ないのに、誰かに言い聞かせるように言った。
「それはそうとあいつらは何者なんだ?」
兎妖怪は服の汚れを叩いて落としながら呟き始める。
「あの人間三人。とても人間とは思えない力を持っていた。何処かで見たことある顔だったけど……どこだったかなぁ?」
汚れを落とした兎妖怪は頬杖を付いて暫し考え込む。
「あッ。新聞だ。よく人里の方に捨ててかるから拾って読んだ新聞に載ってたよあの三人。確か……博霊の巫女と盗人魔法使いと純黒の何でも屋だったっけ?てことは姫さんと永淋に用があると見た。きっと、夜が明けないのもあいつらの力だよね。……ウサッ♪良いこと思い付いた!」
何かを閃いた兎妖怪は邪悪な笑みを浮かべて目的地へと走って行った。
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『クロ!聞こえているか?』
「……ん、んん……ま、禍津……か?」
『やっと応答したか』
目を覚ました俺の前にいたのは俺に力を分け与えてくれている神様だった。
『いいかクロ。あまり時間が無いので手短に話す。お主の成長速度が我の予想を遥かに越えている。そのせいで少しばかり問題が起きた。詳しくは説明できないが、異常を感じたら無理はするなよ』
「えッ、ちょっと待てよ禍津!」
『悪いがもう行くぞ。いいな、無理はするな!』
有無も言わせずに禍津は行ってしまった。同時に俺の視界も再び黒く染まる。
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「おーい、クロー。オキロー」
俺を呼ぶ声が聞こえる。この声は……あいつだ。いつも酒臭い幼女鬼の声だ。
う~ん、なんだろう?俺って死んだのかな?霊夢と魔理沙と本気で戦ったきっとそうだろう。ああ、なかなか楽しかった人生だ。母さん、今からそっちにいくよ……。
「起きろッつってんだろ!」
メキャンと今まで聞いたことのない音と共に、これまた今まで味わったことのない痛みが腹部に突き刺さった。
あまりの痛さに意識も一気に覚めた。意識がハッキリしたら、腹部の痛みが更に増してき
て、体が痙攣を起こした。いや、起きちゃ不味いだろ!
「おー起きた起きた。ほら、陸に上がった魚じゃないんだからいつまでもピクピクしてんなよー」
元凶ハケーン。
「……ぉ……お……」
「尾?」
「お……お前の……せいだろうがぁ!!」
痛みも忘れて黒い感情だけで体を動かし、馬鹿鬼の頭に拳骨を一発。
こちらも、ゴチンとナイスな音を奏でてやった。
「いっったあああああ!」
頭を抑えながらピョンピョン飛び回る。ははは、ザマァ!
「何すんだよクロぉ!」
「それはこっちのセリフだ萃香ぁ!」
俺と萃香の取っ組み合いが始まった。鬼と喧嘩できる人間って俺ぐらいだと自負できる。
そんな風にギャーギャーやっている途中に周りの様子に気が付いた。
「おい、萃香。ここは……どこだ?」
「ん?わかんない。あの勝負で飛んでっちゃったクロを探してここまで来たから、道とか覚えてないよ」
「……さ、最悪空飛べば……」
「空は見えるけどこの竹が一体どんだけ長いのかな?」
「……勝負してたときも結構上に行ったけど竹林を抜けなかったな……」
「「・・・」」
不味いわ~かなり不味いわ~。高速道路入ってすぐ腹壊した時ぐらい不味いわ~。
「やることないし……歩くか」
「お、おう」
俺達は今を生きるために歩き始めた。
「ちょっとまったー!」
早くも救いの手が!!
さあ、この声の主の天使の様な姿を拝もうじゃないか。
「あんたが純黒の何でも屋だよね?」
「・・・萃香、行くぞ」
「だな」
「え!?」
チクショー!救いの天使は幼女とか笑えねーよ!てか何でウサ耳?しかもタレ耳。
黒影クロはCOOLに去るぜ。
「待てよコラァ!」
「逃げるぞ萃香!」
「おっしゃーー!」
紅魔館以来の鬼ごっこが迷いの竹林で始まった。久しぶりにハイになれそうだ。
・・・そう言えば気絶してるときに夢の中で禍津に会って何か話したよな……なんだっけ?
どうもDAMUDOです。
今回は特に話は進みませんです。
あと、クロの通り名がかっこよくなりましたねw
それではまた次回!