とばされて☆幻想郷   作:DAMUDO

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あらすじ

て☆ゐ

以上


竹林の永遠亭

「なんで逃げるのさ!?」

「俺の人生、幼女に追いかけられるといいことが起きないからだよ!」

「幼女と一緒に逃げるのはありなのかい?」

 

兎妖怪との追いかけっこは、兎ちゃんの『罠』により俺達の負けという結果で幕引きとなった。この兎ちゃん、トラップの配置と言いアイディアと言いかなりの策士とお見受けした。ある種の天才かもな。

 

「私の名前は因幡てゐ。何処にでもいる健康的な兎よ♪」

「お前みたいな兎がそこら中にいてたまるか」

「そんなことはどうでもいいのよ。あんたさぁ、異変の犯人探してんだろ?私が教えてやろうか?」

 

兎ちゃん────因幡てゐの口からとんでもない一言が飛び出してきた。

 

「お前知ってるのか!」

「うん」

「犯人?」

「うん」

「マジで!?」

「うん」

「ホントかよ……」

「うん」

「阿?」

「吽」

 

地獄に仏とはこの事だ。

さっさとてゐに情報貰ってパパっと解決。さあ、月見酒だ!!

 

「なら情報を寄越せ。すぐ寄越せ!」

「ああ、良いよ。でも彼処は口で言ってもそうそう辿り着けれる場所じゃないから私が道案内をしてやるよ」

「よしわかった。萃香、頼む」

「あいよ」

「え?なにする気だ?……ちょっと!うわわわわ!!」

 

戸惑うてゐを問答無用で萃香が担ぎ上げる。

 

「な、なにするんだよ!」

「お前足遅いだろ、だから運んでやるんだよ」

 

急に担がれて軽くパニックなるてゐの質問にさばさばした態度で俺は答える。

 

「んじゃ、行きますか!」

「道案内よろしくねー」

 

その言葉を合図に二人は物凄い速さで竹林を駆ける。そして、その速さで走る物体に担がれているてゐにも同じようなGが掛かる。つまり、

 

「~~~~~~~~ッ!!」

 

健康的な生活を心掛けてきたてゐにとって、心臓に良いものではなかった。

 

 

───────────────────────────

 

 

どうしてこんなことになった!?

私は鈴仙達にイタズラの為にこいつらを案内と称して一緒に行動することになったけど……こいつら私を何だと思って扱っているの!?

私は兎の妖怪、足には自信がある!……まあ、コイツらには勝てなかったけど。でもせめて自分の足で歩かせて!

こんな風圧の中じゃあ毛並みとかが無茶苦茶だ!!

 

まあいいや。コイツらの力なら鈴仙達がギャフンとやられる絵を見られるかもしれないからね。それを胸に留めて今は我慢よ。

 

たぶん、『永遠亭』に行く途中で鈴仙が来ると思うから、そろそろね。

 

───────────────────────────

 

「ここか親玉居るのは」

「・・・」

「おい、ちゃんと答えろよー」

「・・・ナンデ」

「「はい?」」

「なんでぇえええええええええええええ!!」

 

てゐの案内により無事、目的地『永遠亭』に着いた俺達。

てゐが居なければ俺達は今頃竹林の中をさ迷っていただろう。しかし、どうしててゐは嘆いているんだ?

 

「おかしいよぉおお!なんで鈴仙が来ないのさ!!?あの間抜け月兎めぇ、私の計画が冒頭から狂っちゃったよぉ!私は自分の計画が少しでも思い通りに運ばないと些細なことでもイライラしちゃうんだよぉ!!」

「お、おいてゐ」

「あぁ!?なに!?」

「そんなキンキンした声で吠えるなよ。聞きたかったんだけど、お前ここの人と知り合いか?」

「そうだけどそれがどうしかした!?」

「いや、別になんでかな~って思っただけです、はい」

 

今のてゐは刺激しない方がいいな。

しかしわからん。なんでてゐは俺達に友人を売るような真似を?……仲悪いのかな?

 

「外でギャーギャーと、五月蝿いわよ」

「「ッ!」」

 

永遠停の玄関が開き、中から一人の女性が出てきた。

赤と青で統一された服は、何となく看護師をイメージさせるものがあり、帽子にある十字マークが更に医者っぽさを醸し出していた。

……一瞬、伝説のモンスターマスター(赤緑)が出てきたのは閉まっておこう。

 

「貴方達は一体どちら様?てゐの友人かしら?今、取り込んでて忙しいの。帰ってちょうだい」

 

そう言うと赤青の人は銀髪の御下げを揺らして玄関へと入って行く。

 

「ちょっと待てよ」

「……はあ、何かしら?先に言っておくけど、面倒ごとはやめてちょうだいね」

「別に面倒なことじゃないさ。あんた達が月を満月しないようにしてるんだろ?それをやめてほしいんだ」

「・・・なぜかしら?」

 

何だかあの人から発せられるオーラの質が変わった。もしかしてこの人……。

ここで理由をはぐらかして答えたら不味いな。はぐらかす気無いけど。

 

「ただ月見酒がしたいだけだ」

「月見酒~♪月見酒~♪」

「・・・そう」

 

俺の話を信じてくれたのか警戒が解けた。

よし、やっとこれで目的が達成できる♪

 

「でもごめんなさい。どうしても満月にするわけにはいかないの。わかってちょうだい」

「・・・」

「ふざけんなー!こっちはうまい酒が飲みたいんだよ!でないと力付くで言うこと聞かせるぞ!」

「やめろ萃香」

「ッ!」

「クロ!なんで止めるのさぁ!?」

 

俺はこの人のただならぬ気迫でこの人の意思の強さを感じ取れた気がした。絶体にこの人は退かない。退けない大きな理由と意志があるから。

 

「いや~、ね。なんだかここで争うのは良くない気がしてな」

「理由になってないぞ!」

「いいんだよそれで」

「・・・はあ、わかっよ。でも、月はどうすんだ?月見酒ができないだけじゃなくて、妖怪達にも影響がでるんだぞ?」

「あ、そっか。・・・すみませんが此方にも色々と事情があって困ってるんですけど。なんとかなりませんか?」

「なるほど。私の行為がこの世界に多大な迷惑となっていたんですね。対策を考えますから、どうぞ上がってください。ゆっくりとお話しましょう」

 

トントン拍子にうまく話が進む。今回の異変は平和的に解決の道を辿っているようだ。お兄さんは嬉しいよ♪

 

こうして、赤青の人の知識と俺の奇策により、異変は無事解決した。

多数の思惑が交錯するなか被害は最小限に抑えられ、俺も月見酒を堪能できた。

博麗神社でも宴会が開催され、参加者各々が鬱憤を晴らすが如く酒を飲み、飯を喰らった。この宴会は夕方に始まり、翌日の朝まで行われた。掃除が大変だった。

しかし、またこうして平和な日常が戻って来たんだ。良しとしよう。

さあて、明日からまたバリバリ働くぞー!!

 

 

 

「ちょっと待ったぁ!!」

 

・・・なんて簡単に終われなかった。

さっきまで自分の世界で吠えていた兎が俺達に物申したいようだ。

夢見たって良いじゃない、人間だもの。……百歩譲って今の幻想は無しとしよう。

しかし、このお姉ちゃんと平和的な解決法方を模索する、いつもの荒事をせずに異変を解決できる一歩手前で何の文句があるってんだ?えぇ!!

 

「無視したいのは山々だが、なんだてゐ?」

「クロ達は騙されている!」

「「な、なんだってーーー!!」」

「ッ!?てゐ!何を言っているの!?」

 

突然の発言に俺達は驚きの声をあげる。赤青の人も何やら嫌な予感を察知した顔をしている。

 

「惚けても無駄よ永琳!貴女達が私達、地上の兎にした仕打ちを!!」

 

何やらただならぬ因縁がこの二人にはあるようだ。

 

「元々。迷いの竹林は私達の住みかだったのに、貴女達が侵略まがいにここを乗っ取って無理矢理私達を働かせて……ッ!!」

「ちょっとてゐ!?なに有ること無いこと言わないで、話し合いで決まったことじゃない!」

「あんな話し合いがあってたまるか!!あんな……酷いことをッ……」

 

てゐの瞳から涙がこぼれる。それを憎たらしそうに睨む赤青の人───永琳。

これは……あれだな。

 

「ちょっと良いですか、永琳さんとやら」

「ッ!?な、なにかしら?」

「話し合いは無しで。平和とかよりも、あんたを倒すことが俺の中で優先になりました」

「はい!?ちょっと待って!!これはてゐの罠…」

「問答無用じゃあああ!!」

 

こんなちっちゃい子を泣かすのは見過ごすわけには行かねぇよ!!

空中に黒針を造りだし永琳に飛ばす。串刺しだ!

 

「はあ、こんなことになるなんて……!」

 

溜め息をつきながらも、攻撃を避けるよう後ろに飛び弓矢を構えた。

永遠亭前の死闘が始まった。

 

 

そんな光景を遠くにで観戦するてゐ。戦闘が始まると知って、さっさと安全圏へと移動したようだ。

その目には涙はなく、代わりに満悦な笑みで笑っていた。

 

(計画通り♪)

 

クロは騙されたようだ。

 

 

 




DAMUDOです。

最近、小説の書き方が解らなくて勉強し始めようと思います。
さあ、スタートへ原点回帰だ。
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