どうも相性はそんなによくないようで。
空は紅い雲に覆われ太陽の光が遮断されており、周りはとても薄暗い。
森に入って更に周りは暗くなっている。
そんな道を男女二人が歩いている。
一人の少年【黒影クロ】
彼はこの幻想郷で大切なモノを探している。
一人の少女【博麗霊夢】
彼女はこの幻想郷で起きている異変。空が紅い雲に覆われている問題を解決するために動く。
二人は異変の元凶が居るであろう、雲の発生していると思われる方向に歩いている。
なんとも曖昧である。
「なあ。この道であってんのか?さっきから同じ道をグルグルしてるみたいに感じるんだが?」
少年は重い口を開けたと思ったら不満を口にした。
無理もない。彼らは森に入ってからかなりの距離を歩いたり、走って進んでいるのだから。
「うっさいわねー。黙ってついてくればいいのよ。」
少女はクロの不満を華麗に受け流す。お見事です。
「その自信は何処からくるんだか。」
「ん?勘よ。」
「勘なの!?なんかすっごく心配になってきた。」
「なによあんた!さっきから文句ばっか言って!あんたが飛べたら最初から飛んで向かうことが出来たのに、歩いてるのは誰のせいだと思ってんのよ!」
「なら俺を連れてこなきゃ良かっただろ!」
少女も我慢の限界か、とげのある言い方をする。
売り言葉に買い言葉、不毛な争いを繰り返している二人。これでは、協力もあったもんじゃない。
思い空気の中、更に時がたつ。
「・・・。」
「・・・。」
二人は全く会話をしません。ただ、黙々と歩を進めるのみ。
「クロ。止まりなさい。」
なにかを感じ取ったのか、霊夢がクロに注意を促す。
クロも空気の違いを感じたのかすぐに答え、身構えて答える。
「どうした?」
「どうやら御出座しのようね。異変の最中だから奴等も警戒して出てこないと思ったけど、ね!!」
そう言うと霊夢は懐から取り出した札を前方に投げた。
すると、投げられた札の先にある茂みから何かが飛び出した。
「うお!な、なんだ!?」
飛び出した何かは空に向かっていく。
すると、何かは自分の周りを闇で包んだ。
二人の目をに写るのは、まるで影から切り取った様な黒球。
「なんじゃ!?ガ〇ツか?邪神アバ〇ーか?」
「ふざけてないで構えなさい!死にたくないでしょ!」
霊夢の言葉で俺は口を瞑る。
するといきなり黒球はこちらに向かって飛んできた。
霊夢と俺はそれをかわす。
黒球は俺がさっきいた場所の近くで止まった。俺に向かって体当たりする気だったのか?
黒球の闇のベールが消えていき中から、
「わははー♪」
中から金色の髪に赤いリボンを一個つけた、黒色の服を着た幼女が現れた。
手を左右に伸ばして足をそろえ、まるで十字架のような形で出てきた。間抜けたセリフと共に。
俺の緊張感返せ。
「おい、霊夢。あれはー、なんだ?」
「妖怪よ。人食い妖怪。」
「幻想郷の妖怪はみんなあれみたいに人形か?」
「まあ、だいたいは。」
「ないわー!ホンマないわー!!」
妖怪が人形とかマンガだけかと思ってたー!
「うっさい!ッ!くるわよ!」
そう言われたと同時に寒気がした。
危険を知らせる体内センサーがフルに稼働しているみたいな。
見ると人食い妖怪は俺たちに向かって大量の光る弾を飛ばしてきた。
「くらえー!」
「かわしなさい!」
「言われなくても!」
俺は複雑に打ち出されて出来た弾幕に集中した。すると、
(なんだ?これは?)
俺の頭に弾幕の軌道、正確には相手の攻撃範囲がほぼ完璧に理解できた。
なにが起こっているのかわからなかった。
しかし、それが自分の能力だと、シロが言っていた力だと理解するのに時間は掛からなかった。
「───ッ!」
華麗なフットワークと俊敏に屈んだり跳んだりして無傷で避け、敵との距離をとった。
同時に
ズガガガガガガガガガ
突然、無数の札と針の弾幕が妖怪幼女に命中した。
「クロ!」
さっきの弾幕の主、巫女が空から降りてきた。空に飛んでかわしたみたいだ。
「あんたなんで無傷なの?弾幕を見るのははじめてよね?なんでかわせてるのよ?」
「わかんねーけど俺の能力っぽい。」
「そうなの?」
話している途中にまた後ろからさっきと同じ悪寒を感じた。
「よくもやったなー!えい!」
妖怪が宙に浮きながら、さっきとは数が明らかに多くの弾幕を放ってきた。
「霊夢!」「クロ!」
二人の息はおかしい程ぴったりだった。
それを理解した二人は自然に笑みがこぼれた。
霊夢は空に回避し、クロは左右上下にかわし妖怪に向かって走っていった。
今のクロは理解していた。自分は攻撃関しては役に立つことはできない。
しかし、自分の出来ること。やるべきことは、
「わかる!!」
クロはそのまま妖怪少女に近づきながら言葉を放った。
「ほらほら、お嬢ちゃん!俺みたいなただの人間一人仕止める事が出来ないのか?それでも妖怪かよwwwテラワロスww見た目と一緒でオツムも残念だね!HA☆HA☆HA」
煽った。
クロが出来ること。それは敵を挑発し囮になる。
そして、攻撃回避能力を使い注意を自分に集中させることだ。
そうすることで、霊夢に攻撃だけを集中してもらう。
そして思惑通り、
「ば、ばかにするなーーー!!」
挑発に乗ってくれた。そして案の定大量の弾幕を放った。
「ヒャッハアアアアア!!」
クロは自分の中の何かが弾けたのを感じた。そんな覚醒状態の中、自分に向かって飛んでくる弾幕の弾のひとつひとつをしっかりと感じ取っていた。
そして見事に、
「被弾率ゼロパーセントお!作戦を続行おお!!」
能力をフルに使って回避した。
その状況を彼は楽しんでいた。
なにも出来ないと思っていた自分。
俺を邪魔としか思ってなかったであろう霊夢。
さっさと俺を食べることができると思っていた妖怪。
俺のいた世界。
幻想郷。
全てのモノが俺に驚き、見直し、畏怖する。
そんなことを自意識過剰かもしれないが感じていた。
「誰も俺を止められねえええ!」
その歓喜を表したかのような大声で叫び弾幕を回避する。
俺を追いかけなが弾幕を放ち続ける妖怪。
俺との追いかけっこに業を煮やしたのか、妖怪は
「これじゃあ埒があかないなー。こうなったら。」
そう言うと妖怪幼女は手を掲げた。
すると手に一枚のカードの様なものが現れた。
「なんだなんだ?神のカードか、アバ〇ーか?しっかぁし!!今の俺にどんな攻撃も通用しない!!」
可笑しなテンションで言葉を発する俺。
俺の言葉など無視して妖怪はそのカードを握り潰した。すると、そのカードは砕けちり、紫と黒の中間色の光となり妖怪にまとわりついた。そして、
─闇符「ディマーケイション」─
妖怪は手を開け両腕を広げた。
闇の波動が妖怪の周りに集まり始めて徐々に膨らみ、力が集中しているのが見て感じ取れた。
同時にあれがあの妖怪の必殺技であるとも。
闇は妖怪を囲む幾つもの輪になり、輝き始めた。
そして、凄まじい質量を持つ闇の車輪は妖怪を中心に広がっていき、クロに向かって飛んできた。
クロは必死にかわす。明らかにさっきまでのただの攻撃ではなかった。
それでもクロはかわす。それしかできないから。
しかし、妖怪も負けてはいない。
闇の車輪は幾つも放たれ、そのたびに妖怪の周りで闇が新たな車輪を精製していく。
さらに、妖怪は両手から弾を放つ。
車輪と弾。二つの攻撃が織り成す弾幕の雨。
クロはかわし、妖怪は放つ。それは少しの時間であったであろう。しかし二人には刹那させも一分に感じた。
そして、その一時はクロの一言で終わる。
「"俺達"の勝ちだ。」
─霊符「夢想封印」─
その言葉に妖怪はハッとする。
その時には、上空に何かが光を放ってた。
上空にいた霊夢から色とりどりの巨大な球が妖怪に向かっていく。
妖怪は上を見上げると攻撃が眼前に迫っていた。
巨大な球は妖怪に当たり、そのまま地面へと押し進む。そして、
ドカーーーン!!
球は光を放ち爆発した。
────────────────────────
霊夢の夢想封印により小さなクレーターが出来ていた。
その跡に残った沢山の小さなクレーターの一つ、中心に金髪の妖怪幼女がいた。
「うおおおおお!!勝ったあああああ!」
俺は妖怪幼女が動かないことを確認すると歓喜の叫びをあげた。
まさか、妖怪を倒せる日がくるとは。
「あんたはいちいちうっさいのよ!」
それを咎める霊夢。
「いやだって俺みたい常人が妖怪倒すとか、マジやべぇ!」
「あんた。能力あるでしょ。覚醒してからおかしいわよ。」
「お、おう、そうだな。平常心平常心。」
それでもクロの顏には笑みがある。
勝利の余韻に浸っているのだろう。
「全く、ほら行くわよ!」
「おう!」
俺達は再び、目的地へと歩き始めた。
すると周りが急に暗くなった。
「しまった!」
霊夢が声をあげる。
辺りが急に真っ暗になり周りが見えなくなってしまったからだ。
(ふふふ、私の能力は闇を操る能力。これぐらいことが出来て当然!これを使うと自分もなにも見えなくなっちゃうのが弱点だけど、二人の場所は覚えているから後ろから噛みついて食べちゃえば全然OK♪死んだふりをあの土壇場で思い付くなんて私って頭いいわー♪)
当たりを闇に包んだ張本人は、霊夢にやられてのびていたはずの妖怪だった。
そして今、視界を封じられている二人を仕止めようと忍び寄る。
(では早速。)ガシッ
「捕まえた。」
「え?」
「霊夢~。こっちだ~。」
妖怪は捕まった。
──────────────────────────
「なんであんたは、あの暗闇の中でこいつの姿を確認できたの?」
霊夢が妖怪を縛り付けながら俺に尋ねてきた。
「完璧に見えた訳じゃないけどな。まあ、それなりに見えたよ。」
「それもあんたの能力なのかしら?」
「そうかもしれん。」
「ふ~ん。弾幕回避能力に能力耐性能力ね。よし!」ギュギュッ
霊夢が妖怪を縛り付け終えたようだ。
「霊夢、こいつどうすんだ?」
「退治すんのよ。」
「「え!?」」
「ただでさえ人食い妖怪なのよ。退治して当然じゃない?それに何もしなければ良かったのに、不意打ちなんてされたらね?寛大な私でも怒るわよ。」
それが本音か。
「寛大かどうかは置いといて。本当に退治するのか?」
「なによクロ。こいつを庇う気?あんたも殺されかけたのよ?」
そう言ってお払い棒を妖怪に向ける。
「ヒィ!」ビクビク
妖怪はとたんに身を縮め、酷く怯えているようだ。
こんな状態の子に、これ以上何かしようなんて思えない。
「でも実際俺は生きてるわけだしさあ。頼むよ。」
俺は手を合み込む。
そんな俺を暫く睨むと霊夢はお払い棒を納めてくれた。
「まあ、今回はあんたが囮になったお陰で楽に勝てたし。いいわよ。好きにしてちょうだい。」
そう言って霊夢は先に歩き始めた。
「私は先に行ってるから終わったら走ってきなさいよ~。」
そう言って霊夢は手をあげながら森の中へ消えていいった。
「さて、妖怪少女。さっきの話を聞いてたな。」
そう言いながら俺は妖怪と目をあわせた。
「・・・うん。」
「解せないって顔してるな。」
「だって私はあなたを食べようとしたのよ?普通は恨んだり、怒ったりするものじゃないの?なのになぜ?」
妖怪少女は俺に疑問の目を向けてくる。
その瞳には好奇心による期待と不安の色がみえた。
さて、どう答えたもんか。
「お前のお陰で自分の役目に気づいたから。」
俺は正直に答えた。
「意味がわからないわ。ホントにそれだけなの?」
「あとは、強いてゆうなら楽しかったからかな。」
「変な人間。」
妖怪は興味無さそうに顔を背けたが口元があがっているように見えた。
笑ってるのか?俺、おかしなこと言ったかな?
「縄をほどくけど、どうする?」
「そうだね~。・・・特にやることないから貴方に付いていってもいいかしら?」
「ふぇ!?なんで?」
「貴方を気に入ったからじゃダメ?」
「まあ、別にいいっか。よっしゃ!来い!」
俺は縄をほどいてやり、妖怪に手を伸ばす。
「おー!」
少女は俺に飛び付き肩にのぼってきた。
それを確認すると俺は霊夢の歩いていった方に走っていった。
「そういや、お前、名前は?あ!俺の名前は黒影クロ。クロって呼んでくれ。」
「私はルーミア。闇を操る程度の能力を持つ人食い妖怪だよー。」
「「よろしく!」」
俺は走る速度をはやめた。あぁ、あと。
「なあ、ルーミア。」
「ん?」
「もしよければ俺とダチにならねえか?」
そう問うと、ルーミアは目を丸くして驚いた。そして、言葉の意味を理解したのか、とびっきりの笑顔で……
「貴方って本当に面白いねー。私でいいならいいのだー。」
こうして異変解決のための仲間が増えた。
さてさて、どうなることやら?
DAMUDOです!
怖い!どうでした?始めて戦闘描写を書いてみた訳なんですけどいかがでしょうか?
いやー、ルーミアのキャラが今一安定しないな。自分の中ては、子供っぽい一面と大人っぽい一面があるキャラってことになってます。
あと、スペルカードを表現するのって難しいね。想像力豊かに名前や弾幕から作ったらこうなったのよさ。
これからも頑張っていくだわさー!
次回は最強の敵とそのお友達が登場。
そして、新たなる味方。
〇〇〇「ふふふん、普通の弾幕勝負でいどんだらいくら最強のあたいでも手こずるのは明らか。なら、もっと頭を使うのよ!はっはっはっは!」
〇〇〇「妖精がなにか企んでるみたいだな。霊夢、待ってろ。いま助太刀にいくぜ!!」