魔理沙が誰かに運ばれて、てゐと萃香が追いかけッこした。
以上!
迷いの竹林・永遠亭前
「はあッ!」
「(ヒョイッ)」
「せいッ!」
「(ヒョイッ)」
俺はなんの考えもなく永琳に斬りかかり……
「いい加減諦めなさい」
*パンッ*
「ぅぐッ!」
カウンターをもらって体力が削られる行為を繰り返していた。
殆ど変わっていない戦況で変わっていることと言えば俺の傷口から流れ出している血があちら此方に飛び散っていることだろう。
この戦闘で俺の力量を完全に把握しているのか、永琳は全く飛び道具を使わなくなっていた。
舐められたもんだぜ、と憤慨するのが何時もの強気な俺だが、今の俺は力の差を確実に感じながらも空元気で立ち向かっているバカである。
はっきり言って勝てる気がしない。でも退くわけには行かねーよな。
俺はさっさと体制を立て直して構えを変えてみる。
さっきから剣しか使ってなかったから今度はもっとトリッキーな武器がいいな……。
「……はぁ、まだ諦めないの?いい加減にしないと貴方、出血多量で死ぬわよ?」
人がどんな武器を創ろうか模索している所に永琳が話しかけてきた。
「ん?なに、心配してくれてるの?」
「別に……ただ私は悪の親玉って訳じゃないわ。良心の一つぐらい持ってるわよ」
……人の体を弓で射っといて何言ってんだこのヤブ医者。
しかし、永琳の言う通り本当に不味いよな。正直、肩の感覚が無くなっている。
アリスに教えてもらった傀儡の魔法を俺の禍の力で応用して無理矢理動かしてるけど、わりと難しいから長くはもたないし。
永琳自体も天才的な頭脳を持つ強キャラ。
……あれ、これ勝てなくね?いやいや、男が一度やるって言ったんだからやらなきゃダメでしょ、ねぇ?
さて、どんな武器を創るか。出来れば永琳には使い方がわからないような物がいいが……。
「あら?そう言えばてゐと角が生えた子はどこ行ったのかしら?」
「え?」
そう言えばいないな。
あっ、思い付いた。
「よしっ!」
俺は周りの大気や植物、大地から穢れを抽出し集め具現化する。
そうやってできた穢れの球型の塊、禍津玉の形を変化させる。
「・・・」
永琳がこちらを静かに見つめる。
次の俺の行動を警戒しているようだ。いくら力量が測れても油断はしないってことか……怖いね。
張り詰めた空気の中、俺は禍津玉を目的のある形に変形させた。
「それ……は……?」
俺の手のひらにあるのは円盤型の物体。
ジャストフィットする大きさのそれを地面へと軽く投げるすると、落ちていくほど糸が円盤から出てくる。
糸は円盤と中指繋げており、手を軽く上げると円盤は糸を巻き取りながら昇っていき手のひらに収まった。
「ヨーヨー、それが何か?」
永琳の問いかけに余裕の態度で溜めてから返す。顔はドヤ顔です。
そう、パッと出てきた珍しい武器ってヨーヨーです。
昔、ヨーヨーは人に向かって投げるなって注意されるぐらいの玩具だったんだよ。(今もです)
ならば、禍津と言う超物質で作ったヨーヨーならこれは完全に武器と言い張れると思うんだ。
あと、何気に俺ヨーヨーうまいです。
さあ、こっから反撃タイムだ。
幼少期の思い出が勝つか、天才的な頭脳が勝つか。勝負!
俺は意気揚々と走り出すと高く飛び上がり、そこからヨーヨーを投げる。
シュルシュルと糸は伸びていき標的へと飛んでいく。因みに糸は無限に伸びて、伸縮自在です。
「変な物を創ったと思えば、この程度の速さ。避けることなんて容易いわ!」
永琳は左足を軸とし、右足を滑るように左足の後ろ側へ移動させる。
そうすると自然と正面を向いていた体も横向きとなり的は小さくなる。
ヨーヨーはそのままの勢いで地面へ……
*ドゴッ*
めり込んだ。
「なッ!いったいどんな重量してんのよ!」
「さあ、取り敢えず命一杯重く創ったから。そっちの方が扱いやすいし、何より……」
俺はすぐにヨーヨーを戻し、今度は横に薙ぐ。
永琳へと届くまでにある竹に当たり次々と倒していく。
「くらったら絶対無事じゃ済まないよねー♪」
「あんまり調子に乗らない方が良いわよッ」
永琳は素早く俺の方へ走ってくる。
「その武器の特徴は遠心力による破壊力を持ち、糸による素早く回収できる遠距離武器ということ。その弱点は遠くに攻撃するほど糸を伸ばさなくてはならず、次の攻撃へ転じる時間も糸の長さも比例することよ!」
「ッ!」
本当にこの人は天才だ!
僅かな時間のうちに未知の道具の特徴を分析するなんて芸当、そうそう出来るものじゃない。
でもなぁ、
俺はこのままだと空振ることになるヨーヨーの糸の途中に黒柱を作り出す。
すると、そこに糸が引っ掛かり軸が変更された。
*ビュンッ*
「ッ!?」
*バキッ*
*バキキドンッ!!*
軸が替わったことにより攻撃範囲が替わったヨーヨーが永琳の体を豪快にぶつかり吹っ飛ばす。
これが、やっと俺が当てることが出来た一撃だった。
そして、唯一の攻撃へのであった。
「はぁ、はぁ、やったか?」
緊張の糸が切れて足が震え始める俺。
その目線の先は永琳が飛んでいった林の奥である。そこから永琳が立ち上がる様な影は見られなかった。
目で確認出来た事実にホッと息を吐く。これでかっ「これで勝ったと思ってないわよね?」
「ッ!」
声が聞こえたと思ったら周りに鱗型の光弾が現れ囲まれていた。
「なッ!チクショウ!!」
黒壁を作りながら別方向からの弾を避ける。
これなら何とか出来る。
*シュンッグシュッ!*
「っぁ!ぁッああぁッ・・・」
弾幕の合間を一瞬で走り抜き、俺の側まで来たのは俺がさっき超重量のヨーヨーでぶっ飛ばした永琳だった。
永琳は俺の肩の傷口に指を突っ込んでいた。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
傷口を抉られるという桁違いの痛みが俺を襲い声にならない悲鳴をあげる。
永琳は手に何か持っていたのか肩の中に異物混入去れたような感覚がある。
*ズリュ*
指を引き抜かれると俺はその場に倒れこんでしまった。
異物の感覚は消えていると思ったら段々と体が痺れて……眠くなって……。
「少し強引だけど特製の麻酔薬を投与させてもらったわ。安心して副作用はないから」
その言葉を最後に俺の意識は闇に落ちていった。
──────────────────────────────
『おいおい、もうお仕舞いか?骨のねーやつ。』
真っ暗な世界で俺は誰かにバカにされて目が覚めた。
人影は見えないが誰かがいるのは確かだと確信できた。
……誰だお前。ん?ここは?……はぁ、また変な所に飛ばされたのかぁ。
もういい、面倒、寝る。
『待てって!せめて俺様と話そうや、な?』
・・・。
取り敢えずこいつの話に耳を傾けてみるか。周りは真っ暗で何処なのかわからねぇし。
そう思って体を起こして、声の出所を探すために首を動かして周りを確認する。
・・・人影一つ無いんだが……。
『はいっだーれだ?』
油断していた俺の後ろから手が延びてきて目を押さえられ視界が塞がれた。
クソッ刺客か!者共、であえーであえー!!
・・・早く手を退けて。
『仕方いな……ほら』
手が離れたことにより景色が見えるように……元から真っ暗だったな。
俺は後ろに振り返り声の主の顔を拝むことにした。
な!?
しかし、声の主の顔を見て俺は驚愕する。
そこにいたのは俺のよく知っている人物、いや神様、禍津だった。
……いや違う。見た目はそっくりだが、何かが違う。確かな理由は無いが明確な確信はあった。
何でだろうか?力を通して繋がっているからかな?
で、あんた誰だよ。
『俺様が誰かって?そんなことどうでもいいんだよ重要なことじゃぁない』
いや、重要だから。何で俺の知人と同じ格好してんのか聞きたいんだよ。
俺の言葉を聞いてこいつはやれやれ、といったようなジェスチャーをとる。腹立つなー。
『まあいい、教えてやるよ。俺様はな、禍津の中にいる穢れだ』
は?
禍津の穢れ?何を言ってるんだこいつは?
禍津自体が穢れの塊だろ、そんなのから穢れを取るって……存在を消すのと一緒じゃないか?
『難しい顔してるなー。俺様がその疑問を解いてやろう』
頭を捻っている俺にそう言うとこいつは胡座をかき、俺の目の前に座った。
わからないことがあるのは気持ち悪いからな、疑問を無くせるならしっかり聞いておこう。
俺も奴の話に耳を傾けるために真剣な面立ちで座った。
それを確認した奴は身ぶり手振りをしながら流暢に話始めた。
『いいかクロ、世界には隠された歴史ってのがある。決して探ってはいけない知ってはいけない歴史のパンドラボックス。こう言うの黒歴史って言うんだっけか?』
いや、知らんがな。
『まあいいや、続けるぞ。禍津もシロもその黒歴史に生きていた住人なんだよ』
『その黒歴史は中々面白かったぞ♪』
面白かったぞって、お前見てたのか?
『おいおい、言ったろ?俺様は禍津の穢れだって。あいつの歴史だ、一緒に過ごしてないわけないだろう』
・・・。
『まあ、俺様の方が後から生まれたんだけどな。続けるぞ。その黒歴史、一体何があったのか教えてやる』
黒歴史……シロ達の歴史か。
あの二人は一体どんな人生を送ってきたのだろう。なぜ封印なんて去れているのか。
全ての答えをこいつは知っている。そう思うと自然に黙りこみ、話を聞くのに夢中になっていた。
『あいつら最後は《裏切り》だったよ』
ッ!?
『いい顔するねーケッケッ♪こっから一気に説明するからよく聞いとけよ』
わざとらしい笑い方をするこいつが言った一言に驚きを隠せない俺がいた。
裏切りっていったい?
『シロの家系はその時代では最高の力を持つ除霊師の一族でな、シロはそこの長女として生まれた。兄弟が沢山いてな、五人の兄がいた。家族皆がシロの誕生を喜んだ……ある人物を除いてな』
『その人物ってのが、シロの祖母だ。祖母は家族の頂点、一族の長。故にその力も一族中でも別格だ、歳には勝てなかったが』
……なんで婆さんは喜ばなかったんだ……?
『大体は予想できんだろ?……シロの中に禍津が居たからだよ』
なるほどな
それであいつは自分のせいって言ってたのか。
『シロの魂は特別だったらしく、こう言うことが起こっても不思議じゃなかった。まぁ、厄災の神じゃ家族も嫌うわなー。そう言うことでシロは家の一室で隔離されたんだ』
フランみたいだな。
『でもな、兄弟はシロをスゴく可愛がっていたよ。軽くヒクぐらいの溺愛ぶりだったよ。兄達がいない時は禍津が話し相手になっていて、寂しい思いはしてなかった。むしろ幸せだったよ』
『そんな変化もない日常に飽々してきたシロちゃんはこっそり家を脱け出して外に遊びに行ったんだよ。兄達は知っていたみたいで、裏で協力的なことしてたよ。さて、そんなことも知らずにシロは外でお散歩を楽しんでおりました。今まで外と隔離されていた彼女にとって外は初めてだらけの楽しい楽しい場所でした。』
『そんな時、彼女は出会ったのです。同年代ぐらいの少年と少女に。近くによってみると男の子がお腹を押さえて苦しがっていました。シロはその子に話を聞くと、医者でも原因がわからない腹痛でずっと耐えているとのこと。シロは何とかしてあげたいと思いました。』
『そこでシロちゃんは禍津と協力して腹痛を《痛み》と言う穢れとして吸収しました。すると少年は痛みを感じなくなりました。痛みがすっかり消えてとても嬉しそうな少年を見てシロちゃんは人助けの素晴らしさをしり、困っている人を見つけては助けるようになりました』
『しかし、ここで誤算があったのです。人助けの主な方法が穢れの吸収、それが禍津の力を増幅させる結果となってしまい、それに気付いた祖母が度々脱走しているのに気が付いてしまったのです』
『とまあ、一回ここで休憩。どうだった?今までの話は?』
……続きがあるんだよな?
『もちろん。でなきゃシロ達が封印されてるなんておかしいだろ?』
そうだよな、じゃあ続きを聞かせてくれ。
俺は一息ついて話の続きを頼んだ。
『……それじゃ、後編いくぞ』
そう言って、ヤツはクスリと笑った。
どうも、DAMUDOです。
最近疲れぎみです。
でも頑張れます。