魔物をボッコボッコにしながら、次々と戦士達が永遠停に集まってきた。
そして始まる作戦会議。
しかし、魔物もその頃……
以上
紫達が話し合っているその時、行動を起こしている存在が一つあった。
魔物
奴はただ立ち尽くしていた訳ではない。奴は先程の連続攻撃から上質の経験値を蓄積し、身心に馴染ませていのだ。
それは進化とも言える劇的な成長だった。肉体の再構築・改造が奴の体全てで行われていた。
何故そんな芸当ができるのか?そもそも、クロがこの魔物となってしまったのは何故か?
答えは力を貸した禍津モドキの能力である。
イメージ・象徴を具現する。
奴の能力を簡単に説明すると、その者がある物に対してある、固定されたイメージ、印象を具現化する能力である。
細かなところは使用者本人も完全には理解はしていない。
このままでは理解が難しいと思うので、クロに起きた現象を例として説明しよう。
まず最初に、クロが禍津モドキの力に呑み込まれたのは能力と全く関係はない。クロが処理できる量以上の穢れにより、クロの意識が呑み込まれてしまったのだ。そして、ここからが本題である。
禍津モドキの能力は意識を失ったクロからイメージを読み込んだ。それは、クロ自身が永琳を倒せる力を欲したためだ。そして、その力も禍津モドキの能力がクロのイメージから作り出すのである。
それは絶対的力を持つ超生物。つまり、常識ではありえない肉体構造をし、科学では解明できない超能力を持つ生物、神話や伝承などで登場する【魔物】と言うことだ。
クロの魔物のイメージを読み取った禍津モドキの能力はクロを魔物と呼べる姿へ変え、今の姿になった
それが、この現象の真実だ。
そして今、魔物は更なる変身を遂げる。魔物が先程までの経験により望んだ肉体のイメージを禍津モドキの能力が読み込む。
「ぐ、ぐうぅ・・・ギギギギィィィィ!!」
魔物の体は完全に黒が侵食し、人肌など一切目にすることができない外皮となる。
身体を這うように装着されている黒骨は、紫水晶のような鉱物の装飾により美しさが増され、その黒骨の顔の部分である仮面は、欠けている部分が塞がっており、額には2本のぐるりと捻れた角、口元には鋭い牙がズラリと並び、目元の穴からは、ルビーにも似た危険な紅を放つ双貌が覗いていた。
人の足ほどの獣足は、更に発達した狼を思わせる屈強な脚となった。
左腕の滑らかで細い人の腕だった物には、黒骨が鎧のように装着されており、特徴的だった異形の右腕は手が3つほどくっついた様な形になっており、5本の指ずつ三点で支えるように地面に置いている。
そして更に形を変えた。
黒骨の背骨部分から翼の骨組みが生える。空気を受けるための肉の代わりに炎にも似た不気味なオーラが翼に渦巻いていて、翼の禍々しさを引き立てていた。
腰とお尻の境から竜の様な尻尾が生える。全体を黒骨で覆われており鎧のように装着されており、尾の先には槍のような鋭い刃が付いていた。
魔物の最終形態とも言うべき姿がそこにあった。
「グルルルルル……クゥ、フシュー」
新しく進化した身体の性能を確かめるように唸り声を上げながら手を閉じたり開いたり、足踏みしたり、翼を動かしたり、尻尾を振るってみたりする。
大体の感覚を掴んだのか魔物は紅い眼を細め、首や肩を回して身体を解す。そして、面を上げると、瓦礫の隙間から数人の敵が此方を睨んでいるのがわかった。
決戦の予感を感じ、魔物は左手を握り閉める。腹の底からくる狂気にも似た高揚に身を奮わせ、幸悦な笑みを作るように仮面を鳴らした。
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「いいわね?私と霊夢が封印を積極的に行っていくから、他の人たちはそのバックアップをお願い」
「後は自由にやらせてくれるんでしょう?」
「まあ、そうね」
「作戦なんて有って無いようなものだぜ♪」
「私は傷の治療法がわかったら参戦させてもらうわ。何分辛くてねぇ」
「粗方、話はついたでしょ。じゃあ、行くわよ!」
一斉に魔物を睨み付ける霊夢達。
そこにいる魔物は、待ってましたと言わんばかりのニタァとした笑みを浮かべていた。
「なんか、さっきと見た目変わってないか?」
「そう、よね……」
「気にする必要無いわ。どうせ、倒すことには代わり無いんだから」
「だな」
「なら先鋒はもらったぜ!」
魔理沙が一人で飛び出し、魔物へと向かっていった。
「くらえ!スターダストレヴァリエ!」
星の様な煌めきを持つ十字弾が魔物に放たれた。
流星の如く向かってくる攻撃に魔物は退くこともなく、正面から突進していく。
魔物は左腕を横に伸ばすと、左腕の姿形が人の腕から刀へと変形した。
「グガァッ!!」
*ズガンッ!*
刀を力強く振るう。
すると、魔理沙の攻撃は大地ごと叩き斬られた。
「マジかよ!?」
魔理沙が驚いている一瞬のうちに、魔物の左腕は刀からランスへと形を変え、魔理沙へ突撃していた。
魔物の左腕が魔理沙の腹部貫く。その前にランスを払うように蹴りが入った。
「陰陽宝玉・撃」
霊夢は魔物のランスを払い除けるのと同時に魔物や腹部へと陰陽玉を押し込む。
つんざく様な音が鳴り、そして、
爆破する
「ギュゥアアアア!」
爆発のダメージで魔物が吹っ飛び、悲鳴をあげる。
霊夢は結界を張り、ダメージを無くして魔理沙を掴み後退した。
「おぉ霊夢、助かったぜ」
「後で、謝礼金ね」
「ふざけんな」
少し、会話したところで二人は戦いに戻った。
「こんなのはどうかしら?奥義・弾幕結界!」
紫は魔物の四方に板状に並んだ弾幕を結界に似立てたモノを出現させ、魔物の視界と進路を妨害した。
「紫、乗らしてもらうわよ!二重弾幕結界!」
さらに、霊夢も弾幕結界を囲うように展開し完全に魔物を閉じ込めた。
逃げることもできない魔物はそのまま迫りくる弾幕結界と接触。結界の中心から次々と連鎖爆破が起き、魔物にダメージを与える。
「ぐぅっ……」
炸裂する爆炎から逃げるように魔物が飛び出した。しかし、それを予想していたかのように、
「くらえぇ!!」
不死鳥のような炎の翼を生やした妹紅が、業火を纏った足で魔物の顔面へ、
*グシャッ*
蹴りを入れる。
魔物の顔面は、骨の軋めく音と共に肉塊が飛び散った。
「いッッてーー!こいつ硬すぎだろ!」
足を押さえながら、その場を後にする妹紅。
「頭蹴り潰してといて何を言ってるんだか……ッ!妹紅!後ろだ!」
「え!?」
声に反応して振り向いた時、頭部を失った魔物の左腕が触手となって延びて来ていた。
気が付いてた時にはもう遅く、触手が妹紅の足を絡めとり獲物を捕らえた。
「クソッ!離せよ!」
苛立ち気に呟き、足を発火させて触手を燃やそうと試みる。
触手は妹紅から発せられる炎に燃やされ炭となりなって、朽ちる様に崩れ落ちていった。その隙に妹紅が距離をとる。
「っぐ!?」
しかし、すぐさま何かに足を再度捕らえられた。
妹紅の足を捕らえていたのは、魔物に装着されているゴムのように伸びた黒骨だった。
「ちくしょうッ!!」
また燃やして逃れようとするが、先程の触手と違い、妹紅の炎ではびくともしなかった。
「お、おい!誰か助け…なッ!?」
助けを求めようと、周りを見渡すと驚きの光景が広がっていた。
「く、来るなぁ!!」
「鈴仙!落ち着きなさい!」
鈴仙と輝夜が戦っているのは、自分が蹴り飛ばした魔物の頭。
鬼の形相と2本の角が生えている仮面着けた頭が、空中に浮きながら口から光線や光弾を放ち、二人を追い詰めていた。
鈴仙は宙を舞いながら迫りくる生首によって、少しの錯乱状態になってしまっており、輝夜がそれをカバーしながら魔物の生首の攻撃を防いでいた。
また別の場所では、あの大きな気味の悪い腕が蛭にも蛇にも似て異なる動きで、霊夢、紫、萃香の3人を襲っていた。
何時の間に胴体から外れていたのかは定かでない。今は自我を持っているのか、手のひらにできた眼と口が動き、獲物を補食しようとしている。
「この、気持ち……悪いんだよぉ!!」
萃香が異形の腕を足止め?しようと地面に拳をぶつけて砕く。萃香から波のように地面が割れ、岩が突き出たりし、段々と異形の腕に迫っていく。しかし、異形の腕は体の上半身を上げて地面にぶつける。その勢いを利用し、そのまま……
「ひ、ヒィィィッッ!」
空に跳んだ。
グロテスクな生物が自分がいる上空を跳んでいる光景に、萃香が小さな悲鳴をあげてすくんでしまった。
異形の腕は、その絶好のタイミングで萃香に狙いを定めた。
放物線を描くように上に上がれば、そのまま下に落ちるのは必然。異形の腕は顔面?手のひら?から萃香目掛けて落ちていく。更に、切りもみを加え、十五本の指にある爪を刺々しくして殺傷能力をあげた。
*グッシャーンッ!*
地面に異形の腕が突き刺さった。
異形の腕は魚のように尻尾?をブンブン振って、自分の下に力を加えていく。その度に、異形の腕の指が刺さっている部分がグシャッグシャッと形を変えていく。
「うわー、あんなのもらったら無事じゃ済まないわねー」
霊夢が少し離れた所から見物して、他人事の様に一言呟く。
「確かに。あれは鬼でも無事じゃなかったわね」
その隣で同じように見物を決め込む紫。
「ホントだねぇ。紫、ありがとう」
なんとそこには、紫のスキマから上半身を出して、あのままだったら自分の身に降りかかっていたであろう光景を想像し、青い顔で礼を述べる萃香の姿があった。
「本当に助かったよ。紫がスキマで助けてくれなけりゃ、私は今頃あれの下でぺしゃんこにされてたんだからね」
「いいのよ。萃香のお陰で安全な位置まで逃げられたんだもの」
「はいはい、無駄話は後にして。今はあれをどう倒すか考えるのよ」
霊夢は二人に促すように言った。
霊夢が示すそれは、今動きを止めて起き上がっていた。自分がいた場所に肉片どころか、血の一滴も無いことを不思議に頭を傾げる。
「アホのようだけど、バカじゃないわね」
と、紫が呟いた後、異形の腕は霊夢達の存在に気付き、再度滑るように突撃してきた。
あの三人にも援護を頼めないと判断していた妹紅は更に別の場所を見る。
「が、頑張れー!!」
「無理はするなよ!」
そこには慧音とてゐが永琳を護るように運びながら、進行方向とは逆の方に激を飛ばし、光弾を放っていた。
その先では、首と右腕を欠損している魔物の胴体が、尻尾と左腕を使い、魔理沙と交戦していた。
「クソッ!不死身ってのは伊達じゃないな。なら、これでもくらえ!」
魔理沙は懐から魔法筒(爆薬)を取り出した。
「てゐ!慧音!これに……当てろ!」
魔理沙は魔法筒を魔物の胴体へ投げる。同時に魔物の右腕が鞭となり、魔理沙を叩き落とした。
「ヘヘッ、痛いぜ」
吹き飛ばされながらも一言呟く。
さっきまで魔理沙がいた場所から弾幕が魔物の胴体へと向かっていた。
幾つかは、そのまま当たりダメージを与える。そして、残りの弾は筒に当たりそして……
「お返し、ボカンだぜ」
*スガガガガーン*
弾に当たった筒は爆発をお越し、魔物の胴体を焼き、吹き飛ばされ地面へと倒れ込む。
しかし、すぐにゆっくりと立ち上がってきた。
「ホント、しぶといぜ。あ、慧音、てゐ、サンキュー」
箒を持って立ち上がった魔理沙が慧音達に手を振る。
慧音達にも援護は頼めなかった。
(ん?待てよ。何で胴体が彼処にあるんだ?)
ふと頭をよぎった疑問の答えを求めて、妹紅は首を動かす。が、その前に足に強い力が込められ引っ張られる。
(しまった!油断した!)
疑問の方に意識を集中してしまっていたため、急に加えられた力に抗えなかった。
そのまま、妹紅は地面へと叩き付けられる。
「ッかはぁ!」
衝撃で肺から空気が全て出されてしまったような感覚に襲われ、意識が一瞬霞む。
その瞬間、腹部に激痛が走る。体を異物が突き抜けているこの感覚に、何回味わっても慣れるものではない、と思いながらも、その感覚により意識がはっきりした。
妹紅の視界にはっきりと映っていたモノは、
「これも、動くのかよ」
頭部を失った黒骨だった。
紫水晶により装飾されて美しくもあり、妹紅の血で染色され不気味さを醸し出す黒骨に、妹紅は心底嫌そうな声で呟いた。
この場所に今、魔物が4体に分裂したと言っても良い状況が作り出された。
更新が遅いDAMUDOです。
素晴らしく眠い。
書いてて思ったけど、魔物がジオングみたいだwww