とばされて☆幻想郷   作:DAMUDO

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あらすじ

魔物は恐ろしく強かった。

霊夢達はそれぞれ手分けして魔物の体のパーツと戦うことにするが……



策と案

炎が所々で燃え上がっている竹林の空を舞う、赤い影と黒い影。

 

「うぉおおおおお、うらぁ!」

 

赤い影──藤原妹紅は、黒い影──魔物から分離した黒骨に向かい鋭い蹴りを放つ。

 

*ガッ*

 

しかし、妹紅の蹴りは片手で防がれる。

 

「くそッ!」

 

すぐさま拳を作り炎を灯して殴り掛かる。右左、たまにフェイントや蹴りを加えて怒濤のラッシュを浴びせる。

それさえも的確に防がれていく。次第に妹紅も苛立ちを覚えてしまう。

頭がない骨の化け物には妹紅の攻撃を確認する手段がないと言うのに次々と防がれてしまうと言う事実が妹紅を余計に苛立たせる。

 

「ッ!このッ!」

 

苛立ちが限界に達した妹紅はつい大振りに拳を振るう。

 

「ッィ!」

 

それも避けられる。それだけでは終わらず、黒骨は妹紅に密着するまで迫った。

頭部のない黒骨が目の前に迫ったことにより、妹紅は少し驚き身が強張った。

 

*グシュゥ*

「んぐぅッ!」

 

その一瞬に妹紅の体に痛みが走る。

痛みの発生源を見ると、黒骨の化け物の肋骨の形が変形し、妹紅の体に突き刺さっていた。

黒骨は更に右手を降り下ろし爪で攻撃する。妹紅もそれを片手で受け止める。同時に片足を黒骨との間に入れ、蹴り飛ばす。

 

「うっくぅ……ッ!」

 

黒骨は吹き飛ばされ、妹紅の体に刺さっていた黒骨が抜ける。そうして出来た傷口から血が流れ出る。

 

「チッ、やっぱりか」

 

案の定、永琳にも見られた黒い膜が傷口に張られ、傷の再生を邪魔していた。

永琳の話によると、この黒い膜は魔物の物理攻撃で受けた傷に張られ、傷の再生を止める効果があると言う。傷口が再生しないということは、傷が塞がらず出血し続けると言うことだ。不老不死であっても体力は無尽蔵ではない。出血し続ければ体力を失っていき、最終的には動けなくなる。

それだけは不味い。

 

*カタカタ*

「ッ!」

 

骨の鳴る音。その音に気付くと、視界に黒骨が翼を羽ばたかせ近付いてきた。

 

「ああもう、しつッこい!」

 

妹紅も不死鳥の翼をはためかせる。すると、妹紅の周りに火の粉と燃え盛る羽根が舞う。

 

「くらえッ!」

 

妹紅が声に乗せて拳を突き出すと、周りで舞っていた炎の羽根が火の粉を引き連れ、黒骨に放たれた。

神風の矢の如き、速さで獲物全身に突き刺さる。羽根は赤い光を放ち、そして標的を紅蓮の炎の中へと包み込んだ。

妹紅の視界に映る火だるま。炎に包まれればどんな生物だろうと、その炎で焼き尽くされてしまう。

しかし、奴は死ななかった。

 

炎に包まれたまま妹紅へ攻撃を仕掛ける。

 

「ッ!?効果なしか……ッ!」

 

妹紅は一旦その場から逃げるように離れた。その後を燃えながら追い掛けてくる黒骨。

風を切りながら飛んでいるため、燃え盛る炎も黒骨の体から消えていく。

現れたその体には傷の一つもみられなかった。

 

「アイツ、炎が全く効かないなぁ。ならッ!」

 

スピードを上げて、地上で走り回っている慧音達の元へ向かう。

そこでは、魔理沙が慧音とてゐの援護を受けながら、幾つかのパーツが欠けている魔物の体と戦っていた。

それを確認した妹紅は炎の翼を羽ばたき、炎を纏うと更にスピードを上げる。

 

「魔理沙ぁ!どけぇ!」

「ッ!妹紅か!わかったぜ!」

 

魔理沙は妹紅の言葉でその場から離れる。その時に魔物に向かって無作為に作った弾幕を放ち、足止めをする。そこへ、

 

「うぉおおおおおおおおおおお!!」

 

炎に包まれた妹紅が弾丸の如く、魔物にぶち当たった。

 

グシャッと言う音と共に魔物の巨体は地面に弾みながら吹き飛んでいった。

 

「た、助かったぜ妹紅」

「礼はいいから、アイツの相手を頼めるか?」

 

妹紅が指差す先にいるのは、紫色のオーラが纏っている翼を使い、此方に向かって来ている黒骨だった。

 

「了解だぜ!」

「物理攻撃で攻めろ。私の炎が全く効かなかったから、そう言った攻撃じゃダメージはないと思うからな」

 

妹紅の言葉を聞いて魔理沙は頷き、黒骨の元へと向かった。

 

「さて、おーーい!慧音!永琳!」

 

近くにいる慧音達の傍にいく。

慧音とてゐは呼吸を整えようと座って休憩していた。

 

「どうしたの妹紅?」

 

慧音が落ち着いて話せる状況ではないと判断した永琳が口を開く。

 

「ちょっとした提案なんだが。聞いてくれるか?」

「……聞かせてちょうだい」

「ああ、ちょっと見てくれ」

 

そう言って妹紅が視線を動かすように促す。永琳はその方向に視線を向け、後に続くように慧音とてゐもそっちを見る。そこに見えるのは、

 

「がぁああああッ!」

「きゃああああああ!火ィ吹いたぁああ!」

「ちょっと鈴仙ッ!逃げてばっかじゃないの!」

 

魔物の【頭】と戦っている鈴仙と輝夜。

 

「夢想ふぅッ、キャアッ!」

「しまった!萃香、霊夢回収してくるから化け物をお願い!」

「うッ、マジかぁ……ああもうっ、ミッシングパワー!からの、萃香パーンチ!」

「ギィイイイイイイイ!!」

 

魔物の【右腕】と戦っている霊夢、紫、萃香。

 

「うわっ!なんだよこいつ!硬いのに速いとかズルいだろ!」

「カタカタカタカタ」

 

魔物の【外骨】と戦っている魔理沙。

 

「改めて確認すると、この生物の能力がデタラメに強いって実感するわね」

「そうなんだよ。でも対策がない訳じゃない」

「何か思い付いたの?」

「作戦って言うほどのモノじゃ無いけどな。あと、これの治療法も考えついた」

 

そう言って、妹紅は体にできている傷口を見せる。そこには黒い膜が張り付いている。

これが永琳、妹紅達蓬莱人の再生とも言える回復能力を無効化している。

傷が塞がなければ、血は止めどなく溢れ、体力が削られる。それは、不老不死とて同じ。

こんな症状など見たことも聞いたこともない永琳は自分の傷を見て観察し、対策を見つけようとしていたが、なにも思い付かず、天才と呼ばれた自分に皮肉めいたことを思っていたのだ。

 

「どうするの?」

「こう……するんだよ!」

 

自分の手に炎を灯し、躊躇するように自分の傷口を見詰める。

そして、目を見開き、一気に自分の手を傷口に突っ込む。

 

*ジュゥゥァァ*

「ッッッッ!!くぅッッ!」

 

傷口から響く肉の焼ける音。

妹紅の策とは、自分の傷口に張り付いてる黒い膜ごと焼き落とすと言うものだった。

そんな狂気染みた行動に慧音とてゐは目を背ける。が、永琳だけは妹紅の姿をしっかりと見詰めていた。

妹紅は黒い膜を完全に落とすと、手を傷口から放す。すると、傷口に炎が灯り包み込んでいく。

炎が消え、そこに残ったのは……綺麗に再生され、少しの傷痕も見られない肌だった。

 

「ハァ…ハァ…どうだ?いい方法だろ?」

 

妹紅は永琳にそう呟き、ふっと笑って見せた。

釣られるように永琳も笑い、自分の矢に手を取って見せた。

 

「・・・ふんッ!」

 

それを傷口に刺し込み、グリグリと傷口に沿うように削るように抉る。

 

「ッ────!」

 

走る激痛に苦悶の表情を浮かべる。そして、頃合いになると矢を抜く。すると、傷口はみるみると塞がっていく。

その現象を確認した永琳はニッと口の端を上げ、妹紅に

 

「貴女、天才ね」

 

と称賛の言葉を掛けた。

 

その後、二人は残り傷口にも手を施し、見事完治した。その光景を間近で繰り広げられていた慧音とてゐは若干グロッキーな顔をしていた。

 

「で、貴女が言ってた対策って?あれ、倒せるのかしら?」

「たぶんな。対策って言うほど完全な作戦じゃないし」

「さっきの自信はどこに行ってしまったの?まあいいわ。作戦の内容を教えてちょうだい?」

 

そう言われると妹紅は、永琳に向けていた体を皆が戦っている方に向き直し、話し始めた。

 

「あの化け物……ただ吼えてるだけの獣に近いモノだと私は思ってた。だから、考えなしに攻撃していけば良いとか思ってたんだ。でも、違った。アイツにも知識があった。獣なんかじゃ辿り着けない考えへと行ける頭を持ってた。よくよく考えれば当たり前だよなぁ?永琳、あんた言ったような、あれは元々人間だったって」

「・・・つまり、こう言うこと?あの化け物は私達の戦闘手段を把握して、それぞれ対抗策を持った部分に戦わせてるってことかしら?」

「御名答」

「なるほどね。確かにそうだわ。私も彼があの姿になってから別の生物と認識していたわ。辺りを見回し、臭いを嗅いで周りを確認するどうさで、無意識に獣のようなモノと思っていたのが間違いだったわねぇ」

「それを踏まえて私の話を聞いてほしい」

「ええ、わかった」

「よし!私の考えた作戦ってのは、此方も相性が良さそうな獲物に取っ替えようって作戦だ」

「なるほど。対抗策を建てられている敵をぶつけてくるなら、此方も同じ様に相性のいい人をぶつけようってことね。となると、問題はどれに誰をぶつけるかね……」

「それをあんたに頼みたい、永琳。やってくれるか?」

「頼まれる必要のないぐらい簡単な仕事ね。任せてちょうだい」

 

その言葉を聞き、妹紅は笑う。

妹紅は自分が得ている限りの情報を永琳に伝える。慧音とてゐも微力ではあるが協力した。そして、

 

「決まったわ!」

 

自信に満溢れた顔で立ち上がる永琳。

すぐさま周りに指示を飛ばす。

 

「妹紅!貴女は今すぐあの【腕】の相手をして!そしたら、あの子、確か萃香?彼女に【骨】の破壊に向かって貰って!」

「了解!」

 

指示を聞くなり、妹紅は急いで霊夢達が戦っている【腕】の元へ向かった。

その姿を静かに見守っている永琳に慧音が声をかけてきた。

 

「わ、私達はどうすればいい!?」

 

自分達のできることが分からない、と言った風な顔で指示を急かされる。

何もしないと言うのは辛い、彼女の心情はだいたいそんな感じだろう。

 

「大丈夫よ。貴女とてゐには此処にいてもらうから。正確には私の後ろを見守っていて欲しいの」

「どういうことだ?」

「え!?私も手伝う!?もういいじゃん、疲れた~!」

「五月蝿いわよてゐ。元は貴女が考えたイタズラが原因なのよ?」

 

永琳の言葉にてゐは言葉を詰まらせる。

永琳は構わず続ける。

 

「慧音、貴女は私達の後ろに何がいるか分かってる?」

「私達の、後ろ」

 

言葉の意味を理解しようと後ろに振り向くと、折れた大量竹が一本道の様に一直線に残骸の山となっている。まるで、此処に何か大きなモノが突っ込んでいったような、

 

「ッ!!そうか、アレの【胴体】か!」

「そうよ。貴女には此処で【胴体】が来ないか監視していてほしいの。ここが戦場を見渡せる絶好のポイントなのよ」

「なるほど、わかった」

 

慧音は体をしっかりと起こして竹の残骸の道に睨むように立った。

 

「ここの死守は任せて貰おう。番人は得意なんだ!」

 

永琳は勇ましい慧音の姿を横目で見ると、視線を前に戻して、フッと笑った。

 

「てゐ。逃げずに慧音を手伝うのよ?」

「はいッ!」

 

その場から少し離れた場所で返事をするてゐ。逃げる気だったようだ。

 

「さあ、反撃の狼煙が今上がったわよ!」

 

永琳はこれから動かす戦況に身震いし、高らかに叫んだ。

それは、永琳にとって永らく忘れていた感覚のようだった。

 

────────────────────────

 

「フジヤマヴォルケイノぉ!」

 

妹紅の獣のような声が聞こえるのと同時に【腕】が火柱に呑み込まれた。

 

「お前ら作戦だ!萃香、魔理沙と戦っている【骨】を急いで叩き割ってくれ!」

「お、おう!わかった!」

 

突然の出来事に戸惑う萃香だが、すぐに言葉に意味は理解し、魔理沙の元へ飛んでいった。

そこで妹紅は気付いた。この後はどうすればいい?、と。

 

「永琳!こっからどうする!?」

「そこの三人で何とかしてちょーだい!」

「マジか!」

 

妹紅は深い溜め息を吐きながらも構える。

 

「まあ、まだ火が効くだけいいか」

「私達は休んじゃダメかしら?」

「ダメに決まってんだろ!」

*ユラリ*

 

火柱の火が揺れた。すると突然、火柱から【腕】が飛び出してきた。

 

*キシャアアアアアアアアアアッ!!*

「うおっ来た!」

 

───────────────────────────────

 

「魔理沙!助けに来たぞ!」

「おお萃香!悪い、助かるぜ!」

 

私が魔理沙の横に寄ると、目の前に此方を紅い眼光で睨みつけてくる、魔物の外骨──【骨】。

その眼光からは殺意という殺意が自分達に向けられているのが嫌でも感じられた。私が何か恨まれるようなことでもしたか?と罪悪感が込み上げてくるのが頭にくる。まあ実際、霊夢やクロに聞いたら鬼の形相で「金返せ!」って言われかねないけどね、ハッハー☆

横目で魔理沙を見てみる。近くで見たらわかるけど、身体中傷だらけだった。魔理沙ほどの実力者にこれほどの手傷を

負わせるなんて。しかも、相手の体は無傷。笑えないね。

きっと魔理沙みたいな特殊攻撃を得意としたタイプじゃ勝てない。私──鬼のように腕っぷしの力が強い者。それこそ、金剛石さえも砕く腕力を持たないような奴には、

 

「あいつは砕けないってことか」

 

だから私がこいつと戦うのがいい。

萃香は腕を鳴らし、首を回す。ついでに肩も回し、準備万端だ。

どんな細工があって弾幕に対して絶対的に無敵なのか知らないが、私が意地でも砕く!それが、今回の私の役目。

 

「萃香、気を付けろ。あいつ、飛んできた頭がくっついたら急に動きが良くなったんだ。私の動きも手に取るようにわかってんのか、ずっと狙いが良かったんだ」

「ふ~ん、ま、何にしろ私が殺ってやるから、魔理沙は全力でアイツの注意をそらしてくれ。私を巻き込んだもんでもいいから」

「大丈夫か!?」

「大丈夫だよ。決着は一瞬だ」

 

しかし、頭が飛んできたって何なんだろ?前にクロが話してた、外の世界のヒーローみたいだな。なんだっけ?アンパンとかなんとか。

 

「って今は関係ないじゃん。まあ、緊張は解れたからいいか」

 

萃香はスゥーと息を吸い込み、そしてゆっくり吐く。その呼吸に合わせて萃香の筋肉が脈を打つように動く。

 

「魔理沙、何時でもいっていいよ」

 

準備が整ったと合図を送る。

 

「んじゃ、お構い無く……行くぜぇ!!」

 

合図を確認すると、魔理沙は早速箒を走らせる。相変わらず速いな。

魔理沙は進行方向を上へと変え、高度をぐんぐん上昇させる。

そして、懐から片手一杯に何か取り出し、【骨】の上からばら蒔く。

上空でばら蒔かれたのは魔理沙特製の爆薬入りの小筒。小筒は重力に引かれ、そのまま地面へと向かっていく。その道の途中にあるのは【骨】。

魔理沙は筒が落ちるスピードより速く【骨】へと向かった。

頭上から一直線に向かってくる魔理沙を確認した【骨】は、翼をばっと広げる。すると、翼の所々で魔法陣が浮き出てきた。

魔法陣はエネルギーを溜め、魔理沙に狙いを定める。次第にエネルギーが溜まっていき、今まさに発射されるその直前、魔理沙が【骨】の目の前を横切った。横というよりは縱であるが、猛スピードで迫っていた魔理沙が何もせず自分の近くを通り過ぎただけだった。

 

そんな訳がない。

 

【骨】は急いで魔理沙が進んだ方向に視線を落とす。すると、

 

「頭上注意だぜ~☆」

 

八卦炉をエネルギーが溜めきった状態で此方に向けていた。

恐らく、萃香の側から離れた時から充電していたのだろう。

あの攻撃が放たれる前に攻撃を当てるつもりなのか、【骨】は翼の向きを変えて攻撃をはな…

*ドガガンッ!*

突然、【骨】の翼の後方から爆発が起こった。

魔理沙の蒔いた爆薬筒が翼にぶつかった衝撃で爆発したのだ。

その爆発によるダメージは無いが注意をそらすのには充分だった。

 

「くらえぇ!」

 

爆発により集中がそれた【骨】はその一瞬で決定的なタイミングを逃し、

 

「マスターーー……」

 

逆に、超火力の一撃を受けることとなった。

 

「スパアアアアアアアアアアアアアアアクぅ!!」

 

メタリックブラックと紫水晶で彩られた【骨】は、眩い閃光の白に包まれた。

光の柱が小さな黒点を呑み込む様に宇宙(そら)に続くそれは、天を穿つ槍の如しだった。

光は次第に力強さ失っていき、細く弱々しくその輝きが無くなっていき。

すると、その中にあった固体が変わらぬ姿で浮いている。

無気力を漂わせるその姿とは裏腹に、その眼光はどす黒い憎しみ、憎悪が嫌と言うほど滲み出しており、真下にいる魔理沙に純粋に向けられていた。

魔理沙もその一触即発の空気に恐怖し冷や汗が流れているのを感じた。

そんな状況を爆発の如く打ち破ったのは一つの小さな影。

 

「魔理沙、お疲れ」

 

【骨】は完全に出遅れた。魔理沙にばかり集中し、敵意、神経全てを彼女への殺戮衝動の糧としようとしていたのだから。故に、萃香の存在を忘れ、今、必中となった一撃をその身に受ける。

しかしそれは、この攻撃さえ耐えれば全身全霊を持って反撃を与えることができるということ。

 

「これで終わりだよ」

 

その一言は偶然にも、その思考を否定する答えだった。

 

萃香は重く深い呼吸に合わせるように腕を引き、引き絞られた腕を放ち、拳が触れた部分から破壊をもたらした。

【骨】は何が起こったのか分からないと言った様な光を目に宿す。

そうしてる間にも砕かれた体はバラバラと小さな破片となって飛び散った。

 

紅い眼光が消えた。

 

地面へと落ちていく残骸に吐き捨てる様に萃香が口を開く。

 

「この攻撃はなんの技でも無いんだよ。ただ、筋肉の動かしかたと呼吸法に細工があるだけ。これを教えてくれた友人が言ってたよ。この状態で殴ればどんな物でも大抵は壊れる。硬さなんて関係ない。って。昔に体験した力自慢の友人との思い出だよ」

 

萃香が何を思って口走ったのかは誰も知らない。ただ何となく本人が伝えたかった、ただ目立ちたかった、ただ鬱憤を晴らしたかった。

 

それが鬼たる者。

 

 

 




どうもDAMUDOです。
明けましておめでとうございます。今年もお付き合い願います。

私お正月は忙しくて、なかなかこっちに時間を回すことが出来なかったんですけど、楽しかったですよ。ああいう、まったり?した時間も必要ですよね~。

ストーリーは書いていくうちに考えつくもの。故に、強引に豪快に。
つまり、なるようになる。

それではこの辺で。また会う日まで、お疲れ様でした!
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