とばされて☆幻想郷   作:DAMUDO

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あらすじ

おや?……【魔物】の様子が……。

テレテレーン♪
デンデンデンデンデンデンデンデーン♪
デンデンデンデンデンデンデンデーン♪
デンデンデンデンデンデンデンデーン♪
テーテーテー、テッテテテレテー♪

おめでとう!【魔物】は【竜】に進化したよ!

以上


天使の出撃/竜の覇戦

月が満ちるはずの満月の夜。

それは幻想郷にとって、重要な日である。

ある者は月を眺め、愛で、肴とし酒を飲む。またある者は、満月の月光に癒しを求める。またある者は、ただ満月が好きで見ていたい。たぶん、恋人同士はロマンティックを満喫しているだろうが、そんな奴等なんか知らん。

兎に角、幻想郷では満月の夜が年中行事に匹敵するほど重要なことだと言うことだ。

 

しかしこの日、空に満月が浮かんではいなかった。

 

それに気付いた数多くの者達は直ぐ様、その異常事態に気が付いた。

 

『異変だ』

 

異変に気付いた者達の中で逸速く行動を起こした数名が手を尽くし、異変解決に専念した。

行動を開始した者の内の一人。八雲紫は特殊な術で夜を止め、月が沈まない様にし、博麗霊夢と共に誰よりも早く異変解決を開始した。

遅れて。霧雨魔理沙はアリス・マーガトロイドを誘い、異変解決に向かった。動機は『面白そうだぜ♪』だそうだ。

更に遅れて。伊吹萃香は異変に気付いた。友人との飲み会に遅れて、急いで向かっていたら、月が一定の位置から動いていないことに気付いたからだ。萃香はそのまま友人──黒影クロと共に異変解決へ向かった。

 

それぞれ、異変解決の為に尽力を尽くしていた。

 

暫くして、異変の犯人の一人、八意永琳と黒影クロの戦闘が始まった。

そこで事件が起きた。

自分の身体能力と頭脳をフルに活用し【禍津の能力】と自分ができる最大限の力で戦ったが、永琳の一撃と麻酔薬により深い眠りに堕ちてしまう。

自分の麻酔薬を投与された者は、暫く目覚めることはない。と確信していた永琳は、勝負は決着したものとばかり思っていた。実際はそうである。だが、この時だけは思い通りに行かなかった。

突如、クロの体を闇が覆った。まるで生物の卵の様な闇の中から現れたのは、

 

『化け物』

 

異形の化け物としか言い様のない生物だった。

魔物、怪物、妖怪、人とは、近くて遠い存在。全てが規格外で謎。唯一分かることはあの化け物が元々【黒影クロ】だったであろう事のみ。

 

化け物は強かった。

永琳一人では歯が立たず、その後にその場へ集った者達。博麗霊夢、霧雨魔理沙、八雲紫、伊吹萃香、鈴仙・優曇華院・イナバ、因幡てゐ、藤原妹紅、上白沢慧音。

彼女等もまた、化け物の力の前に苦戦を余儀無くされた。

 

彼女等は力を合わせ、なんとか撃破に成功した。様に思われた。

突如現れた、幾何学的模様が刻みこまれている卵から生まれた化け物の更なる形態、

 

【竜】

 

攻守、攻撃範囲、スピード、全てにおいて【魔物】を凌ぐ強さを持ち、現在その力を用いて暴れている。

 

 

─────────────────────────

 

「以上が、現在幻想郷で起きている異常事態です。いかがなさいますか、マナ様」

 

アンティークの小物が置いてある部屋で宙に浮く不思議な紙を見詰めながら話していた少女が『マナ様』と呼ばれる女性に伺った。

『マナ様』は少女の方を向くと、ビシッと指を指して吠える。

 

「どうするも何も、助けに行くに決まってるでしょ!エクレールちゃん、後はお願い!」

「・・・マナ様、平気で規則違反を宣言し、自分の部下にその事実の隠蔽を頼むなど、『大天使』の名が泣きますよ?」

 

そう言いながらもエクレールは1枚の紙を懐から取り出し、呆れ顔で『マナ様』へそれを渡す。

 

「ありがとう~♪もうっ大好きよ!エクちゃっん♪」

 

『マナ様』はその紙を素早くもぎ取るとそばにある窓を開けた。

窓から見える景色。下に見えるのは白い石材で造られた家が並ぶ町。更に向こう側には青い空と白い雲が一面を覆っており、大きな太陽が町を照らす。

 

【天空都市】

 

ここは善良なる魂の管理人、天使達がくらす都。

決して人間達が見つけることのできない聖域。

 

「クロくん!待っててねー!今からお母さんが久しぶりに、息子のために頑張っちゃうから♪」

 

『マナ様』は窓から飛び降りると六枚の純白の翼を背中から生やし、頭に神々しい光輪を浮かべ目的地へと羽ばたいて行った。

 

「久しぶりに真那って名乗るわよぉーーー!あはは~~~ッ!」

 

主が旅立ち機能を失ったかと思ってしまうほど静かな部屋でエクレールは一人、窓から主が飛んでいった方を見つめていた。

 

「はぁ、まったく。人に無断外出を秘密にしとけって言っておいて、あんな大声だして出掛けますかね普通?」

 

もう一度タメ息をつくとドアを開け部屋から出ていった。

誰もいない部屋には窓から流れ込む風が悪戯に吹き抜けるだけ。

 

 

────────────────────────────

 

 

『マナ様』──黒影真那は都から幻想郷へ向かっている時、あることに気付く。

 

「そう言えば、彼処は珍しい結界が張ってあったわよねぇ……どうしよう?」

 

空を流れるように飛びながら彼女は頭を傾げる。

そして何かを思い付いたように手を叩く。

 

「そう言えば前に一回だけ、意識だけすり抜けることが出来たわね♪今回もそれでいこう!」

 

真那は満足した顔になると、翼に神々しい光が集まる。どんどん翼に集まる光の量が増えていき、真那はそれを全て……炸裂させた。

 

*バシィィィィン!*

 

甲高い音と共に翼に集まっていた光の粒子はその場に置いてかれ、真那自身は遥か先へと凄まじい速度で進んでいった。

 

「イィィィィィヤッホホホォォォォ!!」

 

それにしてもこの母、ノリノリである。

 

 

───────────────────────────────

 

迷いの竹林・永遠停前

 

様々なクレータがあちらこちらに作られ、最初の美しかった迷いの竹林の姿を忘れてしまいそうな景色。

夜の闇を月明かりで照らされている竹林で彼女等は戦っていた。

 

「くらえぇ!!ブレイジングスター!」

 

魔理沙は自分の箒に八卦炉を取り付ける。すると八卦炉から光の柱が放たれブースターとなり速度を上がる。

目標は空に悠々と浮かんで自分達に鱗型弾の弾幕で攻撃しかけてくる【竜】。

轟音と共にスピードを上げていく箒は、レーザーと星型弾を放出しながら【竜】に突撃した。

【竜】は魔理沙以外全員によって作られた弾幕に注意が向いているのか、この轟音にも気づかない。

 

*ガァッンッ!*

 

トラックが建物に思いっきりぶつかった様な鈍い音が響く。

跳ねられた【竜】は体勢を立て直すには無理そうな勢いで宙を舞う。

 

「まだまだぁ!」

 

【竜】が飛んでいく進行方向から先回りしていた魔理沙が追撃へと転ずる。

 

*ガァッンッ!*

 

2度目の激突。

衝突の勢いで【竜】は地面を掻き分ける様に地中に埋まっていく。

魔理沙はそのまま【竜】の埋まった場所近くまで移動すると、箒を両手で握り、

 

「ラストぉぉ!!」

 

箒の持ち手の先を上へと向け、全体重を箒にかける。すると必然的に噴射口(八卦炉)は地面に向かう。

 

レーザーと星形弾が大地を穿つ。

 

箒は今にも爆発しそうなほどガタガタと震えながらその場にとどまる。その間にも八卦炉からはきらびやかな光が放たれ続ける。

 

「くぅッ……」

 

八卦炉から放たれているレーザーは光を失っていき消えていく。光の後にはぽっかりと大穴が空いていた。

攻撃時間が終わった。

 

『・・・』

 

一連の流れを目の当たりにしていた一同も事の状況を確認するように先程作られた大穴を見つめる。

 

「ハァ…ハァ…ハァ…」

 

先程の攻撃(ブレイジングスター)に体力を消耗したのか肩で息をする魔理沙。

皆を代表するように箒に乗って上から大穴を覗きこむ。

 

「ッ!?」

 

魔理沙が大穴の底で見たのは、耐水性の物に弾かれた水滴の様な形をした白い物体。

【竜】の外皮。おそらく翼の部分を変えて身を包める様にしたのだろう。

それでもあの攻撃をもろに浴びて傷一つ無いのはおかしい。

驚く魔理沙は更に何かを見つけた。

 

白い物体の中心にある何かわからない顔。まるで魔獣でも象ったような……

なんの顔かわからない。けれど魔理沙にはその顔を知っていた。

 

「皆ぁ!!離れろ!!」

 

魔理沙は叫び、急いで離れる。他の皆も魔理沙の切羽詰まった雰囲気を感じとり、同じように離れた。

しかし、十分な時間も経たずに魔獣の口から超火力を圧縮した球が吐き出された。

 

──竜召「暴食竜の復讐(ごごにじゅうご)」──

 

放たれた球は大穴から出て少しした所で光と共に爆発した。

 

 

 

爆炎

 

爆風

 

 

攻撃を吸収し、一発の球に圧縮して放った攻撃。元々はクロのスペルカードだ。

長く放たれ続けたブレイジングスターを吸収し一発の球にしたのだ。威力は絶大である。

 

周りの物は吹き飛ばされた。

竹林の残骸、瓦礫の山、そして永遠停も。

周りの物は焼き焦げた。

炎が所々で燃え上がる。抉れ、草木が見えない大地。

空から見れば、竹林の一部に茶色い大きなクレーターを確認することができるだろう。

 

*ボコッ*

 

一帯が土だけの淋しい大地の一ヵ所で土が盛り上がる。

山なりになった土の中から手が一本生える。それを追うように手から先の部分が土の中から這い出てくる。

 

【竜】

 

傷がない代わりに泥だらけになっている体を震わせ土を落とすと、爆発の跡地を周りに警戒しながら歩き回る。

悠然と歩く【竜】。その体には傷一つ付いておらず、翼の部分がかなり汚れているだけである。

あの爆発を防ぐ程の防御力を持つ外皮だ。並みの攻撃ではダメージを与えることは困難であろう。だが、内側の部分とは防御力が違うようだ。その証拠に右の太股と左胸部に筋肉が見えるまでに抉れている傷口が確認できるからだ。

魔理沙の渾身の一撃は確実にダメージを与えることはできたのだ。

その後も【竜】は敵が居ないのかを確認し続ける。動いていると傷口から血が吹き出たりすることがあるが気に留めない。【魔物】の時の様な再生力はないようだ。それを捨てての防御力なのだろう。

 

*ズガンッ*

「ッ!?」

 

地面から飛び出す人影。身体中に炎を灯しながら、炎の翼を羽ばたかせて殴り掛かる

 

*バシィッ*

「ギャアアアアアアァァッ!!」

 

炎が纏う人影──妹紅の拳が【竜】の胸の傷口を捉えた。

【竜】は後方に吹っ飛ぶ。その間も傷口を焼かれると言う激痛に悲鳴を上げる。

 

「まだまだぁ!」

 

妹紅の服装はボロボロで隙間からは再生した肉体が覗く。

再生に消耗したなけなしの体力で【竜】に殴り掛かる。

妹紅が近付く頃にはもう【竜】も立ち上がっている。【竜】は憤怒に燃えた眼で妹紅を捉えると、一気に近付く。先に刃の付いた尻尾を妹紅の顔面に向かって振るう。

腕よりリーチのある尻尾の攻撃を予想していなかった妹紅は咄嗟に両腕を顔の所まで上げてガードする。

 

*グシャァ*

 

尻尾の刃が妹紅の両腕を貫く。代わりに顔には当たらなかった。が、

 

「グォオオオオオオオ!」

 

咆哮。

【竜】は下がる様に力強く体を捻る。すると尻尾は妹紅の両腕から抜ける。と思った瞬間、刃に返しが形成され妹紅の腕を反対側から引っ掛けて引っ張る。

弧を描くように宙を舞い、地面に叩き付けられる。

 

「グハァッ!」

 

両腕を封じられ、ろくな受け身もとれない妹紅は背中からもろに衝撃を受ける。

肺から酸素が無くなってしまった様な感覚に気分が悪くなる。

そんなことなどお構い無しに【竜】は尻尾の返しを無くし引き抜く。

腕から鮮血が飛び散る。

そのまま妹紅の首もとを押さえ付けるように握り逃がさない。

 

「ぁ……ッッッ」

 

次々と攻撃を受けた妹紅の意識は薄れていく。腕の傷の再生も遅く、細い呼吸をしながら今にも閉じそうな細目で【竜】を睨むことしかできなかった。最早抵抗などできない。

そんな妹紅に止めを刺すように口を開く。口の中にエネルギーが溜まっていく様を見せられる。【竜】が最初に使った魔理沙のコピー技に似ている。

そんな光景を目前で見せ付けられている妹紅は死なない自分をここまで殺しに掛かってくる【竜】に対して恐怖の感情が無意識の内に芽生え始めた。

自然と涙が溢れてくる。

しかし、か弱く涙を流す少女が目の前に居ようが、

 

【竜】は躊躇しない。

 

口に溜めているエネルギーの力強さはどんどん増していく。そして、溜め終わったと告げるように眩い光が溢れ出す。

【竜】はゆっくりと妹紅に狙いを合わせて……撃つッ!

 

──竜召「魔導竜の轟咆哮(ファイナルスパーク)」──

 

「はいダメ♪」

 

【竜】の頭の下からスキマが現れ、そこから手枷をはめた両手が伸びていき力付くで【竜】の口を閉じさせた。そのまま上に向いた【竜】の口で、

 

大爆発

 

牙の間から閃光が漏れだしたと思えば【竜】の顔が爆散する。

鮮血、牙、肉片、顔を形成していたであろうパーツが辺りに飛び散る。両手で顔の状態を確認しようとする。

口が消し飛び、目だけになった顔面に釘付けになっていた妹紅は何かに引っ張られるようにその場から離れた。

 

 

──────────────────────────

 

 

存在が曖昧で不安定な場所。そこには外と幻想郷を別け隔てる結界がある。

結界の側でうろうろしている一人の女性。

彼女は純白の翼を羽ばたかせ結界を眺める。

 

「う~ん、薄そうな所ないわね~」

 

結界の力が弱まっている場所を探していたようだ。

彼女はマナ。人間から天使へと転生し、異様な速さで大天使まで上り詰めた人物だ。

その正体は黒影クロの母親、黒影真那だ。

 

「しょうがないッ!また、精神だけで侵入しますか」

 

そう言うと彼女は目を閉じる。

すると、彼女から白い光が現れ、結界の中へと入っていった。

光が出ていった体は翼を卵の殻のようにして丸くなった。

 

結界を抜けて侵入したマナは、辺りを見回す。

すると、強大な負の力の塊を感じ取れる場所、迷いの竹林を発見した。

 

「あそこね♪」

 

マナは急いで息子がいる場所へと向かった。

 




もうすぐ永夜抄、終るな~。DAMUDOです。

やりたいことがたくさんあるのに、体が動いてくれないジレンマ。
そういえば、これで50話ですね~。私もよく頑張ったよ。今まで見てくれてる人もよく頑張った。
さて、これからも頑張るか。皆さんもがんばれ。

以上、DAMUDOでした~。
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