【竜】の封印に成功しました。
お疲れ様です。
温かい──懐かしい温かさだ。
また、助けてくれたのか……母さん。
『またって何よぉ~。母親ですもん、当然でしょ♪』
ははッ、ありがとう。
『どういたしまして。それじゃ私はこの辺でおいとまするわ』
もう行くのか……ありがとう。
『ええ。あ、そうだこれ、渡しとくわ』
ん?なにこれ?
『そのうちにわかるわ。貴方が約束を守り通せばね』
わかった。
『よし!それじゃあねぇ~♪あ!そうそう!最後までクロくんを助けてくれた三人で誰が本命なの!?』
・・・はいッ!?
『ねえねえ誰なの誰なの♪こっそり教えてよぉ~♪あの金髪の妖怪さん?年下の巫女の子?まさか!あのちっちゃな鬼の子!やだーロリコーン!』
ざけんなぁ!クソババア!今すぐ直れ!
『きゃーーー♪息子の反抗期よーーー♪逃げろーーー♪』
コラ!待ちやがれ!逃げる───────
─────────────────────────────
「ふ、ふざけるな~……」
「・・・なんの夢をみてるのかしら?」
紫は意識を失って眠っているクロの頬をつつきながら呟く。
しかし、腹立つくらい気持ちよく眠ってるわねぇ……えい。
*ぐにぐに~*
頬を引っ張ってみる。
あら、割りと面白い。
「おい紫!クロで遊んでないでこっちを手伝えよ!」
萃香が何か言ってる気がするけど、ゆかりちゃんは何も聞こえませ~ん。
ここら一帯の修復作業なんて面倒なこと萃香に任せるに限るわ本当に。
私はそのままクロいじりを続ける。
「ねぇ、紫さん。本当に大丈夫なのよね?」
あら?また別に、面倒な人が来たわね。
作業を中断し声がした方へ顔を向けると、永琳がまだ納得してないと言った顔で立っていた。
「ふぅ、信じてないの?心配しないで。あなた達のお家はそこのロリ鬼がすぐに直すから」
「そのことじゃなくて、月のことよ」
「ああ」
私は夜空を見上げる。すると、夜空に散りばめられた数々の星達と大きく存在を主張する
「大丈夫よ。あんたが心配している月の使者とか言う奴等は
「本当に?信じてもいいのね?」
「うっさいわね!さっきから同じ質問ばっかりしてぇ!ゆかりちゃんは今疲れてるから面倒な会話はしたくありませ~ん!」
「・・・わかったわ。信じましょう」
行動のギャップに呆気を取られた永琳だが、すぐにすっきりした顔で紫の話を信じた。
「じゃあ、その子を見せてちょうだい」
その後にクロの側まで寄り、触診し始めた。
「貴女医者?」
「薬剤師よ」
「クロ、良い体してるでょ?ウフフ♪」
「この子のこと、かなり気に入ってるようね」
「ええ、とってもね。貴女もすぐに愛しいくらい気に入るわ♪」
「・・・ふっ、もう気に入ってるわ。いや、気になってる、かしら?」
「うふふ♪貴女とは仲良くなれそうよ」
「あら偶然、私もそう思ってたわ」
互いに目を合わせて微笑する。
「し、師匠~~~?」
今度は大きい方の兎が来た。
なにやら怯えきった様子でどうしたのかしら?
「何かしら鈴仙?」
「そ、そいつ大丈夫なんですかぁ?おそっ襲ってきたりしませんかぁ?」
ああ、クロにビビってるのね。
「大丈夫よ鈴仙。あれはこの子の力の暴走が原因。その力はもう紫達が封印したから暴れないわよ。ほら見なさい、この愛嬌のある顔を」
永琳がクロの頭を持ち上げて鈴仙に顔を近付けた。
ただ、その持ち方だとクロが苦しそうよ。いいのかしら?それ医者としていいのかしら?あ、薬剤師だったわね。
「どう?」
「どう?と言われてもぉ……タイプじゃないです」
「ぶッ、クスクス」
最初の感想がそれか!
下品に吹き出しちゃったけど、これは傑作だわ。いや~、クロも可哀想ね。知らないうちに目の前でタイプじゃないとか言われて。
*カッ*
「キャアアアアアッ!」
あら、クロが目覚めた。
起きたら目の前で女の子に悲鳴をあげられていて、何が起こってるかわかってないみたい。無理もないわね。
「ちょっと五月蝿い」
「イタイッ!」
永琳が放った弾が鈴仙に直撃。静かになった。
「え?なに?あれ永琳さん?なんで俺の頭持ち上げてんの?て言うか首が!首痛い!」
「あら、ごめんなさいね」
永琳が手を離す。
「痛い!」
クロの頭が地面に落ちる。
「いたた、もう何なんだよ~。誰か状況説明してくれ~」
「クロ、ご機嫌いかが?」
「ん?紫か。……正直言うと、頭痛いし辛いよ」
「そう。永琳、クロの体に異状はあった?」
「いえ、特にはないわ。体は健康そのものよ」
なら、その頭痛は暴走の後遺症みたいなものかしら。
「なあ、紫。一体何が起こったんだ?なんでこんなに荒れてるんだ?」
今気付いたらしく、周りの殺風景な景色に驚いているようだ。
……正直に話した方が良いわよね。
「あなたは何処まで覚えてる?」
「何処までって確かッ、・・・永琳さんに攻撃されたら眠くなった所までは」
「・・・」
今、明らかに何かを隠したわね。本当はもっと覚えてるんでしょうね。
まあ、ここでは追求しないわ。
「ならそこから話すわね。言っておくけど、今から話すことは全て真実よ」
私はクロに全てを話した。
クロが永琳にやられた後にクロが破壊衝動のままに暴れる【魔物】となり、【竜】になったこと。
私達がクロを助けるために団結して封印したこと。
その始めから終わりまでを事細かに伝えた。
「以上よ。何か聞きたいことはある?」
「いや、ありがとう」
話を聞き終わったクロの顔は青ざめ、苦虫でも噛み潰した表情をしていた。
動揺……してるのね。
「俺が皆を傷付けたのか……。ははッ……」
自嘲するように乾いた声で笑う。自分の手を見て、病人のような顔で笑みを作り自嘲する。
そして、クロの目から涙が一滴零れ出た。
「クロ……大丈夫?」
一つの涙が零れ出すと、それに釣られ次々と目から涙が零れる。
突然の事に私は思わず側まで無意識に寄ってしまう。
永琳が体に異状は見られないと診断した以上、怪我などの肉体的痛みではないはず。つまり、心の痛み。
「ぅッ……くぅ……ッ……」
声を殺すように押し泣くクロ。
目を思いっきり瞑っても涙は溢れ、歯を見ていて折れないか心配になるくらいの力で食い縛る。
悔やみ。
今のクロからはそんな言葉が一番当てはまる。
ここで何か元気付ける言葉を掛けることができればいいのだけれど、生憎私にはなんの言葉も口に出すことは出来なかった。
ただ、悔しみに満ちた涙を流すクロに寄り添い、肩に手を添えて泣き止むのまで側にいてやることが今、私がやることだと思った。
「くぅ、……こんなんでぇ……」
クロの言葉によく耳を傾けると何か独り言を泣きながら呟いていた。
「こんなに弱くてぇ……ぅッ……────」
「───約束なんてッ……守れねぇよッ……!」
約…束……?確かに聞こえたが、一体なんのことなのかしら?
事の詳細を追求しようにもそれ以降、何も話さなくなったてしまった。
しかし、本当になんなのかしら……改めて考えるとクロと言う男にはよくわからないことだ多々ある。
今回の暴走といい、さっきの約束といい、何より……この子と最初にあったあの時、どうやってあの幻想と現実の狭間と等しいあの場所に居たのか……本当によくわからないことだらけだ。
近々、クロについてよく調べる必要があるわね。
「ん?」
そう言えば近くにいる筈の永琳が何もしてこないわね……。
赤の他人と言うまでの仲ではないのだから、少しは心配して寄ってくるくらいしてもいいのに。
私は永琳の姿を確認しようと周りを見回す。
「ッ!?!?」
いた。けど何かおかしい。
何がおかしいかと言うと、永琳が頬を紅く染め、涎を少し口から垂らしながら色々とOUTな顔でクロを見ていた。
え?どういうこと?つまり、永琳はそう言う趣味……涙を流す男を見て興奮する性癖の持ち主ってことかしら?……な~んてね♪そんなはずないわよね~♪
「永琳、なにボーッとしてるのよ?阿呆みたいよ、アハハ」
「うぇ!?アッ、ゆ、紫、何でもないわよ!阿呆みたいなんて酷いこと言うわねぇ、アハッアハハ、はぁ……」
「……え?マジなの?貴女、そういう趣味なの?」
「え?なに?そういう趣味ってどういうの!?わ、私の天才的な頭脳をもってしても理解し難いわぁ。本当に紫がなに言いたいのかわからないわねぇ、ええ本当に!」
どうしよう……この人、頭いい癖にバカだ。
ここは友人として何も察しなかったことにするのがいいわよねぇ?
「ゆ、紫……」
泣いていたクロが私を呼ぶ。
どうやら泣き止んだらしく、その目は涙が爪痕を残したように真っ赤になっていた。
「あら?クロ、もういいのかしら?」
「ああ、もう……大丈夫だ」
そう言ってクロは立ち上がる。
何が大丈夫なのかしら?立ち上がるのにふらついて、表情もまだ暗いままのくせに。
強がらなくても、いいのに。
私はそう思いながら、ふらふらと歩いていくクロの背中を見守っていた。
────────────────────────
「そろそろ宴会のこと、考えておいた方がいいわよねぇ。はぁ、面倒ね」
私──博麗霊夢は異変の後始末(自分の分だけ)を終わらせて後日に開催しなければならなくなる宴会の準備の予定について、頭を回していた。
しっかし、本当に疲れたわねぇ。久々に本気だしたし早く帰って、お風呂入って、すぐに寝たいなぁ。宴会は明日考えよう。
「ん?」
なんて思考に耽っていると先にクロがゆっくりと歩いているのが見えた。
あらあいつ、元気になったのね。
私はクロの元へと寄っていき声をかけた。
「ちょっとクロぉ?あんた動いて大丈夫なの?」
「霊夢……うん、心配してくれてありがとう。俺は大丈夫だ」
「……そう」
大丈夫、ね。そう言う風には見えないんだけど。
「もう、いいか?」
「なに?急ぎの用事でもあるの?まあ、いいけどね。用件だけは聞きなさい、手短に済ますから」
「わかった」
「そのうち宴会やるから、参加するなら何か用意しておきなさいよ、日時は近い日に知らせるから。参加しなさいよ」
「ああ、気が向いたらな」
それだけ言い残すとまた、ゆっくりとその場から離れていった。
「・・・」
一体どうしたのかしら?何時ものあいつじゃなくなってる。そんな感じがする。
まあ、ほっとくのが一番よね。
そう思ったけど……私の脳裏にあの時聞こえた声が蘇ってきた。
『こうやって迷惑ばっかかける息子だけど…』
あの光の中にいた筈の……私と紫を助けてくれた……クロを息子と言う……。
『よろしく頼むわね~♪』
誰だかわからない奴に頼まれた。クロをよろしくと言われた。
「はぁ、全く……手間の掛かる奴ね。いや、私が丸くなったのかしらねぇ」
そう呟いた霊夢は夜空を見上げた。
そこには今回の異変の終わりを告げるように、満月が美しく輝いていた。
異変は終わり、皆それぞれの居場所へと帰っていった。
何やら考えがある者もいるようですが、それが一体どんな結果を招くのか……それはこれからのお楽しみ。
何はともあれ、めでたし、めでたし。
「まーーーりーーーさーーー!!!
みんなーーーーーーーーー!!!
どこーーーーーーーーー!?!?」
そうそう、アリスは一人、迷いの竹林で迷子になってました。
特に怪我もなく、今回のことを知ることもなく、一番平和でした。
チャンチャン♪
どうもDAMUDOです。
さてさて、こう言う感じで永夜抄は終了なんですけど……どうでした?お楽しみ頂けたでしょうか?本当はもうちょい続くんですけどね。
今後の予定ですけど、前に書いたかどうかは覚えてないですけど、日常話書こうと思ってます。
紅魔終了~風神緑開始前までの時間の中になにやってたかを書こうと思うんですよ。
どれだけ書くかは未定ですが、最低5話は書きたいな。戦闘少な目の奴。
DAMUDOはいつも考えてます。どうすれば、面白い作品が作れるか。
私はよくラノベ見ている時に、キャラクターの会話でクスクス笑う時があるんですけど、そう言うのかきたいですね。
でも私はそこまで面白い会話を思い付くとは思えないのですよ。悩みものです。
……皆さんは、本読んでて笑うことあります?活字のの奴で。
友達は活字よんで笑うのは気持ち悪いって言うんです。漫画ならわかるけど、小説で笑う?みたいな感じで言われるんですよ。
面白いと感じたから笑うのことが、そんなにダメですかね?
だって、本読んで笑ってるだけですよ?
・・・やっぱり私が変なんですかね?いやだなぁ、メガティブなのは。
まあ、そんな悩みは一先ず冷蔵庫にでも保存しときましょう。そうすれば次話題にするときは冷めてるでしょう。・・・うまいこと言ったつもりです。
はい!これからもDAMUDOはこんな感じで好きにやって来ます!最後までついてきてくれたら嬉しいです♪
それでは長文、お疲れ様でした。
私、頑張ります!