あらすじ
早苗と話すクロ。
秋姉妹を倒した霊夢。
以上!
「私、思い付きました!」
「ほう。一応、聞いといてやる。言ってみろ」
守矢神社内の一室。
先ほどまで落ち込んでいた早苗は何かを閃き、元気を取り戻した。さあ、聞けと言わんばかりの表情でクロを見つめているので、それ以外やることのないクロは聞いてあげることにした。
「いいですか?別に幻想郷を手に入れなくてもよかったんですよ!」
「ほう、その心は?」
「ふふん、何を隠そう私たちが幻想郷に来たのは外の世界では集められなくなった信仰を集めるためなのです!なので、幻想郷を支配して信仰を根刮ぎ得ようとしたわけです!そして、その計画が不可能となった今、私ができることは!」
「できることは?」
「ここに向かっている博麗神社の巫女を倒し、博麗神社の信仰を守矢神社に移させることです!」
「やめとけ!」
「ええ!?なんでですか!?」
かなりオーバーなリアクションで驚く早苗。
やっとのことで閃いた策によほどの自信があったようで、俺に一言否定されただけで一気に顔が弱気なものになっていく。
「なんでってそりゃ、霊夢が強いからだよ」
「私もそこそこ強いですよ?」
「いや、ありゃ別格だから。俺でも勝てるかどうか微妙だぞ」
「私もクロさん倒しましたよ!」
「お前だけの力じゃねーだろ!お前以外に二人いたじゃないか!てか、そいつらはどっこいった?ここ、そこまで大きな神社でもないだろうし、少しぐらい姿が見えてもいいと思うんだが?」
「我々を呼んだかな!」
「ッ!?」
突如響く第三者の声。次の瞬間、障子は開かれ、紫髪の女性との大きな帽子を被った少女が現れた。
女性の背は高く、赤い服、黒と少しの赤のスカートと言う服装をしており、余裕に満ちた笑みを浮かべている。
少女の方はかなり背が低く、可愛らしくニコニコと笑っている。そして、この少女一番の特徴である帽子。目玉が二個、上の方についている。なんだろうかあれは?生き物なのか?
「神奈子さま!諏訪子さま!」
二人の登場に驚く早苗。長身の方を神奈子、小さい方を諏訪子と呼ぶ。
「ふっふっふ、なにかあったのか早苗?」
「いや、これからどうしようかと……」
「ん?なにを悩むことがある。博麗の巫女とやらを倒して、幻想郷を乗っ取り、信仰を集める。簡単だろ?」
「いや、それがですね。どうも、勘違いしてたみたいで、博麗の巫女を倒しても幻想郷征服はできないみたいです」
「え!?マジで!?」
威厳たっぷりだった口調が突如崩れた。どうやら、神奈子はキャラ作りをしてでも偉くみせたいらしい。そこまでするのは、彼女たちの目的である信仰集めのためか?かなり大変なんだろうな。
「ねえねえ、キミ気分はどう?」
諏訪子は話し合っている二人を無視し、クロに話しかけてきた。
「気分はいいよ。あとはこの拘束を解いてくれたら最高なんだけどなぁ」
「あ、それは無理だから」
「やっぱり」
諏訪子はニコニコしながら俺を見る。
この二人、神奈子と諏訪子は感じからして神と呼ばれる種族だ。前まで禍津と繋がってたから、神特有の気と言うのがなんとなくわかる。
……だから、この二人の力が強大なのがわかる。さっきはああ言ったが、霊夢がこの二人相手に勝てるかどうか……。
俺が一人でも片しておくか?
「どうしたの?ボーッとして」
「・・・いや、暇だなーって」
無理だな。こうやって捕まってる時点で今の俺にはなんもできん。
「なるほどね。じゃあトランプでもやる?」
「え?いいのか?」
「いいよいいよ、博麗の巫女とか言うのが来るまで私も暇だし。ちょっと待っててね」
そう言って諏訪子は部屋から出ていってしまった。早苗と神奈子は出ていった諏訪子には気付かず、まだ話し合っている。
(予想外だな)
『だな』
(なんか俺にできることってあるか?)
『そりゃ、あれだ。遊んでいる間にイメージする力をつければいい。俺様の能力を完璧に使いこなせばこんな封印、なんの障害でもない』
(えらい自信ですね。まあ、努力はするよ)
心の中でクロとモドキが話をしていると、諏訪子が戻って来た。手にはトランプを持っている。
「おまたせ♪」
「そんなに待ってない」
「そっか。ちょっと待っててね」
諏訪子はクロの手を縛っている縄を弄り始める。すると、二本の縄は腰と首を拘束するように移動する。
「よし、これで遊べるね♪」
腕が自由になった。
「よし、始めるよ」
「ん?なにしてるんだ諏訪子?」
「いや、こいつとトランプやろうと思って。暇だし」
「あ、私もやりたいです!」
「いいよ。神奈子もやる?」
「う~ん……まあ、いいか。やるからには負けんぞ!」
「軽く蹴散らしてあげる……♪」
「なんでトランプで殺気だってんの、この二人?」
「いつものことですからお気ならさず」
こうして四人でのトランプ大会が始まった。
「まずはババ抜きだ!」
「おし、来い!」
「ババ来ませんように……ッ!」
「・・・」
俺は不自然な素振りと見せずに事を実行する。
─────────────────────
「夢想封印!」
「きゃあああああああ!!」
霊夢が放った夢想封印は一人の少女を呑み込み、光を放ち爆発した。
「はい、終了。はぁ……今回はやけに妖怪に襲われるわね。なんでかしら?」
霊夢はこの山に入ってから、かなりの頻度で妖怪に襲われ続けている。ここが妖怪の山と言うことだけが理由ではないはずだ。
頭を捻る霊夢。すると、先程倒した妖怪が起き上がろうとしているのが視界に入った。
こいつに聞いてみるか。
「ねぇ、あんた。なんで襲ってきたの?」
「なんでって……貴女が厄いと思ったから来たのよ!」
突如、顔を輝かせながら立ち上がった。
攻撃を受けてボロボロになっている大きなリボンと、個性的な緑色の髪が特徴の少女は先程とうって変わって元気に道溢れた笑顔である。
「妖怪の山に突如現れ、出会ったら妖怪・妖精、神様だって構わず倒し、まるで台風の様な侵入者!あぁ……なんて厄い響きなのかしらぁ……///」
「・・・」
霊夢は引いた。
急いで、この惚けている少女から離れたい衝動にかられ、ジリジリと後退していく。
霊夢の直感が言っているのだ。こいつは面倒臭いと。
「アハハハハハハハハハ♪」
「ッ!」
今度は急にコマのように回り始めた。
霊夢は後退の足をゆっくりと速めていく。
「クロ、あんたを恨むわ。」
ボソリと吐き捨てた。
睡眠はしっかり取ってね。
以上、DAMUDOでした。