心を閉ざしたウィザード   作:疾風海軍陸戦隊

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魔法と少年

「あなたも、ウィッチになれるかもしれないってことよ」

 

ミーナとかいう女に俺は少し唖然とした。

 

「え!?」

 

「・・・溝呂木さんがですか?」

 

「男性なのに?」

 

そのことに宮藤、リーネ、ペリーヌだったか?三人がそう言うとミーナは頷き

 

「ありえない話ではないはずよ。女性しか魔法力を持っていないなんてことはないわ」

 

「中佐・・・ストライカーを履かせてみるのか?」

 

「ええ」

 

シャーリーの言葉にミーナは頷く。なんだよストライカーユニットって?

 

「なんだそりゃ」

 

「あたし達がさっき履いてたやつだよー!」

 

ルッキーニの言葉に俺はさっきのことを思い出す。ああ、あれか。すとらいかーっていうのか。

 

「・・・」

 

「あなただけで元の世界へ戻る方法を探すとは言うけれど・・・

行く当ても帰る場所もないなら、私達と一緒に戦いながら探すほうが、良いと思わない?全力でやるほどの余裕はないけど、できる限りは協力するわよ」

 

「・・・遠慮する」

 

「え!?」

 

「ん?・・・何故だ」

 

俺が断るとミーナは驚き、坂本といったか?そいつが不思議そうに首をかしげる

 

「・・・あんたらと一緒なら、確かに見つかる可能性は少しは高くなるだろうな。でも、俺なんかのためにあんたらに迷惑はかけられない。それに、あんたらと一緒に『探す』ってだけでも迷惑をかけるみたいで嫌なのに、まして『戦う』なんて無理だ。俺は銃なんて持ったこともないし、ましてや生き物に向けるなんてできない。ただの学生なんだ。俺に出来ることなんて、あんたらに比べたら無に等しい。戦うことなんてできない。あんたらの足手まといになるだけだろ」

 

「確かにな」

 

「トゥルーデ!」

 

俺の言葉にバルクホルンが即答する。本当に率直というかはっきり言われるのは正直言って助かる。これでさっさと立ち去れるのだから

 

「・・・あの」

 

「お、おいサーニャ?」

 

「ん?」

 

と、先ほどの銀髪の子・・・サーニャだったか?俺に話しかけた

 

「なんだよ」

 

「・・・使うのは、銃だけじゃなくて、剣でもいいんですよ?」

 

・・・剣?そういえば。

 

「・・・昔、剣道をやっていたけど」

 

「おお!」

 

俺がそう言うと坂本がなぜか嬉しそうな顔していた。。

剣を使うって言っても、竹刀じゃ無理だろ?それに本物の刀って重いんだろ?てか真剣であんなバケモンとか戦うなんて無理だ。どこぞの黒の剣士や伝説の人斬りみたいに強いわけじゃない。何より

 

「途中でやめたんだ」

 

「ん?何故だ?」

 

「・・・挫折した。どうしても、壁を乗り越えられなかった」

 

・・・部の中では上手いほうだ、と顧問は言われ、中学では全国大会優勝もした。だが俺は剣道における何かをどうしても掴むことができず、やめたんだ。

 

「・・・ならば、今からもう一度やって、壁を越えればいい」

 

「・・・そういうもんか?」

 

「そういうものだ。それに、訓練さえすれば、お前も戦える」

 

「そんな簡単に言い切れるのかよ?」

 

「ああ。言い切れる」

 

なんでだよ。と俺が思っていると、坂本はふっと笑い

 

「何故かって思っていたな?」

 

「人の心を読まないでくれないか」

 

「・・・ごほん。お前は、そもそも何か勘違いしているようだな。

今ここでネウロイと戦っている私達も、初めから今のように戦えていたわけではない。訓練と実践を重ねてここまでやってきたのだ。・・・何も今すぐ飛んでネウロイと戦えと言うのではない。そこは安心しろ。訓練せねば、どんなに素質があっても結局のところどうにもならんからな。

それにお前一人で帰る方法を探すといっても、正直言って見つかるとは思えない。おまえ自身もそう思っているだろう?」

 

・・・だから心を読まないでくれるか。エスパーかこの人

 

「だったら、・・・飛ぶことを試してみる価値はあると思わないか?」

 

「・・・あのさ、俺が飛べるって前提で長々と話してんじゃねえよ。失望したって知らないぞ」

 

「では溝呂木さん。来ていただけますね?」

 

「ああ。やってみるよ。試してみなきゃ始まらないしな」

 

出来もしないで辞めるのは流石に逃げるようで俺はいやだった。

 

 

 

 

格納庫みたいなところに一台の殺気ミーナたちの履いていたものが俺の前に置かれていた

 

「・・・これを、履くのか」

 

「ええ」

 

「・・・」

 

言われるままに、俺は目の前の機械を脚に装着した。

 

「(・・・これで、飛ぶ、のか)」

 

そう思った瞬間、足元に光が現れ、プロペラのようなものが回り出した。それと同時に俺の頭から何か飛び出てきた。近くにあった鏡みたいなのを除くとそれは犬耳だった

女性が犬耳着けているのは良しとして男の俺が犬耳って…誰得なんだよ 俺の複雑な心情なんてお構い無しに、周りの女共は騒いでいる。

 

「おお!凄い!」

 

「おっきい魔法陣・・・」

 

「まさか・・・」

 

「凄いぞ俺!史上初、男性ウィッチ誕生の瞬間だ!」

 

「おお~!!」

 

「魔法力は問題ないのか・・・」

 

「結構強力みたいだよトゥルーデ」

 

「・・・凄い」

 

「ま、マア最低限の条件はクリアしたみたいダナ」

 

「うむ」

 

「溝呂木さん、ありがとうございました。・・・飛行状態を解除してください」

 

「え?」

 

いきなりそんなこと言われても。どうやって止めればいいんだよ。

 

「どうやったら止まるんだよ。これ?」

 

「飛ぶのを止めるって思えば止まるわ」

 

ざっくりで適当だな、おい。まあいいや。俺はミーナに言われたお降りにすると止まった

 

「・・・こんなんでいいのか?」

 

「『こんなん』?なに言ってんの、上出来じゃん!」

 

マジか。これだけでそんなに褒められることなのかよ。オーバーだな・・・

 

「・・・さて溝呂木さん。あなた、どうするの?」

 

「・・・」

 

「たった一人きりで寝食をし何時来るかもわからないネウロイの脅威から逃げながら、当てもなく元の世界へ戻る方法を見つけるのか、それとも私達と一緒に生活しネウロイの脅威に立ち向かいながら、私達と一緒に元の世界へ戻る方法を見つけるのか」

 

こういうのをなんというのだろうか。『八方ふさがり』?違うな。この場合一方だけ開いてるからな。

 

「・・・俺がいちゃ迷惑だろ?飛び方も戦い方も知らねえ学生相手に」

 

「心配するな。お前が来る前からここは騒動が多いからな」

 

「一人くらい増えたからってそんなに変わんないんだ」

 

「むしろ、話した感じだと口は悪いけどしっかりしてるみたいだし、迷惑だなんて思わないよ」

 

「・・・そうか」

 

人生今までかけられたこともない優しい言葉に俺は思わず口元が緩んだ

 

「おお!笑った!」

 

「君はそうして笑ってるほうがいいよ。せっかくのいい男なんだからさ」

 

「余計なお世話だ」

 

ハルトマンの言葉に俺はジト目でそう言う。俺は笑うのはどちらかというと嫌いな方だからだ

 

「中佐、ホントにこんな奴を501に入れるのか?」

 

「エイラ・・・失礼よ」

 

「大丈夫・・・だと思うわ。登場の仕方こそ変だったけど、内面自体は問題あるようではないみたいだし。(口は悪いけど)上層部に言っても追い出したりはしないでしょう。史上初の男性ウィッチなんだもの、データを採りたいっていうに決まってるわ。私たちにとっては・・・後々の戦力の増強になると思うし、上層部は得するし、溝呂木さんも損をしない。誰も損をしないのよ」

 

・・・ま、一人で野垂れ死ぬよりはマシか。サバイバルの方法なんて知らないし、

 

「溝呂木さん。・・・良いわね?」

 

「・・・仕方なくだけど、世話になることにするさ。元の世界に帰るまではな」

 

あ、思い出した。こういうのって、『選択の余地がない』って言うんだったな。

 

「じゃあ・・・待っててね。正式にあなたが連合軍第501統合戦闘航空団『ストライクウィッチーズ』に入隊できるよう働きかけるわ」

 

 

 

 

 

・・・次の日。上層部にはミーナから言ってくれたらしい。ありがたいことだ。

これで正式に俺は『ウィッチーズ』の一員ということになった。

あの人には世話になりっぱなしだ。当然礼を言いに行った。上手くいえなかったから『ありがとう』ってだけだけど。

その後は坂本って女にも、それはもうってほど世話になった。体力づくりや射撃や飛行の訓練の他に剣道の稽古でたくさんしごかれたり、

わざわざ扶桑から戦闘用の刀を届けてもらったり・・・これってやっぱり『日本刀』じゃなくて『扶桑刀』って呼ばなくちゃいけないのか?

まあどうでもいい話だな。それで俺は実戦では刀と銃を持ち、後衛として援護をしつつ前衛の奴らから戦い方を学んだりして・・・戦うための力を付けていった。

ただ俺にはどうでもいいのだが、彼女らにとって小さな問題があった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼の固有魔法がはっきりしない?本当なの美緒?」

 

「ああ。刀を振っても、銃を撃っても、飛んでいても、全くわからないんだ。本人も、特に感じないらしい・・・・・・ただ」

 

「ただ?」

 

ミーナがそう言うと坂本は意味深げに考え込んだ表情をし

 

「はっきりとは言えないが、彼の体から黒いオーラというかなんだか闇を纏ったように私は見えた。底知れない深い闇みたいなのがな・・・・」

 

「闇・・・・ね」

 

坂本の言葉にミーナは彼のことを深く考えるのであった。

 

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