踏み台キャラの偽勇者である俺はひたすらに足掻く   作:ギル・B・ヤマト

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また時間がかかってしまいました。
元々一話にする予定が長くなっちゃったので二つに分けました。
なので今回は少し短いです。

+注意点

前回書いた様に、前半から一気に物語終盤まで飛ばしているので所々、省略している所があります。それが嫌だという方はブラウザバックです!

後、いつも誤字の報告ありがとうございます!


歯車が狂った瞬間

 あれから一年と十一ヶ月の時が流れた。

 僕とユウキは世界各地にある魔剣の封印の地を巡り、それぞれの場所にいた守護者たちと激闘を繰り広げた。

 

 

 ある時は噴火し続ける山の上で、赤いドラゴンと音速の空中戦を繰り広げ。

 

 

 ある時は物も命も何もかも時を止める程の、凍える吹雪の中で巨大な狼と死闘をし。

 

 

 ある時は底が見えない大きな穴の上空で、鉄をも切り裂く風の刃達が暴れる中でまた空中戦を繰り広げ。

 

 

 ある時は身長数百メートル岩の巨体と、大地が揺れるほどの力のぶつかり合いを繰り広げて。

 

 

 僕カイトは光の魔力を使って、自分の周りを浮かんでいるこの四大魔剣を手に入れる事ができた。

 

 自分を中心に回っている四つの魔剣の色はそれぞれ。

 その剣に宿る属性を表す様に、赤、緑、青、茶と綺麗に分かれている。

 

 その反対に形は瓜二つで、座っている自分と同じくらいの長さがある刀身にその半分も無い持ち手の部分。

 刀身は片刃で自分の肩幅半分を覆うほど異様に太い。そのくせ持ち手の部分は両手で丁度持てるくらいの長さと太さしか無く、それが刀身の異常な太さを際立てていた。

 

 だがそれ以上に、

 

 持ち手と刀身の間に挟まれている機械仕掛けが、『ファンタジーしか無いはずのこの世界』で機械が存在して居る事実を表すこの違和感が、それを大きく上回っていた。

 

 前世で予め知っていたとはいえ、半分の自分はこの世界で育ってきた。だからこそ自分を主人だど見定めたこの魔剣の存在に、自分はどうしようも無く違和感が襲いかかっている。

 まぁこれがクレアの運命を握っているから、捨てることはしないが。

 

 「アニキ、いきなり魔剣を出してどうしたんだ?」

 

 そう僕が魔剣と睨めっこしていると、焚き火を中心にして僕の反対側からユウキがそう聞いてきた。

 魔剣を手に入れるために、大陸を超えて海を渡って空を飛び、世界各地へ旅を続けた。

 その間にゲームにあった胸糞悪いイベントを潰したり、逆にそのイベントを利用してクレアが強くなる様に仕向けた上で、僕が悪役として現れたりと色々と忙しい日々を過ごしていたと思う。

 

 でもそれももう終わりだ。

 

 必要なものが揃った僕は今、ヴァルハラ王国の大陸へと戻っていた。魔王を倒す為に。

 

 

 魔王が眠っている場所へ僕達は進んでいる。そして今はその途中の森でいつもの様に野宿をしていた。

 

 「今までの事を振り返ってた。色々あったけど、ここまで来れたんだなって」

 

 「そりゃあアニキが居たからな。でも四大魔剣の戦いはすごかったぜ。あれでも英雄伝が書けるくらいだ!」

 

 「英雄伝はダメだな、俺は魔王役なんだから。でも魔王を倒したらそういうのも描いてみるか」

 

 「それなら売り切れ間違いなしだぜアニキ!」

 

 「まあ、俺に書く才能があるかどうかだが……」

 

 会話が盛り上がったところで僕は心の中で魔剣達にしまえと念じる。

 

 その瞬間、周りで浮いていた魔剣たちが一瞬で光になって消え去った。

 

 「アニキのそれ、いつ見ても不思議だなぁ。あんなヤバいところにあった剣だから凄いのは分かるけど、それでもこんな事できるもんなんだな」

 

 「この魔剣は魔王を倒す力を持ってるからな。これぐらいの事が出来て当然だ」

 

 「そうなのか……?」

 

 側から見れば瞬間移動しているみたいだが、実際には別の空間に転移しただけだ。

 前世の漫画やアニメでよく見る『四次元ポケット』のと一緒だ。この魔剣にはオーバーテクノロジーとも言える技術が搭載していて、今いるこの次元ともう一つの何もない空間が広がる次元と常に繋がっている。

 そのおかげで某有名な青い二頭身ロボットの様に道具を出し入れできる。

 

 (この魔剣達は本当にSFだな。見た目はいかにも機械みたいでファンタジーの要素一欠片もないし)

 

 前世にあったゲームみたいだなと思う僕だが、そういえばここもゲームの世界だとすぐに気づいて、余計な考えを捨てて手を合わせた。

 

 「それじゃ食べるか」

 

 「おう、俺も腹ペコだぜ!」

 

 ユウキも僕と同じ様に手を合わせて、食事前の習慣をやる。

 

 「「いただきます」」

 

 前世の癖でやっていたこの作法は、ユウキもいつの間にかやる様になった。食事前のいただきますをして目の前の料理に手をつける。

 

 (ユウキの料理もあれから上達してるな……)

 

 初めてこの子の料理を食べた時もおいしいと思った物だが、あれから約二年の間、いろんな大陸に行っていろんな食材を見て来た。

 ほとんど野宿だった僕達は美味しい料理を作ろうと、その場所にしか無い特別な食材を使い、頑張っていた物だ。

 それも今では一つの思い出になっている。

 

 「……美味しい」

 

 最初は食材を集めるだけで苦労していた。

 しかしユウキが入ってきてくれたおかげで食材が手に入りやすくなったどころか、ご飯が美味しく食べれる様になったものだと、料理を口の中に含めてから少し笑うカイト。

 最初は突き放そうとはしたが、今になってはユウキがこの旅に来てくれて良かったと思う彼だった。

 

 

 

 

 

 食事は黙々と進み約数分。

 早く食べ終えたカイト達に食事前の和やかな雰囲気は去り、今は二人とも真剣な顔でこの後の事について話し合っていた。

 

 「アニキ、もう一回聞くけど。俺達が向かってる場所ってのは聖協会の聖地ニルマなんだよな……?」

 

 「ああ、人類の希望の象徴と言われている初代聖女像があるあのニルマだ。そこで俺達の決着が着く」

 

 孤児の引き受け、冒険者や騎士達の怪我の手当てなど様々な支援を行なっている、回復術師が沢山居る組織『聖教会』。

  

 その彼らが本部にしている場所が聖地ニルマだ。

 

 世界には特定の魔術が本来より強くなる場所が存在している。

 簡単に言えば、火山があるところなら炎魔術が、海の上なら水魔術が使いやすくなる様に、その場所の特徴や縁が魔術と相性が良いところがあるのだ。

 

 そしてこの聖地ニルマと相性がいいのは回復魔術であり、そしてそうなっている理由に土地自体は関係ない。

 

 

 

 関係あるのは『初代聖女像』、その一点のみだ。

 

 

 

 遥か昔に現れた魔王を倒すべく立ち上がった伝説の人物で、初代勇者と肩を並べる偉大なお方でもある。

 

 当然聖女としての力も恐ろしいほどに持っていた。

 祝福とお守りとして当時聖女の力を沢山入れ込んだ聖女像が、数百年経った今もなお周りに影響を及ぼすほどの力が残っていると言えば、どれだけ初代聖女がすごかったのが分かるだろう。

 

 だが僕達は今、その聖地ニルマに向かっている。

 

 

 魔王と決着をつける為に。その理由は……

 

 

 「その初代聖女像の中に魔王が封印されてるんだろアニキ? うーん、正直信じられないけどなぁ……」

 

 そう、その聖女像の中に遥か昔から眠っている魔王がいるからだ。

 今の言い伝えでは魔王は初代勇者と聖女によって倒されたと言うが違う。

 実際は二人では殺し切ることが出来なかった為に、封印の処置を施したのだ。数百年の間眠る封印を。

 そしてその数百年後がもう少しでやってくるわけだが。

 

 「まぁ信じられないだろうが事実だ」

 

 勿論この情報を知っているのはゲームをやったからだ。

 ゲームではクレアがロイを倒した後、すぐに復活した魔王と戦う事になるが、その場所は意外にも近くにあったのだ。

 

 ヴァルハラ王国と同じ大陸にある聖地、この二つの場所はそれほど遠くは無い。流石に歩きですぐ着けれはしないが、馬を使えば2日はかからず着くことが出来る。

 ならそれ以上の足を持つ勇者達が全力で、休憩なしで走れば数時間で着くだろう。

 まあ体力温存の為にそんな事はしないが。

 

 「でも間違ってたらどうするんだよ?」

 

 「それも問題ない。この勇者の剣さえあれば確認できる」

 

 不安そうに聞いてくるユウキの質問に、鞘に入った勇者の剣を見ながら答える。

 全力で破壊した後に実は何もありませんでした。となるのは流石に嫌なので、勿論確認の手段は持っている。

 現実とゲームの情報が合っているか確認する為に勇者の剣を使う。初代聖女の力によって封印されているとしても、闇の探知に右を出るものはいない光の魔力がある。

 

 「と言ってもすぐ側まで近づかないといけないから今回もユウキの力が欲しい。いつもの様に聖教会の奴らを引っ掻き回してくれ」

 

 「おう! それについちゃあ何の心配もいらないぜ」

 

 追われる身になってからだいぶ消耗はしてしまったが、量は少なくても持っているだけで光の魔力の効果は消えはしない。像のすぐ近くまで行けば、中に眠る恐ろしいほどの邪気を感じ取れるだろう。

 

 「それで中に魔王がいたら予定通りユウキは撹乱しながら逃げろ。俺も聖教会の奴らを脅かして避難させてから像を破壊する」

 

 今回の作戦は『どれだけ確実に魔王を倒す』かが重点だ。ゲームみたいに悲しい終わりにさせる必要も、ドラマチックなラストバトルを繰り広げる必要もない。

 

 

 今も眠っているだろう魔王に、今用意できる最高の火力と、魔王を守る強力な壁を破壊する光の魔力を持って、一撃で仕留める。

 

 

 それだけだ。

 

 

 「ただ確認してハズレだった時は普通に逃げる」

 

 「あ、そこは普通に逃げるんだ。なんかいつもの様に魔王らしい演技でもすると思ったんだけど」

 

 「本当の魔王が復活するのもあと一ヶ月だし、ここまで来たら演技する必要もない。それに光の魔力もあと少ししか無いからな」

 

 正直、今の自分達は魔王を倒す事以外に余力を回す余裕がない。

 ゲームとのズレで魔王が早く復活する可能性も考えて、出来るだけ早く魔剣を回収してできた一ヶ月の余裕。

 これについては問題ないが、光の魔力にはある。

 今の僕には魔王を倒すのに必要最低限の量しか残っていないからだ。

 出来るだけ消費を抑えようとしたが、それでも魔剣の守護者達との戦いは激烈だった。努力してもギリギリになってしまった。

 

 「魔王クラスかそれに近い奴を倒すのに一発だけ打てるか……それぐらいしか無い。もしここでクレアと会ったら逃げるとしても光の魔力は必要になっちまう」

 

 今のクレア達も光の魔力が戻ってきている事もあって遥かに強くなっている。

 頼もしい仲間も連れているし、あいつらと戦うには四大魔剣を使っても、ギリギリになるほどにだ。

 

 「そっかー、ギリギリなんだもんな俺達。まあ俺はアニキと、アニキの前世? の記憶を信じるけどさ!」

 

 

 

 ちなみにだが、既に自分の前世についてユウキには話している。

 

 

 

 冒険の最初こそあまり話さない様にしていたが、自分が予言じみた事を連発している事に対して流石に気になったらしい。

 

 

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

 

 

 『アニキ、なんか俺に隠し事してない?』

 

 『……何でそう思うんだ?』

 

 いつもの野宿で、ユウキがいかにも疑ってますと隠す気のない顔でこちらを見てくる。というより不機嫌そうな顔をしている。

 

 『だって普通じゃ知らない情報知ってるじゃん。ヴァルハラ王国の反対側にある財宝の事とか。そもそも四大魔剣だって伝承が残っているだけで、正確な場所まで書いてあるわけでも無いのにスラスラ行けちゃうし……』

 

 『それは……たまたま運が良かっただけで』

 

 『嘘下手すぎだぜアニキ、やっぱなんか隠してるんでしょ。……俺のこと信用できないの?』

 

 目と鼻の先まで顔を近づけられてずっと目を離さない彼に、そして少し寂しそうな目をするユウキを見て自分は折れた。

 

 『……はぁ、分かった話す。でも正直に言っても信じてもらえないぞきっと』

 

 『信じる信じないを決めるのは俺。ほらほらさっさと話して』

 

 『分かった分かった。まず俺は頭に怪我をしてな……』

 

 

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

 

 「今更だけどよくあんな話を信じてくれたな。この話について行ったせいで、ユウキも世界中に悪党として名が知れちまったしなぁ……」

 

 結局その話を聞いたユウキは流石にどこか疑問に思いながらも、最後は『まあアニキのことだしいっか! 信じるぜ今の話』と言って自分で解決してしまった。

 

 そしてその話を信じてくれたユウキは、出来るだけバレない様に努力したが、作戦を手伝ってくれる都合上姿を見られてしまい、今では「魔王に従う人類の裏切り者」として見られてしまった。

 

 「あの時にアニキが嘘つくとは思わなかったし、あの時の真剣そうな顔見たらやっぱ本当かなって思ったんだ」

 

 「……それは人が良すぎるんじゃないか?」

 

 今の話を聞いて詐欺に遭いやすそうだなと心配するカイトだが、ユウキは話を続ける。

 

 「それに酷い仕打ちを受けて、まだ人助けするアニキを見れば信用してもいいと思ったんだ。人が良すぎるならアニキだって同じだぜ、こんな状況でも自分より他人を優先してるしさ」

 

 「むっ、それは……そうだな」

 

 予想外の反論を食らったカイトは、今のユウキの言葉に納得した。確かに何処か自分を後回しにする所はある。

 

 「まぁそれこそスッゲー今更だけどな」

 

 「……まあそうだな。とにかく今は魔王退治の話だ。それで何か質問はあるか?」

 

 そう聞くとユウキは少し不安そうな顔で質問してくる。

 

 「もしアニキが蘇った魔王と戦ったら勝てるのか……?」

 

 「五分五分だな」

 

 考える仕草もぜず即答する。この問題は前世を思い出した時から考えてきた。

 まず魔王について特に気にするべきところは二つ。

 

 魔王が誇る最強の『矛』と『盾』だ。

 

 『矛』は単純な魔力で作られた破壊光線の事を指す。この世界の魔術における基本属性の四つのどれにも入らず、あえて言うなら無属性の攻撃だ。

 属性が無いという事は、有利も不利も無いという事。

 一見プラマイゼロに見えるがこの『矛』については少し事情が違う。

 単純な破壊光線が故に小細工が効かない。

 そして強力な技の対策として有効打なのは相性ではあるが無属性なので関係ない。

 技を放つ前に少し隙が出来るとはいえ、人類を遥かに超えた災害たる魔王の技相手に、真っ向勝負をするのは無理と言える。

 

 そして次は『盾』。

 

 『盾』は魔王が常に張っている闇の魔力で出来た鉄壁のバリア。

 そもそも闇の魔力で出来ている時点で、並の四大属性の攻撃が通り辛い上に、それを抜きにしても高い防御力を誇る。

 この『盾』を突破するには圧倒的な火力でゴリ押しするか、闇の魔力に有利な光の魔力で貫通するしか無い。  

 光の魔力がなければ硬すぎてほぼノーダメというクソゲーぷりを発揮する。

 

 

 だが『矛』は四大魔剣で、『盾』は光の魔力でそれぞれ対策はできる。

 ……一応魔剣で盾を突破する事はできるが、燃費が悪すぎるためにあくまで最終手段だ。

 

 

 そしてそれを突破してもメチャクチャ強い魔王との対決があるのだが……。

 

 「でも今回の目的は魔王と戦う事じゃ無い。魔王を倒す事だ」

 

 さっきも言ったが、魔王を倒すのにわざわざ戦う必要はない。相手が動けない間にこっちは全ての使って全力で叩き込む。それでお終いだ。

 

 

 (それに最低限、盾さえ潰せばクレアと相打ちすることも無い)

 

 

 ゲームでは矛よりもこの盾が原因でギリギリの戦いをすることになり、それがクレアの死因にもなっている。

 だが魔王を倒せばそれも関係のない話だ。

 

 クレアの悲しいエンディングも永遠に来ない。

 

 「そうだな。今は余分な事は考えないで行こう。明日は魔王を倒すことだけに集中だなアニキ」

 

 「そうだな、そのつもりで行け。特に聞きたいことが無かったらもう寝るぞ。体調も出来るだけ万全にしたいしな」

 

 その言葉にユウキは首を縦に振り横になった。

 自分もそれを見て、襲われてもいつでも対応できる様に、座りながら目を閉じた。

 

 

 

 

 

 ⭐︎⭐︎⭐︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから夜の間はユウキと見張を交代しながら過ごした。

 それで自分の番が終わり朝日が出るまでの間眠って休んでいたのだが──

 

 

 「──!!!」

 

 

 突然体に鳥肌が立つ。

 

 王国にいる時から鍛えて身につけた危険探知。

 

 魔術ではなく気配を察知する技術を磨いて、寝ている間でも近くにいる相手の殺気を感じ取れる様になったこの体に電撃が走った。

 

 それが示すのは勿論敵がいる事だ。しかも遥か近くに。

 

 「ユウキ! 大丈夫か!?」

 

 気配の位置からして相手はすぐにこちらを襲える距離。すぐに迎え撃つ為に魔剣を周りに出現させ勇者の剣も構えた。

 

 (これほど近くにいて気づけなかったなんて……!)

 

 今までも寝ている所を襲われた事は何度もあった。だがここまで接近を許した事はない。

 つまり相手は相当強い。

 

 「ユウキ、早く構えろ──」

 

 出来るだけ冷静になりながらも、ユウキが寝ている方を見る。しかしそこにユウキの姿は居なかった。

 

 「…………!」

 

 一体どこに居るのか周りをさらに見渡すがどこにも居ない。火が消えている焚き火と、白い日差しが差してきた森の中しか見えなかった。

 

 「君の探し物はこれかな?」

 

 「チッ……!!」

 

 さっき見たはずの背後から声が聞こえてくる。

 ユウキのではない声に躊躇なく魔剣を差し向ける。

 

 自分は勇者の剣を抜いて振り向き、自分の周りに浮いている四つの魔剣が、後ろにいる誰かへ剣先を向けて発射しようとするが──

 

 「おっと、これが死んでしまうぞやめておけ」

 

 「アニキ……ごめん、捕まっちゃった」

 

 声の主がユウキを人質にしているのを見て、その全ての動きが止まった。

 人質にされているユウキは傷こそはないがどこか弱々しく見える。

 そしてユウキの顔の横には、僕たちの敵であろう奴の手刀があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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