神々の世界にファーさんがいるのは間違っているだろうか?   作:セフィム

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パンドラ・ファミリアと怪物祭
改訂版3話 兄弟の再会


 その日、オラリオに住む全ての住人が空を見上げていた。

 

 果てしなく、何処までも澄み切った青空に一つの黒い影があった。

 それは、船だ。巨大な船。

 

 しかし、その船はあまりにも異質な船だった。

 ワイバーンのような翼を付けた巨大な船は悠然と空を泳ぎ、高度を段々と下げてオラリオに……ある場所へと向かって行った。

 

 あの船はどこに向かうのか、何者なのかと、敵なのかそれとも味方なのか。

 それを確かめ、すぐに対処するために第一級冒険者ファミリアのロキ・ファミリアやオラリオの治安を守るアストレア・ファミリアやガネーシャ・ファミリアがまず向かった。

 

 次にオラリオ市民や娯楽に飢えた神々、生産系ファミリアや第二、第三級ファミリアなどなどのオラリオ住むほとんどが正体不明の船に興味を持ち集まってくる。

 

 そして正体不明の船は、とあるファミリアの本拠地に着陸した。

 そのファミリアの名は、パンドラ・ファミリア。

 

 三年前にオラリオに来た比較的に新しいファミリアであり、とても異質のファミリアであった。

 

 まずパンドラ・ファミリアの主神であるパンドラと団長が不在なのである。

 また、基本オラリオの外にいるファミリアのレベルは圧倒的に低いにも関わらすそのファミリアの団員たちは全員レベル5以上のポテンシャルを秘めていた。

 

 そんな謎に包まれているファミリアに正体不明の船との繋がりにオラリオに住まう人々、神々は好奇と疑問の眼差しを向けながらパンドラ・ファミリアの本拠地近くに集まった。

 

 大勢が見守る中で、船の近くには今やオラリオにて知らぬものは居ないパンドラ・ファミリアのメンバー全員が待機しており、船から船梯子が降ろされ数人の男女が降りて荷物などを次々降ろしていく。

 

 ロキ・ファミリアやアストレア・ファミリア、ガネーシャ・ファミリアなどが船の正体と繋がりを知るために問い質そうとパンドラ・ファミリアの拠点に近づいたその時、船の傍に待機していたパンドラ・ファミリアの団員全員が急に跪き頭を垂れた。

 

 何事かと、オラリオ市民全員が船梯子を一斉に見る。

 そこには、白いローブを着た銀髪の青年と白髪の黒と青のドレスにもローブにも見える服を着た一柱が居た。

 

 それを見て神々は、あの白髪の神が誰なのかを察した。

 

 驚愕と動揺が渦巻く中で、半月前にオラリオにやって来た正義の女神の眷属になったばかりの兎のような少年は、同じファミリアの団員であり姉的存在である彼女たちから主神である正義の女神の傍に居なさいと待機を命じられていたにも関わらず、ローブを着た青年を見た瞬間に急いで船へと走り出した。

 

 正義の女神が名前を呼んで呼び止めるも、少年は止まらずに駆ける。

 女神の声に少年と同じファミリアに所属にする少女たちは、思わず振り返り急いで少年が行くのを止める。

 

 半月前にオラリオに来て、まだ恩恵を刻まれたばかりでレベル一の少年では大きくレベルの差がある少女たちに捕まっては抜け出すことはできない。

 

 それでも何とか抜け出そうと暴れ、そして大声で青年を呼んだ。

 

 

「兄さん!」

 

 

◆◇◆

 

 

 ガタン! とグランサイファーが大きく揺れる。どうやら無事オラリオに着陸できたらしい。

 

 ルシファーはパンドラと共に甲板に出るとそこでは、ルシフェルと物資や金銭のやりくりのために造った星晶獣のシェロカルテを中心に働く星晶獣たちの姿があった。

 彼らから視線を外して、今度はオラリオの拠点古代遺跡や神殿に近い見た目の建造物へと移す。

 

「なかなかの出来ですね。しかしもう少しこう、凄いのは出来なかったのでしょうか」

「貴様の感想、意見に興味はない。所詮は一時的なものだ、作り直したければ勝手にしろ」

 

 そう吐き捨てたルシファーは、パンドラと共に船梯子を使って地上に降りようとした時、グランサイファーの近くに待機していた種族や年齢、性別がバラバラの十四人がルシファーを見るなり一斉に跪いた。

 跪く十四人の男女。彼らは先にオラリオに行っていたオリヴィエやルシフェルと同じルシファーが作り出した星晶獣たち、十天衆と四大天司だ。

 

 跪く彼らを見て気を良くするパンドラに、ルシファーは心底どうでもいいと歩みを進めて星晶獣のに近づく。

 すると十種の武器の最強の使い手というテーマをコンセプトに作り出された十天衆、その頭目を務める天星剣王のシエテと四大元素をそれぞれ司る四大天司のリーダー的存在であるミカエルが前に出てくる。

 

 手短にオラリオの報告を聞こうとしたその時、

 

 

「兄さん!」

 

 

 酷く懐かしい声が聞こえた。

 声の方へ向けば多くのオラリオ市民がこちらの様子を窺っていた。さらに拠点の近くにはシエテ達からの報告にあったロキ・ファミリアやアストレア・ファミリア、ガネーシャ・ファミリアなどの主神や団長、幹部たちが勢揃いしていた。

 

 その中でルシファーが注目したのは、少女たちに体を拘束された白髪の少年。

 七年前、自分が置いて行った最後の肉親である弟だった。

 

「……ベル!」

 

 ベルの存在にルシファーは珍しく目を見開き驚き露にする。

 ルシファーが驚くのも仕方がない。何せオラリオから遥か遠く離れた村に居ると思われた実の弟がオラリオに居るのだ。

 

 そんなルシファーにシエテは困惑顔で頬を掻きながらベルについて報告する。

 

「彼ね。半月前に来た子で名前を聞いてルシファーちゃんの肉親だとわかったからすぐに報告しようと思ったんだけど、取れる連絡手段があまりなくてね……」

 

 申し訳なさそうにベルについて答えるシエテに続いてミカエルもまた口を開く。

 

「申し訳ございません。私が直ぐに飛翔してでもルシファー様に報告をすれば……」

「……お前たちの報告書を見た限り、飛翔魔法や羽根を使うのはあまりのもリスキーだ。情報共有のスムーズ化を早めに進める必要があるな」

 

 開発途中である情報共有システムについて思案を進めると同時にルシファーの脳裏に最悪な考えが過った。

 

「おい、ベルは何処かのファミリアに所属しているのか?」

 

 その声は酷く落ち着いた声音だ。しかし、第三者が聞けば全てを凍てつかせ死へと誘う氷雪魔法をくらったかのような恐怖が襲っていただろう。

 現にオラリオにて最強の一角と呼ばれるファミリアの冒険者、ロキ・ファミリアやフレイヤ・ファミリアが苦戦するダンジョンの深層モンスターたちを軽々と倒してしまうほどの実力を有する十天衆と四大天司はルシファーの声に冷や汗が止まらなかった。

 

「……うん。ファミリアに所属しているよ」

 

 恐る恐るシエテがベルがファミリアに所属していると、肯定するとルシファーの圧と殺意がより重く濃くなる。

 だが、それはほんの一瞬のことでシエテたちが感じていた重圧すぐに消えた。

 

「何処のファミリアだ?」

「え?」

「チッ! ベルは何処のファミリアかと聞いている。まさか僅か三年足らずで劣化したか?」

「れ、劣化はしてないよ! 彼が所属しているのアストレア・ファミリア。正義の女神アストレアが主神でオラリオでは国でいう治安維持組織、自警団に近いことをしているよ」

「……アストレア・ファミリアについての資料と報告書の提出を早急に出せ」

「わかったよ。それとアストレア・ファミリアとは、ソーンが関係を持ってるよ。ソーン経由で俺たちも知ったから」

 

 シエテの言葉にルシファーは黄昏の瞳を明るいオレンジブラウンの髪の美女へと向ける。

 ソーンは責任を丸投げしてきたシエテを軽く睨みながらもルシファーにアストレア・ファミリアについて自分が知っていることを話そうと口を開こうとするも

 

「兄さん!!」

 

 ベルの呼び声が再びルシファーたちの耳に入る。

 

「我が夫。義弟に会わなくていいのですか? 妻としては速く義弟に挨拶をしたいのですが」

 

 パンドラの言葉に違和感を覚えるもこちらに来ようとする恐らく同じファミリアに所属する少女たちに止められているベルを見据える素直になれない自分の創造主にシエテはやれやれと言った表情でルシファーの背中を押す。

 

「そうだよ、行ってきなよ。たった一人の肉親でしょ、僕らはルシフェルの指示に取り敢えず従っとくからさ」

「なら私も同行するわ。シエテの言った通りアストレア・ファミリアとは親交があるから。まあ、それがなくてもせっかくの兄弟の再会に水を差すような人たちではないと思うけど。どうやら他のファミリアに事情を説明しないといけないみたいだし」

「私も行こう。ルシファーの弟には興味がある」

「……好きにしろ」

 

 短く答えたルシファーはソーンとパンドラを連れてベルの居る方へと歩みを進める。

 ベルの方も少女たちにから拘束を解いてもらい、ルシファーの方へ走り寄る。その後ろから赤髪の少女も付いてくる。

 

「兄さ―――――ん!」

 

「……」

 

「兄さ――――ん!」

 

「……」

 

 二人の距離は段々と縮まっていき、両手を広げ笑顔でルシファーに抱き着こうと飛んだベル。

 あとはルシファーがベルを抱き留めてあげるだけだ。

 

 感動の再会にパンドラファミリアの本拠地にいるシエテ達や後ろに控えているソーン。

 さらには、ベルの後ろにいる赤髪の少女アリーゼやベルの主神であるアストレア、その他状況を察した人たちはウルっと涙ぐむ。

 

 距離が一メートルを切った。ルシファーの胸の中へと飛んだベルは今一度大きな声で兄の名前を呼んだ。

 

「ルシファー兄さ―――――」

 

「煩い」

 

 胸の中へと飛び込んで来るベルを、ルシファーは辛辣な言葉と共に容赦なく蹴り飛ばした。

 

「グホッ!?」

 

 蹴り飛ばされたベルは、吹き飛ばされ硬い地面に体を思いっきり打ち付けてゴロゴロと転がる。

 

 その光景に感動の再会だと涙ぐんでいた人々、神々は思わず啞然としてしまい驚きを隠せず次の瞬間。

 

 

「「「「え、ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」」」」

 

 

 パンドラファミリアを含めたオラリオ市民の大絶叫が響き渡った。

 




★名前
・シエテ

★所属
・パンドラ・ファミリア 幹部

★ステータス&スキル
 現在の推定レベルは7。

・エンブレーマ
 自身に攻撃力アップ+連続攻撃必中確率アップ。

・クオーレ・ディ・レオーネ
 仲間に魔法威力上昇付与。

・七星の煌めき(現在使用不可)
 自身、及び仲間の魔法及び攻撃威力を超超超アップ。
 自身、仲間が与えるダメージを超超超アップ。

★魔法
・剣拓
 剣の形をした魔力体を生み出す。強度は魔力量をいじることにより変えられる。ストック可能。
 ただし、生み出すには実物の剣に触れる必要がある。

・インフィニート・クレアーレ
 敵に超強力な風魔法を十発発射。

・ディエス・ミル・エスパーダ
 風属性の魔法を付与された無数の剣拓を敵に発射、双剣に超強力な風魔法付与。
 使用後の一定時間の間、仲間の攻撃力を超アップ

・シエン・ミル・エスパーダ
 風属性の魔法を付与された無数の剣拓を敵に発射、双剣に超強力な風魔法付与。
 使用後の一定時間の間、仲間の攻撃力を超アップ。敵の攻撃無力化(一度だけ)を付与。

・エスパーダ・ガラクシア
 超強力な風属性の魔法を付与された無数の剣拓を敵に発射、双剣に超超超強力な風魔法付与。
 使用後の一定時間の間、仲間の攻撃力を超超超アップ及び与えるダメージを超アップ。敵の攻撃無力化(一度だけ)を付与。


★武器
・剣拓
・双剣
・七星剣

★詳細
・ルシファーに造られた星晶獣、ヒューマンシリーズの一体で十種の武器の最強の使い手というテーマをコンセプトに作り出された十天衆、最強の剣士。
・基本的に何を考えているのかわからない飄々とした雰囲気を放っているが冗談を言うこと、人を翻弄して楽しむことが好きであるためベリアルとは意外と仲がいい。
・一方戦いやルシファーの目的になると性格は打って変わって冷静になり、最強剣士に恥じない力を発揮する。
・生粋の武器マニアでよくヘファイストス・ファミリアやゴブニュ・ファミリアの店によく行っている。
・因みに十天衆が着ているマントはシエテが用意したもので、十天衆のトレードマークかつ敬愛するルシファーのローブをオマージュしたものでルシファー大好き十天衆の皆は滅多なことがない限り脱がない。

四大天司の使徒登場はあり無し?

  • あり
  • なし
  • それより他キャラを出してくれ!
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