モンスターハンター~我が往くは終わり無き滅びとの闘争なりて 作:踊り虫
書き直しにつぐ書き直しで最初は1万文字行ってたのに総とっかえしたから5000字以下になったよ!()
仕事だるいけどガデテル楽しい。(なお対人要素は……)
パニグレに釘宮さんのキャラ来たぞ! 溜め込んだ券使ってあとは育成だ育成!
お、なんか面白い読者参加企画あるやん!そっちも設定組まなきゃ!
ルパンだ!小林さん引退……寂しくなるなぁ。大塚さんの次元も楽しみにしてます!
と言う感じで書き直しを繰り返し、逃げたりして過ごしてました。すみません(土下座)
戦いは、初手の不意打ちのように上手くは行かなかった。
「ぐ、オァァァ!」
――VAAAAA!
奴の吐く
デンホルムは恵まれた体格を持つが、俊敏さや器用さは持ち合わせていない。故に鍛えに鍛えた肉体による膂力と頑丈さこそが売りであり、対モンスターにおいては致死攻撃だけは避けながらも相打ち上等の当たった物勝ちの一撃を見舞うのが基本の戦術となる。
そして、
誘導性能のある
しかも巨体とは思えぬ敏捷性に加え突進力も持ち合わせていると来ている。
そして極めつけは狂竜症だ。
『
これに感染した場合、極短期間の潜伏期間を経て神経系・身体能力の異常、抵抗力の低下といった症状が現れます。その間は
龍歴院の学士の話が脳裏に過ぎった。
身体が重く、息苦しい。奴の黒い
その所為で身体が上手く動かず、攻撃を無理に当てに行ったがそれでも劣勢に追い込まれていることに変わりない。
これが、狂竜症、そして
(耐えよ、耐えるのだ!)
だが、倒れる訳にはいかない、とデンホルムは心を奮い立たせ、これまでの攻撃でまともに支えられなくなってきた足腰に渇を入れる。
どれだけ時間が経ったかなどわからないが、あの二人が負傷者を回収し撤退するまで、この怪物を抑えるのが己の役目。それまで注意をこちらに向け続けなければならない。
故に今はただ耐える。兵たちが無事に逃げ延びるその時まで耐えて、耐えて逆襲の機会を窺うのだ。
三連続の曲がる
だが、体勢が崩れ掛け、次の行動に繋げられない。
そしてその隙は奴に大技を出させるだけの空白を生みだす。
「――か……ァ」
重い。
そして外と内からの衝撃で意識が飛びそうになるのを必死に繋ぎとめる。
(まだ、だ! まだ、倒れんぞ!)
空へと飛び上がり様に起こす強風を大剣で受け止め、そのまま奴が吐く
更に滑空して飛び掛ってくる――好機!
デンホルムに出来るただ一つのことに肉体の全活力を注ぎ込む。
瞳に光が灯った。
では、どうやって空から地へと叩き落すのか。
やることはとてもシンプル――飛び込んでくるその憎たらしい面に今出来る渾身を叩き込む!
「――ァァァッ!」
瞬間、
シンプル、とは言ったが言うは易く行うは難し。普通は回避に専念するだろう。
しかし、上述した通り、デンホルムは器用な質ではない。相打ち上等。当たった物勝ちの一撃を狙う肉を切らせて骨を断つ玉砕戦術が基本となる。
もちろん失敗も多い。叩き付けた大剣すら跳ね除けられ、弾き飛ばされたことは両手の指の数でも足りないだろう。
だが、その経験こそが彼にこの選択肢を与え、そしてその選択肢を選んで尚怯まぬ精神力こそがデンホルム最大の武器だった。
しかし、そこまでだった。
地へ堕ち、足掻く
あと一歩踏み出すだけの活力も尽きた。悲鳴を上げ続けながらも苛烈な攻撃に晒され続けた肉体はもはや精神力で繋ぎ止めることも出来ない。
これが限界。デンホルム・ファルガムという男の出来る最後の足掻き。今、この場でこの怪物を討ち果たすには自分は余りにも力不足であることが口惜しい。口惜しいが――
(彼奴等は……無事、撤退、しただろう、か)
――彼が想うのは、
今回の出撃は、確かにアーサー様より許可を頂いた上での物でこそあったが、兵たちには己のわがままに付き合わせたような物。彼らも兵として国のために命を賭す覚悟はしているだろうが、実際に命を散らして欲しい訳では無い。
だから、彼らが無事に撤退できたのであれば、それで良い。
この怪物の情報がアーサー様に届けられたならば万全の体勢でこの怪物と戦えるようになる。頑なに存在を否定し続けたギルドマスターとて認め、一致団結できるようになるはずだ。
だから、これでいいのだ。
唯一の未練があるとすれば、今は訓練所におられる姫様の面倒を見ることが出来ないことか。
(申し訳ありません、姫様……このデンホルム、先にアダルバート坊ちゃまの下に……)
ぐらり、と膝から崩れ落ち、そのまま意識を手放した――
――次に、デンホルムが意識を取り戻した時には、全てが終わった後だった。
周囲を見渡せば木々がなぎ倒され、目の前には自分に背を向けて仁王立ちのまま微動だにしないレウス装備のハンターの姿。
身体を起こそうとして、しかし身体が思うように動かない。
(何が、あった。そもそもなぜこんな所に――)
この時、デンホルムは軽い記憶の混濁状態にあった。
自分がなぜここにいるのか。そもそもここに来る前に何があったのか、よく思い出せない。
(いっ、たい、なに、が――)
「――ディードさん、しっかり! ディードさん!」
少女が誰かに呼びかける声が聞こえ、顔を向ける。ただそれだけでも体中が軋み、悲鳴を上げるが、それでも彼からすれば唯一この状況を説明できる証人である。
その少女は、花を思わせる装衣を身に纏っている。その少女が腕で助け起こし、懸命に揺すっているのは血塗れの黒い衣に身を包んだ青年――
(……ッ!?)
デンホルムはその光景に目を疑った。
彼女たちに、ではない。
自身が目に掛けていた若い兵。カスクがフィラムを庇うように覆い被さったまま、彼女たちの傍で血を流し、動かないのだ。
「――ッ!」
デンホルムは叫ぼうとした。しかし叫びが吐き出されることはなかった。もはや、声が枯れ果てしまっている。
そして、気付いてしまった。
二人だけではない。他にも顔見知りの兵たちが糸の切れた人形のように倒れ伏しているのだ。
(何が、一体、何があったというのだ!? 思い出せ! 私は、私はなぜ――)
カスクとフィラム、二人と言葉を交わしつつ、丘陵地帯を捜索する自分たち――何を探していたのか。
空に打ち上げられた赤い信号弾――誰が上げたのか。
黒い竜と対峙する己、耐えに耐えて、そして渾身の一撃を叩き込み――
混濁する記憶からおぼろげに浮かび上がる断片を繋ぎ合わせて、最後には黒い竜との戦いに行き着く。
(――そこで力尽きて……まさか)
そこで理解する、してしまう。
彼らは自分を助けようとして、多くの犠牲を払いながらもここまで連れて来たのだ。
(なぜ助け……に――)
脳裏に赤い信号弾が過ぎった。ああ、そうか。赤い信号弾が打ち上げた理由を今になって理解した。
発見でも救援でもなく撤退の二文字を意味する赤――それを打ち上げた真意は、こうなってしまうことを恐れていたからか。
(なんという、ことだ)
己が身を顧みず、救援に赴いたこと自体はデンホルム自身の信念に関わることだ。後悔なんかしない。
――だが、彼らの命を預かるものとしては、大きな失策であったことは間違いない。
(私は、なんと、愚か――)
「――ベレッタさん! 応急処置を! 急いで! ユナさんは生存者の確認と応急処置をお願いします!」
毅然とした少女の声を最後に、デンホルムの意識は闇に沈んだ。
◇◇◇
あの日、ディードたちはギルドからの依頼でアブノトスの間引きを行っていた。
フィブルの街の食料関係は行商人が外から持ち込んでくるもので対応している。しかし今回の騒動で多くの商人が逃げ出し、備蓄はあれどいつまで持つかわからない状況だった。
そこで増えていたアブノトスを狩猟して街に肉を納品する依頼を積極的に請け負うことにしたのである。
――流石に
そうしてアブノトスを狩猟し集めた生肉を納品している最中のこと。アダイトが生肉を放り出して、走り出したのだ。
突然のことであっけに取られて見送ってしまったディードたちだったが、その先の丘陵地帯で赤い光が微かに見えた。
――ええ、デンホルムさんの部下が打ち上げたという信号弾です。
「アダイトを追う! クリス、納品頼んだ!」
「え、ディード様!?」
ディードの判断は迅速。納品するはずの生肉をクリスティアーネに押し付けてアダイトを追いかけた。
そもそも、声すらも掛けずに一人で駆け出す、というのは同期たちの中では若いながらも、まとめ役として動くことの多いアダイトらしからぬ反応。
冷静さを欠くだけの何かがあの信号弾にあることはわかっている以上追わない理由は無い。
だが、ここで予想外だったのは、アダイトの走力だ。剣斧と片手剣で重さが違うとはいえ、中々追いつけない。
仕方ない、とディードは口元に手をやり、そして指笛を吹く。甲高い音が周囲に鳴り響き――1分足らずで空を飛ぶ影を捉えた。
――実は例のG級ハンターは俺と同郷、兄弟子というべき人で、あの人が来ているなら、おそらく探索のために
――新大陸で活動するハンターたちは、その移動手段に新大陸特有の種である
――で、その種を持ち帰ってその繁殖と飼育を試行錯誤して成功させたのが、今はベルデ村で隠居してる元古龍調査団のハンターだった俺たちの師匠でね。ベルデ村のハンターたちは移動手段として翼竜を利用してるんだよ。
近づいてくる翼竜とすれ違い様に脚を掴んで飛び上がるとロープを脚にかけてぶら下がり、アダイトを追う。そして追いついた所で、新たな信号弾が打ち上げられた。それも同じ場所から幾つも。
急を要する、ということか。ディードは高度を落としつつ、アダイトに声を掛けた。
「アダイト! 走ってたんじゃ間に合わない! 掴まれ!」
「ディード!? ――わかった、頼む!」
アダイトが跳び、手を掴んで引き上げ、縄を掴ませる。
「手短に説明を頼む」
「あれはユベルブ公国騎士団の信号弾で、赤は撤退を意味してる! 救援よりも先にそれを打ち上げたってことはそれだけ危険な状況ってことだ! それよりこのモンスター、大丈夫なんだろうな!? 落ちたりしないか!?」
「カムラの里のガルクみたいなもんだ! 少なくともしっかりと装備しているハンター二人は余裕で運べる!」
流石に空の覇者たる
だが、アダイトはこのように返した。
「いや、上にユナも居たんだけど」
「……」
ディードは無言で上を見た。
翼竜の背中からこちらをジト目で覗きこむ小柄な少女の姿が見えた。
いつから着いて来てたのか、とか、そもそもいつ翼竜の背に乗ったのか、とか色々と疑問が沸く。
しかし口に出さず互いに見詰め合うこと数秒。
「……よし! 急ぐぞ! 振り落とされるなよ!」
ディードは見なかったことにした。
Tips
・デンホルムの実力
この時点でおそらく、下位の中でも半ば。レイアの手前ぐらいの中型のモンスターは個人で相手に出来る物として想定した上で、彼の性格を鑑みて小手先や機敏さとは無縁の人物であると判断。
最終的には頑丈な肉体と不屈の精神力で以って「肉を切らせて骨を断つ」が基本の玉砕戦法になっていました。
クロス、ダブルクロスなら狩技に「鉄鋼身」と「憤怒竜怨斬」を習得しているに違いない(マテ)
……なお大剣の基本に真っ向から喧嘩を売るスタイルになってる件は眼を瞑っていただけるとありがたいです。
・狂竜症について
捏造設定その1
ゲーム内では狂竜症の範囲内では毒のように体力が常時減っていくのと、
結果的に「体内の狂竜ウイルスが活性化して内から身体を破壊する」という方向性になりました。
・翼竜での移動
ワールドではハンターの移動に翼竜種と呼ばれるモンスターが使われており、例えば拠点からの出発時や、戻り玉を使ったり、一部フィールドに入った時なんかにその様子が見れますし、ムービーなんかでも使われてるのが見れます。
またフィールドの野生の翼竜に対しスリンガーを当てると操舵はできないものの引っ張ってもらうことができましたし、アイスボーンにおける実質ラスボスのミラボレアス戦でも翼竜種に捕まって一定時間飛び続けることが出来ました。
今回はその要素を利用した形。なお、過去作にあったかなぁ?と思っているけど全く調べてない件。