季節はもう冬。外を歩けば手がかじかんでしまうほどだ。外を出歩く者は防寒着を着こんでいる。そしてこの時期になるとカップルも増える。だからカップルが商店街を歩いていることは別に珍しい訳ではない。でもそんな中でも一組のカップルが周りの視線を集めている。これは男子の方も美男、女子の方も美女だからというのもあるが、女子の方がこれでもかと言うほどに男性の腕に抱き着いているからだ。
「ねぇ、アオイさん」
「何かな?」
「もうちょっと近づいてくれませんか?」
「でも、歩きずらくありませんか?」
今でもボクとハナビはそれなりに密着して歩いている。これでも歩きずらいと個人的に感じてしまうほど。
「全然。私はアオイさんを近くに感じたいんです。絶対に離れないように」
「そんな心配をしなくても離れないので大丈夫ですよ」
「でも~~私はアオイさんと一緒に居たいので」
ハナビは日に日に愛が重くなっているように感じるのはボクだけかな。
「分かったよ…」
なんでボクとハナビが外に繰り出しているのかについての説明をまだしてなかった。今日のボクたちはクリスマスパーティの準備のために外に買い物に来ているのだ。日向家でクリスマスパーティをすることが急に決まったのであんまり時間もない。
一応、日向家の血族の人たちとボクやナルトくんのように日向家の人と付き合っている人たちが集まる予定になっている。でも、忍である以上はいつ任務に向かうことになるか分からないので全員が参加できる可能性は極めて低いと思う。
「クリスマスパーティには何が必要かな。ハナビは何が必要だと思う?」
「私はアオイさんが側に居てくれるのなら何でもいいですよ。それに私はアオイさんと二人でクリスマスを過ごしたいです!」
「それはさすがに無理かな。ハナビのお父さんにそんなことをお願いしたらさすがに怒られちゃうと思うしね」
「え~~じゃあ、私の方からお父様に言うよ!」
なぜか、ハナビは二人で過ごすことにこだわりを持っているようだった。確かに婚約者と二人きりでクリスマスを過ごす人もいるかもしれないけど、折角ご家族からのお誘いがあるんだからね。
「今回は皆でクリスマスを過ごしましょう」
「え~~~」
隣のハナビを頬を膨らませてジト目でこちらを見ている。明らかに不満なのが伝わって来る。
「じゃあ、クリスマスイブの日に二人でどこかに行きましょうか?」
これで機嫌を直せるかは分からないけど、少しでもハナビの不安が取り除かれるといいな。
「それならいいよ!!アオイさんと二人きりでクリスマスイブ。ねぇねぇ、どこに行きますか!??遊園地とかでもいいですし、水族館とかもいいですよね~~ 二人で部屋で過ごすのもいいですよね~~」
ハナビは止まる事を知らないようでその後もずっとクリスマスイブの予定について話していた。ボクたちが外に繰り出した理由も忘れているようだった。