いちごは俺には甘酸っぱい。   作:積木パズル

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プロローグ

 恥の多い人生でした。

 これは嘘偽りなく本心からの言葉だ。

 いつでも死んでいいと思っていた。やり直したいとも。だがこんなことになるなんて思ってもみなかった。まさか、本当に一から人生を始めることになるなんて──。

 

 輪廻転生という概念がある。多分俺の現状はそんな感じだ。別の人間として生を受けている。しかし俺の知る輪廻転生と違う点が2つ、前世と思われる記憶があることと、俺が生きていた時代よりも過去の時間軸に生まれたことだ。あるいはこれは夢かもしれない、そう思わずにはいられなかった。

 

 疑問を持ちつつもすくすくと育った俺であったが、中学生になってからしばらく経った頃、衝撃の事実に気づいた。

 俺が今いるこの世界はどうやら生前に読んでいた漫画、いちご100%の世界らしい。

 

 これが夢なのか、それとも漫画の世界に入り込んでしまったのかは分からない。今までは現実感のないままふわふわと生きていたが、いよいよわけがわからなくなった。

 

 さて、なぜここがいちご100%の世界だと分かったかだが、単純な話、俺が通う中学校に西野つかさが居たからだ。

 言わずと知れたいちご100%のヒロイン、溌溂とした雰囲気をまとった金髪ショートの美少女、主人公の真中順平への一途な恋心といじらしさ、そして夢へのひたむきさを持った強い女の子だ。当時の少年たちはみんな彼女に恋していたのではないだろうか? 

 そんな西野つかさが俺の所属するバスケ部の試合を見に来たのだ。せっかく好きだった漫画の世界に転生し、好きなキャラクターと同じ中学でそかも同学年なのだ。これはなんとかしてお近づきになりたい! なんて、少し前の俺なら思ったのかもしれない。

 

 しかしだ、考えてもみて欲しい。生きることに絶望していた人間が突然新しい人生を与えられて前向きに生きることができるだろうか? ……まあ、できるか。人によるな、うん。俺も多少浮かれている部分はあるわけだしな。その浮かれもあってか、今は多少頑張って生きている。

 

 俺の精神は混沌の様相を呈しているのだ。転生したからには今度こそ全力で生きようとするでもなく、中途半端に前世での後悔を慰めるようにして生きている。何かしらやってると気も紛れるからな。むしろ何もない時間があると気が狂うんじゃないかと思い、寝る前は借りてきたビデオの映画を観ながら寝落ちするような生活だった。そのせいで周囲からは映画のために睡眠時間を削っている趣味人間だと思われている。

 そんな噂をどこからか聞きつけて、真中順平がわざわざクラスの違う俺に話しかけてくるようになったりもした。

 

 さて、そんなこんなで音楽をやってみたりダンスを習ったりと、多趣味なリア充みたいに生きているうちに、最後の公式戦を終えた中学3年の秋、真中順平が東城綾と出会った。

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