スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES 作:hayato0121
平日の早朝、香久矢まどかはいつものように自宅にある弓道場にて弓道の練習を行っていた。
そんなまどかの自宅の棚の中にはこれまでまどかが様々な分野で獲得してきたトロフィーや賞状が飾られていた。
そしてまどかの放った矢は見事に的のド真ん中を射抜いた。
「見事だ、まどか。これで、今年も優勝、頂点間違いなしだな。」
そんなまどかの姿を背後から気づかれないように近づいていたまどかの父、香久矢 冬貴が見ていてまどかにそう伝えた。
それからまどかは制服に着替えて、家族で朝食をとっていた。
「もうお出になられるのですか?」
「当然だ。上に立つ物が率先して動く行動で示さなければ部下はついてこない。良く覚えておきなさい。」
「はい。お父様。」
「でも今お帰りになったばかりで?」
「商店街近くでまた宇宙人騒ぎがあってな、その調査で忙しい。」
「宇宙人って、お仕事の話をしてよろしくて?『つみき』情報では?」
「お母様、それを言うなら『機密』情報」
「あら?わたくしったら・・・・」
「内閣府宇宙開発特別捜査局の局長である前に香久矢家の家長だ。香久矢の家に秘密は無い。なぁまどか?」
「はい。」
「で、どうだ最近は?」
「っ!」
そう聞かれた時、まどかは以前ひかる達と一緒にいたフワの事を思い出した。
「その・・・・」
しかし、まどかが何かを伝えようとした時に冬貴のスマホが鳴った。
「すまない。調査結果は・・・・何もでづか・・・・では捜索範囲を広げる・・・・そうだ。対象を匿う人間も視野に、宇宙人に味方する人間にも容赦はするな。」
父の会話をまどかは真剣に聞いていた。
そして学校に登校しながらひかる達はえれなにプリキュアやそれに関する事について説明していた。
「ふーん、聞けば聞く程プリキュアって大変だね。」
「うん!でも楽しいよ!なんたって宇宙にも行ったんだから」
「えぇ⁉︎ホント⁉︎」
「オヨ!」
「声が大きいでプルンス!」
ララのリュックになっていたプルンスが無理矢理ひかる達の前に出て注意をした。
「いいでプルンスか、プリキュアだって事は・・・・」
「わかってる、秘密だよね。」
「ルン!地球人に知られたら私達が異星人だって事がバレるかもしれないルン。」
「それに、宇宙は今、色々と大変なんだからそんな時に宇宙に行くのが楽しいとか言ってる場合じゃないぞひかる。」
「あはははっ、ごめん・・・・」
すると前方から大きな声が聞こえてきて、みんなそっちを向くと沢山の女子生徒達がえれなに近づいてきてこうた達はすぐに跳ね飛ばされてしまった。
「流石は観星中の太陽。」
「ホント凄い人気ルン。」
「あれじゃあ、芸能人とあんま変わらないぞ。」
「ごめんね。また後で。チャオ!」
「あっちも凄いルン。」
「え?」
ララはえれなとは別方向を見てララのセンサーもそちらを指しているとそっちではまどかの周りに女子生徒達が集まっていた。
「香久矢先輩、大人気!」
「当然ですわ!観星中の月ですもの!」
「ん?」
すると1人の女子生徒がひかる達の会話に割って入ってきた。
「香久矢まどか様、由緒正しきお家柄、香久矢家のご息女でお父様は政府の高官、お母様は世界的に有名なピアニスト。まどかさん自身も弓道とピアノの全国大会で優勝!華道も茶道も嗜んで、その腕前は師範顔負け!更に学校の成績も絶えずトップで生徒会長!そして、わたくしが越えねばならない存在!」
「はぁ」
「誰ルン?この説明的なセリフは?」
「同じクラスの姫ノ城さん。」
「へぇ」
会話に割って入ってきたのはひかると同じクラスの『姫ノ城桜子』さんだった。
「姫ノ城家21代目当主、この桜子!負ける訳にはいきませんわ!・・・・ん?」
すると姫ノ城は何か不思議そうな顔をしてララに近づいた。
「その奇妙なファッション、ウチの生徒ではなくて?」
「ル⁉︎違うルン!」
「でもどこかで会った気が・・・・」
「誰かと間違えているルン!」
「うん!ララは全然これっぽっちも入った事ないから!」
ララは顔を引き攣りながら何とか誤魔化そうとしていてひかるもそれに便乗していた。
そんな彼女達の姿をまどかも遠くから見ていた。
「あの子・・・・」
「っ‼︎ わたくしをジッとみて意識している。オーホッホホホ!英雄は英雄を知るということかしら!」
「オヨ〜」
「大丈夫かララ?」
「心臓に悪いルン。やっぱり学校は危険ルン。」
「まぁ、学校には沢山の人が集まるし、それにララは他の人と服も違うからある意味目立ちやすいのかも。」
「ルン。暫く学校に来るのはやめた方が良いかもしれないルン。」
「かもな」
姫ノ城が去ってララは緊張が解けて力も抜けた。
「ナイスな変形で来たでプルンスが、くれぐれもフワをよろしくでプルンス。」
「任せといて!」
そう言って星奈はプルンスの触手を軽く叩くと、その衝撃でプルンスはララの肩から外れて落ちてしまった。
「あ、ごめん」
「気を付けるでプルンス!」
すぐにプルンスは元の位置に戻り、こうた達はみんなで辺りを見渡して誰も見ていないか確認していた。
しかし、その一連の光景をまどかはしっかり見ていたのだった。
それからみんなそれぞれの教室へ向かいいつも通り授業を受けていた。
『宇宙人に味方する者には容赦はするな。』
まどかは今朝の父の言葉と自信が見た光景について考えていると・・・・
「香久矢?聞いてるか?」
「あ、はい!あの・・・・」
「先週の小テスト、100点は学年でただ一人、香久矢だけだ。」
先生がそう言うとクラス中が拍手喝采で包まれた。
「以上新入生歓迎会の報告でした。」
その日の放課後に行われた生徒会の会議で2年生の子がそう言って席に座ったが、まどかは考え事をしているのか何も反応を示さなかった。
「会長?」
「え?あ、ありがとうございます。今までで一番素敵な会だったと先生からもお褒めの言葉をいただきました。これも皆さんのおかげです。」
「生徒会長のおかげですよ。」
「ええ、香久矢さんがいたから私たち全員が纏まったんだよ!」
その言葉を受けて教室と同様に生徒会室でも拍手が響き渡る。その中で姫ノ城だけはまどかを睨みつけながら拍手をしていた。
場所は学校の校舎裏、ひかるがトゥインクルブックにミルクの絵を描くと、中からミルクが飛び出してきた。えれなはそれを見てとても驚いていた。
ひかるはそのミルクをフワに飲ませた。
「フワ!」
「へぇ、ミルクまで出るなんてこの本凄いんだね。」
「俺も最初に見た時は驚いたよ。」
「トゥインクルブック、キラやば~っ☆」
そんな3人の所にまどかが近づいてきたのに気づいたひかるは慌ててフワを後ろに隠した。
「っ!香久矢先輩⁉︎」
「どうしたの?」
「まどか、何かあったのか?」
「天宮さんとこうた君も星奈さんと何を?」
「えぇと、お喋り?」
「あぁ、少し話をしていただけだ。」
「香久矢先輩こそ、こんな所で何を?」
「わたくしはこの観星中学の生徒会長として、全てを把握する義務があります。星奈さん、こうた君、何か隠していませんか?」
「えぇ⁉︎これは、全然隠してない!」
「そうだぞまどか、少し落ち着けって」
「わたくしは至って冷静です。」
こうたはひかるに近寄るまどかの間に入って何とか誤魔化そうとしていたが、まどかはそのままひかるの背後に回り込むがそこには何もいかなかった。
「いない・・・・」
「「ふぅ・・・・」」
フワはトゥインクルブックの中に入る事で見つかる事はなかった。
「その本は?」
「これはその、わたしの大切な本で・・・・」
すると今度はひかるの持っている本にまどかは目をつけた。
「ごめんまどか。俺この後えれなの家のお店の仕事を手伝わないと行けないからさ、そろそろ行かなくちゃ行けないんだ。な、えれな?」
「そ、そうなんだよ。だからそろそろ帰らないと・・・・チャオ!」
「ごめんなまどか、話の続きはまた明日聞くから。」
「さ、さようなら。」
「バイバイフワ〜!」
するとフワはトゥインクルブックから出てきてまどかに別れの挨拶をしてしまった。
その瞬間、こうた達3人は完全に固まってしまいまどかまでもが驚いていた。
「えぇぇぇえええ⁉︎」
「おいおい・・・・」
「やっちまった・・・・」
「フワー!」
ただ1人、フワだけはとても満足そうな笑顔を見せていた。
それから自宅に帰って来たまどかは朝と同じく、弓道場にて弓道の練習をしていたのだか、今朝とは違って狙いはド真ん中どころかマト自体にも当たっておらず、狙いは完全に外れていた。
「・・・・・・・・」
そこでまどかは学校での出来事を思い出していた。
「パパが政府の偉い人?」
「わたくしには父に伝える義務があります。」
「宇宙人だってバレたらララもプルンスも地球にいられなくなっちゃうの!だから、誰にも言わないで!」
「フワ〜!」
「え?」
「フ〜ワ〜!」
するとフワは自らまどかの胸に飛び込みまどかもそれを優しく受け止めた。
「フ〜ワ!フワ!」
「んっ・・・・」
そしてまどかの胸の中でスリスリと身体を擦っているフワの姿を見てまどかは少し戸惑ってしまっていた。
「乱れているな」
とそこへ帰宅した冬貴がまどかに声をかけた。
「香久矢家の一員たる物、常に落ち着き、平常を保たなければならない。朝とは違う、学校で何かあったのか?あえて地元の学校に通わせたのは一般の普通の人の気持ちを知る為・・・・」
「わかっております。人々を知り、より多くの人を導く為に、お父様のご指示通りに生徒会長も務めてまいりました。」
「香久矢家は代々、人の上に立つのが定め、先々君は、数多の人々の上に立つのが勤め、たかだか学校毎で心を乱されてる場合ではないぞ。」
「はい。」
「私の言うとおりにすれば間違いない。」
「はい。」
それから夜になり、自身の部屋の窓から満月を見上げるまどか、彼女は今、一体何を考えているのか・・・・
次の日の朝、まどかはいつものように登校してきた。
そして・・・・
「まどか!」
「・・・・こうた君」
学校の廊下でまどかの背後からこうたがまどかを呼び止めた。
「少しいいか?」
「・・・・はい。」
その後2人は誰もいない生徒会室に入り、2人きりで話をする事にした。
「それで、話とは?」
「決まってるだろ。フワ達の事だ」
「その件については昨日も・・・・」
「確かに聞いた。けどそれは、本当にまどかの意思なのか?」
「・・・・どういう意味ですか?」
「まどかはお父さんに伝えるのが義務だって言った。じゃあまどかの気持ちはどうなんだ?」
「わたくしの?」
「あぁ。そこにまどかの意思はちゃんとあるのか?」
「その必要はありません。お父様は正しい。お父様の言う事に従えば間違いはないのです。」
「かもな・・・・けどさ、それで楽しいか?」
「楽しい・・・・ですか?」
こうたはまどかに背中を見せて窓から空を見上げた。
「俺は、毎日決められた道を歩くだけの人生なんて正直なんにも面白くないと思う。それなら失敗しても良いから自分の知らない道を歩いていきたいって思うんだ。」
「それは、貴方の考えであってわたくしは違います。わたくしには香久矢家の一員として上に立つ者の責任があります。そんなわたくしには失敗など許されない。だからわたくしはお父様の指示に従います。」
「そのお父さんが間違っていたらどうする?」
「・・・・何ですって」
こうたは再びまどかと向かい合って話をして、その言葉を聞いてまどかはこうたを睨みつけた。
「まどかはお父さんの考えが正しいって言うけどさ、もしそのお父さんの考え方が間違っていたらどうするんだ?」
「・・・・そのような事、言わないで下さい‼︎」
「まどか?」
ここで始めてまどかは大きな声をあげてこうたに対して怒りを見せた。
「貴方がお父様の何を知っているのですか?お父様の事を悪く言うなんて、いくらこうた君でも許しませんよ‼︎」
「・・・・良かった。」
「え?」
その予想外の言葉にまどかはポカンとした顔になった。
「今、まどかはお父さんの事を悪く言われて俺に怒っただろ。それは誰かに言われたからじゃなくて、まどかが自分の意思で怒ったんじゃないのか?」
「わたくしが、自分の意思で・・・・」
まどかは咄嗟の事だったとはいえ、突然の事で少し動揺していた。
「まどかには、ちゃんと自分の意思がある。それを知る事が出来て良かった。それを確かめる為とはいえ、お父さんの事を悪く言ってごめん。」
こうたはまどかに頭を下げてきちんと謝罪した。
「こうた君、もしかして貴方は・・・・その為に・・・・」
「それでまどか、今日の放課後って時間あるか?」
「放課後ですか?はい。大丈夫ですが・・・・」
「じゃあさ、ちょっと一緒に来てくれないか?」
「えぇ、構いませんけど・・・・」
(これは一か八かの賭けだ。けど、やるしかない!)
果たしてこうたは一体何を考えているのだろうか・・・・
To Be Continued
次回予告
再びまどかを説得しようと試みるこうた達
しかしそこへまたしても現れるノットレイダー
『父の教え』と『自分の意思』果たして、まどかの出した結論は・・・・
次回、『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』
第11話 これが私の本当に気持ち! キュアセレーネ誕生! 後編
次回も楽しみに!