スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES 作:hayato0121
星空界から遠く離れた場所に位置する誰も住んでおらず建物や自然もないただ荒れた大地のみが広がるまるで全てが滅び去ったかの様な星が存在した。その星には崖の下に大昔に作られたと思われる遺跡があり、その奥深くには何かが封印されていると思われる祠が設置されていた。その中にはソフトボールサイズの紫色の玉が供えられていたのだが、突然その球にヒビが入り始めると紫色の球が粉々に砕け散ってしまった。
その直後に遺跡内部で大きな地震が発生して遺跡が崩壊し始めると遺跡は跡形もなく崩れてしまった事にその時は誰も気づいていなかった。
「グオオオオオッ!」
その遺跡の奥深くで赤い眼を光らせながら邪悪な存在が蘇った事も含めて・・・・
一方、地球の観星町は既に夜中でみんな眠りについていた。
「んっ・・・・」
勿論こうたの家でお世話になっているユニも自身の部屋のベッドで眠っていたが突然うなされ始めた。
「何なの、ここ・・・・」
夢の中で私服を着て歩いていたユニだったが、周りは何故か禍々しい雰囲気に包まれていて警戒しながら進んでいた。
「っ!? こうた!」
するとユニは目の前にこうたが立っている事に気づいたが、そのこうたの表情は何処か元気がなくて落ち込んでいる様にも感じられた。
「どうしたの? 何があったの?」
ユニは必死にこうたへ呼びかけるがこうたは返事をせずにそのままユニに背中を向けると前に向かって歩き始めた。
「待って! っ!?」
ユニがこうたを追いかけようとすると彼女の足元が赤黒い雲の様な闇に包まれて身動きが取れなくなっていた。
「待って! 待ちなさい! こうたーーっ!」
ユニは必死に手を伸ばすがその手がこうたに届く事はなかった。そしてユニの視界がぼやけ始めると一気に目が覚めてユニは勢いよく上半身を起き上がらせた。
「ハッ!? ・・・・ハァ・・・・ハァ・・・・夢?」
ユニは右手で額を抑えて先程の夢を思い出していた。
「・・・・嫌な夢ね」
その日の夕方、ロケットを置いている森の中で突然現れたテンジョウとノットレイ達が一つになった巨大ノットレイを相手にスペース達は戦っていた。
「やっておしまい!」
「ノットレーイ!」
「やあーっ!」
「ノットレーイ!」
「うわあああっ!」
「スター!」
スターが巨大ノットレイに殴りかかるとそれに気づいた巨大ノットレイはスターを蹴り飛ばし、蹴り飛ばされたスターをソレイユが受け止めた。
「大丈夫?」
「ありがとう!」
「ルン!」
「ハアッ!」
その間にミルキーは電撃、セレーネは矢を放って巨大ノットレイを攻撃してその攻撃が巨大ノットレイのボディに命中した。
「ノットレーイ」
「怯むんじゃないよ! 攻撃だよ!」
「ノットレーイ!」
動きが鈍った巨大ノットレイにテンジョウは自身が持っていた団扇から歪んだイマジネーションを送り込んで巨大ノットレイに力を与えた。
「プリキュア・コスモシャイニング!!」
「ノット・・・・レーイ!」
コスモが技を放つが巨大ノットレイはコスモの技をボディで弾き飛ばした。
「そんな!?」
「良いわよ。その調子でやっておしまい!」
「ノットレーイ!」
「させるか!」
「スペース!?」
巨玉ノットレイが攻撃を始める前にスペースブル・アクアが彼女達の前に出て、スターがそれに驚いた。
『キワミクリスタル』
「セレクト! クリスタル!」
『兄弟の力を一つに!』
「纏うは極み! 金色の宇宙!」
『キュアスペースルーブ!』
スペースはルーブジャイロにキワミクリスタルをセットして力を解放した事でキュアスペースルーブへと変身するとルーブコウリンを呼び出した。
「ノットレーイ!」
「ルーブコウリン!」
それから巨大ノットレイから振り下ろされる拳をスペースはルーブコウリンで迎え撃ち、巨大ノットレイは回転するルーブコウリンの刃の部分に指が当たって痛がっていた。
「ノットレーイ!」
「何やってんだい! しっかりおし!」
テンジョウに怒鳴られた巨大ノットレイは近くにあった木を引っこ抜いてそれをスペースに投げつけるがスペースはループコウリンでそれを切り裂いて退けていたが、切り裂かれた木の一部が近くにいたスターとソレイユの所へ飛んで行ってしまった。
「っ!? ルーブコウリンブル!」
スペースはブルの力で高速移動してスターとソレイユの所へ先回りして飛んできた木の枝をルーブコウリンで弾き飛ばして2人を守った。
「大丈夫か?」
「大丈夫!」
「ありがとうスペース!」
「今だよ!」
「ノットレーイ!」
「っ!? 危ない!」
スペースがスター達の無事を確かめている所を狙ってテンジョウの指示で巨大ノットレイは再び木を投げつけるとそれに気づいたソレイユがスペースに危険を知らせた。
「っ!? この!」
スペースは間一髪の所で木をルーブコウリンで切り裂く事が出来たが、そのタイミングが遅かったのか切り裂かれた木の枝がスペースの右手の二の腕や右側の頬を掠ってそこから少しだが血が出ていた。
「くっ! ルーブコウリンロッソ!」
『高まれ! 究極の力!』
「プリキュア・ルーブボルテックバスター!!」
「ノットレーイ・・・・」
スペースが技を放つとそれを受けた巨大ノットレイは全身を光らせながら爆発すると元のノットレイ達に戻った。
「くぅ〜っ! またしても! 次こそは必ず・・・・」
テンジョウは悔しそうにしながらノットレイ達と共にワープホールを通って撤退した。
「みんな大丈夫?」
「はい」
「大丈夫ルン」
スターが他のメンバーに呼びかけるとセレーネとミルキーが返事をして全員が集まるとそれぞれ変身を解除した。
「いや〜っ、今回もこうたに助けられたでプルンスなぁ」
「ありがとうフワ!」
「どういたしまして」
「オヨ? こうた、そのほっぺどうしたルン?」
プルンスとフワがこうたの話をしているとララがこうたの頬に出来た何かで切ったような跡に気づいた。
「えっ? あぁ、多分さっきの戦いで切ったんだろうな。まぁほっといても大丈夫だろう」
「そんなわけないでしょ。ほら、早く戻って手当てするわよ」
「えっ? ちょっ!? ユニ!? わかった! わかったから手を引っ張るなって! ごめんみんな。またな!」
「オヨッ!? ユニ! 待つルン!」
しかしユニはこうたの手を掴んで引っ張りながら歩き出すとララも慌てて後を追いかけた。
その後、家に帰ったこうた達はユニが救急箱を持ってくると自宅の居間でこうたの怪我を消毒して絆創膏を貼って手当てを終えた。
「あいってててて・・・・」
「はい。おしまい」
「ったく、もう少し優しく・・・・」
「何か言ったニャン?」
こうたの言葉に反応したユニが笑顔でこうたの方を向くが、その笑顔が表面的なもので心の中では笑っていない事を悟ったこうたは全力で首を左右に振った。
「・・・・ねぇ、最近無茶すること増えてない? 怪我多いわよ」
「ん? 平気だって。これくらい全然大した事ないし」
「・・・・・・・・」
ユニはこうたに背中を向けた状態で消毒液などを救急箱にしまいながら不安な表情で自身の考えを話した。ここ最近、デラスト海賊団との戦いやユーマが暴走した直後の単独行動など、少しずつ自身の身体を顧みない戦い方をする事が増えていた。恐らくそれが理由で怪我が増えたのだとユニは考えていた。
「実は、私も同じ事を思ってたルン」
「ララも?」
そこへララも話に加わると彼女もユニと同じ事を考えていたと主張する。
「こうたが私達を守ろうとしてくれるのは嬉しいルン。でも、それは私も同じルン。私も、こうたの事を守りたいルン!」
「ララ・・・・」
ここでこうたは初めて自分の行動が彼女達を不安にさせている事に気づいた。
「ありがとな。けどホントに大丈夫だから心配しないでくれ。 さてと、父さんと母さんが帰ってくる前にやる事やっちゃいますか!」
こうたがそう言って居間から出て行く姿をララとユニは心配そうな表情で見送った。
その後こうたは自宅の風呂掃除を率先して行っていた。
「・・・・・・・・」
この時、こうたは頭の中で過去の出来事を思い出していた。それは自身の目の前でカリンが死んでしまった時の喪失感、目の前で誰かがいなくなる事で感じる悲しみや苦しみ、それが今になってもこうたの頭の中にずっと消えずに残っていた。
「(もう、あんな思いは二度としたくない。俺が、俺がみんなを守らないと・・・・)」
これが今までのこうたの行動理由。もう誰も失わない為に自分がみんなを守る。それが頭で考えるよりも先に彼の身体を動かしていた。
翌日、こうた達はロケット内で宇宙星空連合の代表、トッパーからの通信を受信した。
「えっ? 私達が?」
『うむ。是非ともプリキュアの事を知りたいと連絡があったのである』
トッパーの話によると宇宙星空連合が拠点の一つにしている惑星デルタムの研究員達の責任者を名乗る人物がプリキュアの事を知りたいから連れて来てもらえないかとトッパーに進言していて、それについてこうた達に相談する為に連絡してきたのだ。
「惑星デルタムって?」
『宇宙星空連合が拠点としている惑星の一つです。そこでは宇宙船の整備や補給、他にも宇宙ではまだ未解明なものを解明する為に様々な研究が行われています』
「ルン。サマーンでもその研究のお手伝いをする事があるルン」
「へぇ」
えれなが惑星デルタムとはどんな星か気になっているとロケットのパーソナルAIとララが説明してくれた。
『以前からこのような申し出はあったのであるがずっと断っていたのである。しかし最近は以前よりも申し出が多くなってきて拒否するのも難しくなっているのである。君達には申し訳ないが私も共に惑星デルタムに行ってほしいのである』
「わかった。行こう! 惑星デルタムへ!」
トッパーの申し出をひかるが承諾すると他のメンバーも賛同し、一行は月でトッパーの乗っているあの大きな宇宙船と合流するとひかる達も星空連合の宇宙船に乗り込んでフワのワープホールで星空界へ向かい、そこからは宇宙船のワープで惑星デルタムへと向かった。
「見えてきたのである」
「あれが、惑星デルタム」
「キラやば〜っ☆!」
そこはまるでアニメなどで登場する未来の都市のような大きな建物もあれば、鉄道の車庫基地みたいな場所もあった。そこでは沢山の星空連合の宇宙船が並んでいて整備や補給が行われているらしく、その光景にこうたは驚き、ひかるは目を光らせながら興奮していた。
そしてトッパー達の宇宙船が格納庫に着陸して一同が外に出るとこの星の責任者らしき星空連合の制服を着たミントグリーンの短髪に赤い眼鏡をかけた男性とその部下と思われる男女2人がトッパーとこうた達を出迎えた。
「これはこれはトッパー代表。ようこそ惑星デルタムへ。この度は私共の申し出を受けてくださりありがとうございます」
「うむ。貴殿の働きは私の所にも聞き及んでいるのである。貴殿の研究成果は我々星空連合に大きく貢献してくれているであるから、こちらこそ感謝しているのである」
そう言ってトッパーと男性は軽く挨拶しながら握手をした。
「皆、紹介するのである。彼の名前はリント博士。この星空連合における優秀な科学者である」
「みなさん初めまして。私はこの惑星デルタムの科学研究班で責任者を務めているリントと申します。以後お見知りおきを」
そう言ってリントは頭と上半身を下げてこうた達に挨拶をした。
「・・・・」
「?」
その時にリントは頭は動かさずに目の視線のみをこうたに向けるがそのこうた本人は何で見られているのか分かっていなかった。
「それでは行きましょう。別室を用意しているのでそこでじっくり皆さんのこれまでのお話しを聞かせてください」
その後、一行は建物内に用意された応接室へと移動するとそこでひかるが元気いっぱいにフワやララ達と出会った経緯やこれまでの出来事を簡単にだがリントに話した。
「成る程、そんな事があったのですか・・・・」
「トッパーさんから聞いてないんですか?」
「代表から私達に伝えられたのは伝説の戦士プリキュアが現れた事、その目的がこの星空界を救う事だとしか伝えられていませんでしたから」
「すまなかったのである。君達の地球での生活に影響を与えない為にも素性は伏せさせてもらったのである」
トッパーはひかる達の地球での暮らしを守る為にプリキュアの正体や普段は何処で暮らしているのかなどプライバシーに関する内容は公開せずにプリキュアが現れた事のみを星空連合のメンバー達に伝えていたのだ。
「気にしないでください。代表の考えは理解できましたしこちらこそ無理を言って申し訳ありませんでした」
「それで、どうして私達の事を知りたいって思ったの?」
ユニはリントに何故トッパーにプリキュアの事を知りたいと進言し続けたのかその理由を聞いた。
「それは、君達がどんな人達なのか。どんな思いでこれまで活動してきたのか。それが知りたかったからです」
「どうしてですか?」
「・・・・実は、私はこの宇宙の生まれではないんですよ」
「えぇ!?」
こうたが何故そう思ったのか理由を聞くとリントは自分が星空界で生まれたのでない伝えるとひかるは驚いた。
「私はこの星空界とは違う別の宇宙からやって来た所謂漂流者なんです」
「別の宇宙!? キラやば〜っ☆!」
別の宇宙という単語を聞いたひかるは興奮し、リントから話を聞こうとしていた。
「ねぇねぇ!リントさんがいた宇宙ってどんな所なの? そっちの宇宙にはどんな宇宙人がいるの!?」
「別に特別変わったものはありませんし、宇宙人と言っても様々な星の宇宙人がいましたが、私はそういった事に興味がありませんでしたからね」
「じゃあ貴方は前にいた宇宙では何をしていたルン?」
「私は機械を弄るのが好きだったので機械関係の仕事をしていました」
ララに質問されてリントは星空界に来る前の事を話し始めた。
「仕事をしながら私は充実した毎日を過ごしていました。ですが・・・・」
時は遡り、リントがいつもの様に職場で仕事をしていたある日・・・・
「ギャアアアアアッ!」
「私がいた星に突然宇宙怪獣が現れて全てを蹂躙し始めたのです」
リントがいた星に突然舞い降りた宇宙怪獣が町の建物や逃げ惑う人々に襲いかかった。
「私はもうダメだと諦めていました。しかしその時・・・・」
「シュワッチ!」
諦めていたリントの目に映っていたのは宇宙怪獣と戦うグレーの身体に赤いラインが入った巨人の姿だった。
「その巨人は宇宙怪獣を倒すとすぐにその場から飛び去って行きました」
「かっちょイイ! ねぇねぇその巨人って正義の味方なの?」
「私もその時は良く知らなかったのですが、後で調べたらその巨人はウルトラマンと呼ばれる光の巨人である事がわかったんです」
「ウルトラマン!?」
ウルトラマンという単語にこうたが食いついた。
「貴方は、実際にウルトラマンに会った事があるんですか!?」
「いや、私の場合は会ったというより目撃したという言い方の方が正しいでしょうね。私はウルトラマンの人々を守りながら戦う姿に魅了されてしまい、こんな私にも何か出来るかもしれない。そう思った私はその時まで働いていた仕事も辞めて宇宙の平和の為にと様々な研究や開発、貧しい人々への支援活動を行っている団体に加入して活動を始めました」
リントはその団体に加入してから研究や開発は勿論、実際に現地へ行って壊れた機械の修理など様々な活動を行い人々の為にと奔走した。
「そうして私が団体に加入してから2年が経った頃でした。自分達がいる星から簡単に遠くの星へ行く為のワープシステムの実験中にトラブルが起きてその場に小さなワームホールが発生すると私はそれに飲み込まれてしまい、気がついたらこの星空界にいました。その後は運良く星空連合の方に保護されて今に至るという感じですね。だからどうしても知りたかったんです。皆さんがどんな思いでこの宇宙の為に戦っているのか、皆さんという人物がどんな人達なのかを直接話をする事で知りたかったんです。すみませんね長々と自分の事ばかり話してしまって・・・・っ!?」
リントが長々と自分の事ばかり話して申し訳なく思っているとそれを聞いていたひかるとララが涙目でうるうるしながらリントの事を見ていた。
「リントさん偉い! 凄く偉いよ!」
「感動したルン!」
「いやいや、私の頑張りなんてウルトラマンや皆さんの頑張りに比べたら微々たるもので・・・・」
「ですが、1人でも多くの人を救おうと行動したその意思、尊敬します!」
「うんうん! みんなの笑顔の為に頑張ったんだもん。本当に凄いよ!」
ひかるやララだけでなくまどかやえれなもリントの話に感動していた。
「俺もリントさんの様に1人でも多くの人達を助けられる様に頑張ります!」
「あ、ありがとうございます」
そこにこうたも加わり、絶賛されるリント自身はこんなに褒められるのは慣れておらず照れていた。
「そうだ! もし宜しければ私の研究成果を幾つか皆さんにお見せしましょう」
「ホント!?」
「是非見たいルン!」
ビーーッ! ビーーッ! ビーーッ!
『っ!?』
リントの申し出にひかるとララが喜んでいると突然の警告音が部屋の中に響き渡った。
To Be Continued
次回予告
こうた達に突然齎された緊急事態発生の知らせ・・・・
しかしそれはこれから起こる悪夢の序章にすぎなかった。
次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』
第110話 迫り来る危機
次回もお楽しみ!
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